数検2級
三角関数(加法定理・合成)
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この章で学ぶこと
直角三角形の比から始まった三角比を、 角を自由にとれる三角関数へ拡張します。 波の表現や図形の応用に欠かせません。
- 弧度法(ラジアン)による角の表し方
- 三角関数の相互関係 sin2θ+cos2θ=1
- 加法定理と2倍角の公式
- 三角関数の合成
ポイント: 加法定理はすべての公式の出発点です。 「サインはサイコス・コサイ、 コサインはコスコス・サイサイ(符号は逆)」のように覚えると、 2倍角も合成もここから導けます。
1. 弧度法
半径と同じ長さの弧に対する中心角を 1ラジアンとします。 180°=π ラジアンです。
| 度数法 | 30° | 45° | 60° | 90° | 180° |
|---|
| 弧度法 | 6π | 4π | 3π | 2π | π |
2. 相互関係
sin2θ+cos2θ=1,tanθ=cosθsinθ.
例題1: θ が鋭角で sinθ=53 のとき、 cosθ を求めよ。
解答: cos2θ=1−sin2θ=1−259=2516。 鋭角なので cosθ>0、 cosθ=54。
3. 加法定理
sin(α±β)=sinαcosβ±cosαsinβ,
cos(α±β)=cosαcosβ∓sinαsinβ.
例題2: sin75° を求めよ。
解答: 75°=45°+30° として
sin75°=sin45°cos30°+cos45°sin30°=22⋅23+22⋅21=46+2.
2倍角の公式は加法定理で β=α とすると得られます。
sin2θ=2sinθcosθ,cos2θ=cos2θ−sin2θ=1−2sin2θ.
例題3: sinθ=53, cosθ=54 のとき sin2θ を求めよ。
解答: sin2θ=2⋅53⋅54=2524。
4. 三角関数の合成
asinθ+bcosθ=a2+b2sin(θ+α).
例題4: sinθ+3cosθ を rsin(θ+α) の形にせよ。
解答: r=12+(3)2=4=2。 cosα=21, sinα=23 より α=3π。 よって 2sin(θ+3π)。
(検算) 2sin(θ+3π)=2(sinθ⋅21+cosθ⋅23)=sinθ+3cosθ。 ✓
どう問われるか
- 一次では sin75° などの値や2倍角の計算、 合成が定番です。
- 二次では三角関数を含む方程式・不等式や、 合成を使った最大・最小が問われます。
- 合成は「最大・最小」を求める問題で威力を発揮します(sin の最大は 1 なので最大値は a2+b2)。
よくまちがえるところ
三角関数は公式が多い分野ですが、 失点は 符号 と 角の単位 にかたよります。
| まちがい | 例 | 直し方 |
|---|
| cos の加法定理の符号を逆にする | cos(α+β)=cosαcosβ+sinαsinβ とする | 引く。 cosαcosβ-sinαsinβ |
| 度とラジアンを混ぜる | π/6 を 3.14÷6 度として計算する | π/6 は 30° |
| 合成の r をたし算で出す | sinθ+√3 cosθ で r=1+√3 とする | r=√(1²+(√3)²)=2 |
| 2倍角で cos を落とす | sinθ=3/5 のとき sin2θ=6/5 とする | 2sinθcosθ=2×(3/5)×(4/5)=24/25 |
いちばん多いのは cos の加法定理の符号 です。 sin は 「サイン・コサイン」 を足す形、 cos は 「コサイン・コサイン」 から 「サイン・サイン」 を引く形で、 符号が逆になります。 覚えているか不安なときは、 α=β=60° を入れて確かめられます。 cos120° は -1/2 で、 (1/2)×(1/2)-(√3/2)×(√3/2)=1/4-3/4=-1/2 と一致します。 引く形が正しいと5秒で確認できます。
加法定理から公式を導く
覚える式を減らすには、 加法定理だけを覚えて残りを導きます。
| 順番 | 導くもの | 式 |
|---|
| 1 | 出発点(sin) | sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ |
| 2 | 出発点(cos) | cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ |
| 3 | 1 で β=α とする | sin2α=2sinαcosα |
| 4 | 2 で β=α とする | cos2α=cos²α-sin²α |
| 5 | 4 に sin²α+cos²α=1 を使う | cos2α=1-2sin²α=2cos²α-1 |
三角関数の合成も、 加法定理を逆向きに読んだものです。
| 決めるもの | 式 | 例(sinθ+√3 cosθ) |
|---|
| r | √(a²+b²) | √4=2 |
| cosα | a/r | 1/2 |
| sinα | b/r | √3/2 |
| α | 上の2つを同時に満たす角 | π/3 |
自分でチェック
- 180°=π ラジアンで度と弧度を変換できる
- cos の加法定理が引く形だと言える
- 2倍角の公式を加法定理から導ける
- 合成の r が √(a²+b²) だと言える
- 合成した式を加法定理で展開して検算できる
まとめ
- 弧度法: 180°=π ラジアン
- 相互関係: sin2θ+cos2θ=1
- 加法定理からすべての公式(2倍角など)が導ける
- 三角関数の合成: asinθ+bcosθ=a2+b2sin(θ+α)
次章では、 座標を使って図形をあつかう図形と方程式を学びます。
※「数検」「実用数学技能検定」は公益財団法人日本数学検定協会の登録商標です。 この教材は非公式の学習教材です。