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古文

用言ようげんの活用かつよう — 動詞どうし・形容詞けいようし・形容動詞けいようどうし の 9 種類しゅるい

最終確認日:

はじめに

古文こぶんの文法ぶんぽうの中心ちゅうしんは 用言ようげん(動詞どうし・形容詞けいようし・形容動詞けいようどうし)の 活用かつようです。 用言ようげんが分わかれば、 後うしろに付つく助動詞じょどうし・助詞じょしも自動的じどうてきに分わかるようになります。

この章しょうで身みにつくこと:

  • 動詞どうしの 9 種類しゅるいの活用かつようを識別しきべつできる
  • 形容詞けいようしの ク活用かつよう・シク活用かつようを区別くべつできる
  • 形容動詞けいようどうしの ナリ活用かつよう・タリ活用かつようを区別くべつできる
  • 活用かつよう形がた 6 種たね(未然形みぜんけい・連用形れんようけい・終止形しゅうしけい・連体形れんたいけい・已然形いぜんけい・命令形めいれいけい)を判別はんべつできる

1. 活用かつよう形がた 6 種類しゅるい

現代げんだい語ごは「未然みぜん・連用れんよう・終止しゅうし・連体れんたい・仮定かてい・命令めいれい」の 6 種類しゅるいですが、 古文こぶんでは「仮定形かていけい」の代かわりに 「已然形いぜんけい」を使つかいます。 已然いぜん = 「すでにそうである」の意味いみで、 確定かくてい条件じょうけん「〜ので」を表あらわします。

活用かつよう形がた主おもな接続せつぞく先さき
未然形みぜんけい「ず」「む」「ば」(仮定かてい)
連用形れんようけい「て」「けり」「たり」
終止形しゅうしけい言いい切きり・「べし」「らむ」
連体形れんたいけい体言たいげん・「こと」「とき」
已然いぜん形がた「ば」(確定かくてい)・「ども」・「こそ」結むすび
命令めいれい形けい言いい切きり(命令めいれい)

2. 動詞どうしの 9 種類しゅるい

正格せいかく活用かつよう 4 種たね(規則きそく変化へんか)

種類しゅるい例れい未然みぜん連用れんよう終止しゅうし連体れんたい已然いぜん命令めいれい
四よん段だん書かくかきくくけけ
上うえ二に段だん起おくききくくるくれきよ
下しも二に段だん受うくけけくくるくれけよ
上一段かみいちだん見みるみみみるみるみれみよ

識別しきべつ法ほう:動詞どうしの下したに「ず」 を付つけて、 直前ちょくぜんの母音ぼいんで判別はんべつします。

  • 「a 段だん + ず」 → 四よん段だん(例れい: 書かかず)
  • 「i 段だん + ず」 → 上うえ二に段だんまたは上一段かみいちだん(例れい: 起おきず / 見ず)
  • 「e 段だん + ず」 → 下しも二に段だんまたは下一段しもいちだん(例れい: 受うけず)

変格活用へんかくかつよう 5 種たね(不規則ふきそく変化へんか)

種類しゅるい該当がいとう語ご未然みぜん連用れんよう終止しゅうし連体れんたい已然いぜん命令めいれい
カ変へん来くこきくくるくれこ/こよ
サ変へん為す・おはすせしすするすれせよ
ナ変へん死しぬ・往いぬなにぬぬるぬれね
ラ変へん有あり・居をり・侍はべり・いまそかりらりりるれれ
下一段しもいちだん蹴ける(1 語かたりのみ)けけけるけるけれけよ

暗記あんきのコツ:

  • ナ変へんは 2 語(死しぬ・往いぬ)だけ
  • ラ変へんは 4 語(あり・をり・はべり・いまそかり)だけ
  • 下一段しもいちだんは「蹴ける」1 語かたりのみ
  • カ変へんは「来き」、 サ変へんは「す」と「おはす」と複合語ふくごうご

終止形しゅうしけいが「u 段だん」でないラ変へん

ラ変動へんどう詞ことばの 終止形しゅうしけいは「い段だん(り)」です。 他たの動詞どうしは終止形しゅうしけいが「う段だん」 で終おわるのに、 ラ変へんだけ例外れいがい。 これが識別しきべつのカギです。

例れい: 「有あり」 終止形しゅうしけい = 「あり」(×ある/×あう)。 「ある」 は連体形れんたいけい。

3. 形容詞けいようし — ク活用かつよう・シク活用かつよう

形容詞けいようしは本ほん活用かつよう(基本きほん)と カリ活用かつよう(補助ほじょ)の 2 系統けいとうを持もちます。 カリ活用かつようは助動詞じょどうしを続つづけるための形かたちです。

ク活用かつよう(例れい: 良よし)

未然みぜん連用れんよう終止しゅうし連体れんたい已然いぜん命令めいれい
本ほん活用かつよう(く)くしきけれ—
カリ活用かつようからかり—かる—かれ

シク活用かつよう(例れい: 美うつくし)

