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数学II

軌跡きせきと領域りょういき

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

第だい 3 章しょうでは 「与あたえられた図形ずけいを式しきで表あらわす」 学まなびでした。 この章しょうでは逆ぎゃくに、 「条件じょうけんを満みたす点てんの集あつまりがどんな図形ずけいか」 を求もとめます。 これが 軌跡きせき、 そして不等式ふとうしきで表あらわされる 領域りょういき に進すすみます。

  • 軌跡きせき の方程式ほうていしきを求もとめる手順てじゅん (動どう点てんを (x,y)(x, y) とおく) を身みにつける
  • 二に直線ちょくせんや円えんで区切くぎられた 領域りょういき を図示ずしできる
  • 連立れんりつ不等式ふとうしき が表あらわす領域りょういきを図ずで表あらわせる
  • 領域りょういき内ないで 一いち次じ式しきの最大さいだい ・ 最小さいしょう を求もとめられる (線形計画法せんけいけいかくほうの入口いりぐち)

1. 軌跡きせき

軌跡きせきとは

ある条件じょうけんを満みたす点てん全体ぜんたいの集合しゅうごうを、 その条件じょうけんの 軌跡きせき といいます。

基本きほん手順てじゅん:

  1. 動どう点てんを P(x,y)\mathrm{P}(x, y) とおく
  2. 与あたえられた条件じょうけんを x,yx, y の式しきに直なおす
  3. 整理せいりし、 図形ずけいとして解釈かいしゃくする

例題れいだい: 二に定点ていてんから等距離とうきょりの点てんの軌跡きせき

A(−1,0)\mathrm{A}(-1, 0)、 B(3,0)\mathrm{B}(3, 0) から等距離とうきょりにある点P\mathrm{P} の軌跡きせきを求もとめよ。

P(x,y)\mathrm{P}(x, y) とおくと、 AP2=BP2\mathrm{AP}^2 = \mathrm{BP}^2:

(x+1)2+y2=(x−3)2+y2(x+1)^2 + y^2 = (x-3)^2 + y^2 x2+2x+1=x2−6x+9x^2 + 2x + 1 = x^2 - 6x + 9 8x=8⇒x=18x = 8 \Rightarrow x = 1

軌跡きせきは 直線ちょくせんx=1x = 1 (線分せんぶんAB\mathrm{AB} の垂直すいちょく二に等分とうぶん線せん)。

アポロニウスの円えん

二に定点ていてんA,B\mathrm{A}, \mathrm{B} からの距離きょりの比ひが一いち定値ていちkk (k≠1k \neq 1) である点てんの軌跡きせきは 円えん になります (これをアポロニウスの円あぽろにうすのえんという)。

例題れいだい

A(0,0)\mathrm{A}(0, 0)、 B(3,0)\mathrm{B}(3, 0)、 AP:BP=1:2\mathrm{AP} : \mathrm{BP} = 1 : 2 を満みたす点P\mathrm{P} の軌跡きせき。

AP2:BP2=1:4\mathrm{AP}^2 : \mathrm{BP}^2 = 1 : 4 ⇒ 4AP2=BP24\mathrm{AP}^2 = \mathrm{BP}^2:

4(x2+y2)=(x−3)2+y24(x^2 + y^2) = (x-3)^2 + y^2 3x2+3y2+6x−9=03x^2 + 3y^2 + 6x - 9 = 0 x2+y2+2x−3=0x^2 + y^2 + 2x - 3 = 0 (x+1)2+y2=4(x+1)^2 + y^2 = 4

中心ちゅうしん(−1,0)(-1, 0)、 半径はんけい22 の円えん。

2. 領域りょういきの表あらわし方かた

一ひとつの不等式ふとうしきが表あらわす領域りょういき

不等式ふとうしき領域りょういき
y>mx+ny > mx + n直線ちょくせんy=mx+ny = mx + n の 上側うわがわ
y<mx+ny < mx + n直線ちょくせんy=mx+ny = mx + n の 下か側がわ
y≥f(x)y \geq f(x)上側うわがわ + 直線ちょくせん自身じしん (実線じっせん)
(x−a)2+(y−b)2<r2(x-a)^2 + (y-b)^2 < r^2円えんの 内部ないぶ
(x−a)2+(y−b)2>r2(x-a)^2 + (y-b)^2 > r^2円えんの 外部がいぶ

