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数学III

積分せきぶんの応用おうよう (曲線きょくせんの長ながさ・物理ぶつり量りょう)

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

第だい 7 章しょうの 「面積めんせき・体たい積せき」 に続つづいて、 積分せきぶんの 応用おうようの幅はば を広ひろげます。

  • 曲線きょくせんの長ながさ (弧こ長ちょう): L=∫1+(y′)2 dxL = \int \sqrt{1 + (y')^2} \, dx
  • 媒介変数表示ばいかいへんすうひょうじ の曲線きょくせんの長ながさ
  • 速そく度ど の積分せきぶんで求もとめる 道のりみちのり (変位へんいと区く別べつ)
  • 仕し事ごと W=∫F dxW = \int F \, dx (物理ぶつりとの接せつ続ぞく)
  • 重心じゅうしん の簡かん単たんな求もとめ方かた
  • 回転体かいてんたいの側面積そくめんせき

ポイント: 微分びぶんが 「変へん化か率りつ」、 積分せきぶんが 「累るい積せき」。 「単位たんい時じ間かんあたりの量りょうを 時じ間かんで足たす」 という視し点てんで、 物ぶつ理り・経けい済ざいのあらゆる量りょうが積分せきぶんで書かけることを体たい感かんしましょう。

1. 曲線きょくせんの長ながさ (陽ひ関数かんすう)

公式こうしき

y=f(x)y = f(x) (a≤x≤ba \le x \le b) の曲線きょくせんの長ながさ:

L=∫ab1+(dydx)2 dx=∫ab1+(f′(x))2 dxL = \int_a^b \sqrt{1 + \left( \dfrac{dy}{dx} \right)^2} \, dx = \int_a^b \sqrt{1 + (f'(x))^2} \, dx

イメージ: 微小びしょう区く間かん dxdx での曲線きょくせんの長ながさは 三さん平方へいほう で (dx)2+(dy)2=1+(dy/dx)2dx\sqrt{(dx)^2 + (dy)^2} = \sqrt{1 + (dy/dx)^2} dx。 それを足たす。

例れい 1 放物線ほうぶつせんの弧こ長ちょう

y=x22y = \dfrac{x^2}{2} の 0≤x≤10 \le x \le 1 の弧こ長ちょう。 y′=xy' = x、

L=∫011+x2 dxL = \int_0^1 \sqrt{1 + x^2} \, dx

これは x=tan⁡θx = \tan\theta で置換ちかんするか、 双曲線そうきょくせん関数かんすうを使つかう必ひつ要ようがある (大学だいがく内ない容よう)。 高校こうこうでは 積せき分ぶんの形かたちを書かく まででよいことが多おおい。

例れい 2 計算けいさんがきれいなケース

y=23x3/2y = \dfrac{2}{3} x^{3/2} の 0≤x≤30 \le x \le 3。 y′=x1/2y' = x^{1/2}、

L=∫031+x dx=23[(1+x)3/2]03=23(8−1)=143L = \int_0^3 \sqrt{1 + x} \, dx = \dfrac{2}{3} \left[ (1+x)^{3/2} \right]_0^3 = \dfrac{2}{3} (8 - 1) = \dfrac{14}{3}

2. 媒介ばいかい変数へんすう表示ひょうじの曲線きょくせんの長ながさ

公式こうしき

x=x(t)x = x(t)、 y=y(t)y = y(t) (α≤t≤β\alpha \le t \le \beta) のとき、

L=∫αβ(dxdt)2+(dydt)2 dtL = \int_\alpha^\beta \sqrt{\left( \dfrac{dx}{dt} \right)^2 + \left( \dfrac{dy}{dt} \right)^2} \, dt

例れい 3 円えんの周

x=rcos⁡tx = r \cos t、 y=rsin⁡ty = r \sin t、 0≤t≤2π0 \le t \le 2\pi。 dx/dt=−rsin⁡tdx/dt = -r\sin t、 dy/dt=rcos⁡tdy/dt = r\cos t、

