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コンピュータシステム

最終確認日:

このしょうまなぶこと

テクノロジけい 45 もんのうち、このしょう6〜8 もんほどの出題しゅつだいがあります。「CPU のコアすうってなに?」「SSD と HDD はどっちをえらぶべき?」「RAID ってなにちがうの?」「稼働かどうりつってなん% あればいいの?」「クラウドの IaaS / PaaS / SaaS ってなにちがう?」といった、コンピュータをうごかすハードとシステムの仕組しくあつかしょうです。

このしょうのキーワードは「速度そくど容量ようりょうのトレードオフ」と「冗長じょうちょう二重化にじゅうか」。メモリ階層かいそうも RAID も並列へいれつ稼働かどうも、すべて「はやさをるか、確実かくじつさをるか、コストをるか」のバランス設計せっけいはなし試験しけんでは数値すうち比較ひかく計算けいさん問題もんだい稼働かどうりつ)もるので、概念がいねんだけでなくしきさえる必要ひつようがあります。

学習がくしゅうゴール

このしょうえた時点じてんで、以下いかができるようになっていることを目指めざします。

  • コンピュータの 5 だい装置そうち入力にゅうりょく出力しゅつりょく記憶きおく制御せいぎょ演算えんざん)の役割やくわり判別はんべつできる
  • CPUGPUGPGPUちがいを判別はんべつして、用途ようとおうじた選定せんていができる
  • メモリ階層かいそう(レジスタ・キャッシュ・しゅ記憶きおく補助ほじょ記憶きおく)の速度そくど容量ようりょう関係かんけい使つかいこなせる
  • RAID 0/1/5/6 のちがいを判別はんべつして、要件ようけんおうじた方式ほうしき選定せんていできる
  • 稼働かどうりつ・MTBF・MTTR を判別はんべつして、直列ちょくれつ並列へいれつ構成こうせい稼働かどうりつ計算けいさんできる
  • IaaS / PaaS / SaaS の責任せきにん分界ぶんかい事業じぎょうしゃ利用りようしゃ範囲はんい)を判別はんべつできる

試験しけんでは:計算けいさん」と「判別はんべつ」が 2 だいテーマ。稼働かどうりつ直列ちょくれつ並列へいれつ計算けいさん毎年まいとし。RAID のちがい、クラウドの提供ていきょう範囲はんい、メモリ階層かいそう順序じゅんじょはそれぞれ複数ふくすうもんます。

1. コンピュータ構成こうせい要素ようそ

コンピュータの物理ぶつりてき中身なかみ構成こうせいする要素ようそていきます。CPU・メモリ・ストレージ・入出力にゅうしゅつりょく機器ききは、どれも速度そくど容量ようりょう・コスト三角形さんかくけいでバランスがられていて、最適さいてき組み合わせくみあわせ使用しよう目的もくてきによってわります。ここではえらかた基準きじゅん仕組しくみの基本きほんさえます。

1.1 コンピュータの 5 だい装置そうち

装置そうち役割やくわり代表だいひょうれい
入力にゅうりょく装置そうちデータをキーボード、マウス、スキャナ
出力しゅつりょく装置そうち結果けっかディスプレイ、プリンタ
記憶きおく装置そうちデータを保持ほじメモリ、ストレージ
制御せいぎょ装置そうち命令めいれい解釈かいしゃく制御せいぎょCPU うち制御せいぎょユニット
演算えんざん装置そうち計算けいさん論理ろんり演算えんざんCPU うちの ALU

制御せいぎょ装置そうち演算えんざん装置そうちわせて CPU(Central Processing Unit、中央ちゅうおう処理しょり装置そうち)とびます。

1.2 プロセッサ(CPU)

CPU(Central Processing Unit、中央ちゅうおう処理しょり装置そうち)はコンピュータの頭脳ずのう命令めいれい解釈かいしゃくし、計算けいさんし、結果けっかをメモリにもど一連いちれん動作どうさ1 びょうかんすうじゅうおくかいかえしています。PC をうとき 「Core i5 / i7、3.0 GHz、8 コア」かれているのは、それぞれCPU の世代せだい・クロック周波数しゅうはすう・コアすうあらわします。試験しけんでは用語ようご意味いみCPU・GPU・GPGPU の使つか頻出ひんしゅつです。

