この章で学ぶこと
二次関数のグラフと結びつけて、 二次方程式・二次不等式を解きます。
- 解の公式
- 判別式 D=b2−4ac による実数解の個数
- 解と係数の関係
- 二次不等式の解き方 (グラフとの対応)
ポイント: 二次方程式ax2+bx+c=0 の判別式 D=b2−4ac で実数解の個数が決まります。 D>0 なら2個、 D=0 なら1個 (重解)、 D<0 なら0個 (実数解なし)。
1. 解の公式と判別式
二次方程式ax2+bx+c=0 (a=0) の解は
x=2a−b±b2−4ac
ここで 判別式 D=b2−4ac が実数解の個数を決めます。
| D の符号 | 実数解の個数 |
|---|
| D>0 | 異なる2つの実数解 |
| D=0 | ただ1つの実数解 (重解) |
| D<0 | 実数解なし |
例題1: 二次方程式x2−4x+k=0 が重解をもつとき、 定数k の値を求めなさい。
解答: 重解の条件は D=0。 D=(−4)2−4⋅1⋅k=16−4k=0 より k=4。
検算: k=4 のとき x2−4x+4=(x−2)2=0 で x=2 (重解)。 一致。
2. 解と係数の関係
ax2+bx+c=0 の2解を α,β とすると、
α+β=−ab,αβ=ac
例題2: x2−5x+2=0 の2解を α,β とするとき、 α2+β2 の値を求めなさい。
解答: α+β=5、 αβ=2。
α2+β2=(α+β)2−2αβ=52−2⋅2=25−4=21。
3. 二次不等式
二次不等式は、 対応する二次関数のグラフが x軸の上にあるか下にあるかで解きます。 ax2+bx+c=0 (a>0) の解を α<β とすると、
- ax2+bx+c>0⟺x<α または x>β (放物線が x軸より上)
- ax2+bx+c<0⟺α<x<β (放物線が x軸より下)
例題3: 二次不等式x2−x−6<0 を解きなさい。
解答: 左辺を因数分解すると (x−3)(x+2)<0。 これより −2<x<3。
検算: x=0 を代入すると 0−0−6=−6<0 で成立。 x=4 なら 16−4−6=6>0 で不成立。 よって −2<x<3 が正しい。
例題4: すべての実数x で x2+2x+k>0 が成り立つような定数k の範囲を求めなさい。
解答: 下に凸の放物線がつねに x軸より上 → グラフが x軸と交わらない → D<0。
D=22−4⋅1⋅k=4−4k<0 より k>1。
どう問われるか
- 「重解をもつ」「異なる2つの実数解をもつ」「実数解をもたない」 はすべて判別式の条件に翻訳します。
- 二次不等式は 因数分解 → グラフの上下 が基本。 a<0 のときは両辺に −1 をかけて a>0 にしてから考えると安全です。
- 「すべての x で成り立つ」 はグラフが x軸と交わらない条件 (D<0) に対応します。
まとめ
- 判別式 D=b2−4ac。 D>0:2解、 D=0:重解、 D<0:解なし
- 解と係数の関係: α+β=−b/a、 αβ=c/a
- 二次不等式は因数分解してグラフの上下で解く
- 「つねに正」 は a>0 かつ D<0
次章では、 図形の計量の基本となる 三角比 (正弦定理・余弦定理・面積) を学びます。