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数学II

指数しすう・対数たいすう関数かんすう

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

中学ちゅうがくで学まなんだ ana^n (nn は正せいの整数せいすう) を、 この章しょうで 負ふの数かず ・ 0 ・ 分数ぶんすう ・ 実数じっすう まで拡張かくちょうします。 その逆関数ぎゃくかんすうとして 対数たいすう が生うまれ、 桁けた数すう ・ pH ・ 音量おんりょう (デシベル) ・ 地震じしん (マグニチュード) などを表あらわせるようになります。

  • 指数の拡張しすうのかくちょう: a0=1a^0 = 1、 a−na^{-n}、 a1/n=ana^{1/n} = \sqrt[n]{a}、 am/na^{m/n} の定義ていぎ
  • 指数法則しすうほうそく ap+q=apaqa^{p+q} = a^p a^q、 (ap)q=apq(a^p)^q = a^{pq} など
  • 指数関数しすうかんすう y=axy = a^x のグラフと性質せいしつ (a>1a > 1 で増加ぞうか、 0<a<10 < a < 1 で減少げんしょう)
  • 対数たいすう log⁡ax\log_a x の定義ていぎと 対数法則たいすうほうそく
  • 常用対数じょうようたいすう で桁けた数すうを求もとめる
  • 指数しすう ・ 対数たいすうの方程式ほうていしき ・ 不等式ふとうしきを解とける

1. 指数しすうの拡張かくちょう

0 と負ふの整数せいすう指数しすう

a≠0a \neq 0 に対たいし、 a0=1a^0 = 1、 a−n=1ana^{-n} = \dfrac{1}{a^n} と定さだめます (これで指数しすう法則ほうそくが連続れんぞく的てきにつながる)。

分数ぶんすう指数しすうと累乗根るいじょうこん

nn乗して aa になる数かずを nn乗根じょうこん といい、 an\sqrt[n]{a} で表あらわします (a≥0a \geq 0、 nn は自然しぜん数すう)。 これを用もちいて、

a1/n=an,am/n=(an)m=amna^{1/n} = \sqrt[n]{a}, \quad a^{m/n} = (\sqrt[n]{a})^m = \sqrt[n]{a^m}

例題れいだい

式しき値あたい
81/38^{1/3}83=2\sqrt[3]{8} = 2
163/416^{3/4}(164)3=23=8(\sqrt[4]{16})^3 = 2^3 = 8
25−1/225^{-1/2}125=15\dfrac{1}{\sqrt{25}} = \dfrac{1}{5}

指数しすう法則ほうそく

a>0,b>0a > 0, b > 0、 p,qp, q を実数じっすうとして、

ap⋅aq=ap+q,apaq=ap−q,(ap)q=apq,(ab)p=apbpa^p \cdot a^q = a^{p+q}, \quad \dfrac{a^p}{a^q} = a^{p-q}, \quad (a^p)^q = a^{pq}, \quad (ab)^p = a^p b^p

2. 指数しすう関数かんすう

グラフと性質せいしつ

y=axy = a^x (a>0,a≠1a > 0, a \neq 1) を 指数関数しすうかんすう といいます。

場合ばあい性質せいしつグラフ
a>1a > 1単調たんちょう増加ぞうか、 急きゅうに大おおきくなる右みぎ上あがり
0<a<10 < a < 1単調たんちょう減少げんしょう右みぎ下さがり

どちらも 必かならず点(0,1)(0, 1) を通とおり、 xx軸が 漸近線ぜんきんせん になります (x→±∞x \to \pm\infty で値あたいが限かぎりなく 0 に近ちかづく)。 値域ちいきは y>0y > 0。

指数しすう方程式ほうていしき ・ 不等式ふとうしき

底そこをそろえて 指数しすうだけを比くらべる のが基本きほん。 a>1a > 1 なら不等号ふとうごうの向むきは変かわらない、 0<a<10 < a < 1 なら 逆転ぎゃくてんする ので注意ちゅうい。

例題れいだい

2x+1=82^{x+1} = 8 を解とけ。

8=238 = 2^3 より 2x+1=232^{x+1} = 2^3 ⇒ x+1=3x + 1 = 3 ⇒ x=2x = 2。

3. 対数たいすう

対数たいすうの定義ていぎ

a>0,a≠1a > 0, a \neq 1、 M>0M > 0 のとき、 ap=Ma^p = M を満みたす唯一ゆいいつの pp を log⁡aM\log_a M と書かき、 対数たいすう といいます。

ap=M  ⇔  p=log⁡aMa^p = M \;\Leftrightarrow\; p = \log_a M

例: log⁡28=3\log_2 8 = 3 (23=82^3 = 8)、 log⁡100.01=−2\log_{10} 0.01 = -2 (10−2=0.0110^{-2} = 0.01)、 log⁡a1=0\log_a 1 = 0、 log⁡aa=1\log_a a = 1。