多数のピンが並ぶCPUの裏面
CPU(中央ちゅうおう処理しょり装置そうち)の裏面りめん多数たすうのピンでマザーボードのソケットに接続せつぞくする。

主要しゅよう用語ようご

用語ようご意味いみ
クロック周波数くろっくしゅうはすう1 びょうあたりのクロック信号しんごう(サイクル)の回数かいすう(Hz)。3 GHz なら 30 おくサイクル/びょう
コアこあCPU うち処理しょり単位たんい。マルチコアで並列へいれつ処理しょり(8 コアなら同時どうじに 8 つ処理しょり
スレッドすれっどOS が管理かんりする処理しょり単位たんい(SMT で 1 コア複数ふくすうスレッド)
キャッシュメモリきゃっしゅめもりCPU とメインメモリの高速こうそくバッファ(L1/L2/L3)

CPU の種類しゅるい

処理しょり種類しゅるいおうじて最適さいてきなプロセッサはちがいます。汎用はんよう計算けいさんには CPU画像がぞう処理しょり並列へいれつ計算けいさんには GPU、AI 学習がくしゅうには GPGPU家電かでんや IoT には小型こがたマイコン特殊とくしゅ用途ようとには ASIC / FPGA と、用途ようととくがたのプロセッサひろがっています。

種類しゅるい用途ようと代表だいひょうれい
CPU汎用はんよう処理しょり命令めいれい実行じっこう分岐ぶんきIntel Core、AMD Ryzen
GPU画像がぞう処理しょり並列へいれつ演算えんざん(3D CG・機械きかい学習がくしゅうNVIDIA GeForce、Apple Silicon の GPU
GPGPUGPU を汎用はんよう演算えんざん応用おうよう(AI 学習がくしゅうとうNVIDIA CUDA
マイコンまいこん(MCU)組込くみこ機器きき小型こがた CPUルネサス、ATmega(Arduino)
ASIC特定とくてい用途ようと集積しゅうせき回路かいろ仮想かそう通貨つうか採掘さいくつ・AI 推論すいろんGoogle TPU
FPGA可能かのう論理ろんり回路かいろ回路かいろ設計せっけい実験じっけんとうXilinx、Intel Altera

っかけ: GPU と GPGPU のちが。GPU は本来ほんらい画像がぞう処理しょりようだが、すうせんコアの並列へいれつ計算けいさん能力のうりょく汎用はんよう計算けいさん(AI 学習がくしゅう科学かがくシミュレーション)に転用てんようしたのが GPGPU。つまり「ハードウェアはおなじ、用途ようとちがう」のが正解せいかい

1.3 メモリ

基板に多数のメモリチップが並ぶRAMモジュール
しゅ記憶きおく(メモリ/RAM)のモジュール。基板きばんにメモリチップをならべ、マザーボードのスロットにして使つかう。

メモリの階層かいそう

CPU は計算けいさんするだけでデータを保持ほじしません。そのデータをどこにくか速度そくど容量ようりょう価格かかくのトレードオフが発生はっせいし、これを段階だんかいてき組み合わせくみあわせたのが「メモリ階層かいそう」です。

  • じょうほどはやいが容量ようりょうちいさく単価たんかたか(レジスタ・キャッシュ)
  • ほどおそいが容量ようりょうおおきく単価たんかやす(メインメモリ・補助ほじょ記憶きおく
  • うえそう頻繁ひんぱん使つかうデータをキャッシュし、したそう大量たいりょうデータを保管ほかんする、という分担ぶんたん全体ぜんたい性能せいのうします
階層かいそううえほど CPU にちかい)速度そくど容量ようりょう単価たんか
レジスタ最速さいそく最小さいしょうかず KB)最高さいこう
キャッシュ(L1 / L2 / L3)非常ひじょうはや小(かず MB)
メインメモリ(DRAM)中(かず GB)
補助ほじょ記憶きおく(SSD / HDD)おそ大(かず TB)やす

ポイント: うえほど はやいがちいさく高価こうかしたほど おおきいがおそ安価あんか。CPU はうえそう頻繁ひんぱん参照さんしょうし、したそうには大量たいりょうデータを分担ぶんたん全体ぜんたい性能せいのうす。

