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現代文

現代げんだい文ぶん入門にゅうもん — 論理ろんり国語こくごと文学ぶんがく国語こくごの二に領域りょういき

最終確認日:

はじめに

高校こうこうの現代げんだい文ぶんは、 平成へいせい 30 年ねん告示こくじの学習指導要領がくしゅうしどうようりょうにより 「論理ろんり国語こくご」 と 「文学ぶんがく国語こくご」 の二に領域りょういきに大おおきく分わかれて学まなばれることになりました。 中学ちゅうがくまでの「国語こくご」が一ひとつの教科きょうかとして小説しょうせつも評論ひょうろんも詩歌しかも扱あつかっていたのに対たいし、 高校こうこうでは 目的もくてき別べつに読よみ方かたの作法さほうを切きり替かえる ことが求もとめられます。

この章しょうで身みにつける視点してん:

  • 論理ろんり国語こくごと文学ぶんがく国語こくごの 目的もくてきの違ちがい を説明せつめいできる
  • 評論ひょうろん文ぶん・小説しょうせつ・随筆ずいひつ・詩歌しかの ジャンル特性とくせい を区別くべつできる
  • 現代げんだい文ぶん学習がくしゅうの 全体ぜんたい像ぞう を持もって各かく章しょうに進すすめる

ポイント: 「同おなじ日本語にほんごの文章ぶんしょう」でも、 何のために読よむか によって着眼ちゃくがん点てんはまったく変かわります。 説明せつめい文ぶんを小説しょうせつのように読よめば論旨ろんしを取とり損そこね、 小説しょうせつを説明せつめい文ぶんのように読よめば人物じんぶつの機微きびを取とりこぼします。

1. 論理ろんり国語こくごとは何なにか

論理国語ろんりこくご は、 事実じじつと意見いけんを区別くべつし、 論証ろんしょうの妥当だとう性せいを吟味ぎんみする ことを目的もくてきとする領域りょういきです。 主おもな対象たいしょうは次つぎのような文章ぶんしょうです。

  • 評論ひょうろん文 — 哲学てつがく・思想しそう・社会しゃかい論ろん・科学かがく論ろん・芸術げいじゅつ論ろん
  • 説明せつめい文ぶん・報告ほうこく文ぶん — 新聞しんぶん記事きじ・白書はくしょ・統計とうけい解説かいせつ
  • 実用じつよう文ぶん — 契約けいやく書しょ・規約きやく・取扱とりあつかい説明せつめい書しょ・行政ぎょうせい文書ぶんしょ

論理ろんり国語こくごで問とわれる中心ちゅうしん的てきな力ちからは次つぎの三みっつです。

力ちから内容ないよう具体ぐたい例れい
構造こうぞう把握はあく力りょく序論じょろん・本論ほんろん・結論けつろん、 主張しゅちょうと根拠こんきょの対応たいおうを読よみ取とる段落だんらく要旨ようしを一文いちぶんで示しめせる
概念がいねん把握はあく力りょく抽象ちゅうしょう語ごの定義ていぎと用法ようほうを文脈ぶんみゃくから特定とくていする「疎外そがい」 をその文脈ぶんみゃくで説明せつめいできる
批判ひはん的てき読解どっかい力りょく論証ろんしょうの前提ぜんてい・飛躍ひやく・反例はんれいを検討けんとうする「この主張しゅちょうは何なにを前提ぜんていにしているか」 と問とえる

注意ちゅうい: 「批判ひはん的てき」 とは「否定ひていする」 という意味いみではありません。 批判的思考ひはんてきしこう (critical thinking) は 根拠こんきょと推論すいろんを吟味ぎんみする知的ちてき態度たいどを指さす学術用語がくじゅつようごです。

2. 文学ぶんがく国語こくごとは何なにか

文学国語ぶんがくこくご は、 作品さくひん世界せかいを体験たいけんし、 人間にんげんや言葉ことばの働はたらきを深ふかく味あじわう ことを目的もくてきとする領域りょういきです。 主おもな対象たいしょうは次つぎのジャンルです。

  • 近きん現代げんだい小説しょうせつ — 明治めいじ以降いこうの作家さっかによる物語ものがたり作品さくひん
  • 随筆ずいひつ (エッセイ) — 体験たいけんや思索しさくを綴つづった文章ぶんしょう
  • 詩し・短歌たんか・俳句はいく — 韻文いんぶん・短詩たんし形がた

