5 年生の 理科を はじめよう
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この章で学ぶこと
4 年生の理科では、 「根拠 のある 予想 や 仮説」 を立ててたしかめる学習をしました。
5 年生の理科では、 そこからもう一歩 すすんで、 「変える条件とそろえる条件を自分で決めて、 計画的 にしらべる」 学習をします。 これが 5 年生の大きなテーマ、 「条件制御」 です。
- 5 年生の理科で大事にする 「条件制御」 とは何かを知る
- 「変える条件」 と 「そろえる条件」 の区別ができるようになる
- 5 年生で新しくつかう道具 (顕微鏡・電子てんびん・ろうと・蒸発皿) を知る
- 5 年生でとくに気をつけたい安全のきまり (火・薬品・流水) をまもれるようになる
- 1 年間 の学習の流れを知る
ポイント: 4 年生では「あれ? → なぜそう思う? → たしかめる」 でした。 5 年生では、 たしかめるときに 「変える条件 1 つだけ、 ほかはぜんぶそろえる」 を 自分で計画する 力を育てます。
1. 5 年生の理科のキーワード「条件制御」
5 年生の理科は、 つぎの一文 にまとまります。
「変える条件を 1 つだけきめて、 ほかはぜんぶそろえてしらべる」
これを 「条件制御」 と言います。 4 年生でも 「条件 をそろえる」 ことは学びましたが、 5 年生では 自分で計画 を立てる ことが求められます。
れい: 「ヘチマのたねは水がないと発芽 しない」 をしらべる
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① 知りたいこと | 「水が発芽 に 必要 かどうか」 |
| ② 変える条件 | 水をあげるか、 あげないか だけ |
| ③ そろえる条件 | 種類・温度・空気・器・置き場しょ・たねの数 |
| ④ 結果 の予想 | 水をあげた方だけ発芽 するはず |
| ⑤ 実験 | A (水あり) と B (水なし) を同時に用意 |
| ⑥ 考察 | 結果 と予想をくらべる |
大事: 「2 つ以上の条件 を同時に変える」 と、 どの条件 がきいたのかわからなくなります。 必ず 「変えるは 1 つ」 と心得 ましょう。
2. 「変える条件」 と 「そろえる条件」 の区別
条件制御 ができるようになるために、 「変える条件」 と 「そろえる条件」 を紙に書き出す練習 をしましょう。
れい 1: 「インゲンマメの発芽 に温度が必要 か」
| 種類 | A (実験 1) | B (実験 2) |
|---|---|---|
| 変える条件: 温度 | 室内 (20 ℃) | 冷蔵庫 (5 ℃) |
| そろえる条件: 水 | あり | あり |
| そろえる条件: 空気 | あり | あり |
| そろえる条件: 種 | インゲンマメ 5 つ | インゲンマメ 5 つ |
| そろえる条件: 器 | プラコップ | プラコップ |
れい 2: 「植物 の成長 に日光 が必要 か」
| 種類 | A | B |
|---|---|---|
| 変える条件: 日光 | 当てる | 当てない (箱をかぶせる) |
| そろえる条件: 水・肥料・温度・植物 | すべて同じ | すべて同じ |
よくあるまちがい
- 温度と水を同時に変えてしまう → どの条件 がきいたかわからない
- たねの数をそろえない → たまたま 1 つだけ出た可能性 がある
- 観察 する時刻 がちがう → 1 日経ったかどうかで結果 が変わる
ポイント: 「そろえる条件 のリスト」 を紙に書くと、 抜もれが見つかります。 5 年生ではこれを自分で書けるようになるのが目標。
3. 新しい道具 — 顕微鏡