ポイント:速度そくど容量ようりょうはトレードオフ」が階層かいそう本質ほんしつ。CPU にちかいほどはやくてちいさく、とおいほどおおきくておそい。

メモリの種類しゅるい

種類しゅるい揮発きはつ/不揮発ふきはつ用途ようと
RAM(ランダムアクセスメモリ)揮発きはつせい動作どうさちゅうのデータ
ROM(リードオンリーメモリ)不揮発ふきはつせい起動きどうのプログラム
SRAM(Static RAM)揮発きはつキャッシュ(高速こうそく高価こうか
DRAM(Dynamic RAM)揮発きはつメインメモリ(安価あんかだい容量ようりょう
フラッシュメモリふらっしゅめもり不揮発ふきはつUSBメモリ、SSD

DRAM の規格きかく

DDR3 SDRAM → DDR4 → DDR5(あたらしいほど高速こうそく)。物理ぶつりてき形状けいじょうとして DIMM(デスクトップ)、SO-DIMM(ノート)があります。

1.4 補助ほじょ記憶きおく装置そうち(ストレージ)

種類しゅるい特徴とくちょう
HDD(Hard Disk Drive)磁気じきディスク、だい容量ようりょう低速ていそく
SSD(Solid State Drive)フラッシュメモリ、高速こうそくしずおん
CD / DVD / Blu-rayひかりディスク
SD カード / USB メモリフラッシュメモリのリムーバブル
3.5 インチ HDD の内部
HDD。 磁気じきディスクを高速こうそく回転かいてんさせてデータを記録きろくする補助ほじょ記憶きおく装置そうち
2.5 インチ SSD
SSD。 半導体はんどうたいメモリにデータを記録きろく。 HDD より高速こうそくしずおん・耐衝撃しょうげき
USB メモリの写真
USB メモリ。 はこびに便利べんり補助ほじょ記憶きおく。 USB ポートに直接ちょくせつす。

RAID(ディスクアレイ)

複数ふくすうのディスクを 1 つにまとめて、性能せいのうはやさ)と信頼性しんらいせいこわれにくさ)げる技術ぎじゅつです。代表だいひょうてきな 3 方式ほうしき動作どうささえます。

  • ストライピング(RAID 0): データを複数ふくすうディスクに分割ぶんかつして同時どうじみ。高速こうそくだが冗長じょうちょうせいゼロ(1 だいこわれたら全滅ぜんめつ
  • ミラーリング(RAID 1): おなじデータを 2 だいコピー保存ほぞん。1 だいこわれてももう 1 たい稼働かどう容量ようりょう効率こうりつ半分はんぶん
  • パリティ分散ぶんさん(RAID 5): データにくわえて「復元ふくげんよう情報じょうほうパリティぱりてぃ)」を分散ぶんさん保存ほぞん1 うてなまでの故障こしょうから自動じどう復元ふくげんできる。容量ようりょう効率こうりつ

RAID 0(ストライピング)

2 たいのディスクにデータを分割ぶんかつして同時どうじ書込かきこ

Disk 1Disk 2
A1A2
B1B2
C1C2

高速こうそくだが冗長じょうちょうせいなし — 1 だいこわれたらぜんデータ消失しょうしつ

RAID 1(ミラーリング)

おなじデータを 2 だい複製ふくせい保存ほぞん

Disk 1Disk 2(複製ふくせい
AA
BB
CC

1 うてなまでの故障こしょうえる容量ようりょう効率こうりつ半分はんぶん

RAID 5(パリティ分散ぶんさん

データ + パリティ(復元ふくげんよう情報じょうほう)を 3 だい分散ぶんさん

Disk 1Disk 2Disk 3
A1A2Ap
B1BpB2
CpC1C2

太字ふとじ = パリティ(復元ふくげんよう情報じょうほう

1 うてなまでの故障こしょうから自動じどう復元ふくげん — バランス型

RAID方式ほうしき必要ひつよう台数だいすう容量ようりょう効率こうりつ故障こしょう許容きょよう特徴とくちょう
RAID 0ストライピングすとらいぴんぐ2 たい100%なし高速こうそく冗長じょうちょうなし
RAID 1ミラーリングみらーりんぐ2 うてな50%1 うてな高信頼こうしんらい容量ようりょう半分はんぶん
RAID 5パリティぱりてぃ分散ぶんさん3 たい(n−1)/n1 うてなバランスがた容量ようりょう効率こうりつりょう
RAID 6じゅうパリティ4 たい(n−2)/n2 うてなだい規模きぼ高信頼こうしんらい
RAID 1+0ミラー + ストライピング4 たい50%かくペア 1 うてな高速こうそく + 高信頼こうしんらい

