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ITパスポート

サービスマネジメントとシステム監査かんさ

最終確認日:

このしょうまなぶこと

マネジメントけい 20 もんのうち、このしょう4〜6 もんほどの出題しゅつだいがあります。「システムがまったらどうなおす?」「まらないようにどう管理かんりする?」「サービス品質ひんしつ契約けいやくってどうつくる?」「社内しゃない不正ふせいをどうふせぐ?」といった、システムをつくったのち運用うんよう管理かんり監査かんさにまつわるしょうです。

前章ぜんしょう(プロジェクトマネジメント)がシステムをつくばなしなら、このしょうつくったのち安定あんてい稼働かどうさせ、健全けんぜん管理かんりするばなし地味じみだけど IT 部門ぶもんもっと人手ひとで時間じかんがかかる領域りょういきで、実務じつむ直結ちょっけつする論点ろんてんおおいです。

学習がくしゅうゴール

このしょうえた時点じてんで、以下いかができるようになっていることを目指めざします。

  • ITIL主要しゅようプロセス(インシデント・問題もんだい変更管理へんこうかんり等)をシナリオから判別はんべつできる
  • SLASLM・SLO・OLAちがいを使つかいこなせる
  • サービスデスクさーびすですく機能きのう役割やくわり、エスカレーションの種類しゅるい判別はんべつできる
  • ファシリティマネジメントふぁしりてぃまねじめんとUPS無停電電源装置むていでんでんげんそうち・PUE ひとし)の要素ようそ使つかいこなせる
  • システム監査かんさ目的もくてき手順てじゅん独立どくりつせい説明せつめいできる
  • 内部ないぶ統制とうせいJ-SOXCOSO職務しょくむ分掌ぶんしょう)を判別はんべつできる

試験しけんでは:このシナリオはなに管理かんり」の判別はんべつ問題もんだい中心ちゅうしん。たとえば「障害しょうがいでサーバがちた → 待機たいきけいえた」=インシデント管理かんり、「なぜちたか根本こんぽん原因げんいん調しらべた」=問題もんだい管理かんり、のように目的もくてき区別くべつする訓練くんれんをする。

1. サービスマネジメントの基礎きそと ITIL

サービスマネジメントとは、「IT サービスをめずに提供ていきょうつづける」ための一連いちれん活動かつどう。システムをつくるのは一時いちじてき仕事しごと(プロジェクト)ですが、運用うんようはシステムが使つかわれているすうねんすうじゅうねんにわたってつづ長期ちょうき活動かつどうです。「24 時間じかんまらない銀行ぎんこう ATM」「つきに 1 かいしかちない EC サイト」のような品質ひんしつたかいサービス維持いじするには、体系たいけいてき管理かんり必要ひつよう。その世界せかいてきベストプラクティスが ITIL です。

1.1 サービスマネジメントとは

IT サービスを安定あんていてき提供ていきょうつづけるための管理かんり活動かつどう全般ぜんぱんつくったシステムをうごかしつづける」運用うんよう保守ほしゅフェーズの根幹こんかんで、インシデント対応たいおう構成こうせい管理かんり変更へんこう管理かんり・キャパシティ管理かんりなどをふくみます。

具体ぐたいれい: オンラインバンキングを 365 にち 24 時間じかんめずにうごかすには、監視かんし異常いじょう検知けんち)・バックアップ・冗長じょうちょう障害しょうがい対応たいおう手順てじゅん定期ていきメンテナンス計画けいかくかせません。これらシステムを使つかつづけるための裏方うらかた仕事しごとがサービスマネジメント。日本にほんでは「運用うんよう保守ほしゅ」ともばれますが、体系たいけいされた枠組わくぐみとして ITIL が使つかわれます。

1.2 ITIL(Information Technology Infrastructure Library)

ITIL(アイティル)は、IT サービスマネジメントのベストプラクティスしゅう。1980 年代ねんだい英国えいこく政府せいふ策定さくていし、現在げんざい世界せかい標準ひょうじゅんとして採用さいようされています。SLA・インシデント管理かんり問題もんだい管理かんり変更へんこう管理かんりなど、本章ほんしょうまな用語ようごおおくが ITIL 由来ゆらいです。最新さいしんばんITIL 4(2019〜)。

