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国語こくご 6年生ねんせい

伝統でんとう と 現代げんだい を つなぐ 言葉ことば — 百人一首ひゃくにんいっしゅ・いろは 歌うた・漢詩かんし名言めいげん

最終さいしゅう確認かくにん日び:

はじめに

千せん年ねん前まえの歌うたや言葉ことばが、 今いまでもわたしたちの生活せいかつの中なかで使つかわれているのはどうしてでしょうか。 この章しょうでは 長ながく親したしまれている言葉ことば(百人一首ひゃくにんいっしゅ・いろは歌いろはうた・漢詩名言かんしめいげん・ことわざ・慣用かんよう句く) を鑑賞かんしょうし、 自分じぶんの言葉ことばとして活いかす方法ほうほうを学まなびます。

この章しょうでできるようになること:

  • 百人一首ひゃくにんいっしゅの代表だいひょう歌かを鑑賞かんしょうし、 掛詞かけことば・縁語えんご・本歌取りほんかどり・枕詞まくらことば などの表現ひょうげん技法ぎほうが分わかる
  • いろは歌うたの 47 字じと無常むじょう観かんの意味いみ、 現代げんだいでの使つかわれ方かたが分わかる
  • 論語ろんご・唐詩とうしなどの漢詩かんし名言めいげんを自分じぶんの生活せいかつに活いかす
  • 言葉ことばが時代じだいとともに変かわること(言葉ことばの歴史れきし的てきタイムライン) が分わかる

1. 百人一首ひゃくにんいっしゅを鑑賞かんしょうする

百人一首ひゃくにんいっしゅ は 藤原定家ふじわらのていか(1162-1241) が 100 人ひとの歌人かじんの名めい歌うたを一いち人にん一いち首しゅずつ選えらんだ歌集かしゅうです。 鎌倉かまくら時代じだいに成立せいりつし、 江戸えど時代じだいからは かるた として庶民しょみんにも広ひろがりました。

代表だいひょう歌かの鑑賞かんしょう

第 1 番ばん — 天智天皇てんじてんのう

秋あきの田たのかりほの庵あんの苫とまをあらみわが衣手ころもでは露あらわにぬれつつ

意味いみ: 秋あきの田たの仮かり小屋こやの屋根やねの苫とま(とま、 まこもで編あんだもの) が粗あらくて、 わたしの袖そでは夜露よつゆでぬれてしまう。 農民のうみんの苦労くろうを思おもいやる歌うたとして古ふるくから親したしまれてきました。

第 9 番ばん — 小野小町おののこまち

花はなの色いろは移うつりにけりないたづらにわが身み世よにふるながめせしまに

ここには二ふたつの 掛詞かけことば があります。 「ふる」 は 「経へる(時じがたつ)」 と 「降ふる(雨あめが降ふる)」、 「ながめ」 は 「眺ながめ(物思ものおもい)」 と 「長雨ながあめ」 を重かさねています。 桜さくらの色いろがあせたことと、 自分じぶんの美うつくしさも衰おとろえたことを重かさねた歌うたです。

第 17 番ばん — 在原業平ありわらのなりひら

ちはやぶる神代かみよも聞きかず竜田川たつたがわからくれなゐに水みずくくるとは

「ちはやぶる」 は 枕詞まくらことば で、 「神かみ」 を修飾しゅうしょくする決きまった言葉ことばです。 紅葉こうようが川かわ一いち面めんに散ちって、 川かわがしぼり染ぞめのように見みえる様子ようすを、 「神代かみよでも聞きいたことがない」 と大おおげさにほめています。

第 35 番ばん — 紀貫之きのつらゆき

人ひとはいさ心こころも知しらずふるさとは花はなぞ昔むかしの香こうににほひける

意味いみ: 人ひとの心こころは変かわるかもしれないけれど、 ふるさとの梅うめの花はなは昔むかしと同おなじ香かおりで咲さいている。 久ひさしぶりに訪おとずれた場所ばしょで詠よんだ歌うたです。

第 86 番ばん — 西行さいぎょう法師ほうし

なげけとて月つきやは物ものを思おもはするかこち顔かおなるわが涙なみだかな

意味いみ: 「なげけ(悲かなしめ)」 と月つきが命めいじるわけではないのに、 まるで月つきのせいにしているかのようなわたしの涙なみだだ。 月つきを見みて物思ものおもいにふける歌人かじんの心こころが美うつくしく表あらわれています。