試験しけんでは: 「RAID 5 はなんだいまで故障こしょうえられるか」「RAID 1 は容量ようりょう効率こうりついくつか」が頻出ひんしゅつ復元ふくげんできるのは 1 うてなまで(RAID 6 は 2 だい)と確実かくじつおぼえる。

1.5 入出力にゅうしゅつりょくインタフェース

周辺しゅうへん機器きき本体ほんたいをつなぐ規格きかくは、有線ゆうせん(USB・HDMI ひとし)と無線むせん(Bluetooth・NFC ひとし)の 2 系統けいとうかれます。近年きんねんUSB-C 1 ほん充電じゅうでん映像えいぞう・データをまかな時代じだいになり、規格きかくおおきくわりつつあります。試験しけんでは名称めいしょう特徴とくちょう対応たいおうわれます。

規格きかく種類しゅるい特徴とくちょう
USB(Type-A/B/C)有線ゆうせん汎用はんよう、Type-C は表裏ひょうり対称たいしょう高速こうそく給電きゅうでん(Power Delivery)
HDMI有線ゆうせん映像えいぞう + 音声おんせいデジタル伝送でんそう。テレビ・モニタの主流しゅりゅう
DisplayPort有線ゆうせんPC モニターけ、こうリフレッシュレート
Bluetooth無線むせん近距離きんきょり(〜10m)、イヤホン・マウス・スマート家電かでん
NFC無線むせんちょう近距離きんきょり(〜10 cm)、決済けっさい(Suica・おサイフケータイは FeliCa=NFC の一種いっしゅ
IrDA無線むせん赤外線せきがいせん旧型きゅうがた現在げんざい使つかわれない)
RFID無線むせん電子でんしタグ、物流ぶつりゅう管理かんり・ID カード

2. システム構成こうせい要素ようそ

コンピュータを単体たんたい使つかうのではなく、複数ふくすうだい組み合わせくみあわせてシステムとしてうごかします。処理しょりをどう分担ぶんたんするか(集中しゅうちゅう分散ぶんさん)、故障こしょうにどうそなえるか(冗長じょうちょう)、クラウドをどう使つかうか(IaaS/PaaS/SaaS)——このふしじつ運用うんよう現場げんばもっと重要じゅうよう設計せっけい判断はんだんあつかいます。試験しけんではとく冗長じょうちょう方式ほうしき判別はんべつクラウド形態けいたい判別はんべつ頻出ひんしゅつです。

2.1 システムの構成こうせい方式ほうしき

システムの処理しょり形態けいたい中央ちゅうおう集権しゅうけんがた vs 分散ぶんさんがた大別たいべつされます。むかし銀行ぎんこう1 たいのホストコンピュータぜん処理しょり集約しゅうやくしていましたが、現在げんざいはサーバを分散ぶんさん配置はいちするクライアントサーバがた主流しゅりゅうです。さらに P2P では中央ちゅうおうサーバが不要ふようシンクライアントでは端末たんまつがわ最小さいしょう構成こうせいにする、などの派生はせいがたがあります。

方式ほうしき特徴とくちょうれい
集中しゅうちゅう処理しょりホスト 1 たい処理しょり旧来きゅうらいのメインフレーム
分散ぶんさん処理しょり複数ふくすうだい処理しょり分担ぶんたんWeb サービス全般ぜんぱん
クライアントサーバくらいあんとさーばクライアントが要求ようきゅう、サーバが応答おうとうWeb、メール、DB
ピアツーピアぴあつーぴあ(P2P)かく端末たんまつ対等たいとう、サーバ不要ふようBitTorrent、ふるい Skype
シンクライアントしんくらいあんと端末たんまつ最小さいしょう構成こうせい、サーバで処理しょり銀行ぎんこう窓口まどぐち端末たんまつ、VDI

具体ぐたいれい: 会社かいしゃのファイルサーバはクライアントサーバがた社員しゃいん PC が要求ようきゅう、サーバが応答おうとう)、Zoom はハイブリッド中央ちゅうおうサーバをとおすが P2P にちか通信つうしん使つかう)、Bitcoin は純粋じゅんすいP2P

