数検準1級
二次(数理技能)対策・総合 — 記述のコツと2級範囲の融合 β版
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この章で学ぶこと
二次(数理技能)では、 答えだけでなく 方針と計算の過程 を書きます。 これまでの内容を総合し、 記述のコツをつかみます。
- 二次(記述)で点をのがさない答案の書き方
- 微分積分・複素数・漸化式の総合問題
- 2級範囲(指数関数・対数関数・三角関数)との融合
ポイント: 二次では 「どんな定理・公式を使うか」 を最初に書くと、 方針が伝わり部分点が得やすくなります。 途中式をていねいに残しましょう。
1. 記述答案の書き方
- 使う 定理・公式 を明記する(例: 「部分積分を用いる」)
- x とおいた 設定 を最初に書く
- 増減表・図 で説明できるものは図示する
- 最後に 「したがって ○○」 と結論 を明確に書く
2. 微分・最大最小の総合
例題: 0≤x≤π における f(x)=x+2cosx の最大値と最小値を求めよ。
f′(x)=1−2sinx。 f′(x)=0 より sinx=21、 0≤x≤π では x=6π, 65π。
| x | 0 | ⋯ | 6π | ⋯ | 65π | ⋯ | π |
|---|
| f′(x) | | + | 0 | − | 0 | + | |
| f(x) | | 増 | 極大 | 減 | 極小 | 増 | |
各点の値を求めます。
f(6π)=6π+2⋅23=6π+3≈0.524+1.732=2.256,
f(65π)=65π+2⋅(−23)=65π−3≈2.618−1.732=0.886,
f(0)=0+2=2,f(π)=π+2cosπ=π−2≈1.142.
端点と極値を比べると、 最大は f(6π)=6π+3≈2.256、 最小は f(0)=2 … ではなく、 最小候補をすべて比較します。 値は 2.256, 0.886, 2, 1.142 なので、 最大値は 6π+3(x=6π)、 最小値は 65π−3(x=65π) です。
検算: 数値で 2.256>2>1.142>0.886。 最大2.256、 最小0.886 で確かに極大・極小が端点より外側になっている。 正しい。
3. 漸化式と極限の融合
例題: a1=4, an+1=21an+1 で定まる数列について、 一般項と n→∞liman を求めよ。
特性方程式α=21α+1 より 21α=1、 α=2。 よって an+1−2=21(an−2)。 {an−2} は初項a1−2=2、 公比21 の等比数列なので
an−2=2(21)n−1,an=2+2(21)n−1=2+(21)n−2.
(21)n−1→0 なので n→∞liman=2。
検算: a1=2+2⋅1=4(○)。 a2=2+2⋅21=3、 漸化式から 21⋅4+1=3(一致)。 極限2 は特性方程式の解に一致。 正しい。
4. 2級範囲との融合(対数)
例題: 不等式log2(x−1)+log2(x+1)<3 を解け(真数条件に注意)。
真数条件は x−1>0 かつ x+1>0、 すなわち x>1。 左辺は log2{(x−1)(x+1)}=log2(x2−1)。 3=log28 なので、 底2>1 より
x2−1<8 ⟹ x2<9 ⟹ −3<x<3.
真数条件x>1 と合わせて、 1<x<3。
検算: x=2 を代入すると log21+log23=0+log23≈1.585<3(成立)。 x=3 では x2−1=8 で等号となり範囲外。 正しい。
どう問われるか
- 二次は記述です。 方針(使う定理)・設定・増減表・結論を順に書きます。
- 微分の最大最小は、 極値と端点の両方 を比べるのが鉄則です(端点を忘れない)。
- 漸化式と極限、 対数・三角関数を含む融合問題が出ます。 真数条件・定義域の確認を怠らないことが大切です。
よくまちがえるところ
二次(数理技能)では、 計算はできているのに 条件の確認もれ と 結論の書き落とし で減点されます。
| まちがい | 例 | 直し方 |
|---|
| 端点を調べずに最大最小を答える | 0 ≦ x ≦ π で x + 2cos x の極大値だけを見て最大値とする | 極値と両端 x = 0、 x = π の値をすべて比べる |
| 真数条件・定義域を後回しにする | log の不等式で -3 < x < 3 だけを答える | 先に真数条件 x > 1 を出し、 最後に共通部分 1 < x < 3 |
| 底が 1 より小さい対数で不等号の向きをそのままにする | 底が 1/2 の不等式で真数の大小をそのまま使う | 底が 0 と 1 の間なら不等号の向きが逆になる |
| 結論を書かずに終える | 増減表を書いたところで答案を終える | 「したがって最大値は ...」 と文で結ぶ |
いちばん多いのは 端点の見落とし です。 閉区間での最大最小は、 極値だけでなく端点でも起こります。 実際 0 ≦ x ≦ π での f(x) = x + 2cos x は、 極大値が約 2.256(x = π/6)、 極小値が約 0.886(x = 5π/6)、 端点が f(0) = 2 と f(π) ≒ 1.142 です。 このとき最大は極大値、 最小は極小値ですが、 関数や区間が変われば端点が最大・最小になることもよくあります。 候補は極値と端点の全部、 と決めて表に並べてから比べてください。
たしかめ方
総合問題では、 求めた答えを別の見方で確かめます。
| 求めたもの | たしかめ方 | 合っていれば |
|---|
| 不等式の解 | 範囲の内側と外側の値を代入する | 内側で成り立ち、 外側で成り立たない |
| 漸化式の一般項 | n = 1, 2, 3 を代入して漸化式と比べる | どの項も漸化式を満たす |
| 数列の極限 | 特性方程式の解と比べる | 収束するとき極限は特性方程式の解 |
| 最大値・最小値 | 候補の値を小数にして並べる | 大小の順序が増減表と合う |
| 定積分の値 | 原始関数を微分して戻す | 被積分関数に戻る |
たとえば a_1 = 4、 a_(n+1) = (1/2)a_n + 1 の一般項を a_n = 2 + 2 × (1/2)^(n-1) と求めたら、 n = 1 で 2 + 2 = 4、 n = 2 で 2 + 1 = 3 となり、 漸化式の (1/2) × 4 + 1 = 3 と一致します。 さらに極限は 2 で、 特性方程式 α = (1/2)α + 1 の解 α = 2 とも一致します。 2 通りの検算がそろって初めて安心 できます。
大事: 記述では、 条件の確認そのものが得点になります。 「真数条件より x > 1」 「f は閉区間で連続だから最大値をとる」 のように、 使った条件を 1 行で書き添えてください。 計算が途中で止まっても、 方針と条件が書いてあれば部分点になります。
自分でチェック
- 閉区間の最大最小で極値と端点をすべて比べられる
- 対数・分数式で定義域や真数条件を先に書ける
- 底が 1 より小さい対数で不等号の向きを変えられる
- 一般項を n = 1, 2, 3 の代入で検算できる
- 答案を 「したがって ...」 の結論で締めくくれる
まとめ
- 二次は 「方針 → 設定 → 計算 → 結論」 の順で記述する
- 最大最小は極値と 端点 をすべて比較する
- 漸化式の極限は特性方程式の解に一致する
- 対数・三角を含む融合では真数条件・定義域を最初に確認する
これで数検準1級の教材はひと通り終わりです。 各章の例題をくりかえし解き、 一問一答や問題集で力を確かめましょう。
※ 「数検」「実用数学技能検定」 は公益財団法人日本数学検定協会の登録商標です。 この教材は非公式の学習教材であり、 合格を保証するものではありません。