大事だいじ: 等号とうごうを含ふくむ (≤\leq、 ≥\geq) なら 境界きょうかいの線せん も領域りょういきに 含ふくむ、 含ふくまない (<<、 >>) なら境界きょうかいは含ふくめない。 図示ずしするとき、 含ふくむ境界きょうかいは実線じっせん、 含ふくまない境界きょうかいは点線てんせん (または破線はせん) で描えがく。

連立れんりつ不等式ふとうしき

連立れんりつ不等式ふとうしきが表あらわす領域りょういきは、 それぞれの不等式ふとうしきが表あらわす領域りょういきの 共通きょうつう部分ぶぶん。 すべてを同おなじ図ずに描えがき、 重おもなる部分ぶぶんが答えこたえです。

例題れいだい

連立れんりつ不等式ふとうしき{y≥xy≤−x+4y≥0\begin{cases} y \geq x \\ y \leq -x + 4 \\ y \geq 0 \end{cases} が表あらわす領域りょういきを図示ずしせよ。

直線ちょくせんy=xy = x の上側うわがわかつ直線ちょくせんy=−x+4y = -x + 4 の下した側がわかつ xx軸の上側うわがわ。 重おもなる部分ぶぶんは 三角形さんかくけい (頂点ちょうてん(0,0)(0, 0)、 (4,0)(4, 0)、 (2,2)(2, 2)、 境界きょうかい含ふくむ)。

3. 領域りょういきと最大さいだい ・ 最小さいしょう (線形せんけい計画けいかくの入口いりぐち)

一いち次じ式しきの最大さいだい ・ 最小さいしょう

領域りょういきDD において k=ax+byk = ax + by の最大さいだい ・ 最小さいしょうを考えかんがえます。 kk を定数ていすうと見みれば、 y=−abx+kby = -\dfrac{a}{b}x + \dfrac{k}{b} という 傾きかたむき一定いっていの直線ちょくせん になるので、 この直線ちょくせんを平行へいこうに動うごかしながら領域りょういきとの接触せっしょく点てんを探さがします。

大事だいじ: 領域りょういきが多角形たかくけいで区切くぎられているとき、 一いち次じ式しきの 最大さいだい ・ 最小さいしょうは必かならず頂点ちょうてんのどれか で起おこる (線形計画法せんけいけいかくほうの基本きほん定理ていり)。 だから頂点ちょうてんの値あたいをすべて試ためせばよい。

例題れいだい

連立れんりつ不等式ふとうしき{x+y≤42x+y≤6x≥0,  y≥0\begin{cases} x + y \leq 4 \\ 2x + y \leq 6 \\ x \geq 0, \; y \geq 0 \end{cases} の領域りょういきで、 z=x+2yz = x + 2y の最大値さいだいちを求もとめよ。

領域りょういきの頂点ちょうてん:

  • (0,0)(0, 0): z=0z = 0
  • (3,0)(3, 0) (2x+y=62x + y = 6 と y=0y = 0 の交点こうてん): z=3z = 3
  • (0,4)(0, 4) (x+y=4x + y = 4 と x=0x = 0): z=8z = 8
  • (2,2)(2, 2) (x+y=4x + y = 4 と 2x+y=62x + y = 6 の交点こうてん): z=6z = 6

最大値さいだいちは z=8z = 8 (点(0,4)(0, 4) で)。

最大さいだい ・ 最小さいしょうを求もとめる手順てじゅん (整理せいり)

  1. 連立れんりつ不等式ふとうしきが表あらわす 領域りょういき DD を図示ずし
  2. 領域りょういきの 頂点ちょうてん をすべて求もとめる (境界きょうかい線せんどうしの交点こうてん)
  3. z=ax+byz = ax + by の値あたいを 各かく頂点ちょうてん で計算けいさん
  4. 最大値さいだいち ・ 最小値さいしょうちを比較ひかくして決定けってい

二に次じ式しきの場合ばあい

最大さいだい ・ 最小さいしょうを求もとめる式しきが二に次じ (z=x2+y2z = x^2 + y^2 など) のときは 頂点ちょうてんで起おこるとは限かぎらない。 例たとえば z=x2+y2z = x^2 + y^2 (原点げんてんからの距離きょりの二乗にじょう) の最小さいしょうは、 「原点げんてんから領域りょういきへの最短さいたん距離きょり」 を直接ちょくせつ図ずで考かんがえる。