5 年生では、 4 年生まで使わなかった新しい道具 がいくつか出てきます。 とくに大事なのが 顕微鏡 です。 第 3 章や第 4 章で花粉 やメダカのたまごを観察 するときに使います。
顕微鏡のつくり
| 部品 | はたらき |
|---|---|
| 接眼レンズ (せつがんレンズ) | 目でのぞくレンズ。 上につく |
| 対物レンズ (たいぶつレンズ) | 観察 するものに近いレンズ。 下につく |
| プレパラート | 観察 するものをスライドガラスとカバーガラスではさんだもの |
| ステージ (のせ台) | プレパラートをのせるところ |
| クリップ | プレパラートを止める |
| 反射鏡 (はんしゃきょう) | 光を取り入れて視野 を明るくする |
| しぼり | 入ってくる光の量を調節 |
| 調節 ねじ | ピントを合わせる |
ばい率 の出し方
ばい率 = 接眼レンズ のばい率 × 対物レンズ のばい率
れい: 接眼 10 倍 × 対物 4 倍 = 40 倍
| 対物 レンズ | 接眼 10 倍と組み合わせたばい率 |
|---|---|
| 4 倍 | 40 倍 (まずここから) |
| 10 倍 | 100 倍 |
| 40 倍 | 400 倍 (細かい観察) |
つかう順番 (大事)
- 水平 な場しょに置く (かたむけない)
- 一番ばい率 の 小さい 対物レンズ に合わせる (まず 4 倍)
- 反射鏡 としぼり を動かして視野 を明るくする
- プレパラートをステージにのせてクリップでとめる
- 横から見ながら、 対物レンズ とプレパラートを 近づける (調節 ねじで)
- 接眼 レンズをのぞきながら、 ねじを回して 遠ざけながら ピントを合わせる (近づけない!)
- もっと細かく見たいときはばい率 の大きいレンズに変える
大事: 「遠ざけながらピントを合わせる」 がぜったいのきまり。 近づけながら合わせると、 対物レンズ がプレパラートにぶつかって、 カバーガラスを割ってしまいます。
大事: 直接太陽 の光を反射鏡 で集めない こと。 目をいためる危険 があります。
4. そのほかの新しい道具
| 道具 | つかうところ | はたらき |
|---|---|---|
| 電子てんびん | 第 5 章 (溶け方)・第 6 章 (振り子) | 1 g 単位で重さをはかる |
| ろうととろ紙 | 第 5 章 (溶け方) | 溶け 残りをこし取る |
| 蒸発皿 | 第 5 章 (溶け方) | 水を蒸発 させて溶けた物を取り出す |
| メスシリンダー | 第 5 章・第 8 章 | 水の体積 を正確 にはかる (mL) |
| 電流計 (アンメーター) | 第 7 章 (電磁石) | 電流 の大きさ (A) をはかる |
| 検流計 | 第 7 章 | 電流 の向きと大きさを簡単 にはかる |
ポイント: メスシリンダー は 目盛 の 真ん中 で読みます。 水面 の一番へこんだところ (ガラス管 のすい上げで少しへこむ) を目と同じ高さで読みましょう。
5. 5 年生でとくに気をつけたい安全のきまり
5 年生では、 4 年生まではやらなかった実験 がさらにふえます。
全体共通 の 5 つのきまり (4 年生のふくしゅう)
| きまり | くわしく |
|---|---|
| ① 先生といっしょに | 実験 は先生の指示 があってからはじめる |
| ② 道具 を正しくつかう | 使い方をおぼえてからつかう |
| ③ せいりせいとん | 使った道具 はすぐもどす |
| ④ おわったら手あらい | 実験 のあとはかならずせっけんで手をあらう |
| ⑤ こまったらすぐ先生に | こわした・けがした・きもちがわるいはすぐ言う |
5 年生で新しくふえる注意 (章ごとのよ告)
| 章 | 危険 な場面 | 対策 |
|---|---|---|
| 第 1 章 | 顕微鏡 の反射鏡 | 直接太陽 を反射 させない |
