集合と命題 — 必要条件・十分条件
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この章で学ぶこと
数学を 「正しく述べる」 ための論理の章です。 二次関数や整数の証明でも土台になります。
- 集合の表し方と 共通部分 ・和集合 ・補集合
- ド・モルガンの法則
- 命題の真偽と反例
- 逆・裏・対偶
- 必要条件・十分条件・必要十分条件
ポイント: 「 が真」 のとき、 は であるための 十分条件、 は であるための 必要条件 です。 矢印の 出るほう (左) が十分・入るほう (右) が必要 と覚えます。
1. 集合
ものの集まりを集合といいます。 集合, について、
- 共通部分 … にも にも属する
- 和集合 … または に属する
- 補集合 … 全体集合の中で に属さない
ド・モルガンの法則:
例題1: 全体集合を 、 (偶数)、 (3の倍数) とする。 と を求めなさい。
解答: (両方に属するのは6だけ)。 。 検算: 要素数は 。 は7個で一致。
2. 命題と真偽
正しいか正しくないかが決まる文を命題といいます。 命題が偽であることを示すには、 成り立たない例 (反例) を1つ挙げれば十分です。
例題2: 命題 「 ならば である」 の真偽を調べなさい。
解答: 偽。 反例は 。 このとき だが ではない。
3. 逆・裏・対偶
命題 「」 に対して、
| 名称 | 形 |
|---|---|
| もとの命題 | |
| 逆 | |
| 裏 | |
| 対偶 |
重要: もとの命題と対偶の真偽はつねに一致します。 直接示しにくいときは対偶を示す (対偶証明) と楽になります。
4. 必要条件・十分条件
が真のとき:
- は であるための 十分条件
- は であるための 必要条件
と がともに真 () のとき、 は であるための 必要十分条件 です。
例題3: 「」 は 「」 であるための何条件か。
解答: は真。 逆 は偽 ( が反例)。 よって 「」 は 「」 であるための 十分条件 だが必要条件ではない。
どう問われるか
- 集合はベン図を描いて要素を数える、 または を使う問題が出ます。
- 必要・十分条件は 両方向の矢印の真偽 を確かめるのが鉄則。 片方だけ真なら 「必要のみ」 か 「十分のみ」 です。
- 「偽」 を示すときは必ず反例を1つ挙げます。
よくまちがえるところ
この分野は計算がない分、 ことばの向き をまちがえると全部が反対になります。
| まちがい | 例 | 直し方 |
|---|---|---|
| 必要条件と十分条件を逆にする | 「x = 3」 は 「x² = 9」 であるための必要条件と答える | 矢印の出るほう (左) が十分条件 |
| 偽と答えるだけで反例を書かない | 「x² = 4 ならば x = 2」 を偽とだけ書く | x = -2 という反例を1つ書く |
| 逆と対偶を取りちがえる | p ⇒ q の対偶を q ⇒ p とする | 対偶は 「q でない ⇒ p でない」 |
| ド・モルガンで ∩ と ∪ を変えない | A ∪ B の補集合を 「A の補集合 ∪ B の補集合」 とする | ∩ に変わる |
いちばん多いのは 必要と十分の取りちがえ です。 「p は q であるための○○条件」 と聞かれたら、 主語は p、 相手は q です。 p ⇒ q が真なら p は十分条件、 q ⇒ p が真なら p は必要条件。 集合で考えると分かりやすく、 p を満たすものの集合 P が q を満たすものの集合 Q にすっぽり入る (P ⊂ Q) とき、 p は q であるための十分条件です。 「小さいほうが十分」 と覚えると迷いません。
必要条件・十分条件の調べ方
| 順番 | やること | 例 (p は 「x = 3」、 q は 「x² = 9」) |
|---|---|---|
| 1 | p ⇒ q が真か調べる | x = 3 なら x² = 9 なので真 |
| 2 | q ⇒ p が真か調べる | x = -3 が反例なので偽 |
| 3 | 下の表にあてはめて答える | 真と偽の組なので十分条件 |
| p ⇒ q | q ⇒ p | p は q であるための |
|---|---|---|
| 真 | 真 | 必要十分条件 |
| 真 | 偽 | 十分条件 (必要条件ではない) |
| 偽 | 真 | 必要条件 (十分条件ではない) |
| 偽 | 偽 | どちらでもない |
大事: 片方の向きだけを確かめて答えを決めてはいけません。 かならず両方の向きを調べ、 偽のほうには反例を書きそえます。
自分でチェック
- 「p は q であるための」 の主語が p だと分かる
- p ⇒ q が真のとき p が十分条件だと言える
- 命題が偽であることを反例1つで示せる
- p ⇒ q の対偶が 「q でない ⇒ p でない」 だと書ける
- ド・モルガンの法則で ∩ と ∪ が入れかわると言える
まとめ
- 集合: (かつ)・ (または)・ (補集合)、 ド・モルガンの法則
- 命題が偽 → 反例を1つ挙げる
- もとの命題と対偶の真偽は一致する
- 十分 ( の左) ・必要 ( の右)、 両方真なら必要十分
次章では、 数Iの中心となる 二次関数 (グラフ・最大最小) を学びます。
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