2.2 冗長じょうちょう信頼しんらいせい向上こうじょう

システム停止ていし業務ぎょうむ停止ていし意味いみし、1 分数ぶんすうひゃくまんえん損失そんしつにつながる業務ぎょうむもあります。これをふせぐために冗長じょうちょう二重化にじゅうか複数ふくすう)をおこない、1 だいこわれてもまらない構成こうせいつくります。「待機たいきけいつねうごいているか」「切替きりかえ時間じかんがどれだけか」で方式ほうしきかれます。

方式ほうしき内容ないよう切替きりかえ時間じかん用途ようと
デュアルシステムでゅあるしすてむおな処理しょりを 2 たい並行へいこう実行じっこう結果けっか比較ひかく0(同時どうじ稼働かどうミッションクリティカル(銀行ぎんこう航空こうくう
デュプレックスシステムでゅぷれっくすしすてむおもけい待機たいきけい用意よういおもけい障害しょうがい切替きりかえ方式ほうしき次第しだい汎用はんようシステム
クラスタリングくらすたりんぐ複数ふくすうだい1 つのシステムにせるびょう単位たんいだい規模きぼ Web サービス
ロードバランサろーどばらんさ負荷ふか複数ふくすうサーバに分散ぶんさんWeb サービスの基本きほん構成こうせい
ホットスタンバイほっとすたんばい待機たいきけい常時じょうじ稼働かどう瞬時しゅんじ切替きりかえすうびょう重要じゅうようシステム
ウォームスタンバイ待機たいきけい起動きどうみだが本番ほんばんすうふんじゅん重要じゅうようシステム
コールドスタンバイこーるどすたんばい待機たいきけい普段ふだん停止ていし切替きりかえ時間じかんようすう時間じかんコスト重視じゅうし

頻出ひんしゅつ: ホット(常時じょうじ稼働かどう)→ ウォーム(起動きどうすみ)→ コールド(停止ていしじゅん切替きりかえ時間じかんび、コストががる。銀行ぎんこうシステムはホット必須ひっす災害さいがい対策たいさくようバックアップはコールドで十分じゅうぶん、のように業務ぎょうむ重要じゅうようえら

2.3 仮想かそうとクラウド

仮想かそうは「1 たい物理ぶつりサーバのうえ複数ふくすうの OS をうごかす技術ぎじゅつ従来じゅうらい 10 たい必要ひつようだったサーバを 1 だい集約しゅうやくでき、コスト・電力でんりょく設置せっちスペースが大幅おおはば削減さくげんできます。近年きんねんVM より軽量けいりょうなコンテナ(Docker)が主流しゅりゅうになり、サーバの使つかかた抜本ばっぽんてきわりました。

用語ようご意味いみ
仮想マシンかそうましん(VM)1 たい物理ぶつりサーバじょう複数ふくすうの OS をうごかす(VMware、Hyper-V)
コンテナこんてなVM より軽量けいりょう仮想かそう(Docker ひとし)、アプリ単位たんい分離ぶんり
VDI(Virtual Desktop Infrastructure)デスクトップをサーバで実行じっこう端末たんまつ画面がめん転送てんそうのみ
NAS(Network Attached Storage)ネットワーク経由けいゆ使つかえる共有きょうゆうストレージ(家庭かてい中小ちゅうしょう企業きぎょうけ)
SAN(Storage Area Network)高速こうそくストレージ専用せんようネットワーク(だい規模きぼデータセンタけ)

っかけ: VM とコンテナちがい。VM はOS ごと仮想かそうするのでおもいが分離ぶんり強固きょうこ、コンテナはOS カーネルを共有きょうゆうしアプリ単位たんい分離ぶんりするので軽量けいりょう起動きどうはやい。クラウドネイティブな現代げんだいのアプリはコンテナが主流しゅりゅう

クラウドサービスの形態けいたい

クラウドサービスの本質ほんしつは「どこまでをクラウド事業じぎょうしゃ用意よういしてくれて、どこからさき自分じぶん管理かんりするか」の境界きょうかいせん責任せきにん分界ぶんかい)のちがいです。したくほど自分じぶん管理かんりする範囲はんいせまくなり、らくになります。

オンプレミス

全部ぜんぶ自分じぶん管理かんり

アプリ
データ
ミドルウェア
OS
仮想かそう
サーバ・ストレージ
ネットワーク

自由じゆう: 最大さいだい / れい: 自社じしゃサーバルーム

IaaS(Infrastructure)

アプリ(利用りようしゃ管理かんり
データ(利用りようしゃ管理かんり
ミドルウェア(利用りようしゃ管理かんり
OS(利用りようしゃ管理かんり
仮想かそう事業じぎょうしゃ
サーバ・ストレージ(事業じぎょうしゃ
ネットワーク(事業じぎょうしゃ

