動物の 誕生
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この 章で 学ぶこと
第 2 章・第 3 章 で 植物 の 生命 の 連続性 (種子 → 発芽 → 成長 → 受粉 → 結実 → 種子) を 学びました。 第 4 章 では、 同じ よう に 動物 の 生命 が どう つながる か を、 メダカ と 人 で 学び ます。
- メダカ の 飼育 の 仕方 を 知る (オス・メス の 見分け、 たまご の 産み方)
- メダカ の たまご の 中 の 変化 を 顕微鏡 で 観察 する (受精 → 発生 → ふ化)
- 人 が 母親 の 子宮 の 中 で 育つ こと (約 38 週間) を 学ぶ
- へその緒・たいばん で 養分 と 酸素 が 届く しくみ を 知る
- いのち の つながり を 大切 に する 心 を 育てる (生命尊重)
ポイント: 植物 の 受粉 = 動物 の 受精。 植物 の 種子 = 動物 の 受精卵。 つくり は ちがいますが、 「新しい 命 の はじまり」 と いう 点 では 同じ です。
1. メダカ の 飼育 — 観察 の 準備
メダカ は 5 年生 の 観察 に いちばん つかわれる 魚 です。 飼育 が 楽 で、 たまご の 中 が すきとおって いて 観察 しやすい から です。
用意 する もの
| 物 | はたらき |
|---|---|
| 水そう (10 〜 20 L ぐらい) | 5 〜 10 ぴき が 目安 |
| くみ置き 水 | 水道水 を 1 日 おいて 塩素 (カルキ) を ぬく |
| 水草 (キンギョモ・ホテイソウ) | メダカ が たまご を 産み つける 場所 |
| エサ | 1 日 1 〜 2 回、 食べきる 量 |
| 小石 や 砂 | 底 に しく |
オス と メス の 見分け方
| 部分 | オス | メス |
|---|---|---|
| 背びれ | 切れ込み が ある | 切れ込み が ない |
| しりびれ | 大きく 平行四辺形 | 小さく 三角 |
| 体 の 大きさ | 細長い | やや ふっくら (たまご を もって いる とき) |
ポイント: 背びれ と しりびれ で 見分ける の が 一番 たしか。 上 から 見て、 横 から も 見て 確かめましょう。
たまご の 産み方 と 受精
メダカ は 春〜夏 の 朝 に たまご を 産み ます。 メス が しりびれ の 近く に たまご を つけて 泳ぎ、 オス が 後ろ から 精子 を かけ ます。 これ が 受精 です。 受精 した たまご (= 受精卵) は メス が 水草 に こすりつけて 産み 落とします。
大事: 受精 = 「精子 が 卵 と 合体 する こと」。 植物 の 受粉 (花粉 が めしべ に つく) と 似て いますが、 動物 では 「精子 と 卵 が 直接出会う」 こと を 受精 と 言います。
2. メダカ の 卵 の 中 の 変化
受精卵 を 水草 ごと 別 の 容器 に 移して、 1 日 1 回顕微鏡 (40 倍 ぐらい) で 観察 します。 約 10 日 ほど で ふ化 (たまご から 出る こと) します。
受精卵 の 中 の 変化 (約 10 日間)
| 日 | たまご の 中 の 様子 |
|---|---|
| 0 日 (受精直後) | 中 に 油滴 (油の つぶ) が いくつか 見える、 まだ 形 は ない |
| 1 〜 2 日 | 油滴 が まとまって くる、 中 に 「体 の もと」 が 見え 始める |
| 2 〜 3 日 | 心臓 が 動き 始める、 血液 の もと が 見え 始める |
| 4 〜 5 日 | 目 が だんだん 黒く なって くる |
| 6 〜 7 日 | 目 が はっきり 黒い、 体全体 が はっきり 見える、 血液 が 流れる |
