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数学II

三角さんかく関数かんすう — 一般いっぱん角かく・弧こ度ど法ほう・加法かほう定理ていりと周期しゅうき関数かんすう

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

数学すうがく I で学まなんだ三角さんかく比ひ (sin⁡θ\sin\theta、 cos⁡θ\cos\theta、 tan⁡θ\tan\theta、 0°≤θ≤180°0° \leq \theta \leq 180°) を、 この章しょうで すべての角かく (−∞<θ<∞-\infty < \theta < \infty) に拡張かくちょうします。 これで三角さんかく比ひが 「周期しゅうきをもつ関数かんすう」 になり、 波なみ ・ 振動しんどう ・ 円運動えんうんどうをあつかえるようになります。

  • 一般角いっぱんかく (0°0°未満みまんや 360°360°以上いじょう) を理解りかいする
  • 弧度法こどほう (ラジアンらじあん) を使つかう (π\pi ラジアン =180°= 180°)
  • 単位円たんいえん で sin⁡,cos⁡,tan⁡\sin, \cos, \tan を定義ていぎする
  • 三角関数さんかくかんすうの グラフと周期しゅうき (2π2\pi、 π\pi) を知しる
  • 加法定理かほうていり と 2倍角の公式にばいかくのこうしき ・ 半角の公式はんかくのこうしき を使つかえる
  • 三角さんかく関数かんすうの方程式ほうていしき ・ 不等式ふとうしきを解とける

1. 一般いっぱん角かくと弧こ度ど法ほう

一般いっぱん角かく

座標ざひょう平面へいめんで、 xx軸の正せい方向ほうこうを始線しせんとし、 反はん時計とけい回まわりを 正せいの向むき、 時計とけい回まわりを 負ふの向むき とします。 360° 以上いじょうや負ふの角かくも認みとめた角かくを 一般角いっぱんかく といいます。

例れい: 30°30°、 390°=30°+360°390° = 30° + 360°、 −330°=30°−360°-330° = 30° - 360° は同おなじ動径どうけいを表あらわす。

弧こ度ど法ほう (ラジアン)

半径はんけい11 の円えんにおいて、 弧この長ながさをそのまま角かくの大おおきさと定さだめる方法ほうほうを 弧度法こどほう といいます。 単位たんいは ラジアン (rad\mathrm{rad}、 通常つうじょう省略しょうりゃく)。

π  ラジアン=180°\pi \;\text{ラジアン} = 180°

度ど0°0°30°30°45°45°60°60°90°90°180°180°270°270°360°360°
ラジアン00π6\dfrac{\pi}{6}π4\dfrac{\pi}{4}π3\dfrac{\pi}{3}π2\dfrac{\pi}{2}π\pi3π2\dfrac{3\pi}{2}2π2\pi

弧こと扇形おうぎがた

半径はんけいrr、 中心ちゅうしん角かくθ\theta (ラジアン) の扇形おうぎがたについて、

  • 弧この長ながさ: ℓ=rθ\ell = r\theta
  • 面積めんせき: S=12r2θ=12rℓS = \dfrac{1}{2}r^2\theta = \dfrac{1}{2}r\ell

やってみよう: 半径はんけい44、 中心ちゅうしん角かくπ3\dfrac{\pi}{3} の扇形おうぎがたの面積めんせきを求もとめよ。 (答えこたえ: 12⋅16⋅π3=8π3\dfrac{1}{2}\cdot 16 \cdot \dfrac{\pi}{3} = \dfrac{8\pi}{3})

2. 三角さんかく関数かんすうの定義ていぎとグラフ

単位たんい円えんでの定義ていぎ

座標ざひょう平面へいめん上じょうの 単位たんい円えん (x2+y2=1x^2 + y^2 = 1) を考えかんがえます。 始線しせんから角θ\theta だけ回転かいてんした動どう径と単位たんい円えんの交点こうてんを P(x,y)\mathrm{P}(x, y) とします。

cos⁡θ=x,sin⁡θ=y,tan⁡θ=yx=sin⁡θcos⁡θ\cos\theta = x, \quad \sin\theta = y, \quad \tan\theta = \dfrac{y}{x} = \dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}

これで 任意にんいの θ\theta について値あたいが定さだまります。

基本きほん的てきな性質せいしつ

  • sin⁡2θ+cos⁡2θ=1\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1
  • sin⁡(−θ)=−sin⁡θ\sin(-\theta) = -\sin\theta、 cos⁡(−θ)=cos⁡θ\cos(-\theta) = \cos\theta
  • sin⁡(θ+2π)=sin⁡θ\sin(\theta + 2\pi) = \sin\theta、 cos⁡(θ+2π)=cos⁡θ\cos(\theta + 2\pi) = \cos\theta (周期しゅうき 2π2\pi)
  • tan⁡(θ+π)=tan⁡θ\tan(\theta + \pi) = \tan\theta (周期しゅうきπ\pi)

