公共の福祉こうきょうのふくし
個人の人権と他者の人権が対立する場合の調整原理。
個人の人権と他者の人権が対立する場合の調整原理。
公共の福祉とは、個人の人権と他の個人や社会全体の利益が対立した場合の調整原理のことです。「人権は無制限ではなく、公共の福祉によって制約される場合がある」とされます。
| 自由 | 公共の福祉による制約の例 |
|---|---|
| 表現の自由 | 他人を傷つける名誉毀損は禁止 |
| 営業の自由 | 消費者保護のため規制を受ける |
| 財産権 | 道路建設のため土地を収用 |
たとえば「言いたいことを言う自由」はあっても、うそで他人の名誉を傷つけることは許されません。ただし、安易な制限は人権の空洞化を招くため、「必要最小限度の制約」かどうかが厳しく問われます。
ポイント 公共の福祉は「人権どうしの調整」が本質。人権を制限するための便利な口実ではなく、あくまで必要最小限である点に注意。
公共の福祉とは、個人の人権を制約する根拠として憲法が用いる概念です。12・13・22・29 条に登場します。
| 捉え方 | 内容 |
|---|---|
| 通説(人権相互の調整原理) | 人権どうしの矛盾・衝突を調整する実質的公平の原理 |
| 注意点 | 単なる多数派の利益や国家の都合ではない |
| 適用の差 | 経済的自由にはより広い制約が認められる |
たとえばある人の表現の自由が他人の名誉やプライバシーを侵す場合、両者を調整する必要があります。この調整原理が公共の福祉です。多数派が少数者の人権を奪う口実にはならない、と理解されています。
試験では 「公共の福祉=人権相互の矛盾を調整する原理」という通説が頻出。精神的自由より経済的自由のほうが広い制約を受ける点も押さえましょう。
公共の福祉とは、 日本国憲法第 12 条・13 条が定める原則で、 一人ひとりの人権と他者の人権が衝突するときの調整原理です。 「人権同士の衝突を公平に調整するための制約」と理解され、 例えば言論の自由はあっても他者の名誉を毀損する自由はなく、 営業の自由はあっても消費者を欺く自由はない、 という形で権利の限界を画します。 単なる「みんなの利益のため個人を犠牲に」という意味ではない点に注意が必要です。
| ある自由 | 認められない範囲(公共の福祉) |
|---|---|
| 表現の自由 | 他者の名誉を毀損する自由 |
| 営業の自由 | 消費者を欺く自由 |
| 居住の自由 | 他者の生命を脅かす行為 |
注意 公共の福祉は「全体のために個人を犠牲にする」という意味ではなく、 「人権同士の衝突を調整するための内在的制約」です。 ここを取り違えやすいので注意しましょう。