| 8 〜 9 日 | たまご の 中 で 動く、 目 と 口 が はっきり |
| 約 10 日 | ふ化 (尾 から 出る) |
ふ化 の あと の 子メダカ
ふ化 した ばかり の 子メダカ は、 おなか に 袋 を つけて います。 これ は 卵黄 (= たまご の 中 に あった 養分) で、 ふ化直後 の 子メダカ は 2 〜 3 日 これ を 使って 育ち ます。 卵黄 が なくなる と エサ を 食べ 始め ます。
ポイント: メダカ の 子 が 2 〜 3 日 エサ なし で 育てる の は、 卵黄 の おかげ。 植物 の 子葉 (= でんぷん) と 同じ 役割 で、 「最初 の 養分」 が 用意 されて います。
3. 人 の 誕生 — 母親 の 子宮 の 中 で
人 は メダカ と ちがって、 母親 の 体 の 中 で 育って から 生まれて きます。 育つ 場所 は 子宮 と いう ふくろ の よう な 部分。 期間 は 約 38 週間 (約 9 か月) です。
受精 から 誕生 まで の 流れ
| 時期 | 起こる こと |
|---|---|
| 0 週 (受精) | 精子 と 卵 が 出会う、 大きさ 約 0.1 mm |
| 4 週 | 心臓 が 動き 始める、 大きさ 約 1 cm |
| 8 週 | 手 と 足 の 形 が できる、 大きさ 約 4 cm、 「たい児」 と 呼ぶ |
| 20 週 | 母親 が 動き を 感じる、 大きさ 約 25 cm |
| 30 週 | 体 が ほぼ できあがる、 大きさ 約 40 cm |
| 38 週 | 誕生、 大きさ 約 50 cm、 体重約 3000 g |
たい児 を 育てる しくみ
子宮 の 中 で たい児 が 育つ ため に、 つぎ の しくみ が あります。
| 部分 | はたらき |
|---|---|
| 子宮 | たい児 が 育つ ふくろ、 母親 の おなか の 中 |
| 羊水 | 子宮 の 中 を 満たす 水。 たい児 を 外 の 衝撃 から 守る |
| たいばん | 子宮 の かべ に つく 円ばん の よう な 部分。 母親 と たい児 の 物 の やりとり の 場所 |
| へその緒 | たいばん と たい児 を つなぐ 管。 養分 と 酸素 を 送る、 不要 な もの を 戻す |
養分 と 酸素 の 届け方
人 の たい児 は メダカ の 子 と ちがって、 自分 で エサ を 食べたり 呼吸 したり できません。 代わり に、 母親 が 食べた もの と 吸った 空気 (酸素) が、 たいばん と へその緒 を 通って 届き ます。
大事: たいばん で 母親 の 血液 と たい児 の 血液 は 直接混ざり ません。 たいばん の 中 で 酸素 と 養分 が 移動 し、 不要 な もの (二酸化炭素 など) は 母親 へ 戻り ます。 まじりあわず やりとり が できる、 とても よく でき た しくみ です。
ポイント: 羊水 の 中 で たい児 は 浮いて いる よう な 状態。 母親 が 動いた り 歩いた り して も 衝撃 が やわらぎ ます。 また、 たい児 の 体 も 自由 に 動 ける ように なり ます。
4. メダカ と 人 の くらべ
植物 の 第 3 章 で 「両性花 と 単性花 の くらべ」 を しました。 動物 でも、 メダカ と 人 を くらべる と 「誕生 の しかた」 の 多様性 が 見え ます。
| 項目 | メダカ | 人 |
|---|---|---|
| 育つ 場所 | 水中 の たまご の 中 | 母親 の 子宮 の 中 |
| 受精 の 場所 | 体外 (水中) | 体内 (子宮) |
| 育つ 期間 | 約 10 日 | 約 38 週 (約 9 か月) |
| 養分 の もと | 卵黄 (袋 の 中) | 母親 から たいばん経由 |
| 酸素 の とり方 | たまご の まわり の 水 から | 母親 から へその緒経由 |