グラフ

関数かんすう定義ていぎ域いき値域ちいき周期しゅうき
y=sin⁡θy = \sin\theta全ぜん実数じっすう[−1,1][-1, 1]2π2\pi
y=cos⁡θy = \cos\theta全ぜん実数じっすう[−1,1][-1, 1]2π2\pi
y=tan⁡θy = \tan\thetaθ≠π2+nπ\theta \neq \dfrac{\pi}{2} + n\pi全ぜん実数じっすうπ\pi

sin⁡\sin は原点げんてんを通とおる SS字じ波は、 cos⁡\cos は sin⁡\sin を左ひだりに π2\dfrac{\pi}{2} ずらした形かたちです。

3. 三角さんかく関数かんすうの方程式ほうていしきと不等式ふとうしき

例題れいだい

0≤θ<2π0 \leq \theta < 2\pi で、 sin⁡θ=12\sin\theta = \dfrac{1}{2} を解とけ。

単位たんい円えんで y=12y = \dfrac{1}{2} となる動どう径は θ=π6\theta = \dfrac{\pi}{6} (第だい 1 象限しょうげん)、 θ=π−π6=5π6\theta = \pi - \dfrac{\pi}{6} = \dfrac{5\pi}{6} (第だい 2 象限しょうげん)。

やってみよう: 0≤θ<2π0 \leq \theta < 2\pi で cos⁡θ=−12\cos\theta = -\dfrac{1}{2} を解とけ。 (答えこたえ: θ=2π3,4π3\theta = \dfrac{2\pi}{3}, \dfrac{4\pi}{3})

4. 加法かほう定理ていり

加法かほう定理ていり

sin⁡(α+β)=sin⁡αcos⁡β+cos⁡αsin⁡β\sin(\alpha + \beta) = \sin\alpha\cos\beta + \cos\alpha\sin\beta cos⁡(α+β)=cos⁡αcos⁡β−sin⁡αsin⁡β\cos(\alpha + \beta) = \cos\alpha\cos\beta - \sin\alpha\sin\beta tan⁡(α+β)=tan⁡α+tan⁡β1−tan⁡αtan⁡β(1−tan⁡αtan⁡β≠0)\tan(\alpha + \beta) = \dfrac{\tan\alpha + \tan\beta}{1 - \tan\alpha\tan\beta} \quad (1 - \tan\alpha\tan\beta \neq 0)

(tan の公式こうしきは cos⁡α,cos⁡β,cos⁡(α+β)\cos\alpha, \cos\beta, \cos(\alpha+\beta) がすべて 0 でない前提ぜんてい)

差さの公式こうしきは β\beta を −β-\beta に替かえるだけで出でます。 三角さんかく関数かんすうの 最さい重要じゅうよう道具どうぐ です。

例題れいだい

sin⁡75°\sin 75° を求もとめよ。

sin⁡75°=sin⁡(45°+30°)=sin⁡45°cos⁡30°+cos⁡45°sin⁡30°\sin 75° = \sin(45° + 30°) = \sin 45° \cos 30° + \cos 45° \sin 30° =22⋅32+22⋅12=6+24= \dfrac{\sqrt{2}}{2}\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2} + \dfrac{\sqrt{2}}{2}\cdot\dfrac{1}{2} = \dfrac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{4}

2 倍角ばいかくの公式こうしき

β=α\beta = \alpha とおいて、

sin⁡2α=2sin⁡αcos⁡α\sin 2\alpha = 2\sin\alpha\cos\alpha cos⁡2α=cos⁡2α−sin⁡2α=1−2sin⁡2α=2cos⁡2α−1\cos 2\alpha = \cos^2\alpha - \sin^2\alpha = 1 - 2\sin^2\alpha = 2\cos^2\alpha - 1

半角はんかくの公式こうしき

cos⁡2α\cos 2\alpha の三みっつの表現ひょうげんを解といて、

sin⁡2α2=1−cos⁡α2,cos⁡2α2=1+cos⁡α2\sin^2\dfrac{\alpha}{2} = \dfrac{1 - \cos\alpha}{2}, \quad \cos^2\dfrac{\alpha}{2} = \dfrac{1 + \cos\alpha}{2}

数学すうがく III で三角さんかく関数かんすうの積分せきぶん (sin⁡2x\sin^2 x、 cos⁡2x\cos^2 x の積分せきぶん) を学まなぶとき、 この半角はんかく公式こうしきで次数じすうを下さげてから積分せきぶんするのが定番ていばんです。

