この章で学ぶこと
4 年生の 「天気と気温」 では、 1 日の気温がどう変わるか、 百葉箱 で計るくふう、 雲と天気の関係 (くもりと雨) を学びました。
5 年生では、 もっと大きなスケールで 天気がどう動いていくか を学びます。 「日本の天気が 西から東 へ変わる」 こと、 気象衛星や アメダス で観測 するしくみ、 台風 の進路 と災害 まで。
- 雲量 で晴れ・くもりを区別する方法を知る
- 雲の種類 (10 種雲形) と天気の関係 を知る
- 日本の天気が 偏西風 で 西から東 へ変わることを知る
- 気象衛星ひまわり と アメダス のはたらきを知る
- 台風 が南の海で生まれ、 進路 と災害 があることを知る
- 天気予報を自分で読めるようになる
ポイント: 4 年生では 「この場しょの天気」 を観ました。 5 年生では 「日本全体・地球全体の天気」 を観ます。 ぐっとスケールが大きくなります。 ニュースの天気予報図がわかるようになるのがゴールです。
1. 雲量 と天気
「晴れ・くもり・雨」 のちがいはどう決めるでしょうか。 実は 空を見上げて、 雲が空のどれくらいをおおっているか で決めます。
雲量
空全体を 10 としたとき、 雲が 何 / 10 をおおっているか。
| 雲量 | 天気 |
|---|
| 0 〜 1 | 快晴 (かいせい、 ほぼ雲がない) |
| 2 〜 8 | 晴れ |
| 9 〜 10 | くもり |
大事: 「晴れ」 と 「くもり」 のさかいは 雲量 8 と 9 のあいだ。 8 までが晴れ、 9 からがくもり。 半分雲があっても、 まだ晴れ。
雨・雪はどう区別?
雲量 とは別に、 降水があるかどうか で区別する。
| 状態 | 区別 |
|---|
| 雲が多くて雨・雪が降っている | 雨 または 雪 (くもりとは言わない) |
| 雲が多いが降っていない | くもり |
2. 雲の種類と天気の関係
雲には大きく 10 種類 ある (10 種雲形、 じっしゅうんけい)。 4 年生で入門として 「白い雲は晴れ、 灰色 の雲は雨」 を学びました。 5 年生では 形と高さ で区別します。
高さで 3 つに分ける
| 高さ | 雲の名前 (代表) | 天気との関係 |
|---|
| 上層 (5〜13 km) | 巻雲 (けんうん、 すじ雲) / 巻積雲 (うろこ雲) | 高いところの雲、 ふつうは晴れ。 でも増えてくると天気がくずれる前ぶれ |
| 中層 (2〜7 km) | 高積雲 (ひつじ雲) / 高層雲 (おぼろ雲) | 雨が近づいている |
| 下層 (〜2 km) | 層雲 (きり雲) / 層積雲 (うね雲) | くもり、 弱い雨 |
| 縦に大きい | 積雲 (わた雲、 入道雲) / 積乱雲 (にゅうどう雲、 かみなり雲) | 晴れの日にわいてくる。 大きくなると 激しい雨・かみなり |
| 広い範囲 をおおう | 乱層雲 (あま雲) | しとしとと長く降る雨 |
覚えるのはどれ? — 5 つで OK
5 年生で必ず覚える雲。
| 名前 | 形 | 天気 |
|---|
| 巻雲 | 細いすじ、 高い空 | ふつうは晴れ、 でも天気くずれの前ぶれ |
| 積雲 (わた雲) | わたのようにもくもく | 晴れ |
| 積乱雲 (入道雲) | 縦に 大きく もくもく | 激しい夕立・かみなり・雷雨 |
| 層雲 (きり雲) | 低く平面的に広がる | くもり、 もや |
| 乱層雲 (あま雲) | 灰色 で空全体 | しとしとの長雨 |
大事: 入道雲 (積乱雲) を見たら注意。 急に大きくなって雷や大雨・ひょう が降ることがある。 学校が 「警戒」 を出すことも。 夏の夕方に多い。
3. 日本の天気 — 西から東へ変わる
天気予報で 「明日は西の方から雨が来るでしょう」 とよく言います。 なぜ日本の天気は 西から東 へ変わるのでしょうか。
偏西風
日本の上空 (高さ約 10 km) には、 西から東へ強くふく風 がある。 これが 偏西風 (へんせいふう、 西に 偏 った風)。
- 速度 : 時速 数十 km 〜 100 km 以上 (上空で特に強い帯を 「ジェット気流」 といい、 時速 200 km をこえることも)
- 雲や高気圧・低気圧を 西から東へ運ぶ
- だから日本の天気は 西 (中国・九州) → 東 (関東・東北) の順で変わる
ポイント: 「今日の大阪 の天気が、 明日の東京 の天気」 と言われるのはこのため。 もちろんいつも当たるわけではないけれど、 だいたいの目安 になる。
くわしく — 高気圧と低気圧が動く
| もの | 動き | 天気 |
|---|
| 高気圧 | 西から東へ動く | おおわれると 晴れ |
| 低気圧 | 西から東へ動く | おおわれると くもり・雨 |
天気予報図で 「H」 が高気圧、 「L」 が低気圧 (英語 High と Low の頭文字)。
4. 気象衛星と アメダス と天気予報
ニュースで見る天気予報は、 たくさんの観測 データを集めて作っている。
気象衛星ひまわり
宇宙 (高さ約 36 000 km) から地球を見て、 雲の写真 をとる衛星。 日本の 「ひまわり」 は 10 分おき に撮影 (ていきょう)。
- 上から見るので 雲がどこにあるか一目 でわかる