ITIL の特徴とくちょうは「こうすべき」と断定だんていするのではなく、「こうしたほうがうまくいきやすい」という推奨すいしょう事項じこうのライブラリであるてんかく組織そしき自社じしゃのサイズ・業種ぎょうしゅわせて取捨選択しゅしゃせんたくするのが基本きほんです。

ポイント: ITIL は枠組わくぐみ・用語ようご標準ひょうじゅんであって、絶対ぜったいまもるべき法律ほうりつではない実務じつむでは自社じしゃ規模きぼ業種ぎょうしゅわせてカスタマイズするのが普通ふつう

1.3 SLA と SLM

サービス品質ひんしつ数値すうちしてめるのが SLA(Service Level Agreement)、それを継続けいぞくてきまも活動かつどうSLM(Service Level Management)。SLA をむすんだだけでは意味いみがなく、毎月まいつき実績じっせきはかって改善かいぜんする SLM の運用うんようとセットではじめて機能きのうします。

  • SLA(Service Level Agreement) — サービス品質ひんしつ合意ごういしょ稼働率かどうりつ応答おうとう時間じかんとう数値すうちした契約けいやく文書ぶんしょ
  • SLM(Service Level Management) — SLA を達成たっせいするための継続けいぞくてき管理かんり活動かつどうPDCA
  • SLO(Service Level Objective) — SLA にかれるサービス目標もくひょうれい: 稼働かどうりつ 99.9% 以上いじょう
  • OLA(Operational Level Agreement) — 社内しゃない部門ぶもんかんでの合意ごうい(SLA は社外しゃがい契約けいやく、OLA は社内しゃない合意ごうい

具体ぐたいれい: AWS の SLA では「月間げっかん稼働かどうりつ 99.99% 未満みまんなら返金へんきん」のような条項じょうこうがあります。もし 99.99% をった場合ばあい、ユーザーは使用しようりょう一部いちぶ返金へんきんけられます。たんなる約束やくそくではなく、違反いはんのペナルティまでめてあるのが SLA の契約けいやく文書ぶんしょとしての特徴とくちょう

頻出ひんしゅつっかけ: SLA は文書ぶんしょ、SLM は管理かんりプロセス。SLA「Agreement」の A が「合意ごうい契約けいやく」、SLM「Management」の M が「継続けいぞく管理かんり」。SLA をつくっただけでは意味いみがなく、SLM でまもつづける活動かつどうとセットではじめて機能きのうする。

2. サービスマネジメントの主要しゅようプロセス

ITIL のプロセスぐんおおきく「日常にちじょう運用うんようけい」と「ユーザ窓口まどぐちけい」にかれます。日常にちじょう運用うんようではインシデント・問題もんだい変更へんこう構成こうせい・リリースの 5 だいプロセスが中心ちゅうしん。それぞれ「なに目的もくてきとした活動かつどう」で区別くべつされ、試験しけんではシナリオからプロセスめいてる問題もんだい頻出ひんしゅつです。

2.1 日常にちじょう運用うんようけいプロセス

日常にちじょう運用うんようは、「トラブル対応たいおう」と「変更へんこう安全あんぜん確保かくほ」がほんばしら。5 つのプロセスはそれぞれことなる役割やくわりち、たがいに連携れんけいしてうごきます。とくインシデント管理かんり早期そうき復旧ふっきゅう)と問題もんだい管理かんり根本こんぽん対策たいさく)のちがは、毎年まいとしかなら出題しゅつだいされる鉄板てっぱん論点ろんてんです。

プロセス内容ないよう目的もくてき
インシデント管理いんしでんとかんり障害しょうがいやトラブルの早期そうき復旧ふっきゅう短期たんき暫定ざんてい対応たいおう
問題管理もんだいかんりインシデントの根本こんぽん原因げんいん分析ぶんせき恒久こうきゅう対策たいさく中長期ちゅうちょうき恒久こうきゅう対策たいさく
変更管理へんこうかんりシステム変更へんこうのリスクをおさえて実施じっし変更へんこう安全あんぜん確保かくほ
構成管理こうせいかんり(CMDB)構成こうせい要素ようそ機器きき、ソフト、ドキュメント)の管理かんり全体ぜんたい把握はあく
リリース管理りりーすかんり本番ほんばん環境かんきょうへの展開てんかい管理かんり計画けいかくてきなリリース
  1. 障害しょうがい発生はっせい
  2. ① インシデント管理かんり短期たんき
     目的もくてき: できるだけはやくサービス復旧ふっきゅう
     手段しゅだん: 暫定ざんてい対応たいおう回避かいひさくさい起動きどう代替だいたいけい切替きりかえ
  3. 問題もんだい管理かんり中長期ちゅうちょうき
     目的もくてき: 根本ねもと原因げんいんめて恒久こうきゅう対策たいさく
     手段しゅだん: 根本ねもと原因げんいん分析ぶんせき既知きちのエラー登録とうろく

