ことばの ふかみ — 抽象概念語・専門語・語句の効果・言葉の 歴史的変化
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はじめに
この 章 で は、 6 年生 で 急 に 増え る 抽象的 な 言葉 や、 文章 の 中 で 言葉 が 果た す 役割、 そして 言葉 が 時代 と とも に 変わって き た こと を 学び ま す。
この 章 で でき る よう に なる こと:
- 抽象概念語(自由・平等・責任・尊重等) の 意味 を 理解 して 使える
- 教科 の 専門語 を 整理 して 覚え られ る
- 文章 の 中 で 語 が 果たす 効果(強調・限定・対比・転換) を 意識 できる
- 和語・漢語・外来語 を 場面 に 応じて 使い 分け られる
- 言葉 が 時代 と とも に 変わる こと を 知る
ポイント: 6 年生 の 語彙 は 目 に 見え ない こと を 表す 言葉 が 中心 に なり ます。 「自由 と は 何 か」 「責任 と は 何 か」 と いっ た 言葉 は、 ただ 覚える だけ で なく 考える 道具 と して 使い こなす 必要 が あり ます。
1. 言葉 は 思考 の 道具
5 年生 まで は 「言葉 は 相手 と の つながり を つくる」 と 学び まし た。 6 年生 で は も う 一歩進めて、 「言葉 は 自分 の 考え を 整理 する 道具」 と 考え ます。
たとえば 「うれしい」 と いう 気持ち を、 「楽しい」 「うれしい」 「ほこらしい」 「感動 し た」 と 言い 分け られ る と、 自分 の 中 で 気持ち が はっきり と 区別 さ れ ます。 言葉 が 増える と、 考え る 力 も 深く なる の です。
2. 抽象概念語 — 目 に 見え ない こと を 表す 言葉
抽象概念語 と は、 物 の 形 が 見え ない、 考え や 関係 や ねうち を 表す 言葉 の こと です。
社会 に 関わる 抽象概念語
| 言葉 | 意味 | 使い 方 の れい |
|---|---|---|
| 自由 | 自分 の 意思 で 選べる こと | 自由 な 服装 で 来 て よい |
| 平等 | だれ も が 同じ あつかい を 受ける こと | 男女平等・機会 の 平等 |
| 責任 | 自分 の した こと の 結果 を 引き 受ける こと | 委員 として 責任 を 持つ |
| 尊重 | 大切 に あつかう こと | 相手 の 意見 を 尊重 する |
| 権利 | 自由 に して よい こと、 認め られ た 立場 | 投票 する 権利 |
| 義務 | しなければ なら ない こと | 教育 を 受ける 義務 |
| 公平 | かたより が ない こと | 公平 な 判定 |
| 信頼 | 信じて 任せる こと | 友達 の 信頼 を 得る |
やってみよう: 「自由 に は 責任 が ともなう」 — この 文 は 自由 と 責任 が セット で あ る こと を 表し て い ます。 6 年生 で は、 こ う し た 抽象概念 を つな げて 考える 力 が 求め られ ます。
評価 に 関わる 抽象概念語
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 伝統 | 昔 から 受け 継が れ て き た もの |
| 革新 | 古い やり 方 を 新しく する こと |
| 効率 | む だ なく 物事 を 進め る こと |
| 効果 | 期待 し た 結果 が 出 る こと |
| 創造 | 新しく つくり 出 す こと |
| 発展 | だんだん と 大き く 良 く なる こと |
| 普遍 | どこ で も いつ で も 当てはまる こと |
| 独自 | ほか と ちがう、 自分 だけ の こと |
3. 専門語 を 整理 する
教科 ごと に 使われ る 専門語 を、 教科別 に マップ にして 整理 し ます。
| 教科 | 専門語 の れい |
|---|---|
| 環境 | 生態系・温暖化・絶滅・保全・再生可能 エネルギー |
| 経済 | 生産・消費・輸出・輸入・需要・供給 |
