この章で学ぶこと
ストラテジ系 32 問のうち、この章は **5〜8 問**ほどの出題があります。「会社って何でできてるの?」「決算書って何のためにあるの?」「著作権って登録するの?」といった、ビジネスと法律の基礎を広く扱う章です。
特に法務(知的財産権・個人情報保護法・労働関連法規)は毎回必出で、現場で実際に判断を求められる場面が多いため、シナリオを読んで適切な法律名・概念を選ぶ問題が中心になります。
学習ゴール
この章を読み終えた時点で、以下ができるようになっていることを目指します。
- 企業の組織形態(職能別・事業部制・マトリックス)を判別して、シナリオから適切な形態を選べる
- 財務諸表(貸借対照表・損益計算書)の役割を説明できる
- 損益分岐点を計算できる
- 知的財産権(特許権・著作権・商標権)の違いと保護期間を判別できる
- IT 関連法規(不正アクセス禁止法・個人情報保護法・労働法)をシナリオから選べる
- 偽装請負を見分けられる
試験では: 「ストラテジ系」は単なる暗記だけでなく、「あなたが管理職だったら / 担当者だったら」という設定の問題が多い。背景知識として「なぜそのルールがあるのか」を意識して読み進めてください。
1. 経営・組織論
会社(企業)は、たくさんの人が分担して仕事をするためのしくみです。「誰が何を決めて、誰が誰に指示するのか」を整理したものが**組織で、「会社が何を目指すのか」を言語化したものが理念**です。この節では、両方の基本を見ていきます。
1.1 経営理念と社会的責任
会社は利益を出すためだけに存在しているわけではありません。何のために存在し、社会にどう貢献するのかを明文化したものが経営理念です。近年は、利益だけでなく環境や社会への配慮も求められるようになり、これを示す概念がいくつも生まれました。
たとえばコンビニチェーンが「全店舗のレジ袋を有料化する」と決めるとき、その判断は単なるコスト削減ではなく CSR(企業の社会的責任)や SDGs(持続可能な開発目標)への対応として説明されます。投資家もまた、財務指標だけでなく ESG(環境・社会・ガバナンス)を見て投資先を選ぶ時代になっています。
| 用語 | 意味 |
|---|
| MVV | Mission(使命)/ Vision(目指す姿)/ Value(行動規範) |
| CSR(Corporate Social Responsibility) | 企業の社会的責任 |
| SRI(Socially Responsible Investment) | 社会的責任投資(CSR を重視する企業に投資) |
| SDGs | 国連が採択した 17 の持続可能な開発目標 |
| ESG | Environment / Social / Governance(投資判断の非財務指標) |
| DE&I | Diversity, Equity & Inclusion。多様性・公平性・包摂 |
ポイント: SDGs は「世界目標」、CSR は「個社の取り組み」、ESG は「投資家の評価軸」。3 つは似た文脈で出てきますが、主語が違うことを意識すると区別しやすくなります。
1.2 経営層の役職(C 役職)
大きな会社になると、社長 1 人ですべてを判断するのは無理になります。そこで、財務・IT・技術・現場などを CxO(Chief x Officer)という肩書で分担します。"C" は Chief(最高責任者)の略で、IT パスポートでは特に CEO・CFO・CIO の 3 つが頻出です。
| 略称 | 正式名 | 役割 |
|---|
| CEO | Chief Executive Officer | 最高経営責任者(会社全体の意思決定) |
| CFO | Chief Financial Officer | 最高財務責任者(資金・会計) |
| CIO | Chief Information Officer | 最高情報責任者(情報システム戦略) |
| CTO | Chief Technology Officer | 最高技術責任者(製品技術) |
| COO | Chief Operating Officer | 最高執行責任者(現場運営) |
覚え方: 真ん中の文字を見ると役割がわかります。Executive=経営、Financial=財務、Information=情報、Technology=技術、Operating=運営。
1.3 組織形態
会社の中をどう「部」や「課」に切り分けるかを**組織形態**といいます。同じ仕事の人を集めるのか、同じ製品を扱う人を集めるのか、両方なのかで 3 つの典型に分かれます。
