››
この章では、 6 年生で急に増える 抽象的な言葉 や、 文章の中で言葉が果たす役割、 そして言葉が時代とともに変わってきたことを学びます。
この章でできるようになること:
ポイント: 6 年生の語彙は 目に見えないことを表す言葉 が中心になります。 「自由とは何か」 「責任とは何か」 といった言葉は、 ただ覚えるだけでなく 考える道具 として使いこなす必要があります。
5 年生までは 「言葉は相手とのつながりをつくる」 と学びました。 6 年生ではもう一歩進めて、 「言葉は自分の考えを整理する道具」 と考えます。
たとえば 「うれしい」 という気持ちを、 「楽しい」 「うれしい」 「ほこらしい」 「感動した」 と言い分けられると、 自分の中で気持ちが はっきりと区別され ます。 言葉が増えると、 考える力も深くなるのです。
抽象概念語 とは、 物の形が見えない、 考えや関係やねうち を表す言葉のことです。
| 言葉 | 意味 | 使い方のれい |
|---|---|---|
| 自由 | 自分の意思で選べること | 自由な服装で来てよい |
| 平等 | だれもが同じあつかいを受けること | 男女平等・機会の平等 |
| 責任 | 自分のしたことの結果を引き受けること | 委員として責任を持つ |
| 尊重 | 大切にあつかうこと | 相手の意見を尊重する |
| 権利 | 自由にしてよいこと、 認められた立場 | 投票する権利 |
| 義務 | しなければならないこと | 教育を受ける義務 |
| 公平 | かたよりがないこと | 公平な判定 |
| 信頼 | 信じて任せること | 友達の信頼を得る |
やってみよう: 「自由には 責任 がともなう」 — この文は 自由と責任がセット であることを表しています。 6 年生では、 こうした抽象概念をつなげて考える力が求められます。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 伝統 | 昔から受け継がれてきたもの |
| 革新 | 古いやり方を新しくすること |
| 効率 | むだなく物事を進めること |
| 効果 | 期待した結果が出ること |
| 創造 | 新しくつくり出すこと |
| 発展 | だんだんと大きく良くなること |
| 普遍 | どこでもいつでも当てはまること |
| 独自 | ほかとちがう、 自分だけのこと |
教科ごとに使われる 専門語 を、 教科別にマップにして整理します。
| 教科 | 専門語のれい |
|---|---|
| 環境 | 生態系・温暖化・絶滅・保全・再生可能エネルギー |
| 経済 | 生産・消費・輸出・輸入・需要・供給 |
| 文化 | 伝統・芸術・伝承・継承・文化財 |
| 歴史 | 時代・文明・革命・幕府・近代・現代 |
| 理科 | 物質・反応・観察・実験・結果・考察 |
専門語は その教科を学ぶときに何度も出る言葉 です。 まとめて整理しておくと、 ほかの教科の学習でも役に立ちます。
文章の中で同じ内容を言っても、 使う語がちがうと効果もちがいます。
| 語 | れい |
|---|---|
| とても | この本は とても おもしろい |
| 大変 | 大変残念です |
| 実に | 実に すばらしい演奏だった |
| 必ず | 必ず約束を守る |
| 語 | れい |
|---|---|
| だけ | わたし だけ が知っている |
| のみ | 関係者のみ入れる |
| ばかり | 遊んで ばかり いる |
| しか | 一人しか いない |
| 語 | れい |
|---|---|
| 一方 | 兄は静かだ。 一方弟はにぎやかだ |
| しかし | 雨が降った。 しかし試合は続けられた |
| 対照的に | 都市部は暖かい。 対照的に山間部は寒い |
| 語 | れい |
|---|---|
| ところで | ところで来週の予定だけど |
| さて | さて本題に入りましょう |
| では | では始めます |
やってみよう: 「兄は勉強が得意だ。 一方、 弟はスポーツが得意だ。」 — 「一方」 を入れるだけで、 二人のちがいがはっきりと浮かび上がります。
