この章で学ぶこと
数を −1=i までひろげた複素数と、 分数の形をした式の計算を学びます。 これにより二次方程式が つねに解をもつ ことが分かります。
- 分数式の約分・通分・四則
- 虚数単位 i と複素数の四則・共役
- 二次方程式の判別式と解の種類
- 解と係数の関係
ポイント: i2=−1 がすべての基本です。 二次方程式は判別式 D=b2−4ac の符号で、 実数解2つ(D>0)・重解(D=0)・虚数解2つ(D<0)に分かれます。
1. 分数式の計算
分子・分母が整式の分数を分数式といいます。 約分・通分のしかたは数の分数と同じです。
例題1: 次を計算せよ。 x+1x+x−11
解答: 通分して
(x+1)(x−1)x(x−1)+(x+1)=x2−1x2−x+x+1=x2−1x2+1.
2. 複素数
i2=−1 となる数i を虚数単位といい、 a+bi(a,b は実数)の形を複素数といいます。 a−bi を a+bi の共役複素数といいます。
例題2: (2+3i)(1−2i) を計算せよ。
解答: (2+3i)(1−2i)=2−4i+3i−6i2=2−i−6(−1)=2−i+6=8−i。
(検算) 実部2−6i2=2+6=8、 虚部−4i+3i=−i。 よって 8−i。 ✓
3. 判別式と解の種類
二次方程式ax2+bx+c=0 の判別式は D=b2−4ac。
| D の符号 | 解の種類 |
|---|
| D>0 | 異なる2つの実数解 |
| D=0 | 重解(実数解1つ) |
| D<0 | 異なる2つの虚数解 |
例題3: x2−2x+5=0 を解け。
解答: D=(−2)2−4⋅1⋅5=4−20=−16<0 なので虚数解。 解の公式より x=22±−16=22±4i=1±2i。
(検算) x=1+2i: (1+2i)2−2(1+2i)+5=(1+4i−4)−2−4i+5=(−3+4i)−4i+3=0。 ✓
4. 解と係数の関係
ax2+bx+c=0 の2解を α, β とすると
α+β=−ab,αβ=ac.
例題4: x2−5x+2=0 の2解α,β について α2+β2 を求めよ。
解答: α+β=5, αβ=2。 α2+β2=(α+β)2−2αβ=25−4=21。
どう問われるか
- 一次では複素数の四則や分数式の計算、 判別式の符号判定が定番です。
- 二次では解と係数の関係を使った対称式の値や、 解の条件から係数を求める問題が出ます。
- α2+β2 や α1+β1 は和と積で表すのが鉄則です。
まとめ
- 分数式: 数の分数と同じく約分・通分で計算
- 複素数: i2=−1、 a+bi の四則、 共役は a−bi
- 判別式 D=b2−4ac の符号で解の種類が決まる
- 解と係数の関係: α+β=−b/a, αβ=c/a
次章では、 指数関数と対数関数を学びます。
※「数検」「実用数学技能検定」は公益財団法人日本数学検定協会の登録商標です。 この教材は非公式の学習教材です。