L=∫02πr2sin⁡2t+r2cos⁡2t dt=∫02πr dt=2πrL = \int_0^{2\pi} \sqrt{r^2 \sin^2 t + r^2 \cos^2 t} \, dt = \int_0^{2\pi} r \, dt = 2\pi r

小しょう学がくで暗あん記きした 円周えんしゅうの公こう式しき が、 数学すうがく III で 証しょう明めいできました。

例れい 4 サイクロイドさいくろいど

x=a(t−sin⁡t)x = a(t - \sin t)、 y=a(1−cos⁡t)y = a(1 - \cos t)、 0≤t≤2π0 \le t \le 2\pi。

dx/dt=a(1−cos⁡t)dx/dt = a(1 - \cos t)、 dy/dt=asin⁡tdy/dt = a \sin t、

(dx/dt)2+(dy/dt)2=a2(1−2cos⁡t+cos⁡2t+sin⁡2t)=2a2(1−cos⁡t)=4a2sin⁡2(t/2)(dx/dt)^2 + (dy/dt)^2 = a^2(1 - 2\cos t + \cos^2 t + \sin^2 t) = 2a^2 (1 - \cos t) = 4a^2 \sin^2(t/2)

L=∫02π2a∣sin⁡t2∣ dt=2a∫02πsin⁡t2 dt=2a⋅4=8aL = \int_0^{2\pi} 2a \left| \sin \dfrac{t}{2} \right| \, dt = 2a \int_0^{2\pi} \sin \dfrac{t}{2} \, dt = 2a \cdot 4 = 8a

発はっ展てん: サイクロイドさいくろいどの 1 周期しゅうきの弧こ長ちょうが直ちょっ径けいの 8 倍ばい という美うつくしい結けっ果か。 物ぶつ理りでは 「最速さいそく降下こうか曲線きょくせん」 としても有名ゆうめい。

3. 速度そくど積分せきぶんと道のりみちのり

速度そくどと位置いち

物体ぶったいの速そく度どが v(t)v(t) のとき、

量りょう積分せきぶん
変位へんい (位い置ちの差さ)∫abv(t) dt\int_a^b v(t) \, dt
道のりみちのり (移い動どうの累るい積せき)∫ab∣v(t)∣ dt\int_a^b \vert v(t)\vert \, dt

大事だいじ: 変位へんい は 向むき込こみ でキャンセルされうる (vv がマイナスで逆戻ぎゃくもどり) が、 道のりみちのり は 絶ぜっ対たい値あたい で加くわえる。

例れい 5

直ちょく線せん上じょうで速そく度ど v(t)=3t2−12v(t) = 3t^2 - 12 (0≤t≤40 \le t \le 4) で動うごく点てん。

変位へんい =∫04(3t2−12)dt=[t3−12t]04=64−48=16= \int_0^4 (3t^2 - 12) dt = [t^3 - 12t]_0^4 = 64 - 48 = 16

道のりみちのり: v(t)=0⇒t=2v(t) = 0 \Rightarrow t = 2。 0≤t<20 \le t < 2 で v<0v < 0、 2<t≤42 < t \le 4 で v>0v > 0。

道 の り=∫02(12−3t2)dt+∫24(3t2−12)dt=16+32=48\text{道 の り} = \int_0^2 (12 - 3t^2) dt + \int_2^4 (3t^2 - 12) dt = 16 + 32 = 48

4. 平面へいめん上じょうの動どう点てんの道のりみちのり

公式こうしき

平へい面めん上じょうの動どう点てん(x(t),y(t))(x(t), y(t)) が t=αt = \alpha から t=βt = \beta まで動うごくときの 道のりみちのり は 曲線きょくせんの長ながさ:

L=∫αβ(dxdt)2+(dydt)2 dt=∫αβ∣v⃗(t)∣ dtL = \int_\alpha^\beta \sqrt{\left( \dfrac{dx}{dt} \right)^2 + \left( \dfrac{dy}{dt} \right)^2} \, dt = \int_\alpha^\beta |\vec{v}(t)| \, dt