対数たいすう法則ほうそく

M,N>0M, N > 0 に対たいし、

log⁡a(MN)=log⁡aM+log⁡aN\log_a (MN) = \log_a M + \log_a N log⁡aMN=log⁡aM−log⁡aN\log_a \dfrac{M}{N} = \log_a M - \log_a N log⁡aMk=klog⁡aM\log_a M^k = k \log_a M

底そこの変換へんかん公式こうしき

log⁡ab=log⁡cblog⁡ca(a,b,c>0,  a≠1,  c≠1)\log_a b = \dfrac{\log_c b}{\log_c a} \quad (a, b, c > 0, \; a \neq 1, \; c \neq 1)

例題れいだい

log⁡212−log⁡23\log_2 12 - \log_2 3 を計算けいさんせよ。

log⁡212−log⁡23=log⁡2123=log⁡24=2\log_2 12 - \log_2 3 = \log_2 \dfrac{12}{3} = \log_2 4 = 2。

やってみよう: log⁡23+log⁡24−log⁡26\log_2 3 + \log_2 4 - \log_2 6 を求もとめよ。 (答えこたえ: log⁡23⋅46=log⁡22=1\log_2 \dfrac{3 \cdot 4}{6} = \log_2 2 = 1)

4. 対数たいすう関数かんすう

グラフと性質せいしつ

y=log⁡axy = \log_a x は y=axy = a^x の 逆ぎゃく関数かんすう (y=xy = x に関かんして対称たいしょう)。 定義ていぎ域いきは x>0x > 0、 値域ちいきは全ぜん実数じっすう。

場合ばあい性質せいしつ
a>1a > 1単調たんちょう増加ぞうか、 ゆるやかに大おおきくなる
0<a<10 < a < 1単調たんちょう減少げんしょう

必かならず点(1,0)(1, 0) を通とおり、 yy軸が 漸近線ぜんきんせん (x→+0x \to +0 で y→−∞y \to -\infty)。

常用じょうよう対数たいすうと桁けた数すう

底そこが 1010 の対数たいすうlog⁡10N\log_{10} N を 常用対数じょうようたいすう といい、 桁けた数すう計算けいさんに使つかいます。 NN が正せいの整数せいすうで、 log⁡10N\log_{10} N の整数せいすう部分ぶぶんを nn とすると NN は (n+1)(n+1)桁です。

例題れいだい

2302^{30} は何なん桁けたか。 log⁡102=0.3010\log_{10} 2 = 0.3010 とする。

log⁡10230=30×0.3010=9.030\log_{10} 2^{30} = 30 \times 0.3010 = 9.030。 整数せいすう部分ぶぶんが 99 なので、 2302^{30} は 10\mathbf{10}桁。

5. 指数しすう ・ 対数たいすうの方程式ほうていしき ・ 不等式ふとうしき

例題れいだい

log⁡2(x−1)=3\log_2 (x - 1) = 3 を解とけ。

定義ていぎから x−1=23=8x - 1 = 2^3 = 8 ⇒ x=9x = 9。 真数しんすう条件じょうけん (x−1>0x - 1 > 0、 x>1x > 1) も満みたすので OK。

大事だいじ: 対数たいすうの方程式ほうていしきでは必かならず 真しん数すうが正せい (M>0M > 0) と 底そこの条件じょうけん (a>0,a≠1a > 0, a \neq 1) を確認かくにんする。 これを忘わすれると解かいが増ふえたり減へったりする。

やってみよう: log⁡3(x+2)=2\log_3 (x+2) = 2 を解とけ。 (答えこたえ: x=7x = 7)

指数しすう方程式ほうていしきの置き換えおきかえ

4x−3⋅2x−4=04^x - 3 \cdot 2^x - 4 = 0 のように axa^x が二に種類しゅるいの指数しすうで出でてくる場合ばあい、 t=2xt = 2^x (t>0t > 0) と置おいて 二に次じ方程式ほうていしきに帰着きちゃく させます。

4x=(22)x=(2x)2=t24^x = (2^2)^x = (2^x)^2 = t^2 なので、

t2−3t−4=0⇒(t−4)(t+1)=0⇒t=4t^2 - 3t - 4 = 0 \Rightarrow (t - 4)(t + 1) = 0 \Rightarrow t = 4 (t>0t > 0 より t=−1t = -1 は不適ふてき)