- 職能別組織 — 営業部・開発部・経理部のように 「仕事の種類」 で分ける。中小企業や単一事業の会社で多い
- 事業部制組織 — 食品事業部・家電事業部のように 「製品・地域」 で分ける。各事業部が独立採算で動ける
- マトリックス組織 — 「職能」と「事業」の両方の軸を組み合わせる。1 人が 2 人の上司 を持つことになる
職能別組織
仕事の種類で分ける
社長
├ 営業部
├ 開発部
└ 経理部
中小企業や単一事業の会社で多い
事業部制組織
事業ごとに独立採算
社長
├ 食品事業部 (営業/開発/経理)
└ 家電事業部 (営業/開発/経理)
複数事業を持つ大企業向き。各事業部が「ミニ会社」のように動く
マトリックス組織
職能軸 × 事業軸
| 食品 | 家電 | 海外 |
| 営業 | ○ | ○ | ○ |
| 開発 | ○ | 2 人の上司 | ○ |
| 経理 | ○ | ○ | ○ |
⚠ 柔軟だが指揮系統が複雑になりがち
凡例:濃いオレンジ=トップ/事業部、薄いオレンジ=部門・部署、白=交差セル。同じ色味で統一しているので 3 図を見比べるときに対応関係が分かりやすい。
このほか、期間限定で組織横断にメンバーを集める プロジェクト組織 もあります。新製品開発や特命タスクのように、目的が達成されたら解散するチームです。
引っかけ: マトリックス組織は「2 人の上司から指示が来る」ため**指揮命令が混乱しやすい**という弱点があります。試験では「マトリックス組織の課題は?」という形で問われやすい。
1.4 人材マネジメント
社員を採用したら、教育して、評価して、キャリアを育てていく必要があります。「教育」と「評価」を切り口にした主要用語は次の 4 つです。
- OJT — 先輩について現場で覚える「実務型」教育
- Off-JT — 集合研修・eラーニング等、現場を離れた「座学型」教育
- MBO — 半期ごとに目標を立てて達成度を評価する「目標管理制度」
- CDP — 社員の何年後にどんなスキルを身につけさせるか計画する「キャリア開発計画」
| 用語 | 意味 |
|---|
| OJT(On the Job Training) | 実務を通じた教育(先輩 → 後輩) |
| Off-JT(Off the Job Training) | 集合研修・座学・eラーニング |
| MBO(Management by Objectives) | 目標管理制度(自己申告 → 評価) |
| HRM(Human Resource Management) | 人的資源管理 |
| HRTech | HR × Technology(AI 採用、タレントマネジメント等) |
| CDP(Career Development Program) | キャリア開発計画 |
2. OR・IE — 業務を改善する手法
OR(オペレーションズリサーチ)と IE(インダストリアルエンジニアリング)は、いずれも**現場の業務をデータで分析して改善する手法**の総称です。たとえば「在庫の中で売れているのは一部だけ」「工事の遅れの原因は何か」を可視化するのに使います。
2.1 意思決定・工程管理の手法
| 手法 | 用途 |
|---|
| **[[ABC 分析 | ABC ぶんせき]]** |
| **[[PERT 図 | PERT ず]]** |
| ガントチャート | 作業の時間配分・進捗を横棒グラフで表示 |
ABC 分析でいう「A グループ」とは、たとえば全商品 1000 種類のうち**売上の 8 割を占める上位 100 種類**のことで、ここを最優先で在庫管理する、というのが典型的な使い方です。
PERT図とガントチャートはどちらも「工程管理」のツールですが、PERT は依存関係(順序)を見るためのネットワーク図、**ガントチャートは時間軸での進捗を見るための棒グラフ**で目的が違います。
試験では: クリティカルパスは「遅れると全体が遅れる経路」と覚える。試験では PERT 図を見せて「クリティカルパスはどれか」「全体の所要日数は何日か」を計算させる問題が定番。
2.2 統計・分析図
業務改善には、データを「見える化」して傾向や原因を探るためのいくつかの定番図があります。**QC 七つ道具**と呼ばれる品質管理の代表ツールが中心です。
| 図 | 用途 |
|---|
| ヒストグラム | 度数分布(どの範囲に多いか) |
| 散布図 | 2 変数の相関 |
| **[[パレート図 | パレートず]]** |
| **[[管理図 | かんりず]]** |
| **[[特性要因図 | とくせいよういんず]]**(フィッシュボーン) |