| 文化 | 伝統・芸術・伝承・継承・文化財 |
| 歴史 | 時代・文明・革命・幕府・近代・現代 |
| 理科 | 物質・反応・観察・実験・結果・考察 |
専門語 は その 教科 を 学ぶ と き に 何度 も 出 る 言葉 です。 まとめて 整理 し て おく と、 ほか の 教科 の 学習 で も 役 に 立ち ます。
4. 語句 の 効果 — 文章 の 中 で 言葉 が 果たす 働き
文章 の 中 で 同じ 内容 を 言って も、 使う 語 が ちがう と 効果 も ちがい ます。
強調 — 言葉 の 力 を 強める
| 語 | れい |
|---|---|
| とても | この 本 は とても おもしろい |
| 大変 | 大変残念 で す |
| 実に | 実に すばらしい 演奏 だっ た |
| 必ず | 必ず約束 を 守る |
限定 — 範囲 を しぼる
| 語 | れい |
|---|---|
| だけ | わたし だけ が 知って いる |
| のみ | 関係者のみ入れる |
| ばかり | 遊んで ばかり い る |
| しか | 一人しか い ない |
対比 — 二つ を くらべる
| 語 | れい |
|---|---|
| 一方 | 兄 は 静か だ。 一方弟 は にぎやか だ |
| しかし | 雨 が 降っ た。 しかし試合 は 続け られ た |
| 対照的 に | 都市部 は 暖かい。 対照的 に山間部 は 寒い |
転換 — 話題 を 変える
| 語 | れい |
|---|---|
| ところで | ところで来週 の 予定 だ けど |
| さて | さて本題 に 入り ま しょう |
| では | では始め ま す |
やってみよう: 「兄 は 勉強 が 得意 だ。 一方、 弟 は スポーツ が 得意 だ。」 — 「一方」 を 入れる だ け で、 二人 の ちがい が はっきり と 浮かび 上 が り ます。
5. 和語・漢語・外来語 の 使い 分け の 発展
5 年生 まで で 三種類 の 言葉 が ある こと を 学び まし た。 6 年生 で は、 場面 や 印象 で 選び 分け る段階 に 進み ます。
| 種類 | 印象 | れい |
|---|---|---|
| 和語 | やさし い・なじみ や す い・伝統的 | 集まり・話し 合い・思い 出 |
| 漢語 | か たい・公式・専門的 | 集会・討議・思想 |
| 外来語 | 新しい・現代的・カジュアル | ミーティング・ディスカッション・メモリー |
たとえば 「考え」 と 「考慮」 と 「コンセプト」 は、 似 た 意味 で す が 場面 が ちがい ます。 友達 と の 会話 なら 「考え」、 改まっ た 文章 なら 「考慮」、 デザイン の 話 な ら 「コンセプト」 と 使い 分け ま す。
場面 で 選ぶ 練習
| 場面 | 和 か 漢 か 外来 か | れい |
|---|---|---|
| 友達 と の メール | 和語中心 | 「今度集まろう」 |
| 学校 へ の 提出文書 | 漢語中心 | 「会議 を 開催 する」 |
| デザイン 雑誌 | 外来語中心 | 「カジュアル な ミーティング」 |
注意: 過度 な 外来語 は 伝わり にくく なる こと も あり ます。 高齢 の 方 に 「アジェンダ」 と 言っ ても 通じ にくい 場合 が ある の で、 相手 に 合わ せて 選び ま しょう。
6. 言葉 の 歴史的変化
言葉 は 時代 と ともに 形 を 変え て き まし た。 6 年生 で は、 言葉 が 歴史 の 中 で 動い て いる こと を 知る の が 大切 です。
古語 から 現代語 へ
| 古語 | 現代語 | 意味 |
|---|---|---|
| あはれ | あわれ | しみじみ と し た 趣 |
| あした | 朝 / 明日 | 朝(古語) / 明日(現代) |
| ゆふべ | 夕方 / 昨夜 | 夕方(古語) / 昨夜(現代) |
| をかし | おかしい | 趣 が ある(古語) / 変 だ(現代) |
| ながむ | ながめる | じっと 見る・物思い に ふける |