三角さんかく関数かんすうの合成ごうせい

asin⁡θ+bcos⁡θ=a2+b2sin⁡(θ+α)a\sin\theta + b\cos\theta = \sqrt{a^2 + b^2}\sin(\theta + \alpha) と一ひとつの sin⁡\sin にまとめられます。 ここで α\alpha は cos⁡α=aa2+b2\cos\alpha = \dfrac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}、 sin⁡α=ba2+b2\sin\alpha = \dfrac{b}{\sqrt{a^2+b^2}} を満みたす角かく (この 2 条件じょうけんで一意いちいに決きまる)。 注意ちゅうい: tan⁡α=b/a\tan\alpha = b/a だけでは 4 通とおり候補こうほがあり一意いちいには決きまらない (sin⁡,cos⁡\sin, \cos の符号ふごうで確定かくていする)。 最大さいだい ・ 最小さいしょうを求もとめるのに便利べんり。

5. 三角さんかく関数かんすうの最大さいだい ・ 最小さいしょう

合成ごうせいを使つかう

y=sin⁡θ+3cos⁡θy = \sin\theta + \sqrt{3}\cos\theta の最大さいだい ・ 最小さいしょうを求もとめよ。

合成ごうせいして y=2sin⁡(θ+π3)y = 2\sin\left(\theta + \dfrac{\pi}{3}\right)。 sin⁡\sin の値域ちいきは [−1,1][-1, 1] なので、 yy の 最大さいだい22、 最小さいしょう−2-2。

置き換えおきかえによる二に次じ関数かんすう化か

cos⁡2θ=1−2sin⁡2θ\cos 2\theta = 1 - 2\sin^2\theta や t=sin⁡θt = \sin\theta (−1≤t≤1-1 \leq t \leq 1) と置おいて 二に次じ関数かんすう の問題もんだいに帰着きちゃくさせる手法しゅほうが標準ひょうじゅん。

例題れいだい

y=cos⁡2θ−4sin⁡θy = \cos 2\theta - 4\sin\theta (0≤θ<2π0 \leq \theta < 2\pi) の最大さいだい ・ 最小さいしょうを求もとめよ。

cos⁡2θ=1−2sin⁡2θ\cos 2\theta = 1 - 2\sin^2\theta なので、 t=sin⁡θt = \sin\theta (−1≤t≤1-1 \leq t \leq 1) と置おくと、

y=(1−2t2)−4t=−2t2−4t+1=−2(t+1)2+3y = (1 - 2t^2) - 4t = -2t^2 - 4t + 1 = -2(t+1)^2 + 3

t=−1t = -1 で最大さいだい33 (このとき sin⁡θ=−1\sin\theta = -1 ⇒ θ=3π2\theta = \dfrac{3\pi}{2})、 t=1t = 1 で最小さいしょう−5-5 (θ=π2\theta = \dfrac{\pi}{2})。

大事だいじ: t=sin⁡θt = \sin\theta や t=cos⁡θt = \cos\theta と置おいた時とき、 tt の動うごく範囲はんい (−1≤t≤1-1 \leq t \leq 1) を必かならず確認かくにんする。 二に次じ関数かんすうの軸じくが範囲はんい外がいにある場合ばあいは端点たんてんで最大さいだい ・ 最小さいしょうが起おこる。

まとめ

  • 三角さんかく比ひを 一般角いっぱんかく ・ 弧度法こどほう で拡張かくちょう、 周期しゅうき性せいをもつ 三さん角かく関数かんすう になる
  • sin⁡,cos⁡\sin, \cos は周期しゅうき2π2\pi、 tan⁡\tan は周期しゅうきπ\pi、 sin⁡2+cos⁡2=1\sin^2 + \cos^2 = 1
  • 加法定理かほうていり から 2倍角の公式にばいかくのこうしき ・ 半角の公式はんかくのこうしき ・ 合成ごうせい が全部ぜんぶ出でる
  • 単位たんい円えんを描えがいて角かくを図示ずしすれば方程式ほうていしき ・ 不等式ふとうしきが視覚しかく的てきに解とける
  • 振動しんどう ・ 波動はどう ・ 交流こうりゅうなど自然しぜん ・ 工学こうがくの 「周期しゅうき現象げんしょう」 を表あらわす必須ひっすの関数かんすう

次じの章しょう: 第だい 6 章しょうでは 指数関数しすうかんすう と 対数関数たいすうかんすう に進すすみます。 三角さんかく関数かんすうと並ならぶ重要じゅうよう関数かんすうで、 増殖ぞうしょく ・ 減衰げんすい ・ 桁けた数すう ・ 音おとの高たかさなどを表あらわします。

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