| BI(Business Intelligence) | 業務データから経営判断用の知見を引き出す総称 |
覚え方: 「フィッシュボーン図」は本当に**魚の骨**のような形で、頭(結果)に向かって複数の原因(骨)が刺さる図。原因分析(なぜなぜ分析)の定番。
3. 会計と財務
会社が「儲かっているか」「お金が足りているか」を数字で見せるのが**財務諸表**です。経営判断・税務申告・株主への説明など、目的に応じて複数の書類を作成し、定期的に開示します。
3.1 主な財務諸表
財務諸表のうち IT パスポートで頻出なのは次の 3 つです。それぞれが見せる情報が違う点を押さえてください。
- 貸借対照表(B/S) — ある時点(例: 3/31 時点)で会社が持っている資産・負債・純資産のスナップショット。「会社の財産状態の写真」
- 損益計算書(P/L) — ある期間(例: 4/1 〜 3/31)の収益と費用、そして利益。「1 年間の儲かり方の動画」
- キャッシュフロー計算書(C/F) — **ある期間**で実際に動いた現金の流れ。「現金がいくら入ってきていくら出ていったかの記録」
B/S(貸借対照表)
時点のスナップショット(例: 3/31 時点)
| 資産(現金・建物・在庫…) |
| 負債 + 純資産(借入金・株主資本…) |
資産 = 負債 + 純資産
「いま、何を持って何を借りているか」を見る
P/L(損益計算書)
期間の流れ(例: 4/1 〜 3/31)
| 収益(売上) |
| − 費用(原価・販管費) |
| = 利益 |
収益 − 費用 = 利益
「期間中にいくら稼いだか」を見る
C/F(キャッシュフロー計算書)
現金の動き(期間: 4/1 〜 3/31)
| + 入金(営業) |
| − 設備投資 |
| + 借入 |
| = 期末の現金残高 |
「現金が増えたか減ったか」を見る。利益 ≠ 現金 を補完する
引っかけ: 「利益が出ている = 現金がある」とは限りません。売上を計上しても入金が翌月になることもあるし、設備投資で大金を払うと現金は減ります。だから P/L とは別に C/F を作る意味があります。
3.2 利益の分類
P/L は単に「売上 − 費用 = 利益」で終わりません。何の費用を引いたかで利益の名前が変わり、5 段階に分かれます。なぜ分けるかというと、「本業で稼いでいるか(営業利益)」「投資や利息も含めた通常運営は黒字か(経常利益)」「最終的に株主の取り分はいくらか(当期純利益)」を区別して見たいからです。
| 利益 | 計算 | 意味 |
|---|
| [[売上総利益 | うりあげそうりえき]](粗利) | 売上高 − 売上原価 |
| [[営業利益 | えいぎょうりえき]] | 売上総利益 − 販管費 |
| [[経常利益 | けいじょうりえき]] | 営業利益 ± 営業外損益 |
| 税引前当期純利益 | 経常利益 ± 特別損益 | 突発損益(災害・売却益)後 |
| 当期純利益 | 税引前当期純利益 − 税金 | 最終的な株主の取り分 |
試験では: 「営業利益と経常利益の違い」が頻出。営業利益は本業のみ、経常利益は本業 + 利息など通常運営、と区別する。
3.3 損益分岐点
会社の費用は 「売上に比例する変動費」 と 「売上に関係なく毎月かかる固定費」 に分けられます。固定費を回収するには売上がいくら必要か、を示すのが**損益分岐点売上高**です。
公式は次の通り:
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 − 変動費率)
ここで変動費率は「売上 1 円あたりの変動費」(変動費 ÷ 売上)です。
損益分岐点グラフのイメージ
横軸 = 売上高、縦軸 = 金額。
- 固定費 は売上に関係なく一定(水平線)
- 総費用 = 固定費 + 変動費(売上に比例して増える線)
- 売上高 は原点から右上に伸びる直線
- 総費用線と売上高線の交点 が 損益分岐点(BEP)
- BEP より右 = 利益、左 = 損失
損益分岐点を下げる方法: ①固定費を減らす ②変動費率を下げる ③売価を上げる
たとえば固定費 600 万円・変動費率 40% の店なら、損益分岐点売上高は 600 ÷ (1 − 0.4) = 1000 万円。月商 1000 万円を超えれば黒字、下回れば赤字になります。
覚え方: 損益分岐点を下げる方法は 3 つしかありません。①固定費を減らす ②変動費率を下げる ③売価を上げる。試験では「損益分岐点を下げるためには?」という問題で出ます。
4. 法務
