三平方の定理 — 平面と空間への応用
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この章で学ぶこと
中3 の最後をかざる 三平方の定理 (ピタゴラスの定理) を学びます。 直角三角形の辺の長さを求める、 図形でいちばん強力な道具です。
- 三平方の定理の意味
- 特別な直角三角形の辺の比
- 平面図形への応用 (対角線・高さ)
- 空間図形への応用 (直方体の対角線など)
ポイント: 直角三角形を見たら三平方、 三平方を使うために直角三角形をつくる。 この 2 つが図形問題の王道です。
1. 三平方の定理
直角三角形で、 直角をはさむ 2 辺を 、 斜辺 (直角の向かいの辺) を とすると、
例題: 直角をはさむ 2 辺が と の直角三角形で、 斜辺の長さを求めよ。
検算: 。 成り立つ。 斜辺は 。
例題: 斜辺が 、 1 辺が の直角三角形で、 残りの辺を求めよ。
検算: 。 成り立つ。
大事: 斜辺はつねにいちばん長い辺で、 の 左辺が斜辺 です。 どの辺が斜辺かをまちがえないこと。
2. 特別な直角三角形
つぎの 2 つの比は暗記しておくと速いです。
| 三角形 | 角度 | 辺の比 |
|---|---|---|
| 直角二等辺三角形 | ||
| 三角定規の形 |
例題: 1 辺が の正方形の対角線の長さを求めよ。
正方形の対角線は直角二等辺三角形の斜辺なので、
検算: 三平方で確かめると 。 一致する。
3. 平面図形への応用
例題: 2 点、 の間の距離を求めよ。
の差が 、 の差が 。 これを直角をはさむ 2 辺と見て、
検算: 、 。 正しい。
4. 空間図形への応用
直方体の対角線は、 三平方を 2 回使って求めます。 縦、 横、 高さ の直方体の対角線 は、
例題: 縦、 横、 高さ の直方体の対角線の長さを求めよ。
検算: 、 。 正しい。
ポイント: 直方体の対角線は、 まず底面の対角線 () を求め、 それを 1 辺、 高さ をもう 1 辺とする直角三角形でもう一度三平方を使う、 と考えると になります。
どう問われるか
- 一次では 「直角三角形の残りの辺」 「正方形の対角線」 など、 定理をそのまま使う計算が出ます。
- 二次では 「円周角でつくった直角三角形に三平方」 「角錐・円錐の高さや体積」 など、 ほかの単元と組み合わせた応用が問われます。
よくまちがえるところ
三平方の定理は、 どの辺が斜辺か を取りちがえると答えがまるごとずれます。
| まちがい | 例 | 直し方 |
|---|---|---|
| 斜辺を取りちがえて式を立てる | 斜辺 13、 1 辺 5 の三角形で 13² + 5² = 194 を計算する | 斜辺は式の右側。 13² - 5² = 144 で残りの辺は 12 |
| 2 乗をはずすときにたし算にしてしまう | 3² + 4² = 25 から c = 3 + 4 = 7 とする | c² = 25 なので c = √25 = 5 |
| 根号の中を簡単にせずに答える | 正方形の 1 辺 4 の対角線を √32 で止める | 4√2 まで直す |
| 空間図形で三平方を 1 回しか使わない | 直方体の対角線を底面の対角線と同じにする | 底面の対角線を出してからもう一度使う |
いちばん多いのは 斜辺の取りちがえ です。 斜辺は直角の向かい側にある辺で、 かならず 3 辺のうちいちばん長くなります。 答えが出たら 「求めた辺は斜辺より短いか」 を見るだけで、 多くのミスに気づけます。 上の例で 194 の平方根はおよそ 13.9 で、 斜辺 13 より長くなってしまうので、 その時点でおかしいと分かります。
三平方の定理を使う手順
| 順番 | やること | 例 (縦 2、 横 3、 高さ 6 の直方体の対角線) |
|---|---|---|
| 1 | 直角三角形を図の中に見つける (なければ作る) | 底面の長方形の対角線をひく |
| 2 | どの辺が斜辺かを決める | 底面では底面の対角線が斜辺 |
| 3 | a² + b² = c² にあてはめる | 2² + 3² = 13 |
| 4 | 平方根をとって長さを出す | 底面の対角線は √13 |
| 5 | 空間ならその辺と高さでもう一度 1 から 4 を行う | (√13)² + 6² = 13 + 36 = 49 |
| 6 | 根号を簡単にし、 斜辺がいちばん長いか確かめる | √49 = 7。 2, 3, 6 のどれより長く自然 |
45°, 45°, 90° の直角二等辺三角形は 1 : 1 : √2、 30°, 60°, 90° の三角形は 1 : √3 : 2 です。 この比を覚えていれば手順 3・4 を省けますが、 どの辺が 2 にあたるか を図で確かめてから使いましょう。 30°, 60°, 90° では 2 にあたるのが斜辺、 √3 にあたるのが 60° の向かい側の辺です。
大事: 直方体の対角線は √(a² + b² + c²) にまとまりますが、 これは三平方を 2 回使った結果です。 意味を理解しておくと、 角錐や円錐で高さを求めるときにも同じ考え方が使えます。
自分でチェック
- 三平方の定理 a² + b² = c² の c が斜辺だと言える
- 斜辺がいちばん長い辺であることを使って答えを確かめられる
- c² から c を求めるとき平方根をとれる
- 1 : 1 : √2 と 1 : √3 : 2 の比をどの角に対応させるか言える
- 直方体の対角線を三平方を 2 回使って求められる
まとめ
- 三平方の定理: ( が斜辺)
- 特別な比: と
- 座標上の 2 点間の距離も三平方で
- 直方体の対角線は
次章では、 確率・データの活用・標本調査 を学びます。
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