この章で学ぶこと
数学 I の二次関数で 「式をグラフで見る」 ことを学びました。 この章では逆に 「図形を式で表す」 力を身につけます。 道具は 座標平面 だけ。 古代ギリシア以来の図形を、 17 世紀のデカルトが始めた 「解析幾何」 の手法であつかいます。
- 2点間の距離 ・ 内分点 ・ 外分点 の公式を使える
- 直線の方程式 の三つの形を場面で使い分けられる
- 二直線の 平行 ・ 垂直 の条件を理解する
- 円の方程式 (x−a)2+(y−b)2=r2 と一般形を行き来できる
- 点と直線の距離 の公式を使える
- 円と直線の共有点 (位置関係) を判別式で判定できる
1. 平面上の点
2点間の距離
A(x1,y1)、 B(x2,y2) に対し、
AB=(x2−x1)2+(y2−y1)2
(三平方の定理から)。
内分点 ・ 外分点
線分AB を m:n に 内分 する点P は、
P(m+nnx1+mx2,m+nny1+my2)
外分のときは上の公式で n を −n に置き換えます。 中点 (m=n=1) は (2x1+x2,2y1+y2)。
例題
A(1,2)、 B(7,5) について、
| 求める | 結果 |
|---|
| AB の長さ | 36+9=45=35 |
| 中点 | (4,3.5) |
| 1:2 に内分する点 | (32+7,34+5)=(3,3) |
2. 直線の方程式
三つの表し方
| 場面 | 形 |
|---|
| 傾き m、 y切片n | y=mx+n |
| 点(x0,y0) を通り傾き m | y−y0=m(x−x0) |
| 一般形 | ax+by+c=0 (a,b のどちらか =0) |
一般形ax+by+c=0 で b=0 なら、 y=−bax−bc と変形でき、 傾き は −ba、 y切片は −bc。 b=0 のときは x=−ac で y軸に平行な直線 (傾きは定義されない)。
異なる二点(x1,y1)、 (x2,y2) (x1=x2) を通る直線の傾きは m=x2−x1y2−y1。
平行と垂直
二直線y=m1x+n1、 y=m2x+n2 について、
- 平行: m1=m2 (n1=n2、 n1=n2 なら一致)
- 垂直: m1⋅m2=−1
例題
A(2,3) を通り、 y=2x+1 に 垂直 な直線を求めよ。
垂直条件から傾き m=−21。 点通過形に代入して、
y−3=−21(x−2)⇒y=−21x+4
やってみよう: A(1,1)、 B(4,7) を通る直線の方程式を求めよ。 (答え: y=2x−1)
3. 点と直線の距離
公式
直線ℓ:ax+by+c=0 と点P(x0,y0) の距離は、
d=a2+b2∣ax0+by0+c∣
絶対値を忘れないこと、 分母が a2+b2 (a、 b の平方和の平方根) になることが大事です。
例題
3x−4y+5=0 と点(2,1) の距離: 9+16∣6−4+5∣=57。
4. 円の方程式
標準形
中心(a,b)、 半径r の円の方程式は、
(x−a)2+(y−b)2=r2
(2 点間の距離 = r から直接出る)。
一般形
展開すると x2+y2+lx+my+n=0 の形になり、 これを 一般形 といいます。 平方完成で標準形に戻して中心と半径を読み取ります。
例題
x2+y2−4x+6y−12=0 の中心と半径を求めよ。
x2−4x=(x−2)2−4、 y2+6y=(y+3)2−9。 よって、
(x−2)2+(y+3)2−4−9−12=0⇒(x−2)2+(y+3)2=25
中心(2,−3)、 半径5。
5. 円と直線の位置関係
三つの場合
中心C と直線ℓ の距離を d、 円の半径を r とすると、
| 位置関係 | 条件 |
|---|
| 異なる 2 点で交わる | d<r |
| 接する (1 点で共有) | d=r |
| 共有点をもたない | d>r |
判別式を使う方法
直線と円の連立を解いて二次方程式に帰着し、 判別式D で判定する方法もあります。 D>0 なら 2 共有点、 D=0 なら接する、 D<0 なら共有点なし。
例題
円x2+y2=25 と直線y=x+1 の共有点の個数。
中心(0,0) と直線x−y+1=0 の距離は 21<5。 よって 2 点で交わる。
やってみよう: 円x2+y2=4 に接する、 傾き 1 の直線の方程式を求めよ。 (答え: y=x±22)
6. 三角形の重心 ・ 外心 ・ 二円の関係
三角形の重心の座標
三角形の三頂点を A(x1,y1)、 B(x2,y2)、 C(x3,y3) とすると、 重心 G の座標は三頂点の平均で表せます。
G(3x1+x2+x3,3y1+y2+y3)
これは中線が 2:1 に内分されることから出ます。
例題
三頂点A(1,2)、 B(7,4)、 C(4,9) の三角形の重心は (312,315)=(4,5)。
二円の位置関係
二円C1 (中心O1、 半径r1) と C2 (中心O2、 半径r2) について、 中心間距離d=O1O2 と半径の関係で五通りの状態があります (r1≥r2 として)。
| 関係 | 条件 |
|---|
| 互いに外部 | d>r1+r2 |
| 外接 | d=r1+r2 |
| 2 点で交わる | $lvert r_1 - r_2 |
| vert < d < r_1 + r_2$ | |
| 内接 | $d = lvert r_1 - r_2 |
| vert$ | |
| 一方が他方の内部 | $d < lvert r_1 - r_2 |
| vert$ | |
やってみよう: 中心(0,0) ・ 半径5 の円と、 中心(7,0) ・ 半径2 の円の位置関係は? (d=7、 r1+r2=7 ⇒ 外接)
まとめ
- 2点間の距離 は三平方の定理から、 内分点 は重み付き平均で求まる
- 直線は 「傾き切片形」 「点通過形」 「一般形」 の三つで表せる
- 平行 m1=m2、 垂直 m1m2=−1
- 円は (中心からの距離) = 半径 で定義され、 標準形と一般形を行き来する
- 点と直線の距離 d=a2+b2∣ax0+by0+c∣ は必ず暗記
- 円と直線の関係は d と r の比較で判定
次の章: 第 4 章では 不等式の 領域 を学びます。 直線 ・ 円で平面を領域に分け、 連立不等式が表す範囲を図示し、 そこでの最大 ・ 最小を求めます。