ここからが本章の最重要パート。IT パスポートの法務分野は**毎回 3〜5 問出題され、しかもシナリオから法律を選ぶ**応用問題が多いため、暗記だけでなく「どんなときに何が問題になるか」を理解しておく必要があります。
4.1 知的財産権
知的財産権は「人の頭から生まれた価値あるもの」を保護する権利の総称で、**特許権・著作権・商標権などに分かれます。それぞれ保護対象と保護期間**が違うので、これを混同しないことが最大のポイントです。
| 種類 | 保護対象 | 保護期間 | 出願 |
|---|
| **[[特許権 | とっきょけん]]** | 発明(高度な技術アイデア) | 出願から 20 年 |
| **[[実用新案権 | じつようしんあんけん]]** | 物品の形状・構造の小さな考案 | 出願から 10 年 |
| **[[意匠権 | いしょうけん]]** | 工業デザイン | 出願から 25 年 |
| **[[商標権 | しょうひょうけん]]** | ロゴ・マーク・商品名 | 登録から 10 年(更新可で実質永久) |
| **[[著作権 | ちょさくけん]]** | 著作物(文章・音楽・絵画・プログラム等) | 創作時に発生、死後 70 年 |
| **[[不正競争防止法 | ふせいきょうそうぼうしほう]]** | 営業秘密(顧客リスト・製造ノウハウ) | — |
| 権利 | 保護期間 | 起算点 |
| 実用新案権 | 10 年 | 出願から |
| 特許権 | 20 年 | 出願から |
| 意匠権 | 25 年 | 出願から |
| 著作権 | 死後 70 年 | 創作時に発生 |
| 商標権 | 10 年(更新可で実質無期限) | 登録から |
著作権だけ「死後 70 年」で最長、商標権は更新で実質永久、それ以外は出願から数字年。
頻出: 著作権は 登録不要(自動発生)でこれが他と決定的に違うポイント。プログラム・データベースも著作物に含まれる。一方で「アイデアそのもの」は保護されず、「表現されたもの」だけが保護される(同じアイデアで別の表現をすれば著作権侵害ではない)。
引っかけ: 「商標権は 10 年で消える」は半分正解で半分不正解。更新ができるため、コカ・コーラのロゴのように100 年以上保護されるものもあります。
4.2 個人情報保護法
個人情報保護法は、**生存する個人を識別できる情報の取り扱いを規制する法律です。氏名・住所・電話番号・メールアドレス・顔写真などが該当します。試験では特に3 つの情報区分**を区別できることが重要です。
| 区分 | 内容 | 取り扱いの厳しさ |
|---|
| 個人情報 | 特定個人を識別できる情報(氏名・住所・メール等) | 通常 |
| 個人識別符号 | マイナンバー・旅券番号・指紋・DNA など、それ単独で個人を識別できるもの | 厳格 |
| 要配慮個人情報 | 人種・信条・病歴・犯罪歴・障害情報など機微なもの | 取得に本人の同意必須 |
| 匿名加工情報 | 個人を識別できないよう加工し、復元も困難にしたもの | 同意なく利活用可能 |
試験では: シナリオ中の情報が「要配慮」「個人識別符号」のどれに該当するかを判定する問題が定番。病歴・犯罪歴 = 要配慮、**マイナンバー・指紋 = 個人識別符号**と覚える。
4.3 労働関連法規
社員を雇うとき、業務委託するときのルールを定める法律群です。IT 業界では特に**請負と派遣の違い**、そして**偽装請負**が頻出論点です。
請負 vs 派遣 — 指揮命令権が決定的に違う
| 区分 | 契約の本質 | 指揮命令権 | 成果物 |
|---|
| 請負契約 | 仕事の完成を約束 | **受注側の責任者**が出す | 完成物の引き渡し |
| 労働者派遣 | 労働力を提供 | **派遣先**が出す(合法) | 労働時間の提供 |
① 請負(合法)
指揮命令は受注側
発注者
↓ 発注
受注会社の責任者
↓ 指揮命令
作業者
完成物の引き渡しが目的。受注会社内で指揮命令が完結
② 派遣(合法)
指揮命令は派遣先(合法)
派遣先 ⇄ 派遣元
(派遣契約)
↓ 派遣先が直接指揮(合法)
派遣社員(派遣元と雇用契約)
派遣法で許可された形態
③ 偽装請負(違法)
名目は請負だが実態は派遣
発注者
↓ 名目: 請負
受注会社の責任者(形式的)
⇣ 違法な直接指揮 ⇣
作業者
⚠ 違法な直接指揮 → 派遣契約に切り替えるか本当の請負(成果物ベース)にする。SES 契約で頻発する論点
引っかけ: 偽装請負は契約書上は請負でも、実態として発注者が常駐ベンダーに直接指示している場合に成立してしまう違法状態。IT 業界では SES 契約で頻発する論点で、派遣契約に切り替えるか、本当に成果物ベースの請負にするかで解消する必要があります。