例題れいだい

領域りょういきx+y≥3x + y \geq 3、 x≥0x \geq 0、 y≥0y \geq 0 で z=x2+y2z = x^2 + y^2 の最小値さいしょうちを求もとめよ。

原点げんてんから直線ちょくせんx+y=3x + y = 3 への距離きょりが最短さいたんで、 距離きょり = 32\dfrac{3}{\sqrt{2}}、 二乗にじょうして zmin⁡=92z_{\min} = \dfrac{9}{2}。 接点せってんは (32,32)\left(\dfrac{3}{2}, \dfrac{3}{2}\right)。

図示ずしのコツ

領域りょういきを求もとめる問題もんだいでは、 必かならず 境界きょうかいの直線ちょくせん ・ 円えん を描えがき、 それぞれの不等式ふとうしきで どちら側がわか を矢印やじるしや斜線しゃせんで示しめし、 最後さいごに重かさなる部分ぶぶんを強つよくぬるのが標準ひょうじゅん的てきな解答かいとう形式けいしきです。

4. 円えんと領域りょういき

円えんが関与かんよする領域りょういき

不等式ふとうしきが円えんの内部ないぶ ・ 外部がいぶを含ふくむとき、 円えんと直線ちょくせんの 共有きょうゆう部分ぶぶん を図ずで把握はあくすることが大事だいじです。

例題れいだい

連立れんりつ不等式ふとうしき{x2+y2≤4y≥x\begin{cases} x^2 + y^2 \leq 4 \\ y \geq x \end{cases} が表あらわす領域りょういきを図示ずしせよ。

円x2+y2=4x^2 + y^2 = 4 (中心ちゅうしんO\mathrm{O}、 半径はんけい22) の 内部ないぶ (境界きょうかい含ふくむ) かつ直線ちょくせんy=xy = x の 上側うわがわ (境界きょうかい含ふくむ) の共通きょうつう部分ぶぶん。 形かたちは円えんを直径ちょっけいで切きった 半円はんえん板いた (上側うわがわ) になります。

軌跡きせきと領域りょういきを組み合わせくみあわせた問題もんだい

「2 点A,B\mathrm{A}, \mathrm{B} からの距離きょりの 和わ が rr以下いか」 「2 点てんからの距離きょりの 差さ が rr以上いじょう」 などは、 楕円だえん ・ 双曲線そうきょくせんといった数学すうがく C 内容ないように接続せつぞくしますが、 数学すうがく II の範囲はんいでも 「距離きょりの二に乗じょうの関係かんけい」 で円えんとして表あらわせる場合ばあいが多おおい。

やってみよう: 連立れんりつ不等式ふとうしき{x2+y2<9x+y>1\begin{cases} x^2 + y^2 < 9 \\ x + y > 1 \end{cases} の領域りょういきはどんな形かたち? (答えこたえ: 半径はんけい33 の円えんの内部ないぶを直線ちょくせんで切きった弓形きゅうけいの一方いっぽう、 境界きょうかい線せんは含ふくまない)

まとめ

  • 軌跡きせき は動どう点てん(x,y)(x, y) とおいて条件じょうけんを式しき化かし、 整理せいりする
  • 二に定点ていてんから等距離とうきょり → 垂直すいちょく二に等分とうぶん線せん
  • 二に定点ていてんからの距離きょり比ひが一定いってい (≠1\neq 1) → 円えん (アポロニウスの円あぽろにうすのえん)
  • 不等式ふとうしきy>f(x)y > f(x) は上側うわがわ、 y<f(x)y < f(x) は下した側がわ、 等号とうごうを含ふくむかで境界きょうかいを実線じっせんか点線てんせんか描えがき分わける
  • 連立不等式の領域れんりつふとうしきのりょういきは 共通きょうつう部分ぶぶん (重かさなるところ)
  • 領域りょういき内ないの 一いち次じ式しきの最大さいだい最小さいしょう は必かならず 頂点ちょうてん で起おこる

次じの章しょう: 第だい 5 章しょうでは 三角関数さんかくかんすう に入はいります。 中学ちゅうがく ・ 高校こうこう I の三角さんかく比ひ (0°≤θ≤180°0° \leq \theta \leq 180°) を 任意にんいの角かく に拡張かくちょうし、 弧度法こどほうと加法定理かほうていりで道具どうぐを完成かんせいさせます。

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高校数学II 第4章軌跡と領域|軌跡の方程式・不等式の領域・最大最小 | Studia