植物の 成長 と 結実
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この章で学ぶこと
第 2 章で 発芽 を学びました。 第 3 章では、 発芽 の あと に起こる 「成長」 と、 花がさいて 「結実」 するしくみを学びます。
- 植物 の 成長 に必要 なもの (日光・肥料・水) を条件制御 でたしかめる
- 花のつくり (おしべ・めしべ・がく・花びら) を観察 する
- 受粉 のしくみ (花粉 が めしべ につく) を知る
- 受粉 が起こると実ができる (= 結実) ことをしらべる
- アサガオ (両性花) とヘチマ (単性花) をくらべる
ポイント: 第 2 章の 発芽 には 日光 も 肥料 も必要 なかった。 第 3 章の 成長 には どちらも必要 になります。 「発芽 と 成長 は別物」 が大事なポイントです。
1. 成長に必要なもの — 日光・肥料・水
発芽 が終わったあと、 植物 が 大きく育つ ためには何が必要 でしょうか。 これも 条件制御 でたしかめます。
実験 1: 日光が必要 か
| 条件 | A | B |
|---|---|---|
| 日光 ← 変える | あり (窓) | なし (箱で覆う) |
| そろえる: 水 | あり | あり |
| そろえる: 肥料 | あり | あり |
| そろえる: 温度・植物 | 同じ | 同じ |
結果: A はしっかり育つ。 B は茎がひょろひょろで葉が黄色くなる。 → 成長 には 日光 が必要
実験 2: 肥料が必要 か
| 条件 | A | B |
|---|---|---|
| 肥料 ← 変える | 入った水 | 入っていない水 (真水) |
| そろえる: 日光・水・温度 | 同じ | 同じ |
結果: A はしっかり育つ。 B は弱々しく育つ。 → 成長 には 肥料 (養分) が必要
結論
| 条件 | 発芽 に | 成長 に |
|---|---|---|
| 水 | ○ 必要 | ○ 必要 |
| 空気 | ○ 必要 | ○ 必要 |
| 適当な温度 | ○ 必要 | ○ 必要 |
| 日光 | × 必要 なし | ○ 必要 |
| 肥料 | × 必要 なし | ○ 必要 |
大事: 発芽 と 成長 の必要 な条件 がちがう ことはテストでよく問われます。 表をおぼえましょう。
2. 花のつくり
植物 がある程度 成長 すると、 やがて 花 がさきます。 花のつくりを観察 しましょう。
アサガオの花のつくり
アサガオは 1 つの花の中に おしべ と めしべ の両方がある 両性花 です。
| 部分 | はたらき |
|---|---|
| がく | 花全体 を下からささえる |
| 花びら | 虫を呼ぶために目立つ色・形 |
| おしべ | 先端 に 花粉 を作る (アサガオは 5 本) |
| めしべ | 真ん中に 1 本、 先端 がふくらんでいる。 受粉 する場所 |
| 子房 | めしべ の下のふくらみ。 受粉 すると実になる |
ヘチマの花 — 単性花
ヘチマは 1 つの花に おしべ か めしべ のどちらかしかない 単性花 です。 同じ株 (なえ) に おばな と めばな がべつべつにさきます。
| 花の種類 | 中身 | とくちょう |
|---|---|---|
| おばな | おしべ のみ (5 本) | 子房がない、 実にならない |
| めばな | めしべ のみ (1 本) | 花の下にふくらみ (子房) がある |
ポイント: ヘチマの花をよく見ると、 下に 「ヘチマの形」 をしたふくらみ があるのが めばな、 ないのが おばな です。 めばな が 受粉 すると、 ふくらみがそのままヘチマの実になります。
両性花と単性花の例
| 種類 | れい |
|---|---|
| 両性花 | アサガオ・サクラ・タンポポ・チューリップ・アブラナ |
| 単性花 | ヘチマ・カボチャ・キュウリ・トウモロコシ・ヘチマのなかま |
3. 顕微鏡で花粉を観察
おしべ の先端 (やく) には 花粉 がたくさんあります。 第 1 章で学んだ 顕微鏡 で観察 しましょう。
観察の手順
- おしべ のやく (先端 のふくらんだ部分) をピンセットでつまみ取る
- スライドガラス に軽くこすりつけて 花粉 をつける
- カバーガラス をかぶせて プレパラート にする (空気 が入らないように)
- 顕微鏡 で観察 (まず 40 倍、 つぎに 100 倍ぐらい)
主な花粉の形
| 植物 | 花粉 の形 |
|---|---|
| アサガオ | まるい、 表面にトゲがある |
| ヘチマ | やや楕円 (たまご形) |
| ホウセンカ | 細長い |
| マツ | 両がわに風船のようなふくろ (空気袋)。 風で飛びやすい |
