図形の性質 — 円・三角形の五心・方べきの定理
最終確認日:
この章で学ぶこと
数Aの図形分野です。 三角形と円の性質を使って、 長さや角を求めます。
- 三角形の五心 (重心・内心・外心・垂心・傍心)
- 角の二等分線の性質
- 円周角の定理・接弦定理
- 方べきの定理
ポイント: 三角形の五心はそれぞれ 「何の交点か」 が決め手です。 重心=中線の交点、 内心=内角の二等分線の交点、 外心=各辺の垂直二等分線の交点。
1. 三角形の五心
| 心 | 交点 | 性質 |
|---|---|---|
| 重心 | 3本の中線 | 各中線を頂点側から に内分 |
| 内心 | 3つの内角の二等分線 | 内接円の中心 (各辺から等距離) |
| 外心 | 各辺の垂直二等分線 | 外接円の中心 (各頂点から等距離) |
| 垂心 | 各頂点からの垂線 | — |
例題1: 三角形 の重心を 、 辺 の中点を とする。 のとき の長さを求めなさい。
解答: 重心は中線 を頂点側から に内分するので 。 。 検算: 、 で一致。
2. 角の二等分線の性質
三角形 で、 角 の二等分線が辺 と交わる点を とすると、
例題2: 三角形 で 、 、 。 角 の二等分線と の交点を とするとき、 の長さを求めなさい。
解答: 。 を に分けるので 。 検算: 、 で一致。
3. 円周角の定理
同じ弧に対する円周角は等しく、 その弧に対する中心角の半分です。 直径に対する円周角は です。
例題3: 円周上の弧 に対する中心角が のとき、 同じ弧に対する円周角の大きさを求めなさい。
解答: 円周角は中心角の半分なので 。
4. 方べきの定理
円の弦 と (またはその延長) の交点を とすると、
点 から円に引いた接線の接点を 、 割線が円と交わる点を とすると、
例題4: 円外の点 から接線 を引き、 割線が円と 、 で交わる (、 )。 接線の長さ を求めなさい。
解答: 。 方べきの定理より 。 よって 。 検算: で一致。
どう問われるか
- 五心は 「何の交点か」 と 「重心の 」 が頻出。 重心の比は確実に。
- 角の二等分線の比 は線分の長さ問題でよく使います。
- 方べきの定理は交点・接点の位置をていねいに図示し、 どの線分の積かを取り違えないようにします。
よくまちがえるところ
図形の性質は覚えることが多く、 どの点か・どの線分か の取りちがえが失点になります。
| まちがい | 例 | 直し方 |
|---|---|---|
| 重心の比を逆にとる | 中線 AM = 9 のとき AG = 3 とする | 頂点側が 2 なので AG = 6、 GM = 3 |
| 内心と外心を取りちがえる | 「3つの頂点から等距離の点」 を内心とする | それは外心。 内心は3つの辺から等距離 |
| 角の二等分線の比を辺と対応させない | AB = 6、 AC = 4 のとき BD : DC = 4 : 6 とする | BD : DC = AB : AC = 3 : 2 |
| 方べきの定理で線分を取りちがえる | PA = 4、 AB = 5 のとき PT² = 4 × 5 とする | PT² = PA × PB = 4 × 9 = 36 |
いちばん多いのは 方べきの定理の線分の取りちがえ です。 かけ合わせるのは、 どちらも 点 P から測った長さ です。 PA = 4、 AB = 5 のときの相手は AB ではなく PB = PA + AB = 9 になります。 図をかいたら P からのばした矢印を2本引き、 その先端までの長さを書きこんでから式を立てると防げます。
円の問題でどの定理を使うか
| 図で見えているもの | 使う定理 | 分かること |
|---|---|---|
| 同じ弧に対する2つの角 | 円周角の定理 | 2つの角は等しい |
| 弧に対する中心角と円周角 | 円周角の定理 | 円周角は中心角の半分 |
| 直径とその上にない円周上の点 | 直径に対する円周角 | その角は 90° |
| 円に内接する四角形 | 内接四角形の性質 | 向かい合う角の和は 180° |
| 接線と接点を通る弦 | 接弦定理 | その角は弦に対する円周角に等しい |
| 円外の1点から出た2本の直線 | 方べきの定理 | PA × PB = PC × PD、 接線なら PT² = PA × PB |
大事: 円に内接する四角形では、 1つの内角は向かい合う内角の外角に等しくなります。 角度を求める問題では、 180° から引く形と外角をそのまま使う形の両方が使えます。
自分でチェック
- 重心が中線を頂点側から 2 : 1 に分けると言える
- 内心は辺から、 外心は頂点から等距離だと区別できる
- BD : DC = AB : AC を使って線分の長さを求められる
- 直径に対する円周角が 90° だと言える
- 方べきの定理で P から測った長さどうしをかけると言える
まとめ
- 五心: 重心 (中線・)、 内心 (内角二等分線・内接円)、 外心 (垂直二等分線・外接円)
- 角の二等分線:
- 円周角 = 中心角の半分、 直径に対する円周角は
- 方べきの定理: 、 接線なら
次章では、 数Aの 場合の数と確率 を学びます。
学習ロードマップ(10件)
ほかの分野の練習もチェック
数と式(展開・因数分解・実数・1次不等式) 一問一答
展開・因数分解・実数・1次不等式の計算を確認する一問一答です。
集合と命題(必要・十分条件) 一問一答
集合・命題・必要十分条件を確認する一問一答です。
二次関数(グラフ・最大最小) 一問一答
二次関数のグラフ・頂点・最大最小を確認する一問一答です。
二次方程式の判別式・二次不等式一問一答
判別式・解と係数の関係・二次不等式を確認する一問一答です。
三角比(正弦定理・余弦定理・面積) 一問一答
三角比・正弦定理・余弦定理・面積を確認する一問一答です。
場合の数と確率一問一答
順列・組合せ・確率・期待値を確認する一問一答です。
整数の性質(互除法・n進法) 一問一答
約数・互除法・n進法を確認する一問一答です。
データの分析・二次対策一問一答
分散・標準偏差・四分位数・相関係数を確認する一問一答です。
数検準2級総合問題集
数検準2級レベル(高校1年程度・数I+数A)の全範囲を本試験形式でまとめて確認する総合問題集です。一次(計算技能)相当20問と二次(数理技能)相当20問の計40問で力だめし。