自由じゆう: たかい / れい: AWS EC2

PaaS(Platform)

アプリ(利用りようしゃ管理かんり
データ(利用りようしゃ管理かんり
ミドルウェア(事業じぎょうしゃ
OS(事業じぎょうしゃ
仮想かそう事業じぎょうしゃ
サーバ・ストレージ(事業じぎょうしゃ
ネットワーク(事業じぎょうしゃ

自由じゆう: なか / れい: Heroku、GAE

SaaS(Software)

アプリ(事業じぎょうしゃ
データ(事業じぎょうしゃ
ミドルウェア(事業じぎょうしゃ
OS(事業じぎょうしゃ
仮想かそう事業じぎょうしゃ
サーバ・ストレージ(事業じぎょうしゃ
ネットワーク(事業じぎょうしゃ

自由じゆう: ていらく) / れい: Gmail、M365

凡例はんれいいオレンジ=事業じぎょうしゃ提供ていきょうしろ利用りようしゃ管理かんりI → P → Sじゅんで「事業じぎょうしゃがよりおおく」提供ていきょうする範囲はんいえる。

形態けいたい正式せいしきめい事業じぎょうしゃ提供ていきょうする範囲はんいれい
IaaSInfrastructure as a Service仮想かそう〜ネットワークまで(OS からうえ利用りようしゃAWS EC2、GCP Compute Engine
PaaSPlatform as a ServiceOS・ミドルウェアまで(アプリ・データは利用りようしゃGoogle App Engine、Heroku
SaaSSoftware as a Serviceアプリケーションまで全部ぜんぶ利用りようしゃ使つかうだけ)Gmail、Microsoft 365
DaaSDesktop as a Service仮想かそうデスクトップ環境かんきょうAmazon WorkSpaces

おぼかた: IaaS は Infrastructure(土台どだいだけ)、PaaS は Platform(開発かいはつ環境かんきょうまで)、SaaS は Software(完成かんせいひんアプリ)。「自由じゆうらくさ」のトレードオフ。

2.4 システム評価ひょうか指標しひょう

システムの「どれだけ安定あんていしているか」「いくらかかるか」を数値すうちはか指標しひょう試験しけんではとく稼働かどうりつ計算けいさん毎年まいとしで、直列ちょくれつ並列へいれつちがいと計算けいさんしき理解りかいしていれば確実かくじつ得点とくてんできる領域りょういきです。

稼働かどうりつ

稼働かどうりつ = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)

システムがどれだけの時間じかんうごいているか全体ぜんたいたいする割合わりあいあらわしたもの。「99.9%」は年間ねんかん停止ていし時間じかんやく 8.76 時間じかん、「99.99%」はやく 52 ぶん、「99.999%」はやく 5 ぶんだい規模きぼサービスでは小数点しょうすうてん以下いか 1 けたちがいが年間ねんかんすう時間じかん停止ていし時間じかんになります。

指標しひょう意味いみ
MTBF(Mean Time Between Failures)平均へいきん故障こしょう間隔かんかく故障こしょうきる間隔かんかく平均へいきんながいほどい)
MTTR(Mean Time To Repair)平均へいきん修理しゅうり時間じかん故障こしょうから復旧ふっきゅうまでの平均へいきん時間じかんみじかいほどい)

具体ぐたいれい: 稼働かどうりつ 99.9% のサーバは、MTBF = 1000 時間じかん、MTTR = 1 時間じかん、というような関係かんけい故障こしょうしにくさ(MTBF)復旧ふっきゅうはやさ(MTTR)両方りょうほうくので、片方かたほうだけ改善かいぜんしても効果こうか半分はんぶん

おぼかた: MTBF の Between は「かん」、MTTR の Repair は「修理しゅうり」。稼働かどうりつは「うごいている時間じかん ÷(うごいている時間じかん + まっている時間じかん)」。

直列ちょくれつ並列へいれつシステムの稼働かどうりつ

複数ふくすう装置そうちわせるとき、全部ぜんぶうごかないとダメ(直列ちょくれつ)」「どれか 1 つうごけば OK(並列へいれつ)」かで稼働かどうりつかたちがいます。