| 第 4 章 | メダカの飼育 | 池や川に落ちない、 水替えで床をぬらさない |
| 第 5 章 | 加熱 (蒸発皿) | 保護 めがね、 やけど注意、 沸騰中の蒸発皿 をのぞき込まない |
| 第 6 章 | 振り子 (おもり) | おもりが飛んで当たらない、 紐が切れる可能性 |
| 第 7 章 | 電流 (電磁石) | ショート禁止、 電池 が熱くなったらすぐ止める |
| 第 8 章 | 流水 (野外観察) | 用水路・川に ぜったい 入らない、 大雨後は観察中止 |
| 第 9 章 | 天気 (野外観察) | 雷が聞こえたらすぐ屋内 へ、 強風注意 |
大事: 5 年生では 野外 (川・天気) や 加熱・薬品 が増えます。 先生の指示 を守ることはもちろん、 「あぶないと思ったらやらない」 を自分で判断 できるようになりましょう。
6. 1 年間 の学習 の流れ
5 年生の理科は全部で 10 章です。 1 年通して学ぶ順番 を紹介 します。
| 章 | タイトル | 領域 | 時期 の目あて |
|---|---|---|---|
| 1 | 5 年生の理科をはじめよう | — | 4 月 |
| 2 | 植物の発芽 | B | 4〜5 月 |
| 3 | 植物の成長と結実 | B | 6〜9 月 |
| 4 | 動物の誕生 | B | 5〜7 月 |
| 5 | 物の溶け方 | A | 9〜10 月 |
| 6 | 振り子の運動 | A | 10〜11 月 |
| 7 | 電流がつくる磁力 | A | 11〜12 月 |
| 8 | 流れる水のはたらき | B | 1〜2 月 |
| 9 | 天気の変化 | B | 2 月 |
| 10 | 自然と人 (ふりかえり) | — | 3 月 |
ポイント: 第 2 章 (発芽)・第 3 章 (成長と結実)・第 4 章 (動物の誕生) は春から夏にかけて同時進行で観察 します。 たねをまいたら 1 週間ごとにカードを書きためておくと、 後でまとめやすいです。
7. ふりかえり
この章で学んだことをふりかえりましょう。
- 5 年生の理科は 「条件制御」 が中心だとわかった
- 「変える条件 1 つ、 そろえる条件 ぜんぶ」 を言える
- 「変える条件」 と 「そろえる条件」 を紙に書き出せる
- [ ]顕微鏡 の 接眼レンズ・対物レンズ・プレパラート のはたらきを言える
- ばい率 = 接眼 × 対物 で出せる (10 × 4 = 40 倍など)
- [ ]顕微鏡 のつかう順番 (遠ざけながらピントを合わせる) を言える
- 5 年生で新しくつかう道具 (電子てんびん・蒸発皿・メスシリンダーなど) を知っている
- [ ]章ごとの安全の注意 (加熱・流水・電流・夜間) が言える
この章の安全配慮
- 顕微鏡 の反射鏡 で直接太陽 の光を集めない (失明のおそれ)
- 顕微鏡 は両手で持つ (アームと台座を持つ、 落とさない)
- プレパラートのカバーガラスは割れやすい (横に寝かせて保管、 ピント合わせで押し当てない)
- 次の章から出てくる安全のきまりは各章のおわりに再掲 される ので、 かならず読んでから始める
次の章: 第 2 章では、 さっそく 植物の発芽 を 「条件制御」 でしらべます。 「水・空気・温度の 3 つのどれが必要 か」 を、 1 つずつ条件 を変えた実験 で確かめましょう。 5 年生の理科の第 1 歩です。
学習ロードマップ(10件)
- 15 年生の 理科を はじめよう
- 2植物の 発芽
- 3植物の 成長 と 結実
- 4動物の 誕生
- 5物の 溶け方
- 6振り子の 運動
- 7電流が つくる 磁力 (電磁石)
- 8流れる 水の はたらき と 土地の 変化
- 9天気の 変化
- 10自然 と 人 (5 年のふりかえり)