- 雲の動きで 「明日雨がどこで降るか」 を予想 できる
- 台風の 進路 や 目 も見える
アメダス (Automated Meteorological Data Acquisition System)
日本全国に 約 1300 か所 ある自動観測装置。 雨量・気温・風速・日照を計っている。
- 17 km おき に設置 されている
- 10 分おき にデータを自動で送る
- 災害 のときに 「ここでどれだけ雨が降ったか」 がすぐわかる
天気予報図
天気予報で出てくる図にはつぎの記号 がある。
| 記号 | 意味 |
|---|
| ○ | 晴れ |
| ◎ | くもり |
| ● | 雨 |
| H または高 | 高気圧 |
| L または低 | 低気圧 |
| 線 (等圧線) | 同じ気圧をつなぐ線 |
| ▲ ▼ の線 | 前線 (寒冷前線・温暖前線) |
5. 台風
夏から秋にかけて、 ニュースで 「台風 ○ 号が発生」 とよく聞く。 台風 とは 熱帯 の海 で生まれた 強い低気圧 (うず巻状) で、 激しい風と雨 をもたらす。
宇宙から見た台風 (国際宇宙ステーション撮影)。 中央の 「目」 と渦巻の雲がとくちょう。
発生から日本上陸 まで
| ステップ | 場しょ | できるもの |
|---|
| ① | 南の海 (フィリピン沖、 海面温度 26℃ 以上) | 強い 低気圧 が生まれる |
| ② | だんだん強くなる | 「熱帯低気圧」 → 「台風」 (風速 17.2 m/s 以上) |
| ③ | 北へ進む | 始めはゆっくり、 だんだん速く |
| ④ | 日本近くで東へ曲がる | 偏西風 に乗る |
| ⑤ | 上陸 | 雨と風の災害 |
大事: 台風は南の暖かい海で生まれて、 北へ進み、 偏西風 に乗って東へ曲がる。 これが日本の多くの台風が通る 「台風銀座」 (沖縄 → 九州 → 本州 → 北海道) のしくみ。
台風 のしくみ — 目
台風を上から見ると 大きなうず巻。 真ん中に 「目」 という風が弱くなる部分がある。
| 部分 | 風 | 雨 |
|---|
| 目 (まんなか) | 弱い (ほぼ無風のことも) | 少ない、 たまに晴れ |
| 目のまわり (眼壁) | 最強 | 最強 |
| 外側の雲 | 強い | 強い |
ポイント: 「台風の目に入ったから終わった」 と思って外に出ると、 すぐまた強い風が来る ので危険。 目の反対側 (眼壁) が一番強い。
台風と災害
| 災害 | 起きること |
|---|
| 強風 | 木が倒れる、 看板が飛ぶ、 屋根がはがれる |
| 大雨 | 洪水、 土砂崩れ (第 8 章) |
| 高潮 (たかしお) | 海の水がおしよせて海岸がしずむ |
| 停電 | 電線が切れる、 鉄塔 が倒れる |
大事: 台風が来るまえに 窓をしめ、 不要な外出をしない、 ハザードマップ で避難場しょを確認。 ニュース・気象庁の警報をよく聞く。
6. 天気とわたしたちのくらし
天気予報を読めるようになろう
天気予報を見るとき、 つぎの順で読むとわかりやすい。
| 順 | 見るもの | わかること |
|---|
| ① | 気象衛星の雲写真 | 今雲がどこにあるか |
| ② | 雲の動き (動画) | 雲がどっちへ動くか → どこで雨 |
| ③ | 高気圧 (H)・低気圧 (L) の場しょ | 晴れの場しょ・雨の場しょ |
| ④ | 西から東へ動くことを思い出す | 明日の自分の町の天気 |
| ⑤ | 降水確率 | ○ % で雨が降りそう |
降水確率 とは (算数 5 年百分率と連動)
「明日の降水確率 50 %」 とは、 50 % = 半分 の場しょで雨が降る、 という意味 ではない。 「100 回同じような状況 で、 50 回は 1 mm 以上の雨が降る」 という意味。 算数 5 年で学ぶ 百分率 (%) の使い方。
| 確率 | 目安 |
|---|
| 0 〜 20 % | あまり降らない |
| 30 〜 50 % | かさを持っていくがよい |
| 60 〜 100 % | 降る、 かさ必要 |
7. ふりかえり
この章で学んだことをふりかえりましょう。
この章の安全配慮
- 積乱雲 (入道雲) を見たら急いで安全な場しょへ — 急にかみなりと大雨が来る
- 雷が鳴ったら木の下に入らない — 木に雷が落ちて、 そばの人も感電 する
- 建物の中 か 車の中 が一番安全
- 台風の日は不要な外出をしない — 風で看板や自転車が飛んでくる
- 川や海に近づかない — 高潮 や 洪水 が起こる
- 「目」 に入っても安心しない — また強い風が来る、 1〜2 時間で反対側の 眼壁 が来る
- 雷注意報・大雨警報・特別警報 をニュースで確認、 避難指示が出たらすぐ行動
- ハザードマップ で自分の家と学校の安全を家族 と話し合っておく
次の章: いよいよ最後 の第 10 章です。 5 年生で学んだ 「自然 (動植物・水・天気)」 と 「人のくらし」 のつながりをふりかえり、 環境 を守るために自分ができることを考えます。 そして 6 年生で学ぶ 「人の体 ・水溶液 ・電気の利用 ・生物と環境」 への橋渡しも紹介 します。 1 年の自分の成長をふりかえる章です。