表現ひょうげん技法ぎほうのまとめ

技法ぎほう意味いみれい
掛詞かけことば一ひとつの言葉ことばに二ふたつの意味いみを持もたせる「ながめ」=眺ながめ+長雨ながあめ
縁語えんごある語かたりと関係かんけいの深ふかい語かたりをちりばめる海うみの歌うたで 「波なみ・舟ふね・浦うら」 をそろえる
本歌取りほんかどり古ふるい名めい歌うたを踏ふまえて新あたらしい歌うたを詠よむ万葉集まんようしゅうの歌うたを下敷したじきに新しん古今ここんで詠よむ
枕詞まくらことば特定とくていの語かたりを修飾しゅうしょくする決きまった言葉ことば「ちはやぶる」→ 神かみ

解説かいせつ著作ちょさく権けん:百人一首ひゃくにんいっしゅの歌うたはすべてパブリックドメイン(鎌倉かまくら時代じだい成立せいりつ)。 現代げんだい語ご訳やく・鑑賞かんしょう解説かいせつは Studia オリジナルです。

2. いろは歌うた — 47 字じで詠よんだ無常むじょう観かん

いろは歌いろはうた は 10 世紀せいき頃ごろに作つくられたとされる、 仮名かな 47 字じをすべて一いち度どずつ使つかった歌うたです。 作者さくしゃははっきりしません。

原文げんぶんと現代げんだい語ご訳やく

いろはにほへどちりぬるを わかよたれそつねならむ うゐのおくやまけふこえて あさきゆめみしゑひもせす

漢字かんじにすると:

色いろは匂においへど散ちりぬるを 我わが世よ誰だれぞ常つねならむ 有為ゆういの奥山おくやま今日きょう越こえて 浅あさき夢見ゆめみじ酔えいひもせず

意味いみ: 美うつくしい花はなもいつかは散ちる。 わたしたちの世よも永遠えいえんではない。 移うつろいゆく山やま(人生じんせいの苦くるしみ) を今日きょうこえて、 浅あさい夢ゆめも見みまい、 酔よいもしない。

「色いろは匂においへど散ちりぬるを」 は 無常むじょう観かん(永遠えいえんのものは何なにもないという仏教ぶっきょうの考えかんがえ)を表あらわすことで知しられています。

今いまでも使つかわれている場面ばめん

  • 順序じゅんじょを示しめす「いろは順じゅん」: 「いろは三みっつ」 で A B C のように使つかわれる
  • 辞書じしょの並ならび: 古ふるい辞書じしょではいろは順じゅんだった(今いまは五十音ごじゅうおん順じゅんが主流しゅりゅう)
  • 初歩しょほ の意味いみ: 「料理りょうりのいろは」 = 料理りょうりの基本きほん

覚おぼえ方かた: いろは歌うたは 同おなじ仮名かなを二に度ど使つかわない という言葉ことば遊あそびの名作めいさくです。 「ん」 がないのは、 当時とうじの仮名かな体系たいけいのなごりです。

3. 漢詩かんし名言めいげんを生活せいかつに活いかす

中国ちゅうごくの古典こてんから生うまれた 漢詩名言かんしめいげん は、 短みじかい言葉ことばに深ふかい知恵ちえがこもっています。

論語ろんごから

名言めいげん読よみ意味いみ生活せいかつでの活いかし方かた
学まなびて時ときに之これを習ならうまなびてときにこれをならう学まなんだことをくり返かえし練習れんしゅうすると楽たのしい漢字かんじや計算けいさんの復習ふくしゅうを、 いやなことではなく楽たのしみと考かんがえる
己おのれの欲ほっせざる所ところ、 人ひとに施ほどこすこと勿れおのれのほっせざるところ、 ひとにほどこすことなかれ自分じぶんがされたくないことを人ひとにしてはならない友達ともだちとの関係かんけいで「これされたらいや」 を思おもい出だす
温故知新おんこちしんおんこちしん古ふるいことを学まなんで新あたらしいことを知しる歴史れきしを学まなぶと今いまの社会しゃかいが見みえてくる