文学ぶんがく国語こくごで問とわれる中心ちゅうしん的てきな力ちからは次つぎの三みっつです。

力ちから内容ないよう具体ぐたい例れい
場面ばめん把握はあく力りょく時とき・場所ばしょ・人物じんぶつ・状況じょうきょうを再さい構成こうせいする登場とうじょう人物じんぶつの相関そうかん図ずが描えがける
心情しんじょう読解どっかい力りょく人物じんぶつの感情かんじょうと変化へんかを行動こうどう・台詞だいし・情景じょうけいから推定すいていする「なぜ主人公しゅじんこうはここで黙だまったか」 答えこたえられる
表現ひょうげん鑑賞かんしょう力りょく比喩ひゆ・象徴しょうちょう・語かたり口くちの効果こうかを分析ぶんせきする「この一語いちごが伝つたえるものは何なにか」 言いえる

教科書きょうかしょ定番ていばんとして森鴎外もりおうがい「舞姫まいひめ」、 夏目漱石なつめそうせき「こころ」、 芥川龍之介あくたがわりゅうのすけ「羅生門らしょうもん」「鼻はな」、 中島敦なかじまあつし「山月記さんげつき」、 志賀直哉しがなおや「城の崎にてきのさきにて」 などが挙あげられます。 本ほん教材きょうざいでは 引用いんようは行おこなわず、 作品さくひん名めい・作者さくしゃ名めい・ジャンル・大おおまかな主題しゅだいのみを参照さんしょう対象たいしょうとして用もちいます。

3. 二に領域りょういきの違ちがいを一目ひとめで

観点かんてん論理ろんり国語こくご文学ぶんがく国語こくご
主要しゅようジャンル評論ひょうろん・説明せつめい・実用じつよう文ぶん小説しょうせつ・随筆ずいひつ・詩歌しか
読よみの目的もくてき主張しゅちょうと根拠こんきょの把握はあく、 妥当だとう性せいの吟味ぎんみ場面ばめん・心情しんじょう・表現ひょうげんの鑑賞かんしょう
キーワード論証ろんしょう、 二項対立にこうたいりつ、 アイデンティティあいでんてぃてぃ場面ばめん、 心情しんじょう、 比喩ひゆ
解答かいとうの根拠こんきょ本ほん文中ぶんちゅうの論理ろんり的てき整合せいごう性せい本ほん文中ぶんちゅうの具体ぐたい的てき描写びょうしゃ
評価ひょうか軸じく論証ろんしょうが成立せいりつしているか描写びょうしゃが読よみ手てに何なにを喚起かんきするか

共通きょうつうする原則げんそく: どちらの領域りょういきでも、 解答かいとうの根拠こんきょは 本ほん文中ぶんちゅうに必かならず示しめされている ことが大だい原則げんそくです。 「自分じぶんはこう思おもった」 ではなく 「本文ほんぶんの何なん行こう目めの何なにという記述きじゅつから、 どう推論すいろんしたか」 を示しめすのが現代げんだい文ぶんの作法さほうです。

4. 現代げんだい文ぶん学習がくしゅうの進すすめ方かた — 本書ほんしょの構成こうせい

本ほん教材きょうざいは次つぎの流ながれで進すすみます。

  1. 第 1 章 (本章ほんしょう) — 現代げんだい文ぶん学習がくしゅうの見取り図みとりず
  2. 第 2 章 — 評論ひょうろん文ぶんの読解どっかい (筆者ひっしゃ主張しゅちょうと論証ろんしょう)
  3. 第 3 章 — 評論ひょうろん文ぶんの重要じゅうようキーワード集しゅう
  4. 第 4 章 — 小説しょうせつの読解どっかい (人物じんぶつ関係かんけいと心情しんじょう)
  5. 第 5 章 — 随筆ずいひつ・エッセイの読よみ方かた
  6. 第 6 章 — 詩し・短歌たんか・俳句はいくの鑑賞かんしょう
  7. 第 7 章 — 表現ひょうげんと修辞しゅうじ技法ぎほう
  8. 第 8 章 — 論述ろんじゅつ・小論文しょうろんぶんの書かき方かた
  9. 第 9 章 — 文章ぶんしょう批評ひひょうと要約ようやく
  10. 第 10 章 — 入試にゅうし現代げんだい文ぶんへの橋渡はしわたし

