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政治・経済

国民こくみん経済けいざい — GDPと景気けいき循環じゅんかん

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

国くに全ぜん体たいの経済けいざい活かつ動どうを数字すうじで捉とらえるのが 国民経済計算こくみんけいざいけいさん です。 最もっとも有ゆう名めいな指標しひょうが GDPGDP (国内こくない総生産そうせいさん) です。

  • GDPGDPとGNIの違ちがい
  • 名目めいもくと実質じっしつ、 経済けいざい成長せいちょう率りつ
  • 三面等価の原則さんめんとうかのげんそく
  • 景気循環けいきじゅんかんと 4 類型るいけい
  • インフレーションいんふれーしょんとデフレーションでふれーしょん
  • 主要しゅよう経済けいざい指標しひょう (CPI、 完全かんぜん失業率しつぎょうりつ等)

ポイント: 「経済けいざい成長せいちょう」 とは単たんに 「豊ゆたかになる」 ことではなく、 GDP が前年ぜんねんより増ぞうえる ことを指さします。 豊ゆたかさの質しつ (環境かんきょう・幸こう福ふく・格差かくさ) は GDP には反映はんえいされない側面そくめんがあります。

1. GDPGDP (国内こくない総生産そうせいさん)

GDPGDP = 一定いってい期き間かんに国内こくないで新あたらしく生産せいさんされた財ざい・サービスの付加ふか価値かちの合計ごうけい

「付ふ加か価値かち」 とは

生産せいさん額がくから原材料げんざいりょう等とう (中間ちゅうかん投入とうにゅう) を引ひいた純粋じゅんすいな新規しんき価値かち。 二に重じゅう計算けいさんを避さけるために採とられる考かんがえ方ほうです。

段階だんかい売上うりあげ中間ちゅうかん投入とうにゅう付加ふか価値かち
小こ麦むぎ農家のうか1000100
製粉せいふん業者ぎょうしゃ200100100
パン屋や500200300
合計ごうけい800300500 (=GDP)

GDPGDPとGNIジーエヌアイの違ちがい

指標しひょう内容ないよう範はん囲い
GDP (Gross Domestic Product)国内こくない総生産そうせいさん国内こくない で生産せいさん (外国がいこく人じん含ふくむ)
GNI (Gross National Income)国民こくみん総そう所得しょとく国民こくみん が生産せいさん (海外かいがい在住ざいじゅう含ふくむ)

従来じゅうらいの 「GNP (国民こくみん総生産そうせいさん)」 は現在げんざい GNI と呼よばれます。 1993 年ねんの SNA 改訂かいてい以い降こう、 国内こくない 指標しひょう (GDP) が主流しゅりゅうになりました。

日本にほんの GDP

年ねん名目めいもく GDP国際こくさい順じゅん位い
1968約やく 53 兆ちょう円えん世界せかい 2 位くらい へ (西にしドイツ超こえ)
2010約やく 504 兆ちょう円えん中国ちゅうごくに抜ぬかれ 3 位くらい
2023約やく 591 兆ちょう円えん4 位くらい (ドイツどいつに抜ぬかれ)
2024 予測よそく約やく 600 兆ちょう円えん程度ていど4 位くらい (5 位インドいんどが接近せっきん)

2. 名目めいもくと実質じっしつ、 経済けいざい成長せいちょう率りつ

名目めいもく GDP と実質じっしつ GDP

区分くぶん内容ないよう
名目めいもく GDP当とう該がい年ねんの価格かかくで計算けいさん
実質じっしつ GDP基準きじゅん年ねんの価格かかくで計算けいさん (物価ぶっか変動へんどうを除のぞく)

GDPGDPデフレーターでふれーたー

物価ぶっか変動へんどうを表あらわす指標しひょう: GDPGDPデフレーターでふれーたー = (名目めいもく GDP) ÷ (実質じっしつ GDP) × 100

経済けいざい成長せいちょう率りつ

計算けいさん内容ないよう
経済けいざい成長せいちょう率りつ (実質じっしつ)(今年ことしの実質じっしつ GDP − 昨年さくねんの実質じっしつ GDP) ÷ 昨年さくねんの実質じっしつ GDP × 100

日本にほんの経済けいざい成長せいちょう率りつは、 高度こうど経済けいざい成長せいちょう期き (1955-1973) に平均へいきん 約やく 10%、 安定あんてい成長せいちょう期き (-1990) に約やく 4%、 失うしなわれた 30 年ねん (1990-2020 頃ころ) は平均へいきん約やく 1% 程度ていどで推移すいい。

3. 三面等価の原則さんめんとうかのげんそく

GDP は 「生産せいさん」 「分配ぶんぱい」 「支出ししゅつ」 の三さん面めんから測はかれ、 理論りろん的てきに 3 面めんは等ひとしくなる (事後じご的てきに一致いっち)。

