この章では、2級でよく出る4つの発展事項を学びます。①完了不定詞(to have + 過去分詞)、②完了動名詞(having + 過去分詞)、③無生物主語、④話法(直接話法⇄間接話法)です。どれも長文の理解とライティングの幅を広げます。
この章で学ぶこと
- 完了不定詞(to have + 過去分詞)=述語動詞より前のこと
- 完了動名詞(having + 過去分詞)=述語動詞より前のこと
- 無生物主語(物・事を主語にして「〜が…させる/〜によって…する」)
- 話法(直接話法と間接話法)の書きかえ
- 話法転換での時制の一致・代名詞・時や場所の副詞の変化
ポイント: 完了不定詞・完了動名詞はどちらも「have + 過去分詞」がついた形で、共通して「述語動詞より前のこと」を表します。無生物主語は「物が主語 → 副詞的に訳す」、話法は「セリフ → 文に組み込む」のがコツです。
完了不定詞(to have + 過去分詞)
ふつうの不定詞(to do)は述語動詞と同じ時を表しますが、完了不定詞(to have + 過去分詞)は、述語動詞より前のことを表します。
-
He seems to be rich.(彼は金持ちのようだ。)← 「今」金持ち
-
He seems to have been rich.(彼は(昔)金持ちだったようだ。)← 「seems(今)」より前のこと
-
She is said to have been a famous singer.(彼女はかつて有名な歌手だったと言われている。)
-
I am sorry to have kept you waiting.(お待たせしてしまってすみません。)← 待たせたのは「謝る」より前
ポイント: 「〜のようだ」「〜と言われる」「〜してすみません」などで、主節の時より前のことを言いたいときに to have + 過去分詞を使います。seems to be(今)と seems to have been(過去)の差をおさえましょう。
完了動名詞(having + 過去分詞)
完了動名詞(having + 過去分詞)も、述語動詞より前のことを表す動名詞です。
-
I am proud of being a member of this team.(このチームの一員であることを誇りに思う。)← 今のこと
-
I am proud of having won the contest.(コンテストで優勝したことを誇りに思う。)← 「誇りに思う(今)」より前
-
He is ashamed of having told a lie.(彼はうそをついたことを恥じている。)
-
She regrets not having studied harder.(彼女はもっと一生懸命勉強しなかったことを後悔している。)← 否定は not を前に
注意: 完了動名詞の否定は、not having + 過去分詞の語順です。動名詞・不定詞ともに、否定語は前に置きます。
無生物主語
英語では、人ではなく物・事を主語にすることがよくあります。これを無生物主語といい、日本語に訳すときは主語を「〜によって・〜のおかげで・〜のために」のように副詞的に訳すと自然になります。
- This bus will take you to the station.(このバスに乗れば駅に着きますよ。)← 直訳「このバスがあなたを駅へ連れて行く」
- The heavy rain prevented us from going out.(大雨のせいで、私たちは出かけられなかった。)← prevent A from -ing「Aが〜するのを妨げる」
- What made you change your mind?(何があなたの気持ちを変えたのですか = なぜ気が変わったのですか。)
- Five minutes' walk brought me to the museum.(5分歩くと博物館に着いた。)
無生物主語とよく一緒に使う動詞には、make / cause(〜させる)、prevent / keep(〜を妨げる)、enable / allow(〜を可能にする)、remind(思い出させる)などがあります。
ポイント: 主語が物・事のときは、「主語を原因・手段として、人を目的語のように」訳すと自然です。「The news made me happy.」は「その知らせが私を幸せにした」より「その知らせを聞いて私はうれしくなった」が自然です。
話法(直接話法と間接話法)
話法とは、人の発言の伝え方のことです。セリフをそのまま引用符で示すのが直接話法、自分の文に組み込んで伝えるのが間接話法です。
- 直接話法: He said, "I am tired."(彼は「私は疲れている」と言った。)
- 間接話法: He said that he was tired.(彼は疲れていると言った。)
間接話法に変えるとき、次の3点が変化します。
| 変わるもの | 直接話法 | 間接話法 |
|---|
| 時制(時制の一致) | I am tired | he was tired |
| 代名詞 | I / my | he / his |
| 時・場所の副詞 | now / today / here | then / that day / there |
- 直接: She said, "I will call you tomorrow." → 間接: She said that she would call me the next day.
- 疑問文: He asked, "Do you like it?" → He asked if I liked it.(彼は私がそれを気に入っているかと尋ねた。)← if / whether を使い、語順は平叙文に
- 命令文: She said to me, "Open the window." → She told me to open the window.(彼女は私に窓を開けるように言った。)← tell + 人 + to do
注意: 間接話法では、①主節が過去なら時制を一つ古く(時制の一致)、②代名詞を話し手の視点に、③疑問文は if / whether + 平叙文の語順、④命令文は tell / ask + 人 + to do——この変換が問われます。
どう問われる?
2級でこの章の文法は、次のような形でよく問われます。
- 大問1(語句空所補充): 「He seems ( ) sick yesterday.」の空所に to have been を、「The storm ( ) us from leaving.」の空所に prevented を選ばせる。完了不定詞や無生物主語の動詞が問われます。
- 書きかえ・語順整序: 直接話法を間接話法に直す問題、無生物主語の文を組み立てる問題。
- 長文読解: 評論文で、無生物主語や完了不定詞・完了動名詞が頻繁に使われます。「主語が物のときは原因・手段として訳す」「have + 過去分詞は前のこと」と意識すると、意味が正確に取れます。
注意: ねらわれやすいのは、①to have + 過去分詞 / having + 過去分詞は「前のこと」、②無生物主語は副詞的に訳す、③話法転換での時制の一致と語順、の3点です。
まとめ
- 完了不定詞(to have + 過去分詞)・完了動名詞(having + 過去分詞)は、ともに述語動詞より前のことを表す。否定は not を前に。
- 無生物主語は、物・事を主語にする形。日本語では主語を「〜によって・〜のおかげで」と副詞的に訳すと自然。prevent A from -ing などの動詞とよく使う。
- 話法は、直接話法(セリフをそのまま)と間接話法(文に組み込む)。
- 間接話法への変換では、時制の一致・代名詞・時や場所の副詞が変わる。疑問文は if / whether、命令文は tell / ask + 人 + to do。
ポイント: この章のカギは「have + 過去分詞は前のこと」「無生物主語は副詞的に訳す」「話法は3点の変換」です。それぞれ独立した項目なので、1つずつ例文で確認していきましょう。