「とりあえずうごかす(インシデント)」と「再発さいはつ防止ぼうしする(問題もんだい)」をけて運用うんようする。

頻出ひんしゅつっかけ:サーバーがダウン → とりあえずさい起動きどうして復旧ふっきゅうさせた」は インシデント管理かんり暫定ざんてい対応たいおう)。「ダウンの根本こんぽん原因げんいん調しらべてメモリリークを修正しゅうせい再発さいはつふせいだ」は 問題もんだい管理かんり恒久こうきゅう対策たいさく)。おな事象じしょうでも段階だんかいかたちがう。

2.2 サービスデスク

サービスデスク利用りようしゃ社員しゃいん顧客こきゃく)からのわせ・障害しょうがい連絡れんらく窓口まどぐち電話でんわ・メール・チャットでけ、簡単かんたん案件あんけん自分じぶん解決かいけつし、むずかしい案件あんけん専門せんもん部門ぶもんにエスカレーション(ぎ)します。企業きぎょうにおける IT のかおであり、ここのしつがユーザ満足まんぞくおおきく左右さゆうします。

かた特徴とくちょう利点りてん欠点けってん
ローカルサービスデスク拠点きょてんごとに設置せっち地元じもと密着みっちゃく文化ぶんかてきにもちかい / 重複じゅうふくコスト
中央ちゅうおうサービスデスク1 箇所かしょ集約しゅうやくコスト効率こうりつ / 時差じさ言語げんご問題もんだい
バーチャルサービスデスク仮想かそうてき統合とうごう分散ぶんさん配置はいちだが統一とういつてき運用うんよう柔軟じゅうなんせい / 管理かんり複雑ふくざつ
フォロー・ザ・サン時差じさ活用かつようして 24 時間じかん対応たいおう東京とうきょう→ロンドン→NY の 3 拠点きょてんリレー)24 時間じかん対応たいおう / 拠点きょてん管理かんりコスト

2.3 エスカレーション

エスカレーションは、サービスデスクで対応たいおうしきれない案件あんけん上位じょうい専門せんもん部門ぶもん仕組しくみ。2 つのタイプがあり、「だれに」「なぜ」ぐかがちがいます。試験しけんでは 機能きのうてき vs 階層かいそうてき区別くべつわれます。

  • 機能きのうてきエスカレーション専門せんもん知識ちしき担当たんとうしゃぎ(れい: ネットワーク障害しょうがいなら NW エンジニアへ)
  • 階層かいそうてきエスカレーション上位じょうい管理かんりしゃ報告ほうこく権限けんげん委譲いじょう依頼いらいれい: だい規模きぼ障害しょうがいなら IT 部長ぶちょうへ)

っかけ: 機能きのうてき = 専門せんもんよこ方向ほうこう階層かいそうてき = 上司じょうしたて方向ほうこう技術ぎじゅつてきむずかしい案件あんけん機能きのうてき組織そしきてき判断はんだん必要ひつよう案件あんけん階層かいそうてき

3. ファシリティマネジメント

ファシリティマネジメントは「IT 設備せつび物理ぶつり環境かんきょう適切てきせつ管理かんりする活動かつどう。サーバルームの空調くうちょう電源でんげん防火ぼうか災害さいがい対策たいさく、データセンタのしょうエネなどが対象たいしょうです。システムがうご物理ぶつりてき基盤きばんまもらないと、どんなに優秀ゆうしゅうなソフトウェアも意味いみしません。だい規模きぼ災害さいがい停電ていでん地震じしん水害すいがい)で業務ぎょうむまらないよう、二重化にじゅうか代替だいたいけいしょうエネ設計せっけいもとめられます。