「あはれ」 と いう 言葉 は、 古文 で は 「し み じ み と 心 が 動く」 と いう 美 し い 感動 を 表し まし た が、 現代 で は 「気の毒」 と いう 意味 で 使われ ます。 同じ 言葉 で も、 千年 の 間 に 意味 が 変わっ た の で す。
外来語 の 流入 の 歴史
外来語 は 時代 と とも に 日本 に 流れ 込み まし た。
| 時代 | どこ から | れい |
|---|---|---|
| 戦国時代 | ポルトガル | パン・カステラ・カッパ・タバコ |
| 江戸時代 | オランダ | ガラス・コーヒー・ランプ |
| 明治時代 | ドイツ・英語 | アルバイト・カルテ・カメラ |
| 戦後 | 英語(米国) | テレビ・コンピュータ・スマホ |
| 現代 | 英語中心 | アプリ・ネット・オンライン |
「パン」 が 約 450 年前 に ポルトガル から 来 た 言葉 だ と 知る と、 毎日食べる パン が 少し 特別 に 感じ られ ます。
和製英語
英語風 だ けれど 日本 で 作ら れ た 言葉 も あり ます。 英語圏 で は 通じ ない こと が 多い の で 注意 が 必要 です。
| 和製英語 | 本当 の 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| サラリーマン | office worker | 会社員 |
| ナイター | night game | 夜 の 試合 |
| コンセント | outlet / socket | 電気 の さしこみ口 |
| ガソリン スタンド | gas station | 給油所 |
| ノートパソコン | laptop | 携帯用 PC |
やってみよう: 「マンション」 は 和製英語 と 似 て いて、 英語 で は 「アパート の よう な 集合住宅」 を mansion と は 呼び ま せん。 mansion は 「豪邸」 の こと。 外来語 が 日本 で 意味 を 変えた 例 です。
7. 世代 で ちがう 言葉
同じ 時代 でも、 世代 に よっ て使う 言葉 が ちがい ます。
| 世代 | よく 使う 言葉 |
|---|---|
| お じ い ち ゃ ん・お ば あ ち ゃ ん | レコード・お汁・銀杏 |
| お と う さ ん・お か あ さ ん | パソコン・メール・カラオケ |
| 6 年生 の みん な | スマホ・アプリ・SNS |
世代 で 言葉 が ちがう の は、 その 時代 を 反映 して いる から です。 ちが い を 知る こ と は、 おじ い ちゃん や お ば あ ち ゃん と の 会話 を 楽しく する 力 に なり ます。
8. まとめ
- 抽象概念語(自由・平等・責任・尊重等) は 6 年生 で 急 に 増える
- 専門語 は 教科 ごと に マップ にして 整理
- 語句 の 効果 — 強調・限定・対比・転換 を 意識 する
- 和語・漢語・外来語 は 場面 で 使い 分ける
- 言葉 は 時代 と とも に 変わる、 古語 → 現代語、 外来語 の 流入、 世代 ご と の ちがい
言葉 を 考え る 道具 と して 使い こな せる と、 自分 の 考え も 相手 へ の 伝え 方 も、 ぐっ と 深く なり ます。
学習ロードマップ(10件)
- 16 年生で ならう 漢字(まえ)96 字 と 同訓異字・同音異義語の 書き分け
- 26 年生で ならう 漢字(あと)95 字 と 教育漢字 1026 字完成
- 3ことばの ふかみ — 抽象概念語・専門語・語句の効果・言葉の 歴史的変化
- 4敬語の 使い 分け(特殊敬語・場面別・過剰敬語の 回避)と 漢字の 特質
- 5古典の 世界(徒然草・奥の細道・万葉集 / 古今 / 新古今・漢詩・狂言)と 詩 / 短歌 / 俳句の 創作
- 6伝統 と 現代 を つなぐ 言葉 — 百人一首・いろは 歌・漢詩名言
- 7物語 と 伝記 を よむ — 複数視点・象徴・伝記・詩 の 鑑賞
- 8説明文 と メディア を 読み 解く — 論証 の 構造・メディア の 信頼性
- 9書く — 論説文・学級新聞・卒業文集 の 集大成
- 10話す・聞く — 討論・パネル ディ ス カッ ション・卒業 ス ピー チ