はじめに
4 年生では インタビュー・役割分担した話し合い を学びました。 5 年生ではさらに一歩進んで、 意見・提案の発表・計画的な話し合い(討論的)・資料を活用した発表 を学びます。
この章でできるようになること:
- 事実と感想・意見 を区別した構成で発表できる
- スライド・図表・写真 を活用した発表ができる
- 互いの 立場 と意図 を明確にして 計画的な話し合い・討論 ができる
- 話し手の考えと 自分の考えを比較 しながら聞ける
ポイント: 5 年生の 「話す・聞く」 は、 「自分が言いたいことを言う」 から 「相手と考えを交わして新しい結論を作る」 の段階に進みます。
1. 意見・提案の発表
発表 は 事実と感想・意見を区別 した構成で行う。
発表の構成(はじめ・なか・おわり)
| 部分 | 内容 |
|---|
| はじめ | 話題・目的・聞き手への問いかけ |
| なか | 事実(調べたこと・観察したこと) + 感想・意見(自分の考え) |
| おわり | 提案・呼びかけ・まとめ |
自作発表原稿: 「わたしがすすめる 1 冊」(Studia オリジナル)
はじめ
みなさんは、 最近どんな本を読みましたか? 今日はわたしがおすすめする 1 冊を紹介します。
なか(事実)
その本は、 主人公の男の子が古い自転車を直しながら、 町の人とつながっていく物語です。 全 1 8 0 ページ、 4 つの章で構成されています。 図書館にも置かれていることが多い本です。
なか(感想・意見)
わたしがこの本をすすめる理由は 3 つあります。 第一に、 主人公が 「できないこと」 を少しずつできるようになる過程が自分と重なります。 第二に、 古いものを大切にする気持ちを学べます。 第三に、 短い章立てなので 読書が苦手な人でも読みやすい です。
おわり
みなさんもぜひ図書館で探してみてください。 読んだら、 感想をわたしに教えてください。
— Studia オリジナル
2. 資料を活用した発表(プレゼン)
スライドの作り方
| ルール | 説明 |
|---|
| 1 スライド 1 メッセージ | 1 枚に詰め込みすぎない |
| 文字を少なく図を多く | 文字だけのスライドは退屈 |
| 文字は大きく | 教室の後ろからも読める大きさ |
| 写真・図表を効果的に | 言葉で説明しにくいことは図で |
| 出典を必ず入れる | 借りた写真・グラフには出典を |
スライドのレイアウト例(テキストで表現)
┌──────────────────────┐
│ ◆ 給食の食ロスを減らそう ◆ │
├──────────────────────┤
│ │
│ グラフ月別残食量 │
│ │
│ → 6 月が一番多い │
│ │
├──────────────────────┤
│ 出典: ○○小学校給食委員会調 │
└──────────────────────┘
指し示し方
- 「こちらをご覧ください」 と言ってから指す
- 体を聞き手に向け、 顔だけ資料のほうを向ける(背中を向けない)
- 大切な部分は 3 秒ほど止めて強調
リハーサル
本番の前に、 必ず 声に出してリハーサル をする。 時間を計り、 話し方を録音して聞き直すと、 改善点がよくわかる。
3. 話し手の考えと自分の考えを比較しながら聞く
聞き方も 5 年生で大きく発展 します。 「だまって聞く」 から 「考えながら聞く」 へ。
聞きながらメモをとる
| メモの種類 | 例 |
|---|
| 事実メモ | 「給食の残食は月平均 5 0 k g」 |
| キーワードメモ | 「環境・感謝・栄養」 |
| 自分の考えメモ | 「→ うちの学校でも同じかな?」 |
| 質問メモ | 「→ データの出典は?」 |
聞いた後に整理する
- 賛成できる部分はどこか
- 反対・疑問がある部分はどこか
- 自分の経験と重なる部分はどこか
- 質問したいことは何か
4. 計画的な話し合い・討論