∣v⃗∣|\vec{v}| は 速はやさ (スカラー)。

5. 仕事しごとと積分せきぶん

物理ぶつり公式こうしき

一いっ定ていの力FF で 距離きょり dd 動うごかしたときの 仕事しごと は W=FdW = Fd (中ちゅう学理がくり科か)。

力ちからが位い置ち xx によって変かわる F(x)F(x) のとき、 微び分ぶん的てき には dW=F(x) dxdW = F(x) \, dx。 累るい積せきすれば、

W=∫abF(x) dxW = \int_a^b F(x) \, dx

例れい 6 ばねの仕事しごと

フックの法則ふっくのほうそく: ばねを xx だけ伸のばすに必ひつ要ような力F(x)=kxF(x) = k x (kk はばね定てい数すう)。

自然長しぜんちょうから LL まで伸のばす 仕事しごと は、

W=∫0Lkx dx=12kL2W = \int_0^L kx \, dx = \dfrac{1}{2} k L^2

これは 弾性だんせいエネルギー の公こう式しきそのもの。

物ぶつ理りとの接せつ続ぞく: 数学すうがく III の積分せきぶんが、 「変化へんかする量りょうの累るい積せき」 という統とう一いつ言げん語ごとしてあらゆる科学かがくに浸しん透とうしています。

例れい 7 水みずを汲くみ上あげる仕事しごと

深ふかさ hh の円筒えんとうタンクに水みずが満まん杯ぱい。 全すべてを上うえまで汲くみ上あげる仕事しごとは、

W=∫0h(ρgπr2)(h−x) dx=12ρgπr2h2W = \int_0^h (\rho g \pi r^2) (h - x) \, dx = \dfrac{1}{2} \rho g \pi r^2 h^2

(ρ\rho は水みずの密度みつど、 gg は重力じゅうりょく加速かそく度ど)。

6. 重心じゅうしん

平面図形へいめんずけいの重心じゅうしん

xx軸上うえの区く間かん [a,b][a, b] で f(x)≥0f(x) \ge 0 で囲かこまれた図形ずけいの 重心じゅうしん xˉ\bar{x}:

xˉ=∫abxf(x) dx∫abf(x) dx\bar{x} = \dfrac{\displaystyle \int_a^b x f(x) \, dx}{\displaystyle \int_a^b f(x) \, dx}

「面積めんせきで重おもみ付づけした平均へいきん座ざ標ひょう」。

例れい 8 三角形さんかくけいの重心じゅうしん

頂ちょう点てん (0,0)(0, 0)、 (1,0)(1, 0)、 (1,1)(1, 1) の三角形さんかくけい (f(x)=xf(x) = x で囲かこまれた部ぶ分ぶん)。

xˉ=∫01x⋅x dx∫01x dx=1/31/2=23\bar{x} = \dfrac{\int_0^1 x \cdot x \, dx}{\int_0^1 x \, dx} = \dfrac{1/3}{1/2} = \dfrac{2}{3}

中学ちゅうがくで学まなんだ 「重心じゅうしんは中ちゅう線せんの 2:1」 と一いっ致ちします。

7. 章しょう末まつまとめ

量りょう積分せきぶん公こう式しき
弧こ長ちょう (y=f(x)y = f(x))∫1+(y′)2 dx\int \sqrt{1 + (y')^2} \, dx
弧こ長ちょう (媒ばい介かい)∫(x′)2+(y′)2 dt\int \sqrt{(x')^2 + (y')^2} \, dt
変位へんい∫v dt\int v \, dt
道のりみちのり∫∣v∣ dt\int \vert v\vert \, dt
仕事しごと∫F(x) dx\int F(x) \, dx
重心じゅうしん xˉ\bar x∫xf dx∫f dx\dfrac{\int x f \, dx}{\int f \, dx}

次じの章しょうへ: ここまでの数学すうがく III は 実数じっすうの関かん数すう が中心ちゅうしんでした。 第だい 9 章しょうから 複素数ふくそすう平面へいめん に入はいり、 数かずの世せ界かいが一気いっきに拡かく張ちょうします。

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