無常観むじょうかん
この世のものは移り変わり、 永遠のものはない、 という考え方。 古典に流れる。
この世のものは移り変わり、 永遠のものはない、 という考え方。 古典に流れる。
無常観(むじょうかん)とは、この世のものはたえず移り変わり、永遠に変わらないものは何もない、という考え方です。もともと仏教の考えで、日本の古典文学に深く流れています。
| 作品 | 無常観が表れた言葉 |
|---|---|
| いろは歌 | 色は匂(にお)へど散りぬるを(=美しい花もいつか散る) |
| 方丈記 | ゆく河の流れは絶えずして… |
| 平家物語 | 祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声、諸行無常のひびきあり |
たとえば「色は匂へど散りぬるを」は、どんなに美しい花もいつかは散ってしまう、ということから、人の世のはかなさを表しています。「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という言葉も、この無常観を表す代表的な言葉です。古典を読むときの大切なかぎになる考え方です。
ポイント 無常観は「すべては移り変わる・永遠はない」という考え。いろは歌・方丈記・平家物語など、多くの古典に共通して流れています。
無常観とは、「万物はつねに移り変わり、永遠に続くものはない」という仏教由来の世界観です。中世文学の基調をなす考え方で、栄華を極めた者も必ず滅びるという認識が、武家社会の台頭と貴族の衰退・戦乱の中で深まりました。
| 作品 | 無常観を表す冒頭・一節 |
|---|---|
| 平家物語 | 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり |
| 方丈記 | 行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず |
| 徒然草 | 多くの段に無常の感覚が流れる |
たとえば平家物語の「諸行無常」「盛者必衰」は、勢いの盛んな者もいつか衰えるという無常観をそのまま表した言葉です。川の水が流れて止まらない、というたとえも、変わり続ける世のありさまを示しています。
ポイント 中世三作(平家物語・方丈記・徒然草)に共通するキーワードが無常観です。「諸行無常」「盛者必衰」と結びつけて理解しましょう。
無常観は、「すべての物事は絶えず移り変わり、永遠に留まるものはない」とする仏教的な世界観です。仏教の「諸行無常」の思想に由来し、戦乱や天災の続いた中世の文学を貫く中心テーマとなりました。
| 作品 | 無常観を表す冒頭・名句 |
|---|---|
| 方丈記 | 行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず |
| 平家物語 | 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり |
| 徒然草 | (世のはかなさを説く多くの段) |
これらの作品はいずれも、栄えるものもやがて衰える、人も世も移ろう、という無常の感覚を底に置いています。
ポイント 「無常観=諸行無常=中世文学の核」という関係が頻出です。とくに『方丈記』『平家物語』の冒頭は無常観の代表として暗唱・出題されるので、書き出しを正確に覚えておきましょう。