討論 は 異なる立場が議題について意見を出し合い、 結論を出そうとする話し合い です。
討論の役割分担
| 役割 | やること |
|---|
| 司会(1 人) | 議題の提示・発言の順序・時間管理・まとめ |
| 賛成側(2〜3 人) | 賛成の立場で意見・根拠 を述べる |
| 反対側(2〜3 人) | 反対の立場で意見・根拠を述べる |
| 記録係(1 人) | 出た意見をホワイトボードかノートに記録 |
| 質問役(聞き手) | 両側へ質問で論点を深める |
討論の流れ
1. 司会が議題を紹介
2. 賛成側の主張(3 分)
3. 反対側の主張(3 分)
4. 質疑応答(5 分)
5. 賛成側の反論(2 分)
6. 反対側の反論(2 分)
7. 全員で共通点と相違点を整理(5 分)
8. 司会がまとめ
自作討論シナリオ: 「給食はメニュー固定がいい vs 選択制がいい」(Studia オリジナル)
司会
これから 「給食メニューは固定でよいか、 選択制にすべきか」 について話し合います。 まず賛成側、 次に反対側から主張を聞きます。
賛成側 A(固定派)
わたしは固定メニューがよいと考えます。 理由は、 全員が同じものを食べることが公平だからです。 また、 自分では選ばない食材に出会えるのもよい点です。
反対側 B(選択派)
わたしは選択制がよいと思います。 アレルギーや体質への配慮がしやすくなります。 また、 自分で選ぶことで残食が減る可能性があります。
質疑
質問役 C: 「選択制だと、 調理の手間が増えませんか?」
反対側 B: 「2〜3 種類の中から選ぶ形なら、 大きな負担にはならないと思います」
司会のまとめ
両側の意見から、 「公平さをどう考えるか」「アレルギーへの配慮」「調理の現実」 という 3 つの観点が大切だとわかりました。 すぐに結論は出ませんが、 今後の給食委員会でこの観点を元にさらに話し合いましょう。
— Studia オリジナル
討論のマナー
- 相手の人格を否定しない — 「あなたはまちがっている」 ではなく 「その意見にはこういう弱点がある」
- 聞き手を意識する — 司会や記録係、 クラス全体がわかるよう話す
- 反対意見を受け止める — 「なるほど、 そこは確かに一理あります」 と認めてから反論
5. 自宅や学校で実践してみよう
サイト形式では実演できないので、 自分で練習する課題を出します。
家族会議をしてみよう
| 議題案 | やり方 |
|---|
| 連休の過ごし方 | 家族全員で賛成 / 反対を表明して、 計画を立てる |
| 家のお手伝いの分担 | 「だれが何をするか」 を話し合いで決める |
| お小遣いの使い道 | 自分の主張と親の意見を整理して話し合う |
朝の会で 1 分発表
毎日 1 分、 クラスで発表する場をつくる。 テーマは自由(昨日の出来事・最近読んだ本・気になるニュース等)。 続けると話す力がぐんと育つ。
学級会で討論
クラスの課題(休み時間のルール・係活動の分担等)を議題に、 計画的な話し合いを月 1 回行う。
6. まとめ
- 発表は 事実と感想・意見を区別 した構成で
- スライドは 1 スライド 1 メッセージ・文字少なく図多く
- 聞く時は メモを取り、 自分の考えと比較
- 計画的な話し合い・討論は 役割分担と流れ が鍵
- 自宅や学校で 実践を積み重ねる
5 年生国語はこの章で終了です。 6 年生では 徒然草・奥の細道、 伝記、 行書、 編集を意識した書き など、 さらに深く学びます。 ここまでよくがんばりました!
まとめ — 話す・聞く(発表・話し合い・討論)を 3 行で
- 発表 は 事実と感想・意見を区別 して構成する。スライド は 「1 枚 1 メッセージ・文字少なく図多く」 がきほん。
- 聞くときはメモを取り、自分の考えと比べながら聞く。資料を活用すると発表がもっとわかりやすくなる。
- 計画的な話し合い や 討論 では、役割分担と進め方を決め、相手の人格を否定せず意見を戦わせる。