唐詩とうしから

名言めいげん出典しゅってん意味いみ
春眠しゅんみん暁あかつきを覚おぼえず孟たけし浩然こうぜん「春暁しゅんぎょう」春はるの朝あさは気持きもちよくて目めが覚さめない
少年しょうねん老おい易やすく学がく成なり難がたし朱しゅ熹作さくと伝つたわる「偶成ぐうせい」若わかい時ときはあっと言いう間まに過すぎ、 学問がくもんはなかなか完成かんせいしない

史記しきから

名言めいげん意味いみ
鶏鳴狗盗けいめいくとう(けいめいくとう)役やくに立たちそうもない才能さいのうでも、 いざという時とき役立やくだつ
四面楚歌しめんそか(しめんそか)周まわりがみな敵てきで助たすけがない状況じょうきょう

解説かいせつ著作ちょさく権けん:漢詩かんし・論語ろんご・史記しきはすべてパブリックドメイン(紀元前きげんぜんから 8 世紀せいきの中国ちゅうごく古典こてん)。 現代げんだい語ご訳やく・活いかし方かたは Studia オリジナルです。

4. ことわざ・慣用かんよう句くを高度こうどに活いかす

3 年ねん生せいでことわざ入門にゅうもん、 5 年ねん生せいで由来ゆらいを学まなびました。 6 年ねん生せいでは 少すこし複雑ふくざつな慣用かんよう句く も使つかえるようになりましょう。

大人おとながよく使つかう慣用かんよう句く

慣用かんよう句く意味いみ例文れいぶん
砂すなをかむ味気あじけなくつまらない一いち人にんで食たべる食事しょくじは砂すなをかむ思おもいだ
うがった見方みかた物事ものごとの本質ほんしつをついた見方みかた(× ひねくれた見方みかた)彼かれのうがった意見いけんが議論ぎろんを深ふかめた
水みずを得えた魚さかな自分じぶんに合あう場ばで生いき生いきと活躍かつやくする図書としょ委員いいんになって、 妹いもうとは水みずを得えた魚さかなだ
目めから鱗うろこ(うろこ) が落おちる急きゅうに物事ものごとがよく分わかるようになる説明せつめいを聞きいて目めから鱗うろこが落おちた
弘法こうぼうも筆ふでのあやまり名人めいじんでも失敗しっぱいすることがある漢字かんじ検定けんてい 1 級きゅうの先生せんせいでも弘法こうぼうも筆ふでのあやまりだ

注意ちゅうい: 「うがった見方みかた」 は 本来ほんらいはほめ言葉ことば。 「ひねくれた見方みかた」 という意味いみで使つかう人ひとが増ふえていますが、 本来ほんらいの意味いみを知しっておきましょう。 言葉ことばの意味いみが時代じだいとともに変かわる例れいでもあります。

5. 言葉ことばの歴史れきし的てきタイムライン

3 年ねん生せいで 「言葉ことばは変かわる」 という入口いりぐちを学まなび、 5 年ねん生せいで由来ゆらいを学まなびました。 6 年ねん生せいでは 歴史れきしの流ながれ として整理せいりします。

日本語にほんごの時代じだい区分くぶん

時代じだい区分くぶん西暦せいれき代表だいひょう的てきな文学ぶんがく
上代じょうだい(じょうだい)〜 794万葉集まんようしゅう・古事記こじき・日本書紀にほんしょき
中古ちゅうこ(ちゅうこ)794 〜 1192古今和歌集こきんわかしゅう・源氏物語げんじものがたり・枕草子まくらのそうし
中世ちゅうせい(ちゅうせい)1192 〜 1603平家へいけ物語ものがたり・徒然草つれづれぐさ・新しん古今和歌集こきんわかしゅう
近世きんせい(きんせい)1603 〜 1868奥おくの細道ほそみち・南総里見八犬伝なんそうさとみはっけんでん
近代きんだい(きんだい)1868 〜 1945漱石そうせき・鴎外おうがい・賢治けんじ・啄木たくぼく
現代げんだい(げんだい)1945 〜戦後せんごの文学ぶんがく・現代げんだい詩し

同おなじ言葉ことばでも意味いみが変かわる

言葉ことば古典こてんでの意味いみ現代げんだいでの意味いみ
をかし趣おもむきがある・興味深きょうみぶかいこっけいだ
あはれしみじみした感動かんどうかわいそうだ
うつくしかわいい・いとしい美うつくしい
やさしつらい・身みが痩やせる思おもい親切しんせつだ