2x=4=222^x = 4 = 2^2 ⇒ x=2x = 2。

対数たいすう不等式ふとうしき

log⁡2(x−1)<3\log_2 (x - 1) < 3 を解ほどこう。

真ま数すう条件じょうけん: x−1>0x - 1 > 0 ⇒ x>1x > 1。 不等式ふとうしき ⇒ x−1<23=8x - 1 < 2^3 = 8 ⇒ x<9x < 9。 合あわせて 1<x<91 < x < 9。

底そこが 0<a<10 < a < 1 の場合ばあいは、 対数たいすうの大小だいしょう関係かんけいが反転はんてんします。 例たとえば log⁡1/2(x−1)<3\log_{1/2} (x - 1) < 3 なら、 x−1>(1/2)3=1/8x - 1 > (1/2)^3 = 1/8 (向むき逆転ぎゃくてん)、 つまり x>9/8x > 9/8、 真ま数すう条件じょうけんと合あわせて x>9/8x > 9/8。

6. 自然しぜん対数たいすうと利子りし計算けいさん (発展はってん)

連続れんぞく複利ふくりと ee

預あづけ入いれた元金がんきん11円が、 年利ねんりrr ・ 年nn回かい複利ふくりで 11年ねん後ごになる金額きんがくは (1+rn)n\left(1 + \dfrac{r}{n}\right)^n です。 これを n→∞n \to \infty とした 「連続れんぞく複利ふくり」 の極限きょくげんが、

lim⁡n→∞(1+rn)n=er\lim_{n \to \infty}\left(1 + \dfrac{r}{n}\right)^n = e^r

ここに現あらわれる定数ていすうe≈2.71828…e \approx 2.71828\ldots を 自然対数の底しぜんたいすうのそこ といい、 数学すうがく III で詳くわしく学まなびます。 ee を底そことした対数たいすうlog⁡ex\log_e x を 自然対数しぜんたいすう と呼よび、 ln⁡x\ln x とも書かきます。

桁けた数すう ・ 概数がいすう計算けいさんの練習れんしゅう

3203^{20} は何なん桁けたか。 log⁡103=0.4771\log_{10} 3 = 0.4771 とする。

log⁡10320=20×0.4771=9.542\log_{10} 3^{20} = 20 \times 0.4771 = 9.542。 整数せいすう部分ぶぶん99 ⇒ 10\mathbf{10}桁。

最さい上位じょういの数字すうじは? 小数しょうすう部分ぶぶん0.5420.542 より 320=109×100.5423^{20} = 10^9 \times 10^{0.542}。 100.54210^{0.542} は 100.5=10≈3.1610^{0.5} = \sqrt{10} \approx 3.16 と 100.6≈3.9810^{0.6} \approx 3.98 の間ま、 だいたい 3.53.5前後ぜんご。 よって最さい上位じょういは 3 か 4。

やってみよう: 5105^{10} は何なん桁けたか。 log⁡105=0.699\log_{10} 5 = 0.699 とする。 (答えこたえ: 10×0.699=6.9910 \times 0.699 = 6.99、 7 桁けた)

まとめ

  • 指数しすうを 負ふ ・ 0 ・ 分数ぶんすう ・ 実数じっすう に拡張かくちょうして連続れんぞく関数かんすうになる
  • 指数法則しすうほうそく と 対数法則たいすうほうそく は表裏一体ひょうりいったい (ap+q=apaqa^{p+q} = a^p a^q ⇔ log⁡MN=log⁡M+log⁡N\log MN = \log M + \log N)
  • y=axy = a^x と y=log⁡axy = \log_a x は 互たがいに逆ぎゃく関数かんすう (y=xy = x に対称たいしょう)
  • 不等式ふとうしきは底そこが 0<a<10 < a < 1 なら 不等号ふとうごうの向むきが逆転ぎゃくてん
  • 常用対数じょうようたいすう で桁けた数すうや概数がいすう計算けいさんができる
  • 対数たいすうでは真ま数すう条件じょうけん (M>0M > 0) を必かならず確認かくにん

次じの章しょう: 第だい 7 章しょうで今度こんどは 微分びぶん に入はいります。 関数かんすうの 「変化へんかの速はやさ」 を数かずでつかむ道具どうぐで、 高校こうこう数学すうがく後半こうはんの大黒柱だいこくばしらになります。

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