用語集
あはれ
古語 で 「しみじみとした趣・心動かさ れる」 こと。 平安文学 の 美意識 の 中心語。
古語 で 「しみじみとした趣・心動かさ れる」 こと。 平安文学 の 美意識 の 中心語。
あはれとは、古語で「しみじみとした趣・心を動かされること」を表す言葉です。平安文学の美意識の中心となる語で、現代語の「あわれ(哀れ・かわいそう)」とは意味が異なり、悲しみだけでなく感動や深い共感も広く含みます。
平安文学の二大美意識として、次のように対で押さえます。
| 古語 | 意味 | 代表作 |
|---|---|---|
| あはれ | しみじみとした情趣 | 『源氏物語』 |
| をかし | 知的に感じる明るい趣 | 『枕草子』 |
江戸時代の国学者・本居宣長は、『源氏物語』を「もののあはれ」を描いた物語だと評価しました。月を見て胸がいっぱいになる、別れにしみじみとする——そうした静かに心が動く感じが「あはれ」です。
ポイント 「あはれ」=しみじみとした情趣(『源氏物語』)、「をかし」=明るく知的な趣(『枕草子』)。この二語の対比は平安文学の定番。「かわいそう」と訳すと誤りになりやすい。
あはれは、古文でしみじみと心動かされる感動を表す語です。「悲しい」だけでなく、美しさ・うれしさ・寂しさなど、強く心を動かす情緒全般を含みます。もとは「ああ」という感嘆の声に由来するとされます。
| 観点 | あはれ | をかし |
|---|---|---|
| 感動の質 | しみじみとした情緒(情) | 明るく知的な面白さ(知) |
| 代表作品 | 『源氏物語』 | 『枕草子』 |
| 訳語の傾向 | しみじみと心打たれる | 趣がある・興味深い |
江戸期の国学者本居宣長が『源氏物語玉の小櫛』で説いた「物の哀れ」は、『源氏物語』の中心美意識とされ、平安文学を読み解くカギとなる概念です。
ポイント 「あはれ」は単独の感動詞「あはれ(ああ)」と、形容動詞「あはれなり(しみじみと趣深い)」の両方で出てきます。文脈が暗く沈んだ場面とは限らず、喜びの場面でも使われる点に注意しましょう。