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テクノロジ系 45 問のうち、この章は 8〜10 問ほど出題される最重要分野のひとつです。「スマホで YouTube が見られるのはなぜ?」「https:// の鍵マークは何を守っているの?」「社内 LAN と自宅の Wi-Fi って何が違うの?」「ポケット Wi-Fi や 5G ってどう選ぶ?」といった、毎日使っているのに仕組みは知らない通信の基礎を扱います。
ネットワークはセキュリティとも密接に関係するため、章 14 情報セキュリティと合わせて学ぶと効率的です。覚える用語が多いですが、「どの層の・どの役割の・どの識別子を扱う技術か」という軸で整理すると混乱しません。
シラバス Ver.6.5 では中分類 22「ネットワーク」として 3 つの小分類で構成されています:
| 小分類 | 項目 | 本章の対応節 |
|---|---|---|
| 58 | ネットワーク方式 | 1・2 節 |
| 59 | 通信プロトコル | 3 節 |
| 60 | ネットワーク応用 | 4 節 |
この章を読み終えた時点で、以下ができるようになっていることを目指します。
試験では: ネットワークは「動作層(レイヤ)の判別」と「用途とプロトコルのマッチング」が 2 大定番。「異なるネットワーク同士をつなぐ機器は?」(→ ルータ、L3)、「メールの送信に使うプロトコルは?」(→ SMTP)のような**逆引き問題**に強くなるのが合格のコツ。
ネットワークは**複数のコンピュータをつないで情報をやり取りする仕組みです。家で Wi-Fi につなぐと家族のスマホや PC が同じネットワーク(LAN)に入り、そこからさらに外のインターネット(WAN)へ抜けていく——この 2 段階の構造を理解することがすべての基礎になります。この節では、範囲による分類と各層で働く機器**を整理します。
ネットワークは**範囲(スケール)**で 2 つに大別されます。LAN は建物内の小さな輪、WAN は地理的に離れた拠点を結ぶ大きな輪。典型的な家庭では「家の中 = LAN、外(インターネット)= WAN」の境界にルータ(Wi-Fi ルータ)があり、両者を橋渡ししています。
| 区分 | 範囲 | 典型例 |
|---|---|---|
| LAN(Local Area Network) | 建物・敷地内 | オフィス・家庭内ネットワーク |
| WAN(Wide Area Network) | 地理的に離れた拠点間 | 本社-支社間、インターネット回線 |
| イントラネット | 組織内に閉じたネットワーク | 社内ポータル、情報共有 |
| エクストラネット | 取引先等とも接続可能な閉域網 | 企業間 B2B |
**インターネットは世界規模の WAN の代表例。通信事業者(ISP)**の回線を通じて世界中の LAN が相互につながっています。たとえば日本から米国のサーバにアクセスするとき、自宅 LAN → ISP → 国内 WAN → 海底ケーブル → 米国 WAN → 米国 ISP → 米国サーバの LAN、と何段階もの WAN を経由しています。
覚え方: Local(局所)= LAN、Wide(広域)= WAN。家や会社の「中」は LAN、「外との接続」は WAN。
ネットワーク機器は「どのレイヤで何を見て転送を決めるか」で役割が分かれます。物理層のリピータは**電気信号**をそのまま増幅するだけ、データリンク層のスイッチは MAC アドレスで宛先を選び、ネットワーク層のルータは IP アドレスで経路を決める、という階層的な役割分担になっています。
| 機器 | 動作レイヤ | 役割 |
|---|---|---|
| リピータ | [[物理層 | ぶつりそう]] |
| ハブ(リピータハブ) | 物理層 | 1 つの入力を全ポートに転送 |
| ブリッジ / スイッチングハブ | [[データリンク層 | データリンクそう]] |
| ルータ | [[ネットワーク層 | ネットワークそう]] |
| デフォルトゲートウェイ | — | 外部ネットワークへの出口となるルータ |
| プロキシサーバ | [[アプリケーション層 | アプリケーションそう]] |
| レイヤ | 名称 | 機器・識別子 |
|---|---|---|
| L7 | アプリケーション層 | プロキシサーバ(URL / HTTP で判断) |