3.1 物理ぶつり環境かんきょう管理かんり

サーバルーム・データセンタの物理ぶつりセキュリティと設備せつび管理かんりは、IT サービス継続けいぞく土台どだい。とくに電源でんげん管理かんりさい重要じゅうようで、まどかとま一瞬いっしゅん停電ていでんでも機器ききこわれたりデータがぶリスクがあります。そのため多段ただんかい電源でんげんバックアップ標準ひょうじゅん設計せっけいになっています。

  • サーバルーム空調くうちょう電源でんげん消火しょうかにゅう退室たいしつ管理かんり統合とうごうした専用せんよう設備せつび
  • UPS停電ていでん電源でんげん装置そうち) — まどかとますうふん〜10 ぶん対策たいさく。バッテリで一時いちじてき給電きゅうでん安全あんぜんにシャットダウンできる
  • 自家じか発電はつでん装置そうち長時間ちょうじかん停電ていでん対策たいさくすう時間じかんすうにち)。ディーゼル発電はつでんなど
  • 冗長じょうちょう電源でんげん系統けいとう受電じゅでん) — 電力でんりょく会社かいしゃ系統けいとう二重化にじゅうか(A しゃ + B しゃから受電じゅでん
  • ホットスタンバイほっとすたんばい予備よび常時じょうじ稼働かどうさせ、障害しょうがい瞬時しゅんじ切替きりかえ

頻出ひんしゅつ: 電源でんげん対策たいさく段階だんかいまどかとま対策たいさく = UPS長時間ちょうじかん停電ていでん対策たいさく = 自家じか発電はつでん。この 2 つは対応たいおう時間じかんスケールがちがので役割やくわり分担ぶんたん。UPS は自家じか発電はつでん起動きどうするまでの「つなぎ」としても機能きのうする。

3.2 環境かんきょうへの配慮はいりょ

IT 機器きき大量たいりょう電力でんりょく消費しょうひします。世界せかいのデータセンタの電力でんりょく消費しょうひりょうは、世界せかい電力でんりょく消費しょうひ2% にたっするわれており、環境かんきょう配慮はいりょ経営けいえい課題かだいになっています。これを背景はいけいグリーン IT・PUE 指標しひょうしょうエネほうなどの概念がいねん重視じゅうしされるようになりました。

  • グリーン IT環境かんきょう負荷ふからす IT 活用かつようしょう電力でんりょく CPU・仮想かそうによる集約しゅうやく・クラウド移行いこうなど)
  • PUE(Power Usage Effectiveness) — データセンタの電力でんりょく効率こうりつ指標しひょう1.0 にちかいほど効率こうりつてき
  • しょうエネほう一定いってい規模きぼ以上いじょう事業じぎょうしゃエネルギー使用しよう合理ごうり義務付ぎむづ

PUE の計算けいさん: PUE = データセンタ全体ぜんたい消費しょうひ電力でんりょく ÷ IT 機器きき消費しょうひ電力でんりょく。1.0 なら IT 機器きき以外いがい空調くうちょう照明しょうめい)の電力でんりょくがゼロの理想りそう状態じょうたい日本にほん平均へいきんやく 1.7、先進せんしんてき施設しせつは 1.2 未満みまん

4. システム監査かんさ

システム監査かんさは「情報じょうほうシステムが適切てきせつ運用うんようされているか、独立どくりつした第三者だいさんしゃ検証けんしょうする活動かつどうです。会社かいしゃが IT に依存いぞんする時代じだいになり、システムがまる・情報じょうほうれる・不正ふせいきるなどのリスクが経営けいえいるがすようになりました。これを客観きゃっかんてきにチェックする仕組しくがシステム監査かんさです。なお、上場じょうじょう企業きぎょう金融きんゆう商品しょうひん取引とりひきほう義務ぎむづけられているのは公認こうにん会計士かいけいしによる財務諸表ざいむしょひょう監査かんさ内部ないぶ統制とうせい監査かんさ(J-SOX)であり、経済けいざい産業さんぎょうしょう基準きじゅんもとづくシステム監査かんさそのものは任意にんい法定ほうてい義務ぎむではない)です。