「枕草子まくらのそうし」 で 「春はるはあけぼの。 やうやう白しろくなりゆく山際やまぎわ、 すこし明あかりて」 を読よんだとき、 「をかし」 を 「おもしろい」 ではなく 「趣おもむきがある」 と訳やくすのはこのためです。

現代げんだいの若者わかもの言葉ことばも言葉ことばの変化へんか

「エモい」「ぴえん」「タイパ(タイムパフォーマンス)」 など、 現代げんだいの若者わかもの言葉ことばも 言葉ことばが今いまも変かわり続つづけている証拠しょうこ です。 古ふるい言葉ことばが「古ふるめかしい」、 新あたらしい言葉ことばが「正ただしい」 というわけではなく、 どの時代じだいの言葉ことばもその時代じだいを映うつす鏡かがみです。

注意ちゅうい: 「最近さいきんの若わかい人ひとの言葉ことばは乱みだれている」 と決きめつけないこと。 平安へいあん時代じだいの大人おとなも「最近さいきんの若わかい者ものは…」 と嘆なげいた記録きろくが残のこっています。 言葉ことばの変化へんかは 自然しぜんな現象げんしょう です。

6. まとめ

  • 百人一首ひゃくにんいっしゅ — 藤原定家ふじわらのていか撰せん、 掛詞かけことば・縁語えんご・本歌取りほんかどり・枕詞まくらことば などの技法ぎほう
  • いろは歌いろはうた — 47 字じを一いち度どずつ使つかった言葉ことば遊あそびと無常むじょう観かん
  • 漢詩名言かんしめいげん — 論語ろんご・唐詩とうし・史記しきから、 短みじかい言葉ことばに深ふかい知恵ちえ
  • 慣用かんよう句く — 「砂すなをかむ」「うがった見方みかた」 など大人おとなの言葉ことばを使つかえるように
  • 言葉ことばの歴史れきし — 上代じょうだい・中古ちゅうこ・中世ちゅうせい・近世きんせい・近代きんだい・現代げんだい、 意味いみも時代じだいとともに変かわる

千せん年ねん前まえの歌うたや言葉ことばを知しることは、 古ふるい時代じだいを振ふり返かえるだけでなく、 今の自分じぶんの言葉ことばをより豊ゆたかにする ことにつながります。

百人一首ひゃくにんいっしゅをもっとくわしく:全ぜん100首しゅの意味いみ・決きまり字じ・覚おぼえ方かたと、かるたの練習れんしゅう→
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学がく習しゅうロードマップ(10件けん)
  1. 16 年ねん生せいで ならう 漢字かんじ(まえ)96 字じ と 同どう訓くん異字いじ・同音どうおん異義いぎ語ごの 書かき分わけ
  2. 26 年ねん生せいで ならう 漢字かんじ(あと)95 字じ と 教育きょういく漢字かんじ 1026 字じ完成かんせい
  3. 3ことばの ふかみ — 抽象ちゅうしょう概念がいねん語ご・専門せんもん語ご・語句ごくの効果こうか・言葉ことばの 歴史れきし的てき変化へんか
  4. 4敬語けいごの 使つかい 分わけ(特殊とくしゅ敬語けいご・場面ばめん別べつ・過剰かじょう敬語けいごの 回避かいひ)と 漢字かんじの 特質とくしつ
  5. 5古典こてんの 世界せかい(徒然草つれづれぐさ・奥おくの細道ほそみち・万葉集まんようしゅう / 古今ここん / 新しん古今ここん・漢詩かんし・狂言きょうげん)と 詩し / 短歌たんか / 俳句はいくの 創作そうさく
  6. 6伝統でんとう と 現代げんだい を つなぐ 言葉ことば — 百人一首ひゃくにんいっしゅ・いろは 歌うた・漢詩かんし名言めいげん
  7. 7物語ものがたり と 伝記でんき を よむ — 複数ふくすう視点してん・象徴しょうちょう・伝記でんき・詩し の 鑑賞かんしょう
  8. 8説明せつめい文ぶん と メディア を 読よみ 解とく — 論証ろんしょう の 構造こうぞう・メディア の 信頼しんらい性せい
  9. 9書かく — 論説ろんせつ文ぶん・学級がっきゅう新聞しんぶん・卒業そつぎょう文集ぶんしゅう の 集大成しゅうたいせい
  10. 10話はなす・聞きく — 討論とうろん・パネル ディ ス カッ ション・卒業そつぎょう ス ピー チ