| L3 | ネットワーク層 | ルータ(IP アドレスで経路選択) |
| L2 | データリンク層 | スイッチ・ブリッジ(MAC アドレスで判断) |
| L1 | 物理層 | リピータ・ハブ(信号を増幅するだけ) |
識別子の階層: URL(L7)→ IP(L3)→ MAC(L2)。上位ほど「論理的」、下位ほど「物理的」。
ポイント: 「どこで誰をどう識別するか」が階層で違います。スイッチは MAC、ルータは IP、プロキシは URL / HTTP。「異なるネットワーク同士を繋ぐ」役割はルータだけ(L3 で IP アドレスを扱えるから)。
オフィスや家庭でもっとも広く使われる有線 LAN は イーサネット(Ethernet、IEEE 802.3 系)。規格名の数字で**速度が、末尾のアルファベットでケーブル種別**がわかります。規格が新しいほど同じ長さのケーブルで速く通信できます。
| 規格 | 速度 | ケーブル | 用途 |
|---|---|---|---|
| 100BASE-TX | 100 Mbps | カテゴリ 5 | 旧オフィス標準 |
| 1000BASE-T | 1 Gbps | カテゴリ 5e 以上 | 現在の標準 |
| 10GBASE-T | 10 Gbps | カテゴリ 6A 以上 | データセンタ・高性能 |
引っかけ: 速度単位 bps(bits per second)は「1 秒あたりのビット数」で、B(バイト)ではない。1 byte = 8 bits なので「100 Mbps ≠ 100 MB/s」。計算問題では **8 倍の差**に気をつける。
無線 LAN・モバイル通信・IoT 通信はケーブルなしで情報をやり取りする技術群です。Wi-Fi でスマホが使え、4G/5G で外出先でもネットにつながり、スマートウォッチが BLE で心拍データを送る——すべてこの節の範囲。**規格と用途の対応**が頻出です。
Wi-Fi は無線 LAN の普及ブランド名(IEEE 802.11 系列)。世代ごとに数字(Wi-Fi 4 / 5 / 6 / 6E)で識別されるようになり、**新しいほど高速・多端末対応になります。世代の違いは電子レンジや Bluetooth と干渉しやすい 2.4 GHz 帯**か、**より速くて干渉しにくい 5 GHz 帯**かでも区別されます。
| 世代 | 正式名 | 最大速度(規格値) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n | 600 Mbps | 2.4 / 5 GHz 両対応 |
| Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 6.93 Gbps | 5 GHz のみ |
| Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax | 9.6 Gbps | 多数端末同時接続に強い |
| Wi-Fi 6E | 802.11ax + 6 GHz | 同上 | 6 GHz 帯の追加で混雑回避 |
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ESSID(SSID) | 無線ネットワークの識別名 |
| AP(アクセスポイント) | 無線端末を LAN に接続する中継機器 |
| ローミング | 移動しながら AP を自動切替 |
| ステルス | SSID をブロードキャストしないことで存在を隠す |
| MAC アドレスフィルタリング | 登録した MAC アドレスの機器のみ接続許可 |
| WPS | 無線 LAN 接続を簡単にセットアップする機能 |
| Wi-Fi Direct | AP なしで端末同士が直接通信 |
| 方式 | 安全性 | 備考 |
|---|---|---|
| WEP | ❌ 脆弱 | 使用禁止 |
| WPA | △ | 旧式 |
| WPA2 | ○ | 現行標準 |
| WPA3 | ◎ | 最新、Wi-Fi 6 以降推奨 |
試験での頻出: WEP は絶対に使わない(数分で解析される)。現代では WPA2 が最低ライン、WPA3 が推奨。公衆 Wi-Fi で暗号化方式が WEP なら接続しない判断が重要。