  • 直列ちょくれつ構成こうせい = AND: すべての装置そうち動作どうさしている必要ひつようがある(1 たいでもまればぜん停止ていし
  • 並列へいれつ構成こうせい = OR: いずれか 1 たいでも動作どうさしていればよい(冗長じょうちょう

直列ちょくれつ構成こうせい(AND)

両方りょうほう動作どうさ稼働かどう

入力にゅうりょく装置そうち 1 (R₁) → 装置そうち 2 (R₂) → 出力しゅつりょく

R = R₁ × R₂

例: 0.9 × 0.9 = 0.81

信頼しんらいせいがる(1 たいでもまればぜん停止ていし

並列へいれつ構成こうせい(OR)

片方かたほう動作どうさ稼働かどう

入力にゅうりょく →┬→ 装置そうち 1 (R₁) →┬→ 出力しゅつりょく
   └→ 装置そうち 2 (R₂) →┘

R = 1 − (1 − R₁)(1 − R₂)

例: 1 − 0.1 × 0.1 = 0.99

信頼しんらいせいがる(両方りょうほうまる確率かくりつを 1 からく)

構成こうせい計算けいさんしき(2 だい直感ちょっかん
直列ちょくれつR₁ × R₂両方りょうほうの AND
並列へいれつ1 − (1 − R₁)(1 − R₂)両方りょうほうともまる確率かくりつ」を 1 から

れい: 稼働かどうりつ 0.9 の装置そうち 2 うてな

  • 直列ちょくれつ: 0.9 × 0.9 = 0.81信頼しんらいせいがる)
  • 並列へいれつ: 1 − 0.1 × 0.1 = 0.99信頼しんらいせいがる)

ポイント: 並列へいれつしきは「故障こしょうりつの AND を 1 からく」とおぼえる。両方りょうほう同時どうじ故障こしょうする確率かくりつ(0.1 × 0.1 = 0.01)を稼働かどうりつ全体ぜんたい(1)からいて 0.99。

コスト指標しひょう

指標しひょう意味いみ
TCO(Total Cost of Ownership)導入どうにゅうから廃棄はいきまでぜん期間きかんそう所有しょゆうコスト
初期しょき費用ひよう導入どうにゅう一時いちじ費用ひよう
運用うんよう費用ひよう運用うんようちゅう継続けいぞく費用ひよう電気でんきだい保守ほしゅ人件じんけん

3. ハードウェア

コンピュータ本体ほんたいとその周辺しゅうへん機器きき物理ぶつり装置そうち使用しよう目的もくてきおうじた種類しゅるいがあり、PC・サーバ・組込くみこ機器きき性質せいしつちがいます。ディスプレイ・プリンタ・入力にゅうりょく装置そうち日常にちじょうれる機器ききなので、用語ようごおぼえるだけでなく「どこでどんな技術ぎじゅつ使つかわれているか」のイメージもっておくと試験しけんまよいにくくなります。

3.1 コンピュータの種類しゅるい

コンピュータは用途ようと性能せいのう形状けいじょう分類ぶんるいされます。家庭かてい会社かいしゃ使つかう PC、業務ぎょうむ処理しょり専用せんようのサーバ、専門せんもんけのワークステーション、モバイル用途ようとのスマートデバイス、家電かでんまれるマイコン——おなじ「コンピュータ」でも用途ようとによって設計せっけいおおきくちがいます

種類しゅるい用途ようと特徴とくちょう
サーバ業務ぎょうむよう(Web・DB・ファイル)24 時間じかん稼働かどう冗長じょうちょう、ラックマウント
PC(パソコン)個人こじん事務じむよう汎用はんよう、コストパフォーマンス重視じゅうし
ワークステーション高性能こうせいのう PC(CAD・映像えいぞう制作せいさく・CG)高性能こうせいのう GPU・だい容量ようりょうメモリ
スマートデバイススマホ・タブレットモバイル、バッテリ駆動くどう
組込くみこ機器きき家電かでん・IoT デバイス専用せんようマイコン、てい消費しょうひ電力でんりょく

3.2 ディスプレイ

映像えいぞう表示ひょうじする装置そうちむかしのブラウンかん(CRT)は姿すがたし、現在げんざい液晶えきしょう(LCD)有機ゆうき EL(OLED)の 2 つよ。それぞれ発光はっこう方式ほうしき根本こんぽんてきちが、コストや画質がしつ特性とくせい影響えいきょうします。スマホの有機ゆうき EL が「くろまってえる」のは、くろ部分ぶぶん発光はっこうしないためです。

