前提(premise)とは、論証の出発点として「正しい」と仮に置かれる命題のことです。「人間は本来自由である」「経済成長は望ましい」など、議論を始めるために置かれる土台にあたります。
| 種類 | 説明 | 読解での扱い |
|---|---|---|
| 明示の前提 | 筆者がはっきり書いている前提 | そのまま受け取れる |
| 暗黙の前提 | 言わずに当然としている前提 | 見抜く力が読解の鍵 |
たとえば「子どもにスマホを持たせるべきではない」という主張の裏には、「スマホは子どもに悪影響を与える」という暗黙の前提が隠れています。この前提を取り出して「本当にそう言えるのか」と問うと、筆者の立場が鮮明に見えてきます。
ポイント 「この主張は何を前提にしているか」と問うことが批判的思考の第一歩です。前提を疑えると、筆者がどんな価値観に立っているかが見えてきます。
assumption(前提、暗黙の仮定)は、著者が明示せずに当然視している命題です。文章の表面には書かれていないため、意識して掘り起こす必要があります。
| 表面の主張 | 隠れた前提 |
|---|---|
| 経済成長を続けるべきだ | 経済成長は善である |
| もっと勉強時間を増やすべきだ | 時間と成績は比例する |
たとえば「便利だから新技術を導入すべき」という主張には、「便利さは常に優先される価値だ」という前提が隠れています。
ポイント 批判的読解では「What does the author assume?(著者は何を当然視しているか)」を問い、前提を言語化してその妥当性を検証します。隠れた前提が崩れれば主張も崩れます。