スマートフォンやタブレットが屋外で通信できるのは、**基地局を介したモバイル通信網**のおかげ。世代が上がるごとに「速度」「遅延」「同時接続数」が向上してきました。特に 5G は 4G の延長ではなく、**3 つの異なる性格**を持つ革新的技術です。
| 規格 | 速度(規格値) | 特徴・用途 |
|---|---|---|
| 3G | 〜14 Mbps | ガラケー時代 |
| LTE(4G) | 最大 1 Gbps | スマートフォン主流 |
| 5G | 最大 10 Gbps | 超高速・低遅延・多数接続(2020〜) |
5G の 3 特徴(覚え方: e-e-e):
頻出: 5G はただ「速い 4G」ではなく、**3 つの用途**がある。自動運転には 低遅延、スタジアムの満員観客が同時配信するには 多数接続、8K 動画配信には 高速大容量と、用途で使い分けられるのが特徴。
家電・センサー等の IoT デバイスは**計算資源・電力が限られる**(ボタン電池で 1 年動く必要がある等)ため、Wi-Fi や 4G を使えません。代わりに**超低電力・低速**の専用通信規格を使います。「近距離」「広域・低電力」の 2 系統で整理するのがコツ。
| 規格 | 特徴 | 用途例 |
|---|---|---|
| BLE(Bluetooth Low Energy) | 近距離(〜10m)・低電力 | ウェアラブル、ビーコン、室内測位 |
| LPWA(Low Power Wide Area) | 広域(数 km)・超低電力・低速(数 kbps) | 農業 IoT、電力メータ、駐車場 |
| LoRaWAN | LPWA の代表方式 | スマート農業・遠隔検針 |
| ZigBee | メッシュ対応低電力無線 | スマートホーム、ビル管理 |
| NFC | 超近距離(〜10cm) | Suica、おサイフケータイ、ID カード |
具体例: スマートウォッチがスマホに心拍データを送るのは BLE、電力会社が各家庭の電気使用量を遠隔検針するのは LPWA、交通系 IC カードで改札を通るのは NFC。それぞれ**距離・電力・速度**の要求が違うため、最適な技術が違います。
スマートフォン契約や事業者の切替え時によく出てくる用語です。実生活でも頻繁に目にする言葉で、試験では**略称 → 正式名称**の対応が問われます。
| 用語 | 正式名 | 意味 |
|---|---|---|
| MVNO | Mobile Virtual Network Operator | 仮想移動体通信事業者(格安 SIM 等、ドコモ・au の回線を借りる事業者) |
| ISP | Internet Service Provider | インターネット接続事業者(OCN、BIGLOBE 等) |
| SIM / eSIM | Subscriber Identity Module | 加入者識別モジュール(物理カード / 組込み型) |
| MNP | Mobile Number Portability | 電話番号を維持したまま事業者変更 |
| テザリング | — | スマホ経由で PC 等をインターネット接続 |
| ローミング | — | 契約事業者外の回線を借りて海外でも通信 |
プロトコル(Protocol)とは、通信する双方が従う約束ごとのことです。「挨拶の仕方・データの形式・エラーの対処法」を事前に決めておかないと、異なるメーカーの機器同士では通信できません。プロトコルは**階層化されており、HTTP(アプリ層)は TCP(トランスポート層)の上で動き、TCP は IP(ネットワーク層)の上で動く、という積み重ね構造になっています。試験ではこの階層とプロトコルの対応**が最頻出です。
OSI 参照モデル(Open Systems Interconnection)は ISO が策定した 7 層のモデル。各層の役割を分離して考えることで通信を体系的に理解できるようにした**教科書的な枠組み**です。実運用は次節の TCP/IP 4 層モデルが使われますが、試験では OSI の 7 層名と代表プロトコルを暗記する必要があります。
| 層 | 名称 | 役割 | 代表プロトコル |
|---|---|---|---|
| 7 | アプリケーション層 | アプリ特有のやりとり | HTTP、SMTP、FTP |
| 6 | [[プレゼンテーション層 | プレゼンテーションそう]] | データ形式変換・暗号化 |
| 5 | [[セッション層 | セッションそう]] | 通信セッションの管理 |