4.1 システム監査かんさ目的もくてき

情報じょうほうシステムが安全あんぜん(セキュリティ)・効率こうりつてき(コスト適正てきせい)・効果こうかてき業務ぎょうむ役立やくだつ)運用うんようされているか、独立どくりつした第三者だいさんしゃ検証けんしょうする活動かつどうたんなる技術ぎじゅつチェックではなく、経営けいえい目標もくひょうと IT の整合せいごうせいます。監査かんさ結果けっか改善かいぜん指導しどうかされ、健全けんぜんな IT 運営うんえい貢献こうけんします。

具体ぐたいれい: ある企業きぎょうのシステム監査かんさで「バックアップはられているが、復元ふくげんテストが 3 年間ねんかんされていない」と指摘してきされたら、それは重大じゅうだいリスク。本当ほんとう復元ふくげんできるか検証けんしょうのバックアップは、災害さいがい使つかえない可能かのうせいがあります。こうした運用うんようじょう見落みおとしを発見はっけんするのが監査かんさ役割やくわり

4.2 監査かんさじん独立どくりつせい

監査かんさじん(Auditor)は、監査かんさ部門ぶもん独立どくりつした立場たちば検証けんしょうする必要ひつようがあります。おな部署ぶしょひと監査かんさすると身内みうち不正ふせい見逃みのがしやすいため、客観きゃっかんせい担保たんぽする仕組しくとして「独立どくりつせい」が 2 つの観点かんてんもとめられます(くわえて、監査かんさじんには専門せんもん能力のうりょく適格てきかくせい別途べっと必要ひつようです)。

  • 外観がいかんじょう独立性どくりつせい監査かんさ部門ぶもん組織そしきてき独立どくりつべつ部署ぶしょ、あるいは社外しゃがい第三者だいさんしゃ機関きかん
  • 精神せいしんじょう独立どくりつせい公正こうせい不偏ふへん姿勢しせい身内みうち贔屓ひいきせず、事実じじつのみで判断はんだん
  • 独立どくりつせいとはべつ要件ようけん適格てきかくせい専門せんもん知識ちしき経験けいけん(IT と監査かんさ両方りょうほう精通せいつう

っかけ: 監査かんさじん監査かんさ部門ぶもん業務ぎょうむみずか改善かいぜんしてはならない改善かいぜん監査かんさ部門ぶもん責任せきにん監査かんさじん指摘してき助言じょげんのみ監査かんさじん改善かいぜんまで関与かんよすると独立どくりつせいそこなわれる(「自分じぶんつくった仕組しくみを自分じぶん監査かんさ」する状態じょうたいになる)。

4.3 監査かんさのプロセス

監査かんさ6 段階だんかいのプロセスすすみます。計画けいかくから実行じっこう報告ほうこく、フォローアップまで体系たいけいされており、単発たんぱつではなく継続けいぞくてきな PDCA として運用うんようされます。試験しけんではかく段階だんかいなにをするかわれます。

  1. 監査計画かんさけいかく策定さくてい監査かんさ範囲はんい・スケジュール・手続てつづきを計画けいかく
  2. 予備よび調査ちょうさ事前じぜん情報じょうほう収集しゅうしゅう組織そしき業務ぎょうむフロー・システム構成こうせい
  3. ほん調査ちょうさ証拠しょうこ収集しゅうしゅう(インタビュー・文書ぶんしょ確認かくにん実地じっちテスト・データ分析ぶんせき
  4. 評価ひょうか結論けつろん収集しゅうしゅうした証拠しょうこもとづく判定はんてい
  5. 報告ほうこくしょ作成さくせい提出ていしゅつ監査かんさ結果けっか指摘してき事項じこう改善かいぜん提案ていあん文書ぶんしょ
  6. 改善かいぜん指導しどう・フォローアップ指摘してき事項じこう改善かいぜん状況じょうきょう後日ごじつ確認かくにん

4.4 システム監査かんさ基準きじゅん管理かんり基準きじゅん

経済けいざい産業さんぎょうしょう策定さくていした監査かんさどころとなる公的こうてき基準きじゅんが 2 つあります。「監査かんさするがわ行動こうどう規範きはん」と「監査かんさされるがわ管理かんり項目こうもく」という監査かんさじん / 監査かんさしゃ両面りょうめんから基準きじゅんつくられています。

  • システム監査かんさ基準きじゅん監査かんさじん行為こうい規範きはん経済けいざい産業さんぎょうしょう策定さくてい
  • システム管理かんり基準きじゅん情報じょうほうシステムの管理かんり項目こうもくのチェックリスト経済けいざい産業さんぎょうしょう策定さくてい監査かんさしゃけ)