評論ひょうろん系けい (2・3・8・9) と文学ぶんがく系けい (4・5・6・7) を交互こうごに往復おうふくしながら、 最さい終章しゅうしょうで入試にゅうし問題もんだいへの橋渡はしわたしを行おこないます。

5. 学習がくしゅう姿勢しせい — 三みっつの心構こころがまえ

(1) 辞書じしょを引ひく習慣しゅうかん を持もつこと。 高校こうこう現代げんだい文ぶんでは未知みちの抽象ちゅうしょう語ごが一いち日にちに何なん十じゅうも出でてきます。 メタ認知めたにんち の働はたらきとして 「自分じぶんは今いまこの語かたりの意味いみを知しらない」 と気きづけることが第一歩だいいっぽです。

(2) 傍線ぼうせんを引ひきながら読よむ こと。 主張しゅちょう、 根拠こんきょ、 対立たいりつ概念がいねん、 言い換えいいかえの場所ばしょに印しるしを付つけます。 印しるしを付つける行為こうい自体じたいが読解どっかいの訓練くんれんになります。

(3) 要約ようやくを書かいてみる こと。 200 字じで説明せつめいできないものは理解りかいできていないと考かんがえるのが安全あんぜんです。 要約ようやくは第だい 9 章しょうで本格ほんかく的てきに扱あつかいます。

やってみよう:手元てもとの評論ひょうろん文ぶん (新聞しんぶんの社説しゃせつなど) を一ひとつ選えらび、 主張しゅちょうを一文いちぶん・根拠こんきょを二に〜三さん点てん・対立たいりつする立場たちばを一文いちぶんで書かき出だしてみよう。 これだけで論理ろんり国語こくごの読よみ方かたの骨格こっかくになります。

次じ章しょうでは、 評論ひょうろん文ぶんの論証ろんしょう構造こうぞうを具体ぐたい的てきに分解ぶんかいしていきます。

まとめ — 現代げんだい文ぶんの二に領域りょういきを 3 行くだりで

  • 高校こうこう現代げんだい文ぶんは 論理国語ろんりこくご と 文学国語ぶんがくこくご の二に領域りょういきに分わかれ、 目的もくてき別べつに読よみ方かたを切きり替かえるのが基本きほん姿勢しせいである
  • 論理ろんり国語こくごは主張しゅちょうと根拠こんきょの妥当だとう性せいを吟味ぎんみし、 批判的思考ひはんてきしこう によって構造こうぞう把握はあく・概念がいねん把握はあく・批判ひはん的てき読解どっかいの三さん力りょくを鍛きたえる
  • どちらの領域りょういきでも解答かいとうの根拠こんきょは必かならず本ほん文中ぶんちゅうに示しめされており、 辞書じしょを引ひき傍線ぼうせんを引ひき要約ようやくする習慣しゅうかんが学習がくしゅうの土台どだいとなる
この教材きょうざいは役やくに立たちましたか?
学がく習しゅうロードマップ(10件けん)
  1. 1現代げんだい文ぶん入門にゅうもん — 論理ろんり国語こくごと文学ぶんがく国語こくごの二に領域りょういき
  2. 2評論ひょうろん文ぶんの読解どっかい — 筆者ひっしゃ主張しゅちょうと論証ろんしょうの組くみ立たて
  3. 3評論ひょうろん文ぶん重要じゅうようキーワード — 抽象ちゅうしょう概念がいねんを使つかいこなす
  4. 4小説しょうせつの読解どっかい — 人物じんぶつ関係かんけいと心情しんじょうの追跡ついせき
  5. 5随筆ずいひつ・エッセイの読よみ方かた — 体験たいけんと思索しさくの往還おうかん
  6. 6詩し・短歌たんか・俳句はいくの鑑賞かんしょう — 短詩たんし形がたの力ちから
  7. 7表現ひょうげんと修辞しゅうじ技法ぎほう — 比喩ひゆ・象徴しょうちょう・擬人ぎじん法ほう
  8. 8論述ろんじゅつ・小論文しょうろんぶんの書かき方かた — 主張しゅちょう・根拠こんきょ・反論はんろんへの応答おうとう
  9. 9要約ようやくと批評ひひょう — 文章ぶんしょうを正確せいかくに捉とらえて評価ひょうかする
  10. 10入試にゅうし現代げんだい文ぶんへの橋渡はしわたし — 傾向けいこう対策たいさくと実戦じっせん姿勢しせい