| 4 | [[トランスポート層 | トランスポートそう]] | 信頼性・順序保証 |
| 3 | ネットワーク層 | 経路選択・中継 | IP、ICMP |
| 2 | データリンク層 | 隣接機器間の通信 | Ethernet、Wi-Fi |
| 1 | 物理層 | 電気信号・ケーブル | イーサネット線 |
実際のインターネットで使われるのは TCP/IP の 4 階層モデル。OSI を実装側に合わせて簡略化したものです。OSI の上位 3 層(アプリケーション・プレゼンテーション・セッション)が**ひとつのアプリ層に、下位 2 層(データリンク・物理)がひとつのネットワークインタフェース層**にまとめられています。
| 階層 | 役割 | 代表プロトコル |
|---|---|---|
| アプリケーション層 | HTTP・SMTP 等の用途別 | HTTP、HTTPS、FTP、SMTP、POP、IMAP、DNS、DHCP、NTP |
| トランスポート層 | TCP / UDP | TCP、UDP |
| インターネット層 | IP による中継 | IP、ICMP |
| ネットワークインタフェース層 | 物理伝送 | Ethernet、Wi-Fi |
| OSI 参照モデル(7 層) | TCP/IP モデル(4 層) | 代表プロトコル |
|---|---|---|
| 7. アプリケーション | アプリケーション | HTTP / SMTP / DNS 等 |
| 6. プレゼンテーション | ||
| 5. セッション | ||
| 4. トランスポート | トランスポート | TCP / UDP |
| 3. ネットワーク | インターネット | IP / ICMP |
| 2. データリンク | ネットワークインタフェース | Ethernet / Wi-Fi |
| 1. 物理 |
暗記のコツ: 「アプ・プレ・セ・ト・ネ・デ・物」(上から)。OSI の上位 3 層は TCP/IP では 1 つの「アプリケーション層」に統合される。
TCP と UDP は**使い分け**が重要です。**TCP は信頼性重視で、データを確実に届けるために受信確認・再送・順序保証を行います。UDP は速度重視で、受信確認を省略し届かなかったデータは諦める代わりに軽快です。動画通話のようにリアルタイム性が重要な場面では、古いデータを再送するより新しいデータを即配信**する UDP が向きます。
| プロトコル | 正式名 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|---|
| TCP | Transmission Control Protocol | 信頼性あり(再送・順序保証) | Web・メール・ファイル転送 |
| UDP | User Datagram Protocol | 信頼性なし・高速・軽量 | 動画配信・VoIP・DNS |
覚え方: TCP = 宅配便(受け取り印が必要、確実に届く)、UDP = 葉書をバラまく(届かなくても気にしない、速い)。Web やメールは TCP、動画配信や通話は UDP が基本。
アプリ層のプロトコルは「やりたいこと → 使うプロトコル」のマッチングが頻出。それぞれ**固有のポート番号**が決まっていて、ルータやファイアウォールはこのポート番号を見て通信を識別します。暗号化版(末尾が S)は TLS で通信を暗号化したバージョンで、現代の Web はほぼすべて HTTPS(暗号化版)が使われています。
| プロトコル | 用途 | ポート | 暗号化版 |
|---|---|---|---|
| HTTP | Web ページ配信 | 80 | HTTPS(443、TLS 使用) |
| SMTP | メール**送信** | 25 / 587 | SMTPS |
| POP3 | メール受信(ダウンロード型) | 110 | POP3S |
| IMAP | メール受信(サーバ保持型) | 143 | IMAPS |
| FTP | ファイル転送 | 20 / 21 | FTPS / SFTP |
| DNS | 名前解決(ドメイン → IP) | 53 | DoH / DoT |
| DHCP | IP アドレス自動割当 | 67 / 68 | — |
| NTP | 時刻同期 | 123 | — |