| 生まれた 時 の 体長 | 約 5 mm | 約 50 cm |
ポイント: メダカ は 体外受精 (オス が 水中 に 精子 を かける)。 人 は 体内 受精。 メダカ の たまご は 100 〜 数百個産まれ ますが、 ふ化・成長中 に 多く が 死んで しまう ため、 多く 産んで 少し 残る 戦略 です。 人 は 少なく 産んで しっかり 育てる 戦略 と 言えます。
5. いのち の つながり
第 2 章 〜 第 4 章 で、 植物 と 動物 の 「生命 の 連続性」 を 学んで きました。 「新しい 命 は どこ から 来る か」 を 整理 してみましょう。
| 種類 | 命 の はじまり |
|---|---|
| 植物 | 種子 (= 受粉 の 結果 でき た 受精卵 が 育った もの) |
| メダカ | 水草 に つけた 受精卵 (= 精子 と 卵 が 出会った もの) |
| 人 | 母親 の 子宮 の 中 の 受精卵 (= 精子 と 卵 が 出会った もの) |
大事: どの 生きもの も、 「受精 (or 受粉) → 受精卵 (or 種子) → 育つ → 新しい 命 の 誕生」 と いう 流れ で 命 が つながり ます。 自分 も 同じ よう に、 父親 の 精子 と 母親 の 卵 が 出会って 生まれて きました。
いのち を 大切に する
- 観察 が 終わった メダカ は、 飼育 を 続ける か、 もと の 場所 (川・池) には 放さ ない (生態系 を 守る ため。 5 年生 の 大事 な ルール)
- 動物 を おもちゃ で は なく 命 と して 接する
- 自分 の 命 も、 友達 の 命 も、 大切 に する 心 を 育てる
ポイント: 観察 が 終わった メダカ は もと の 川 や 池 に 放さ ない。 これ は 「外来種問題」 の 出発点 です。 飼育 を 続ける か、 ペットショップ や 学校 で 引 き 取って もらいましょう。
6. ふりかえり
- メダカ の オス・メス を 背びれ と しりびれ で 見分け られる
- 受精 の 意味 (精子 と 卵 が 合体) を 言える
- メダカ の 受精卵 が 約 10 日 で ふ化 する こと を 知って いる
- 卵黄 の ふくろ が ふ化直後 の 子メダカ の 養分 と わかる
- [ ]人 の たい児 が 母親 の 子宮 の 中 で 約 38 週 育つ こと を 言える
- たいばん と へその緒 で 養分・酸素 が 届く しくみ を 言える
- 羊水 が たい児 を 守る 役割 と わかる
- メダカ と 人 の 誕生 の しかた の ちがい (体外/体内・期間・養分 の もと) を くらべ られる
- [ ]自分 も 受精 → 受精卵 → 約 38 週 の たい児 → 誕生 と いう 流れ で 生まれた こと を 知って いる
この 章の 安全配慮
- メダカ を 観察 が 終わって も 川 や 池 に 放さ ない (生態系 を こわす)
- 水そう の 水替え で 床 を ぬらさ ない (滑って 転ぶ 危険)
- 顕微鏡 で たまご を 観察 する とき、 たまご を 傷つけ ない (ピンセット で 強く つかま ない)
- メダカ や たまご に 触れた 後 は 必ず 手 を 洗う (細菌 が ついて いる ことが ある)
- 誕生 の 学習 で わからない こと や 不安 な こと は、 先生 や 家族 に そうだん する (5 年生 の 大事 な テーマ)
次の 章: 第 5 章 から は 〔A 物質・エネルギー〕 領域 に 入り、 「物 の 溶け方」 を 学びます。 5 年生 は 「量 を 数値 で 扱う」 が 大事。 食塩 や ミョウバン が 水 に どれくらい 溶ける か、 重さ を 1 g 単位 で 計って 表 に まとめ、 算数 の 割合 と つなげ ましょう。