5. 内部ないぶ統制とうせいIT ガバナンスあいてぃーがばなんす

内部ないぶ統制とうせいは「会社かいしゃ自身じしん不正ふせいあやまりをふせ仕組しく」。上場じょうじょう企業きぎょうには法律ほうりつ義務付ぎむづけられており、監査かんさとはべつ組織そしき内部ないぶでの継続けいぞくてき統制とうせい活動かつどうもとめられます。とく財務ざいむ報告ほうこく信頼しんらいせい担保たんぽする J-SOX 制度せいど内部ないぶ統制とうせい報告ほうこく制度せいど)は、日本にほん上場じょうじょう企業きぎょう全社ぜんしゃ適用てきようされています。

5.1 内部ないぶ統制とうせいの 4 つの目的もくてき

内部ないぶ統制とうせい4 つの目的もくてき達成たっせいするための仕組しくみ。金融きんゆうちょうの「財務ざいむ報告ほうこくかか内部ないぶ統制とうせい評価ひょうかおよ監査かんさ基準きじゅん」で定義ていぎされています。経営けいえいそう主導しゅどうし、ぜん社員しゃいん役割やくわりってみます。

  1. 業務ぎょうむ有効ゆうこうせい効率こうりつせい業務ぎょうむ目的もくてき沿って効率こうりつてきおこなわれているか
  2. 財務ざいむ報告ほうこく信頼性しんらいせい決算けっさんしょうそがないかさい重要じゅうよう、J-SOX の中核ちゅうかく
  3. 関連かんれん法規ほうき遵守じゅんしゅ — コンプライアンス
  4. 資産しさん保全ほぜん会社かいしゃ資産しさん現金げんきん在庫ざいこ情報じょうほう)がまもられているか

5.2 内部ないぶ統制とうせい基本きほん要素ようそ(COSO フレームワーク)

COSOフレームワークは、国際こくさいてき内部ないぶ統制とうせい教科書きょうかしょ米国べいこく策定さくていされ世界せかいてき採用さいようされています。日本にほんの J-SOX もこれに準拠じゅんきょしつつ、「IT への対応たいおう」を 6 ばん独自どくじ追加ついかしているのが特徴とくちょうです。

  1. 統制とうせい環境かんきょう組織そしき文化ぶんか倫理りんりかん土台どだい
  2. リスク評価りすくひょうか — リスクを特定とくてい分析ぶんせき評価ひょうか
  3. 統制とうせい活動かつどう不正ふせい防止ぼうしのための手続てつづき(承認しょうにん分掌ぶんしょうとう
  4. 情報じょうほう伝達でんたつ必要ひつよう情報じょうほう関係かんけいしゃ伝達でんたつ
  5. モニタリング内部ないぶ統制とうせい有効ゆうこうせい継続けいぞく監視かんし
  6. IT への対応たいおう日本にほん独自どくじ追加ついか項目こうもく(IT 依存いぞん時代じだいへの対応たいおう

頻出ひんしゅつ:IT への対応たいおう」は COSO にない日本にほんばん独自どくじの 6 つ要素ようそ金融きんゆう商品しょうひん取引とりひきほうもとづく日本にほんばん SOX(J-SOX)で追加ついかされた。国際こくさいフレームワークに日本にほんりゅうアレンジをくわえたかたち

5.3 おも内部ないぶ統制とうせい関連かんれん制度せいど

内部ないぶ統制とうせい関連かんれんする制度せいど・フレームワークは複数ふくすうあり、それぞれ役割やくわりちがいますCOSO は国際こくさいてき内部ないぶ統制とうせい枠組わくぐJ-SOX は日本にほん法律ほうりつCOBIT は IT ガバナンスの枠組わくぐ、のように整理せいりすると混乱こんらんしません。

制度せいど内容ないよう主体しゅたい
J-SOX内部ないぶ統制とうせい報告ほうこく制度せいど金融きんゆう商品しょうひん取引とりひきほうもとづく、上場じょうじょう企業きぎょう内部ないぶ統制とうせい評価ひょうか日本にほん法律ほうりつ
COSO国際こくさいてき内部ないぶ統制とうせいフレームワーク米国べいこく自主じしゅ基準きじゅん
COBITIT ガバナンスのフレームワークISACA(自主じしゅ基準きじゅん

