はじめに
4 年生では 調査レポート・新聞・形式のある手紙 を学びました。 5 年生ではさらに 4 種類の書き方—意見文・説明文・引用 + 図表入りレポート・物語の続き—を学びます。
この章でできるようになること:
- 意見文(立場・理由・根拠・反論対応)を書ける
- 説明文(仕組み・手順)を順序立てて書ける
- 引用 と 図表 を入れたレポートを書ける
- 物語の 続きや書き換え ができる
- 文章構成パターン(双括型・尾括型・頭括型)を選べる
- 推敲 で自分の文章をブラッシュアップできる
ポイント: 「事実」 と 「感想・意見」 を区別して書くことは、 5 年生で完成させたい大切な力です。
1. 書く前の準備
| 順番 | やること |
|---|
| 1 | 題材 を決める — 何について書くか |
| 2 | 相手 を決める — だれに読んでもらうか |
| 3 | 目的 を決める — なぜ書くか(伝える・説得する・楽しませる等) |
| 4 | 材料を集める — 体験・本・新聞・インターネット |
| 5 | 材料を 関係付けて整理 — マッピング・表で |
| 6 | 構成パターン を決める — 双括型・尾括型・頭括型 |
| 7 | 書く |
| 8 | 推敲 — 何度も読み直して整える |
2. 意見文を書く
意見文 は 「自分はこう考える」 という主張を、 理由と根拠で支える文章 です。
意見文の構造(双括型がおすすめ)
1. 主張(立場を明確に)
2. 理由 1 + 根拠
3. 理由 2 + 根拠
4. 理由 3 + 根拠
5. 反論への対応
6. 結論(主張を再確認)
自作サンプル: 「給食を残さないために」(Studia オリジナル)
主張
わたしは、 給食を残さずに食べることが大切だと考える。
理由 1: 食への感謝
給食はたくさんの人の手を経て、 わたしたちの前に届く。 農家・工場・調理員の方々の努力を思えば、 簡単に残してよいとは思えない。
理由 2: 栄養のバランス
給食の献立は、 栄養士さんが 成長期のわたしたちに必要な栄養を計算して作っている。 残すとバランスがくずれる。
理由 3: 環境への影響
食ロスは 地球環境への負担 にもなる。 ごみが増え、 処理にエネルギーが使われる。
反論への対応
「どうしても食べられない食材がある」 という声もある。 確かにアレルギーや体質で食べられない場合は別だ。 でも、 「嫌いだから」 という理由で残すのは、 少しずつ食べる練習をすることで減らせるはずだ。
結論
以上のことから、 給食を残さないことは、 食への感謝・栄養・環境の 3 つの面から大切である。
— Studia オリジナル
3. 説明文(仕組み・手順)を書く
仕組みや手順を書く時は、 順序をはっきりさせる のがポイントです。
自作サンプル: 「手作りみその作り方」(Studia オリジナル)
用意するもの
| 材料 | 量 |
|---|
| 大豆 | 500 g |
| こうじ | 500 g |
| 塩 | 200 g |
手順
- 大豆を一晩水に浸す
- 翌日、 大豆をゆでる(3 時間以上、 やわらかくなるまで)
- ゆでた大豆をつぶす
- こうじと塩を混ぜる
- つぶした大豆と 4 の混合物をよく混ぜる
- 容器に詰めて、 6 か月以上寝かせる
書き順が 1, 2, 3 … と番号付きで並んでいるので、 読み手が工程を追いやすい。
— Studia オリジナル
4. 引用 + 図表入りレポートを書く
複数の本・新聞・インターネットから情報を集めて、 引用 と 出典 を明記して書く。
引用のルール
- 引用する部分は 「 」 でくくる
- 出典を必ず書く(本の場合: 著者名・本のタイトル・出版社・出版年・ページ)
- インターネットの場合: サイト名・URL・参照した日
自作サンプル: 「わたしの町の鳥」(Studia オリジナル)
はじめに
わたしの町で観察できる鳥を、 観察ノートと図鑑、 インターネットで調べた。
観察結果
3 か月間(4〜6 月) の観察で、 1 5 種類の鳥を確認した。 一番多かったのはスズメで、 全観察数の約 4 0 % を占めた。
季節別観察グラフ(サンプルデータ)
| 月 | 観察数 |
|---|
| 4 月 | 32 |
| 5 月 | 45 |
| 6 月 | 38 |
5 月が最も多いのは、 子育ての時期で親鳥が活発に飛び回るためと考えられる。
文献からの引用
「都市部でも、 公園や川沿いには多様な鳥が生息している」(架空の著者『町の鳥図鑑』、 架空出版社、 2 0 2 0 年、 1 5 ページ)
結論
わたしの町は、 人が多い場所でありながら、 思った以上に多くの鳥が生息していることがわかった。
— Studia オリジナル
※ 引用文と出版物名は学習用のサンプル
5. 物語の続きや書き換え
既存の物語を元に、 続きを想像して書く ことも大切な書く活動です。
書き方の種類
| 種類 | やること |
|---|
| 続き | 物語の結末の後を想像して書く |
| 結末を変える | もし主人公が別の選択をしていたら? |
| 視点を変える | 別の登場人物の視点で同じ場面を書く |
| 過去を書く | 物語の前に何があったかを書く |
例: Ch7 の 「白い犬とわたしのノート」 の続きを、 「夏休みのある日、 さくらのおじいちゃんが ___」 という書き出しで書く。
6. 文章構成パターンを選ぶ
| パターン | 向いている内容 |
|---|
| 双括型 | 意見文・説得したい文章 |
| 尾括型 | 物語風の説明文・じっくり結論を出す文章 |
| 頭括型 | ニュース記事・忙しい読み手向けの文章 |
7. 推敲 — 何度も読み直す
推敲 は 書いた文章をより良く整える作業。 5 年生ではチェック項目を大幅に増やす。
推敲チェックリスト
- [ ]文章全体の 構成 ははっきりしているか
- [ ]要旨 が明確になっているか
- [ ]事実 と 感想・意見 が区別されているか
- [ ]引用 には 「 」 と 出典 があるか
- [ ]図表 と本文が対応しているか
- [ ]表現の効果(比喩・反復等)が場面に合っているか
- [ ]敬体と常体 が混ざっていないか
- [ ]主語と述語 がちゃんと対応しているか
- [ ]句読点 は適切か
- [ ]漢字と仮名の 使い分け はよいか
友達と読み合う
書き終えたら、 友達に読んでもらって、 「よいところ」「わかりにくいところ」「質問」 を教えてもらいましょう。 一人では気付かない改善点が見えてきます。
8. まとめ
- 意見文 は 立場 + 理由 + 根拠 + 反論対応 + 結論
- 説明文は 順序をはっきりさせる
- レポートは 引用 + 図表 + 出典
- 物語の続きで 創作力 を育てる
- 構成は 双括 / 尾括 / 頭括 を内容に合わせて選ぶ
- 推敲は 10 項目チェック + 友達と読み合う
次の Ch10 では 話す・聞く力を学びます。
まとめ — 書く(意見文・説明文・引用 + 図表入りレポート・物語の続き)+ 文章構成を 3 行で
- 意見文 は「立場 → 理由 → 根拠 → 反論対応 → 結論」 の流れで書く。説明文は順序をはっきりさせて書く。
- レポートでは 引用 と 図表 を入れ、必ず 出典 を示す。物語の続きを書く練習で創作力を育てる。
- 文章構成は双括型・尾括型・頭括型から内容に合わせて選び、書き終わったら 推敲 チェックリストで整える。