| SSH | リモートログイン(暗号化) | 22 | — |
| Telnet | リモートログイン(非暗号化、非推奨) | 23 | — |
頻出引っかけ:
- POP はダウンロード型(メールをクライアントに取り込む):PC に取り込んだら他の端末から見えない
- IMAP はサーバ保持型(複数端末から同じメールを見られる):スマホ・PC・タブレットで同期
- HTTPS は HTTP + TLS(旧 SSL)の組合せ。暗号通信で盗聴を防ぐ。鍵マークが出るサイトはこれ
- SMTP は送信専用、受信には POP3 か IMAP を使う
メールアプリで見慣れている cc / bcc は、単なる複数宛先ではなく**「受信者に他の宛先が見えるかどうか」で区別**されます。ビジネスマナーとしても重要で、たとえば多数の顧客に同報メールを送るときに cc で宛先をバラすと個人情報漏洩になります。**bcc を使うのが常識**です。
| 用語 | 意味 | 使いどころ |
|---|---|---|
| To | 主たる宛先 | 返信を期待する相手 |
| cc(Carbon Copy) | 参考宛先。全受信者に見える | 関係者への情報共有 |
| bcc(Blind Carbon Copy) | 参考宛先。他の受信者には見えない | 多数への同報、個別情報保護 |
| MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions) | メールに添付ファイルや日本語を扱う拡張仕様 | 添付付きメール・HTML メール |
| 電子メールクライアント | Outlook、Thunderbird、Gmail Web 等 | メール送受信アプリ |
引っかけ: 「メンバー全員にアンケートを送り、互いの返信先を見せない」という要件では bcc。cc にすると**全員のメアドがバラされる**(個人情報漏洩)。初心者がやりがちなミスで、試験・実務どちらでも要注意。
ここまでの基礎を踏まえ、インターネットで実際に何が起きているかを見ていきます。IP アドレスで端末を識別し、DNS でドメイン名を IP に変換し、URL で場所を指定して、HTTP/HTTPS で通信する——一連の流れを押さえると Web サイトが開くまでの内部動作が見えてきます。試験ではそれぞれの**仕組みと用途**が個別に問われます。
IP アドレスはインターネット上の**住所**。送信元と宛先を識別するための番号で、現在は古い IPv4(32 bit)と新しい IPv6(128 bit)が併用されています。**IPv4 は約 43 億個しかアドレスがなく、すでに枯渇**しているため、スマホ・IoT 時代に対応する IPv6 への移行が進んでいます。
| 版 | 長さ | 例 | 備考 |
|---|---|---|---|
| IPv4 | 32 bit(4 オクテット) | 192.168.1.1 | 約 43 億、枯渇。NAT で延命中 |
| IPv6 | 128 bit(16 オクテット) | 2001:db8::1 | 約 340 澗(10^36)、ほぼ無限 |
IPv4 枯渇の現状: 43 億アドレスは世界人口より少なく、スマホ・IoT 機器の増加で完全に不足。組織内ではプライベート IP を使い、インターネットに出るときだけ NAT でグローバル IP に変換する運用で延命しています。IPv6 はこの問題を抜本解決する技術。
IP アドレスは用途によって 3 種類に分かれます。プライベート IPは**組織内で自由に使える**アドレスで、インターネット上では重複していても構いません(外からは見えないため)。グローバル IPは世界でただひとつ。ループバックは「自分自身」を指す特殊な範囲で、開発時によく使います。
| 分類 | 範囲(IPv4) | 用途 |
|---|---|---|
| プライベート IP | 10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16 | 組織内で自由に使える(家庭ルータの LAN 側等) |
| グローバル IP | 上記以外 | インターネット上で一意 |
| ループバック | 127.0.0.0/8(代表は 127.0.0.1) | 自分自身(開発・テスト用) |