頻出ひんしゅつ: J-SOX は日本にほん法律ほうりつ義務ぎむCOSO は国際こくさい標準ひょうじゅんのフレームワークCOBIT は IT ガバナンス専用せんよう。3 つを混同こんどうしないように。日本にほん上場じょうじょう企業きぎょう強制きょうせいされるのは J-SOX

5.4 IT ガバナンス

IT ガバナンスは「経営けいえい戦略せんりゃくと IT を整合せいごうさせ、IT 投資とうし効果こうか最大さいだいする統制とうせい活動かつどう」。IT は経営けいえい根幹こんかんささえる時代じだいになりましたが、現場げんばの IT 部門ぶもん勝手かって投資とうしするのではなく、経営けいえいそう主導しゅどうして方向ほうこうせいめるのが IT ガバナンスの要点ようてんです。

  • IT 戦略せんりゃく委員いいんかい経営けいえいと IT をむす意思いし決定けってい機関きかん経営けいえいじん + IT 部門ぶもん合同ごうどう委員いいんかい
  • CIO(Chief Information Officer) — 最高さいこう情報じょうほう責任せきにんしゃ。IT ガバナンスの責任せきにんしゃ
  • CISO(Chief Information Security Officer) — 最高さいこう情報じょうほうセキュリティ責任せきにんしゃ(セキュリティ専門せんもん

具体ぐたいれい: 企業きぎょうのデジタル変革へんかく(DX)推進すいしんで「基幹きかんシステムをクラウドするか、オンプレでのこすか」のようなおおきな判断はんだんは、IT 部門ぶもんだけではめられません。経営けいえい戦略せんりゃく投資とうし規模きぼ・リスク許容きょよう総合そうごう判断はんだんする IT 戦略せんりゃく委員いいんかい決定けっていし、CIO が遂行すいこう責任せきにんちます。

5.5 職務しょくむ分掌ぶんしょう

開発かいはつ運用うんよう分離ぶんり申請しんせい承認しょうにん分離ぶんりなど、権限けんげん集中しゅうちゅうふせ仕組しく内部ないぶ統制とうせい基本きほん。1 ひとが「なにでもできる」状態じょうたい不正ふせい温床おんしょうになるので、業務ぎょうむ複数ふくすう役割やくわりけ、相互そうごチェックをかせる。

⚠ NG(職務しょくむ集中しゅうちゅう✓ OK(職務しょくむ分掌ぶんしょう
1 ひと全部ぜんぶできる
開発かいはつ本番ほんばんリリース
申請しんせい承認しょうにん
記録きろくかいざんも可能かのう
不正ふせい温床おんしょう
役割やくわり分離ぶんりして相互そうごチェック
開発かいはつ運用うんよう
申請しんせい承認しょうにん
記帳きちょう出納すいとう
注文ちゅうもん検収けんしゅう

権限けんげん分離ぶんり相互そうごチェック」が原則げんそく

頻出ひんしゅつっかけ: 開発かいはつ担当たんとうしゃ本番ほんばんシステムにそのまま変更へんこう反映はんえいできる」職務しょくむ分掌ぶんしょう違反いはん代表だいひょうれい本番ほんばん反映はんえいにはべつ運用うんよう担当たんとうしゃ承認しょうにん実施じっしようするのが内部ないぶ統制とうせい基本きほん

📋 しょうまつまとめ

さい重要じゅうようポイント 10 連発れんぱつ

  1. SLA と SLM のちが合意ごういしょ継続けいぞくてき管理かんり
  2. インシデント vs 問題もんだい管理かんり早期そうき復旧ふっきゅう vs 根本ねもと原因げんいん
  3. CMDB構成こうせい情報じょうほう一元いちげん管理かんりデータベースでーたべーす
  4. サービスデスクのかた — ローカル・中央ちゅうおう・バーチャル・フォロー・ザ・サン
  5. UPS の役割やくわりまどかとま対策たいさく長時間ちょうじかん自家じか発電はつでん
  6. PUE の意味いみ — 1.0 にちかいほど効率こうりつてき
  7. システム監査かんさ独立どくりつせい外観がいかんじょう精神せいしんじょう
  8. J-SOX の目的もくてき財務ざいむ報告ほうこく信頼しんらいせい確保かくほ
  9. COSO の 5(+1)要素ようそ日本にほんでは IT 対応たいおう追加ついか
  10. 職務しょくむ分掌ぶんしょう開発かいはつ運用うんよう分離ぶんり