3さん面

面めん内容ないよう
生産せいさん面めん企業きぎょうが生うんだ付加ふか価値かちの合計ごうけい
分配ぶんぱい面めん賃金ちんぎん + 利潤りじゅん + 利子りし + 地代ちだい等
支出ししゅつ面めん消しょう費ひ + 投資とうし + 政府せいふ支出ししゅつ + 純じゅん輸出ゆしゅつ

式しき: GDP = C + I + G + (X − M) (C: 消しょう費ひ、 I: 民間みんかん投資とうし、 G: 政府せいふ支出ししゅつ、 X: 輸出ゆしゅつ、 M: 輸入ゆにゅう)

4. 景気循環けいきじゅんかん

ケインズの肖像写真
ジョン・メイナード・ケインズけいんず (1883-1946)。 大だい恐慌きょうこう (1929-) を分析ぶんせきし、 不況ふきょう時じには 「有効需要ゆうこうじゅよう」 を政府せいふ支出ししゅつで創出そうしゅつすべきと主張しゅちょう。 GDP・景気けいき循環じゅんかん論ろんの理論りろん基盤きばんを築きずいた。

経済けいざい活動かつどうは 「好景気こうけいき ↔ 不景気ふけいき」 を周期しゅうき的てきに繰くり返かえします。 これを景気循環けいきじゅんかん (= 景気けいき変へん動どう) と呼よびます。

4 つの局面きょくめん

局面きょくめん特徴とくちょう
好況こうきょう (boom)生産せいさん・消費しょうひ活発かっぱつ、 雇用こよう拡大かくだい、 物価ぶっか上昇じょうしょう
後退こうたい (recession)需要じゅよう減げん、 在庫ざいこ増ぞう、 企業きぎょう収益しゅうえき減げん
不況ふきょう (depression)生産せいさん・消費しょうひ低迷ていめい、 失業しつぎょう増ぞう、 物価ぶっか低下ていか
回復かいふく (recovery)需要じゅよう回復かいふく、 投資とうし再開さいかい

4 つの周期しゅうきタイプたいぷ

循環じゅんかん周期しゅうき要因よういん発見はっけん者しゃ
キチンきちん循環じゅんかん約やく 40 か月かげつ在庫ざいこ変動へんどうキチン
ジュグラーじゅぐらー循環じゅんかん約やく 10 年ねん設備せつび投資とうしジュグラー
クズネッツくずねっつ循環じゅんかん約やく 20 年ねん建築けんちく需要じゅようクズネッツ
コンドラチェフこんどらちぇふ循環じゅんかん約やく 50 年ねん技ぎ術じゅつ革新かくしんコンドラチェフ

5. インフレーションいんふれーしょんとデフレーションでふれーしょん

区分くぶん内容ないよう影響えいきょう
インフレいんふれ (物価ぶっか上昇じょうしょう)貨幣かへい価値かち低下ていか預金よきん目減めべり、 借金しゃっきんが軽かるくなる
デフレでふれ (物価ぶっか下落げらく)貨幣かへい価値かち上昇じょうしょう企業きぎょう収益しゅうえき悪化あっか、 賃金ちんぎん低下ていか
スタグフレーションすたぐふれーしょん不景気ふけいき + 物価ぶっか上昇じょうしょう最さい悪あく、 対応たいおう困こん難なん

インフレいんふれの種類しゅるい

種類しゅるい内容ないよう
ディマンドプルでぃまんどぷるインフレいんふれ需要じゅようが供給きょうきゅうを上回うわまわる (好景気こうけいき)
コストプッシュこすとぷっしゅインフレいんふれ原材料げんざいりょう費ひ上昇じょうしょう (石油せきゆ危機きき)

日本にほんのデフレでふれ問題もんだい

1990 年バブルばぶる崩壊ほうかい以い降こう、 日本にほんは長ちょう期き的てきなデフレでふれに陥おちいりました。 政府せいふと日にち銀ぎんは長ながらく脱だっデフレでふれを目標もくひょうとし、 2013 年ねんから大規模だいきぼな金融きんゆう緩和かんわ (異い次じ元げん緩和かんわ) を展開てんかい。 2022 年ねん以い降こうは世界せかい的てきな物価ぶっか上昇じょうしょう (ロシア・ウクライナうくらいな情じょう勢せい・円安えんやす) で一転いってんし、 本格ほんかく的てきなインフレいんふれ対応たいおうが課題かだいとなっています。