その他の主要な労働関連法規:
| 法 | 内容 |
|---|
| **[[労働基準法 | ろうどうきじゅんほう]]** |
| **[[労働者派遣法 | ろうどうしゃはけんほう]]** |
| 男女雇用機会均等法 | 採用・昇進等での男女差別禁止 |
| 育児・介護休業法 | 育休・介護休暇の権利保障 |
4.4 取引関連法規
商取引・消費者保護に関する法律群です。
| 法 | 内容 |
|---|
| **[[中小受託取引適正化法(取適法) | ちゅうしょうじゅたくとりひきてきせいかほう(とてきほう)]]**(旧下請法、 2026 年 1 月施行) |
| **[[PL 法 | PL ほう]]**(製造物責任法) |
| 特定商取引法 | 通販・訪問販売等のクーリングオフ等を規定 |
| 消費者契約法 | 消費者に不利な契約条項を無効化 |
頻出: PL 法は「欠陥製品で**消費者がケガをしたら製造者が責任を負う**」という法律。過失の有無に関係なく責任を負うのが特徴(無過失責任)。
4.5 IT 関連の法律
IT 特有の法律で頻出のもの:
| 法 | 内容 |
|---|
| **[[不正アクセス禁止法 | ふせいアクセスきんしほう]]** |
| 電子署名法 | 電子署名に手書き署名と同等の効力を与える |
| 特定電子メール法 | スパムメール(広告メール)規制(オプトイン原則) |
| プロバイダ責任制限法 | ネット上の権利侵害投稿に対するプロバイダの責任範囲を規定 |
| サイバーセキュリティ基本法 | 国のサイバーセキュリティ戦略の根拠法 |
4.6 標準化規格
製品やサービスの品質・安全性を国際的に揃えるためのルール集です。試験では番号と分野の対応が問われます。
| 規格 | 分野 |
|---|
| ISO 9000 シリーズ | 品質マネジメント |
| ISO 14000 シリーズ | 環境マネジメント |
| ISO 26000 | 社会的責任(CSR) |
| ISO/IEC 27000 シリーズ | 情報セキュリティ(ISMS) |
| ISO/IEC 27017 | クラウドサービス向け情報セキュリティ |
| ISO 30414 | 人的資本情報開示 |
| JIS Q 38500 | IT ガバナンス |
| JIS Q 15001 | 個人情報保護マネジメント(P マークの根拠) |
覚え方: 番号と分野の対応は「9 = 品質、14 = 環境、27 = セキュリティ」のセットで覚えると 8 割解ける。
4.7 技術者倫理と AI 倫理
新しい技術には、法律より先に「倫理」の議論が起こります。AI が普及した現代では特に**説明可能性・公平性・プライバシー**の 3 観点が重視されています。
| 用語 | 意味 |
|---|
| ELSI(Ethical, Legal and Social Issues) | 新技術の倫理・法的・社会的課題の総称 |
| AI 倫理ガイドライン | 説明可能性・公平性・プライバシー配慮の指針 |
| アカウンタビリティ | 説明責任 |
📋 章末まとめ
最重要ポイント 10
- C 役職の中身 — CEO=経営、CFO=財務、CIO=情報、CTO=技術、COO=運営
- 組織形態 3 つ — 職能別(仕事で分ける)/事業部制(製品・地域で分ける)/マトリックス(両方)
- B/S は「時点」、P/L は「期間」 — 写真と動画の違い
- 営業利益と経常利益 — 営業利益=本業のみ、経常利益=本業+利息など
- 損益分岐点 = 固定費 ÷ (1 − 変動費率)
- 著作権は登録不要・死後 70 年 — 唯一「無方式主義」の知財
- 特許 20 年・実用新案 10 年・意匠 25 年・商標 10 年(更新可)
- 要配慮個人情報 — 病歴・犯罪歴等。取得に本人同意必須
- 偽装請負 — 請負契約なのに発注者が直接指揮命令している違法状態
- ISO 9000 = 品質、14000 = 環境、27000 = セキュリティ
出題傾向のコツ
- 法務分野はシナリオ提示 → 法律名・概念名を選ぶ型が中心。「あなたが管理職だったら」と読み替える練習をする
- 知的財産権は**保護期間と登録要否**が頻出。著作権だけ別格と覚える
- 会計は計算より「何のための指標か」が重要。営業利益と経常利益、B/S と P/L の違いを言葉で説明できるか
- ISO 規格は番号と用途のペアで覚える。9・14・27 だけで合格点に届く
章末チャレンジ
出典シラバス: ITパスポート試験シラバス Ver.6.5(2026年1月・IPA公開)