NAT / NAPT の役割: 家庭用ルータ(Wi-Fi ルータ)は NAT(Network Address Translation)または NAPT(別名 IP マスカレード)で、家の中のプライベート IP と プロバイダから貰ったグローバル IP 1 つ を相互変換します。これによって家族 5 人のスマホ・PC 全部がたった 1 つのグローバル IPを共有してインターネットに出られるのです。
頻出: プライベート IP の 3 つの範囲(10/8、172.16/12、192.168/16)は覚える。家庭のルータで一番よく見るのが 192.168.x.x。「会社や家で見る IP」と問われたらプライベート IPが答え。
ドメイン名(例: www.example.com)を IP アドレス(例: 93.184.216.34)に変換する仕組みが DNS(Domain Name System)です。人間は「google.com」のような名前で覚え、コンピュータは数値の IP アドレスで通信する——この**橋渡しをしているのが DNS。世界中の DNS サーバが階層的に分担**してこの変換を担っています。
階層的に「右から左へ」解決。解決結果はキャッシュされ、次回は高速化される。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| FQDN | 完全修飾ドメイン名。www.example.com のようなフルパス |
| トップレベルドメイン(TLD) | .com、.jp、.co.jp等 |
| DNS キャッシュ | 解決結果の一時保存 |
頻出引っかけ: DNS が使えないとドメイン名でインターネットに繋がらない(IP 直打ちなら OK)。「インターネット接続はできているのに、Web サイトが開けない」は DNS トラブルの典型症状。
URL(Uniform Resource Locator)は Web 上のリソースの**住所**。ブラウザのアドレスバーに毎日入力している文字列ですが、**6 つの部分**に分解できます。試験では各部分の名称と役割が問われます。
https://www.example.com:443/path/to/page?id=123#section
└─┬─┘ └─────┬─────────┘└┬┘└──────┬────┘└────┬─┘└──┬──┘
│ │ │ │ │ │
プロトコル ホスト名 ポート パス クエリ フラグメント
| 部分 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| プロトコル | 通信方式 | https://、http://、ftp:// |
| ホスト名(FQDN) | サーバの場所 | www.example.com |
| ポート | サーバの受付窓口。省略可(HTTPS なら暗黙 443) | :443 |
| パス | サーバ内のリソース位置 | /path/to/page |
| クエリ | サーバに渡すパラメータ | ?id=123 |
| フラグメント | ページ内位置(ブラウザで処理、サーバには送信されない) | #section |
具体例: Google 検索の URL https://www.google.com/search?q=itpassport は、プロトコル=https、ホスト=www.google.com、パス=/search、クエリ=q=itpassport という構造。q=itpassport の部分が「検索キーワード」として Google サーバに送られます。
引っかけ: フラグメント(
#section)はサーバに送信されない。ブラウザ内でページ内ジャンプに使われるだけ。アクセスログにもフラグメントは残らない。
Web の仕組みを理解するには、**静的な言語(HTML/CSS/JS)と状態管理(Cookie・セッション)**の両方を押さえる必要があります。ログイン状態を維持したり、買い物カゴに商品を入れたままページを移動できたりするのは、Cookie とセッション ID がサーバとブラウザで連携しているからです。
| 用語 | 意味 | 用途 |
|---|---|---|
| HTML | ページ**構造**のマークアップ言語 | 見出し・段落・リンク等 |
| CSS | **見た目**の定義 | 色・フォント・レイアウト |
| JavaScript | ブラウザ上で**動的処理** | 検索候補・フォーム検証・アニメ |