未然みぜん連用れんよう終止しゅうし連体れんたい已然いぜん命令めいれい
本ほん活用かつよう(しく)しくししきしけれ—
カリ活用かつようしからしかり—しかる—しかれ

識別しきべつ法ほう:形容詞けいようしの下したに「なる」を付つけて確認かくにんします。 「悲かなしくなる」 → 「悲かなし」 は「悲かなしく」と 「しく」で続つづくのでシク活用かつよう、 「赤あかくなる」 → 「赤あかし」 は「赤あかく」と 「く」で続つづくのでク活用かつよう。

4. 形容動詞けいようどうし — ナリ活用かつよう・タリ活用かつよう

種類しゅるい例れい未然みぜん連用れんよう終止しゅうし連体れんたい已然いぜん命令めいれい
ナリ活用かつよう静しづかなりならなり/になりなるなれなれ
タリ活用かつよう堂々どうどうたりたらたり/とたりたるたれたれ

使つかい分わけ:

  • ナリ活用かつようは和語わご・漢語かんごに広ひろく付つく(静しずかなり、 あはれなり、 哀あわれなり)
  • タリ活用かつようは漢語かんごの二に字じ熟語じゅくごに付つく(堂々どうどうたり、 悠々ゆうゆうたり)。 現代げんだいの「堂々どうどうたる」「悠々ゆうゆうたる」 はその名残なごり

5. 例文れいぶんで確認かくにん

原文げんぶん: 「今いまは昔むかし、竹たけとりの翁おきなといふ者ものありけり。」(竹取物語たけとりものがたり)

現代げんだい語ご訳やく: 「今いまとなっては昔むかしのことだが、 竹たけ取との翁おうという者ものがいた。」

  • 「いふ」 = 四よん段だん動詞どうし「言げんふ」 の連体形れんたいけい(体言たいげん「者しゃ」 に続つづく)
  • 「あり」 = ラ変動へんどう詞ことばの連用形れんようけい
  • 「けり」 = 過去かこの助動詞じょどうし(次つぎ章しょう)
11 世紀 平安期 の 堤中納言集 写本 の 仮名 書写

平安へいあん期き の 堤つつみ中納言ちゅうなごん集しゅう写本しゃほん (11 世紀せいき)。 こうした 古典こてん作品さくひん に は、 本章ほんしょう で 整理せいり した 9 種類しゅるい の 動詞どうし活用かつよう や 形容詞けいようし・形容動詞けいようどうし の 活用かつよう形がた が 至いたる ところ に 現あらわれます。

まとめ

  • 動詞どうしは 9 活用かつよう。 正格せいかく 4(四よん段だん・上うえ一いち・上じょう二に・下か二に)+ 変格へんかく 5(カ変へん・サ変へん・ナ変へん・ラ変へん・下しも一いち)
  • 識別しきべつは「ず」 を付つけて直前ちょくぜん母音ぼいんを見みるのが基本きほん
  • 形容詞けいようしは ク・シク、 形容動詞けいようどうしは ナリ・タリ
  • 6 活用かつよう形がたのうち 已然いぜん形がた(古文こぶん独自どくじ)を確実かくじつに覚おぼえよう

次じ章しょうでは、 用言ようげんに接続せつぞくする 助動詞じょどうしを体系たいけい的てきに整理せいりします。

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学がく習しゅうロードマップ(10件けん)
  1. 1古文こぶん入門にゅうもん — 歴史れきし的てき仮名遣かなづかい と 古今ここん異義いぎ語ご、 古文こぶんの世界せかい観かん
  2. 2用言ようげんの活用かつよう — 動詞どうし・形容詞けいようし・形容動詞けいようどうし の 9 種類しゅるい
  3. 3助動詞じょどうし総そうまとめ — 時制じせい・推量すいりょう・受身うけみ・尊敬そんけい など 18 種類しゅるい
  4. 4助詞じょし — 係かかり助詞じょし・接続せつぞく助詞じょし・副ふく助詞じょし と 係り結びかかりむすび
  5. 5敬語けいご — 尊敬そんけい・謙譲けんじょう・丁寧ていねい と 二に方向ほうこう敬語けいご・最高さいこう敬語けいご
  6. 6説話せつわ・物語ものがたり — 竹取物語たけとりものがたり と 伊勢物語いせものがたり
  7. 7随筆ずいひつ — 枕草子まくらのそうし・徒然草つれづれぐさ・方丈ほうじょう記き三さん大だい随筆ずいひつ
  8. 8日記にっき文学ぶんがく — 土佐とさ日記にっき と 更級さらしな日記にっき
  9. 9和歌わか — 万葉まんよう・古今ここん・新しん古今ここん・百人一首ひゃくにんいっしゅ の 流ながれと修辞しゅうじ
  10. 10入試にゅうし古文こぶんへの橋渡はしわたし — 読解どっかい戦略せんりゃくと頻出ひんしゅつパターン