方式ほうしき特徴とくちょう用途ようと
液晶えきしょう(LCD)バックライト必須ひっす消費しょうひ電力でんりょくしょうPC モニタ、ちゅう価格かかくたいテレビ
有機ゆうき EL(OLED)自発じはつこう、コントラストだかくろまる高級こうきゅうスマホ、高級こうきゅうテレビ
3D ディスプレイ立体りったい一部いちぶ医療いりょう・CAD

3.3 プリンタ

かみ印刷いんさつする装置そうち家庭かていインクジェットしょくあざやか・安価あんか)、業務ぎょうむレーザ高速こうそく高画質こうがしつ)が定番ていばん近年きんねん3D プリンタ立体りったい造形ぞうけい可能かのうになり、製造せいぞうぎょう試作しさくひんづくりに使つかわれています。試験しけんでは方式ほうしきめい特徴とくちょう対応たいおうわれます。

方式ほうしき特徴とくちょう用途ようと
レーザプリンタ高速こうそく高画質こうがしつ業務ぎょうむオフィス、大量たいりょう印刷いんさつ
インクジェット家庭かていけ、写真しゃしん印刷いんさつつよ家庭かてい写真しゃしんかん
3D プリンタ立体りったい造形ぞうけい(プラスチック・金属きんぞく試作しさく、フィギュア、医療いりょう

3.4 入力にゅうりょく装置そうち

データを人間にんげんからコンピュータにおく装置そうち。キーボード・マウス以外いがいにも、かみ文書ぶんしょをデジタルするOCR、マークシートをOMR商品しょうひんコードをバーコードリーダなどがあります。用途ようとおうじた専用せんよう入力にゅうりょく装置そうちがあるのが特徴とくちょうです。

装置そうち用途ようと
タッチパネル直接ちょくせつゆび操作そうさ(スマホ・タブレット)
スキャナかみ電子でんし画像がぞうとしてこみ
OCR(Optical Character Recognition)画像がぞうない文字もじをテキスト名刺めいし管理かんり書類しょるい電子でんし
OMR(Optical Mark Recognition)マークシート読取よみと試験しけん・アンケート)
バーコードリーダ商品しょうひん識別しきべつ(POS レジ・物流ぶつりゅう
3 ボタンマウス
マウス。 入力にゅうりょく装置そうち代表だいひょうれい。 クリック・スクロール・カーソル移動いどうおこなう。

っかけ: OCR と OMR のちがOCR は文字もじ認識にんしき名刺めいし書類しょるい文字もじをテキスト)、OMR はマーク認識にんしきりつぶされた位置いち検出けんしゅつ)。マークシート試験しけん採点さいてんは OMR。

📋 しょうまつまとめ

さい重要じゅうようポイント 10 連発れんぱつ

  1. 5 だい装置そうち入力にゅうりょく出力しゅつりょく記憶きおく制御せいぎょ演算えんざん
  2. CPU / GPU / GPGPU汎用はんよう画像がぞう並列へいれつ演算えんざん
  3. RAM(揮発きはつ)と ROM(不揮発ふきはつ
  4. メモリ階層かいそう — レジスタ > キャッシュ > メイン > ストレージ
  5. HDD vs SSD磁気じき vs フラッシュメモリ
  6. RAID 0/1/5 — ストライピング・ミラー・パリティ分散ぶんさん
  7. SaaS / PaaS / IaaS提供ていきょう範囲はんいちが
  8. 稼働かどうりつ = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)
  9. 直列ちょくれつ vs 並列へいれつ片方かたほう停止ていしぜん停止ていし vs 両方りょうほう停止ていしぜん停止ていし
  10. TCO導入どうにゅう廃棄はいきぜん所有しょゆうコスト

出題しゅつだい傾向けいこうのコツ

  • 稼働かどうりつ計算けいさんは必直列ちょくれつ並列へいれつ公式こうしき暗記あんき
  • RAID は 0・1・5 の特徴とくちょう混同こんどうしない
  • SaaS/PaaS/IaaS は「なにまで提供ていきょうしてくれるか」で判定はんてい
  • 用語ようご英語えいご略称りゃくしょう正式せいしき名称めいしょうとセットで

出典しゅってんシラバス: ITパスポート試験しけんシラバス Ver.6.5(2026ねん1つき・IPA公開こうかい

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