出題しゅつだい傾向けいこうのコツ

  • インシデント管理かんり問題もんだい管理かんりちが頻出ひんしゅつ
  • SLA は「サービス品質ひんしつ数値すうち約束やくそくする文書ぶんしょ」とおぼえる
  • 監査かんさは「第三者だいさんしゃ視点してん」がキーワード
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がくしゅうロードマップ(14けん
  1. 1企業きぎょう法務ほうむ基礎きそ
  2. 2経営けいえい戦略せんりゃく — SWOT・PPM・3C・4P と主要しゅようフレームワーク
  3. 3システム戦略せんりゃく企画きかく
  4. 4開発かいはつ技術ぎじゅつ開発かいはつモデル・テスト種別しゅべつ・アジャイル・DevOps
  5. 5プロジェクトマネジメント
  6. 6サービスマネジメントとシステム監査かんさ
  7. 7基礎きそ理論りろん — 2 進数しんすう変換へんかん論理ろんり演算えんざん確率かくりつ統計とうけい符号ふごう
  8. 8アルゴリズムとプログラミング
  9. 9コンピュータシステム
  10. 10ソフトウェア(OS/OSS)
  11. 11情報じょうほうデザインとメディア
  12. 12データベース
  13. 13ネットワーク
  14. 14情報じょうほうセキュリティ

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いちもんいっとう

企業と法務 一問一答

IT パスポート試験のストラテジ系の基礎「企業と法務」から 20 問を厳選。経営組織・OR/IE・会計財務・知的財産権・労働関連法規まで体系的に確認。

いちもんいっとう

経営戦略 一問一答

IT パスポート試験の頻出分野「経営戦略」から 20 問を厳選。経営分析フレームワーク・マーケティング・経営管理システム・技術戦略・ビジネスインダストリまで体系的に確認。

いちもんいっとう

システム戦略と企画 一問一答

IT パスポート試験のストラテジ系「システム戦略と企画」から 20 問を厳選。情報システム戦略・業務プロセス改革・クラウドサービス・システム企画調達まで体系的に確認。

いちもんいっとう

開発技術 一問一答

IT パスポート試験のマネジメント系「開発技術」から 20 問を厳選。開発プロセス・設計・テスト手法・アジャイル/スクラム・構成管理・UX デザインまで体系的に確認。

いちもんいっとう

プロジェクトマネジメント 一問一答

IT パスポート試験のマネジメント系「プロジェクトマネジメント」から 20 問を厳選。PMBOK の 10 知識エリア・WBS・スケジュール管理・コスト見積り・リスク管理まで体系的に確認。

いちもんいっとう

基礎理論 一問一答

IT パスポート試験のテクノロジ系「基礎理論」から 20 問を厳選。2 進数変換・AND/OR/XOR・確率計算・文字コード・誤差・機械学習 3 分類まで確認。

いちもんいっとう

アルゴリズムとプログラミング 一問一答

IT パスポート試験のテクノロジ系「アルゴリズムとプログラミング」から 20 問を厳選。配列/リスト/スタック/キュー/木/ハッシュ・探索/整列・計算量・HTML/JSON まで確認。

いちもんいっとう

ソフトウェア 一問一答

IT パスポート試験のテクノロジ系「ソフトウェア」から 20 問を厳選。OS 機能・プロセス/スレッド・圧縮形式・表計算関数・OSS ライセンスまで確認。

いちもんいっとう

情報デザインとメディア 一問一答

IT パスポート試験のテクノロジ系「情報デザインとメディア」から 20 問を厳選。LATCH・UX・アクセシビリティ・RGB/CMYK・JPEG/PNG・MPEG・VR/AR まで確認。

もんだいしゅう

IT パスポート 本試験形式 100 問

IT パスポート試験の全 14 章から出題する本試験準拠の総合問題集 100 問。ストラテジ 32 / マネジメント 18 / テクノロジ 50 の分野別配分・120 分で、実試験と同じスケールの実戦演習が可能。