5 年生までで三種類の言葉があることを学びました。 6 年生では、 場面や印象で選び分ける段階に進みます。
| 種類 | 印象 | れい |
|---|---|---|
| 和語 | やさしい・なじみやすい・伝統的 | 集まり・話し合い・思い出 |
| 漢語 | かたい・公式・専門的 | 集会・討議・思想 |
| 外来語 | 新しい・現代的・カジュアル | ミーティング・ディスカッション・メモリー |
たとえば 「考え」 と 「考慮」 と 「コンセプト」 は、 似た意味ですが場面がちがいます。 友達との会話なら 「考え」、 改まった文章なら 「考慮」、 デザインの話なら 「コンセプト」 と使い分けます。
| 場面 | 和か漢か外来か | れい |
|---|---|---|
| 友達とのメール | 和語中心 | 「今度集まろう」 |
| 学校への提出文書 | 漢語中心 | 「会議を開催する」 |
| デザイン雑誌 | 外来語中心 | 「カジュアルなミーティング」 |
注意: 過度な外来語は伝わりにくくなる こともあります。 高齢の方に 「アジェンダ」 と言っても通じにくい場合があるので、 相手に合わせて選びましょう。
言葉は時代とともに形を変えてきました。 6 年生では、 言葉が 歴史の中で動いている ことを知るのが大切です。
| 古語 | 現代語 | 意味 |
|---|---|---|
| あはれ | あわれ | しみじみとした趣 |
| あした | 朝 / 明日 | 朝(古語) / 明日(現代) |
| ゆふべ | 夕方 / 昨夜 | 夕方(古語) / 昨夜(現代) |
| をかし | おかしい | 趣がある(古語) / 変だ(現代) |
| ながむ | ながめる | じっと見る・物思いにふける |
「あはれ」 という言葉は、 古文では 「しみじみと心が動く」 という 美しい感動 を表しましたが、 現代では 「気の毒」 という意味で使われます。 同じ言葉でも、 千年の間に意味が変わったのです。
外来語は時代とともに日本に流れ込みました。
| 時代 | どこから | れい |
|---|---|---|
| 戦国時代 | ポルトガル | パン・カステラ・カッパ・タバコ |
| 江戸時代 | オランダ | ガラス・コーヒー・ランプ |
| 明治時代 | ドイツ・英語 | アルバイト・カルテ・カメラ |
| 戦後 | 英語(米国) | テレビ・コンピュータ・スマホ |
| 現代 | 英語中心 | アプリ・ネット・オンライン |
「パン」 が約 450 年前にポルトガルから来た言葉だと知ると、 毎日食べるパンが少し特別に感じられます。
英語風だけれど 日本で作られた言葉 もあります。 英語圏では通じないことが多いので注意が必要です。
| 和製英語 | 本当の英語 | 意味 |
|---|---|---|
| サラリーマン | office worker | 会社員 |
| ナイター | night game | 夜の試合 |
| コンセント | outlet / socket | 電気のさしこみ口 |
| ガソリンスタンド | gas station | 給油所 |
| ノートパソコン | laptop | 携帯用 PC |
やってみよう: 「マンション」 は和製英語と似ていて、 英語では 「アパートのような集合住宅」 を mansion とは呼びません。 mansion は 「豪邸」 のこと。 外来語が日本で意味を変えた例です。
同じ時代でも、 世代によって使う言葉がちがいます。
| 世代 | よく使う言葉 |
|---|---|
| おじいちゃん・おばあちゃん | レコード・お汁・銀杏 |
| おとうさん・おかあさん | パソコン・メール・カラオケ |
| 6 年生のみんな | スマホ・アプリ・SNS |
世代で言葉がちがうのは、 その時代を反映している からです。 ちがいを知ることは、 おじいちゃんやおばあちゃんとの会話を楽しくする力になります。
言葉を 考える道具 として使いこなせると、 自分の考えも相手への伝え方も、 ぐっと深くなります。