ポイント: マツの 花粉 の 「空気袋」 はとくに特徴的。 風で遠くまで飛ぶためのくふうです。 マツは 風ばい花 (風媒花) と言います。
4. 受粉のしくみ
受粉 とは、 「おしべ の 花粉 が めしべ の先端 (柱頭) につくこと」 です。
受粉の運び手 (媒介者)
花粉 はどうやって めしべ に運ばれるでしょうか。 主な運び手はつぎの通り。
| 運び手 | 例 |
|---|---|
| こん虫 (虫媒花) | アサガオ・サクラ・タンポポ。 ミツバチ・チョウ・アブなどが花びらの 蜜 を求めて訪れて、 体に 花粉 をつけて運ぶ |
| 風 (風媒花) | マツ・スギ・トウモロコシ。 花粉 が軽い、 量が多い、 風で遠くまで飛ぶ |
| 水 | 水草 (キンギョモなど) の一部 |
| 人 (人工 受粉) | くだもの栽培 (リンゴ・ナシなど)。 確実 に実をつけさせたいとき |
大事: アサガオやサクラは 虫媒花 で 花粉 がべたべたしている (虫の体につきやすい)。 マツやスギは 風媒花 で 花粉 が軽くてさらさらしている (風で飛びやすい)。 形とはたらきがつながっています。
5. 受粉が起こると実ができる — 受粉の実験
「受粉 しないと実はできないのか」 を 条件制御 でたしかめます。 ヘチマ (単性花) を使うとわかりやすいです。
実験計画
ヘチマの つぼみのうちの めばな を 2 つ選び、 開く直前に 袋 をかぶせ ます (虫が来ないように)。
| 条件 | A (受粉する) | B (受粉しない) |
|---|---|---|
| 開花まで | 袋をかぶせる | 袋をかぶせる |
| 花が開いたら | 袋を外す → おばな の 花粉 を筆でつける → また袋をかぶせる | 袋をかぶせた まま |
| そろえる: 株・水・温度・日光 | 同じ | 同じ |
結果
| A (受粉 あり) | B (受粉 なし) | |
|---|---|---|
| 数日後 | 花の下のふくらみが 大きくなる → ヘチマの実になる | 花がしおれて 実にならず落ちる |
考察
- 変えたのは 受粉 のあり・なしだけ
- A だけが実になった
- → 受粉 が起こると実 (結実) ができる
大事: 袋 をかぶせる のは、 「受粉 しない」 という条件 を確実 につくる ため。 自然 にまかせると虫が 花粉 を運んでしまい、 比較 ができません。
6. 実ができてから種子ができるまで
受粉 のあと、 花の中でつぎの変化 が起こります。
| 順番 | 起こること |
|---|---|
| ① 受粉 | 花粉 が めしべ の先端 (柱頭) につく |
| ② 受精 | 花粉 からのびた管が 子房 の中の 胚珠 に達する |
| ③ 子房 が育つ | 子房 が大きくなって 実 になる |
| ④ 胚珠 が育つ | 胚珠 が 種子 になる |
| ⑤ 完成 | 実の中に 種子 ができる |
ポイント: 「実の中に 種子 ができる」 ことは、 第 2 章の 発芽 とつながる大事な流れです。 「種子 → 発芽 → 成長 → 開花 → 受粉 → 結実 → 種子」 で 生命がつながります。 これが 5 年生 B 領域 の大きなテーマ 「生命の連続性」 です。
7. ふりかえり
- [ ]成長 に必要 な条件 (日光・肥料・水) を言える
- [ ]発芽 と 成長 で必要 な条件 がちがうことを区別できる
- [ ]花のつくり (がく・花びら・おしべ・めしべ・子房) を言える
- 両性花 と 単性花 の区別ができる (両性花 = アサガオ、 単性花 = ヘチマ)
- おばな・めばな を見分けられる (めばな は下にふくらみ)
- [ ]顕微鏡 で 花粉 を観察 できる、 形の特徴 を言える
- 受粉 の意味 (花粉 が めしべ につく) を言える
- [ ]受粉 の運び手 (こん虫・風・水・人) を言える
- 受粉 が起こると実ができる ことを実験 で確かめられる
- 「種子 → 発芽 → 成長 → 開花 → 受粉 → 結実 → 種子」 の生命の流れを言える
この章の安全配慮
- 花粉アレルギーの人はマスクをつける (とくに花粉 をスライドにつけるとき)
- ヘチマや観察用の植物 にかぶれる ことがある (手を洗う、 トゲに注意)
- 筆で 花粉 をつけるとき はつぼみやめしべを強く押さない
- 袋 をかぶせるとき はつぼみを折らない、 風で飛ばさないようにしっかり結ぶ
- 観察 が終わったら手をよく洗う (花粉 アレルギーの友達がいることも考えて)
次の章: 第 4 章では、 動物 の 「誕生」 を学びます。 メダカのたまごの中でどう育つか、 人が母親 の子宮の中でどう育つか。 植物 (種子 → 実) と動物 (受精卵 → 子) で、 「生命の連続性」 をつなげて考えましょう。