この章では分詞構文の発展を学びます。準2級で学んだ基本の分詞構文(文頭の -ing で「〜して」)を踏まえ、付帯状況の with、主語が違う独立分詞構文、主節より前を表す完了分詞を扱います。論理的な英文を正確に読み・書くために役立ちます。
この章で学ぶこと
- 分詞構文の復習(接続詞 + 主語を省いて -ing にする)
- 付帯状況の with(with + 名詞 + 分詞で「〜したまま・〜しながら」)
- 独立分詞構文(主語が主節と違うとき、分詞の前に主語を残す)
- 完了分詞(Having + 過去分詞)=主節より前のこと
- 受動の分詞構文(Having been + 過去分詞)と慣用表現
ポイント: 基本の分詞構文は「主語が主節と同じ」ときに主語を省きます。発展では、①主語が違うなら残す(独立分詞構文)、②主節より前のことは Having + 過去分詞、③with + 名詞 + 分詞で付帯状況——この3点が新しく加わります。
分詞構文の復習
分詞構文は、接続詞 + 主語を省き、動詞を -ing 形にして2文を簡潔につなぐ表現です。
- When she saw me, she smiled. → Seeing me, she smiled.(私を見て、彼女はほほえんだ。)
主語は原則として主節の主語と同じです。受け身の意味なら、Being を省いて過去分詞で始めます(Written in English, …)。ここまでが準2級の範囲です。2級では、ここからさらに発展します。
付帯状況の with(〜したまま・〜しながら)
付帯状況の with は、with + 名詞 + 分詞(または形容詞・前置詞句)の形で、「〜した状態で・〜しながら」という、同時の状況を表します。
- He was listening to music with his eyes closed.(彼は目を閉じたまま音楽を聞いていた。)← 目は「閉じられる」側 → 過去分詞 closed
- She was standing with her hair blowing in the wind.(彼女は髪を風になびかせて立っていた。)← 髪が「なびく」 → -ing 形 blowing
- He spoke with his hands in his pockets.(彼は両手をポケットに入れて話した。)← 前置詞句
名詞と分詞の関係で、能動なら -ing、受動なら過去分詞を使い分けます。
| 名詞との関係 | 分詞の形 | 例 |
|---|
| 能動(名詞が〜する) | -ing | with the dog following him(犬がついてきた状態で) |
| 受動(名詞が〜される) | 過去分詞 | with the door locked(ドアが施錠された状態で) |
ポイント: 「with + 名詞 + ?」では、名詞と分詞の関係を見ます。名詞が自分で「する」なら -ing、「される」なら過去分詞です。with one's eyes closed(目を閉じて)はよく出る形です。
独立分詞構文(主語が主節と違うとき)
ふつうの分詞構文は主語が主節と同じなので省きますが、主語が主節と異なるときは、分詞の前に主語を残します。これを独立分詞構文と呼びます。
- It being sunny, we went on a picnic.(晴れていたので、私たちはピクニックに行った。)← 分詞の主語 It と主節の主語 we が違う
- The bus being late, we missed the meeting.(バスが遅れたので、私たちは会議に間に合わなかった。)
- Weather permitting, we will hold the event outside.(天気が許せば、イベントを屋外で行う。)← 慣用表現
注意: 主語が主節と違うのに省いてしまうと、誤った文(懸垂分詞)になります。「Being sunny, we went …」では「私たちが晴れていた」という意味になってしまいます。主語が違うときは必ず分詞の前に残す——これが独立分詞構文のポイントです。
完了分詞(Having + 過去分詞)
分詞の表す動作が、主節より前に起きたことをはっきり示したいときは、Having + 過去分詞(完了分詞)を使います。
- Having finished my homework, I went out to play.(宿題を終えてから、私は遊びに出かけた。)← 「終えた」のが先、「出かけた」のが後
- Having lived in Canada for ten years, she speaks English fluently.(カナダに10年間住んでいたので、彼女は流ちょうに英語を話す。)
- Having lost his ticket, he could not get on the train.(切符をなくしたので、彼は電車に乗れなかった。)
ふつうの分詞構文(Seeing me, …)は主節と同時か直前ですが、完了分詞は「主節よりはっきり前」を表します。
ポイント: 「〜してから/〜したので(すでに終わったこと)」と、前後関係を強調したいときは Having + 過去分詞。時間のずれをはっきり示せます。
受動の完了分詞・否定
受け身の意味で、かつ主節より前のことは、Having been + 過去分詞で表します。ただし、Having been は省かれて過去分詞だけで始まることもあります。
- Having been written in haste, the report had many mistakes.(急いで書かれたので、その報告書には多くの誤りがあった。)
- (= Written in haste, the report …)
否定の完了分詞は、Not having + 過去分詞の形です。
- Not having received a reply, she sent another email.(返信を受け取らなかったので、彼女はもう一通メールを送った。)
注意: 否定語 not は、分詞構文では分詞のかたまりの前に置きます。完了分詞でも「Not having + 過去分詞」の語順です。
どう問われる?
2級でこの章の文法は、次のような形でよく問われます。
- 大問1(語句空所補充): 「She sat there with her arms ( ).」の空所に crossed(過去分詞)を、「( ) my work, I left the office.」の空所に Having finished を選ばせる。付帯状況の分詞の形や完了分詞が問われます。
- 語順整序: with + 名詞 + 分詞、Having + 過去分詞を使って文を組み立てる問題。
- 長文読解: 評論文・物語文で、付帯状況の with や完了分詞が、状況や前後関係を簡潔に示すために使われます。意味を正しく取れることが大切です。
注意: ねらわれやすいのは、①with + 名詞の後ろは能動なら -ing・受動なら過去分詞、②主節より前なら Having + 過去分詞、③主語が違えば分詞の前に残す、の3点です。
まとめ
- 付帯状況の with は「with + 名詞 + 分詞」で「〜したまま・〜しながら」。名詞との関係が能動なら -ing、受動なら過去分詞。
- 独立分詞構文は、分詞の主語が主節と違うとき、分詞の前に主語を残す(It being sunny, …)。
- 完了分詞(Having + 過去分詞)は、分詞の動作が主節より前であることを示す。
- 受動 + 完了は Having been + 過去分詞(Having been は省略可)。否定は Not を分詞の前に。
ポイント: この章のカギは「主語・時・態」です。主語が違えば残す、前のことなら Having、される側なら過去分詞。基本の分詞構文に、この3つの調整を加えるだけです。