6. 主要しゅよう経済けいざい指標しひょう

指標しひょう内容ないよう
消費者しょうひしゃ物価ぶっか指数しすう (CPIシーピーアイ)家計かけいが買かう財ざい・サービスさーびすの価格かかく。 総務そうむ省しょうが毎月まいつき発表はっぴょう
企業きぎょう物価ぶっか指数しすう企業きぎょう間ま取引とりひきの物価ぶっか。 日にち銀ぎん発表はっぴょう
完全かんぜん失業しつぎょう率りつ労働ろうどう力りょく人口じんこう中ちゅう失業しつぎょう者もの割合わりあい
有効ゆうこう求人きゅうじん倍率ばいりつ求人きゅうじん数すう ÷ 求職きゅうしょく数すう。 1 を超こえると売うり手て市し場ば
日銀にちぎん短観たんかん企業きぎょうの景気けいき感かん調査ちょうさ (DI)
景気けいき動向どうこう指数しすう (DI/CI)先行せんこう・一いっ致ち・遅行ちこう指標しひょう

日本にほんの近年きんねん数値すうち (2024)

指標しひょう数すう値ち
経済成長率けいざいせいちょうりつ (実質じっしつ)約やく +0.1% (2024 年ねん)
完全かんぜん失業しつぎょう率りつ約やく 2.5% (2024 年ねん平均へいきん)
有効ゆうこう求人きゅうじん倍率ばいりつ約やく 1.25 倍ばい
消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすう (生鮮せいせん除のぞく)前年ぜんねん比ひ +2.5%

7. GDP の限界げんかい

GDP は万能ばんのうな指標しひょうではありません。

限げん界かい例れい
家事かじ労働ろうどう・ボランティアは計上けいじょうされない家事かじを外注がいちゅうすると GDP 増ぞう
公こう害がいや事故じこも復旧ふっきゅう費ひとして計上けいじょう災害さいがいが GDP を押おし上あげる矛盾むじゅん
幸しあわせ・健康けんこう・環境かんきょうが反映はんえいされない富裕ふゆうでも格差かくさは見みえない

代替だいたい指標しひょうとして、 GPIジーピーアイ (真しんの進歩しんぽ指標しひょう)、 ブータンぶーたん のGNHジーエヌエイチ (国民こくみん総そう幸福こうふく量りょう)、 OECDOECDのBetter Life Indexベターライフインデックスなどが提案ていあんされています。

まとめ

  • GDPGDP = 国内こくないの 付加ふか価値かち 合計ごうけい、 三さん面めん等価とうか で生産せいさん・分配ぶんぱい・支出ししゅつが一致いっち
  • 名目めいもくと実質じっしつを区別くべつ、 物価ぶっか変動へんどうを除のぞいた実質じっしつ成長せいちょう率りつが重要じゅうよう
  • 景気循環けいきじゅんかん は短たん周期しゅうき (キチン) から長ちょう周期しゅうき (コンドラチェフ) まで重じゅう層そう的てき
  • インフレいんふれ・デフレでふれ・スタグフレーションすたぐふれーしょんは各々おのおの対応たいおう策さくが異ことなる
  • GDP は 限界げんかい があり、 幸しあわせや環境かんきょうは別べつ指標しひょうが必要ひつよう

次じ章しょうでは、 景気けいき調整ちょうせいの主しゅ役やくとなる 金融きんゆう・財政ざいせい政策せいさく を学まなびます。

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学がく習しゅうロードマップ(12件けん)
  1. 1民主みんしゅ主義しゅぎの原理げんり — 立憲りっけん主義しゅぎと人権じんけんの歩あゆみ
  2. 2日本国にっぽんこく憲法けんぽう — 三さん大だい原則げんそくと平和へいわ主義しゅぎ
  3. 3基本きほん的てき人権じんけん — 自由じゆう権けん・社会しゃかい権けん・新あたらしい人権じんけん
  4. 4国会こっかいと内閣ないかく — 議院ぎいん内閣ないかく制せいと選挙せんきょ制度せいど
  5. 5司法しほうと裁判さいばん — 違憲いけん審査しんさと裁判さいばん員いん制度せいど
  6. 6地方ちほう自治じち — 民主みんしゅ主義しゅぎの学校がっこう
  7. 7市場しじょう経済けいざいの仕組しくみ — 需要じゅよう供給きょうきゅうと市場しじょうの失敗しっぱい
  8. 8国民こくみん経済けいざい — GDPと景気けいき循環じゅんかん
  9. 9金融きんゆうと財政ざいせい — 日銀にちぎんの役割やくわりと税制ぜいせい
  10. 10労働ろうどうと社会しゃかい保障ほしょう — 労働三法ろうどうさんぽうと年金ねんきん・医療いりょう・少子しょうし高齢化こうれいか
  11. 11国際こくさい経済けいざい — 比較ひかく優位ゆうい・貿易ぼうえき・為替かわせ
  12. 12国際こくさい政治せいじ — 国連こくれん・SDGs・地球ちきゅう規模きぼ課題かだい