| クッキー(Cookie) | **ブラウザに保存**される状態情報 | ログイン維持・広告配信・カート |
| セッション ID | サーバでユーザを識別する**一時的な ID** | ショッピングサイトの購入フロー |
| RSS | Web サイトの更新情報を配信する XML 形式 | ブログ・ニュースの購読 |
| CMS | コンテンツ管理システム | WordPress 等、記事更新支援 |
Cookie の実例: Amazon で一度ログインすると、次回訪問時に**自動でログイン状態になるのは Cookie に認証情報が保存されているから。個人情報保護と利便性のトレードオフ**があり、EU の GDPR では Cookie 同意バナーが義務化されています。
引っかけ: Cookie はブラウザ側の保存、セッションはサーバ側の管理。Cookie にセッション ID だけを保存し、**実際のログイン情報はサーバのセッションに格納**するのが現代の設計。Cookie に直接パスワードを保存するのは危険。
ネットワークが「速い / 遅い」と言うとき、何を測っているかで意味が変わります。「最大速度は 1Gbps」と書かれていても、実際の体感速度(スループット)は大幅に下回るのが普通。「速さ」には**帯域幅(どれだけ流せるか)と遅延(応答の速さ)の 2 軸があり、動画配信には帯域幅**、**オンラインゲームには低遅延**が重要です。
| 指標 | 意味 | 用途 |
|---|---|---|
| **[[帯域幅 | たいいきはば]]**(bandwidth) | 単位時間あたりの**最大**データ量(bps) |
| スループット | **実効的**な伝送量(理論値より低い) | 実際の体感速度 |
| レイテンシ(遅延) | 通信の**応答時間**(ms) | オンラインゲーム・リアルタイム通話 |
| パケットロス率 | 届かないパケットの割合 | 品質劣化の指標 |
| ジッタ | 遅延の揺らぎ | 音声・動画の品質 |
具体例: 「1 Gbps の回線」と契約しても、スループットは 300 Mbps くらいしか出ないことが多い(オーバヘッド・他ユーザとの共有・家庭内 Wi-Fi のロスなど)。動画ストリーミングは帯域幅重視(4K 動画は 25 Mbps 程度必要)、ゲーム・音声通話は低レイテンシ重視(50ms 以下が快適)。
実際のネットワークをソフトウェアで柔軟に扱う技術群です。VPN はテレワークで在宅から社内 LAN に安全接続するのに必須、CDN は YouTube や Netflix の高速配信を支え、VLAN は大規模企業の部署別ネットワーク分離に使われます。どれも現代のビジネスに欠かせません。
| 技術 | 正式名 | 説明 |
|---|---|---|
| VLAN | Virtual LAN | LAN を論理的に分割し、物理接続に依存しないグループ化 |
| VPN | Virtual Private Network | インターネット経由で**暗号化通信路**を確立(テレワーク必須) |
| SDN | Software Defined Networking | ネットワーク設定をソフトウェアで集中管理 |
| CDN | Content Delivery Network | 世界各地の配信サーバで**高速配信** |
| NFV | Network Function Virtualization | ルータ・FW 等の機能をソフト化 |
VPN の実例: 在宅勤務者が自宅から会社のファイルサーバにアクセスするとき、そのままインターネット経由では盗聴リスクがあります。VPN を使うと 自宅 PC と会社ネットワークの間に暗号化トンネルが作られ、途中で盗聴されても中身が読まれない設計になります。会社の中から直接アクセスしているのと同等のセキュリティが得られます。
CDN の実例: 世界中に配信サーバを分散配置し、ユーザに**最も近いサーバからコンテンツを届ける仕組み。日本のユーザが YouTube を見るとき、米国本社から直接ではなく国内の CDN サーバから**映像を受け取るので**高速・低遅延**。Netflix、CloudFlare、Akamai が代表的な CDN 事業者。
頻出: VPN = 暗号化トンネル(テレワーク)、CDN = 世界配信網(動画・大サイト)、VLAN = LAN 論理分割(部署分け)。3 つとも「V」で始まるが用途は全く違う。