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数学III

積分せきぶん法ほうの基本きほん

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

微分びぶんの 逆ぎゃく操そう作さ が 積分せきぶん です。 数学すうがく II では多項式たこうしきの積せき分ぶんだけでしたが、 数学すうがく III では あらゆる関かん数すう を積せき分ぶんできるようになるための 武ぶ器き をそろえます。

  • 不定積分ふていせきぶん・定積分ていせきぶんと 微分積分学の基本定理びぶんせきぶんがくのきほんていり の復ふく習しゅう
  • 三さん角かく・指し数すう・対たい数すうの積分せきぶん公こう式しき
  • 置換積分ちかんせきぶん (変へん数すうを置おき換かえる)
  • 部分積分ぶぶんせきぶん (∫uv′=uv−∫u′v\int uv' = uv - \int u'v)
  • 部分分数ぶぶんぶんすう分ぶん解かい で楽らくにする
  • 三さん角かく関かん数すうの 半角公式はんかくこうしき で次じ数すうを下さげる

ポイント: 積分せきぶんは 微び分ぶんの 「答えこたえ探さがし」。 「これを微び分ぶんすると元もとの式しきになる関かん数すう を見みつける」 という視し点てんを常つねに持もつと、 公こう式しきの暗あん記きが 論ろん理りに変かわります。

1. 不定ふてい積分せきぶん・定てい積分せきぶんの復習ふくしゅう

不定ふてい積分せきぶんの定義ていぎ

F′(x)=f(x)F'(x) = f(x) となる FF を ff の 原始関数げんしかんすう と言いい、

∫f(x) dx=F(x)+C(C は 積せき分ぶん 定てい数すう)\int f(x) \, dx = F(x) + C \quad (C \text{ は 積せき分ぶん 定てい数すう})

定てい積分せきぶん

∫abf(x) dx=F(b)−F(a)\int_a^b f(x) \, dx = F(b) - F(a)

微分積分学の基本定理びぶんせきぶんがくのきほんていり: 連れん続ぞくな ff の原始関数げんしかんすうは 「aa から xx までの積せき分ぶん」 で与あたえられる。

ddx∫axf(t) dt=f(x)\dfrac{d}{dx} \int_a^x f(t) \, dt = f(x)

大事だいじ: 微分びぶんと積分せきぶんは 互たがいに逆ぎゃくの操そう作さ。 この関かん係けいが数学すうがく全体ぜんたいを結むすぶ 基き本ほん定てい理り。

2. 基本きほん公式こうしき

関かん数すう原始関数げんしかんすう
xnx^n (n≠−1n \neq -1)xn+1n+1\dfrac{x^{n+1}}{n+1}
1x\dfrac{1}{x}log⁡∣x∣\log \vert x\vert
exe^xexe^x
axa^xaxlog⁡a\dfrac{a^x}{\log a}
sin⁡x\sin x−cos⁡x-\cos x
cos⁡x\cos xsin⁡x\sin x
1cos⁡2x\dfrac{1}{\cos^2 x}tan⁡x\tan x
1sin⁡2x\dfrac{1}{\sin^2 x}−1tan⁡x-\dfrac{1}{\tan x}

例れい 1 直接ちょくせつ適用てきよう

∫(3x2+1x−2sin⁡x)dx=x3+log⁡∣x∣+2cos⁡x+C\int \left( 3x^2 + \dfrac{1}{x} - 2\sin x \right) dx = x^3 + \log|x| + 2\cos x + C

大事だいじ: ∫1xdx=log⁡∣x∣+C\int \dfrac{1}{x} dx = \log|x| + C は log⁡∣x∣\log|x| (∣⋅∣|\cdot|必ひっ須す)。 x<0x < 0 でも定てい義ぎされるように。

3. 置換ちかん積分せきぶん

公式こうしき

 ∫f(g(x))g′(x) dx=∫f(u) du(u=g(x)) \boxed{\ \int f(g(x)) g'(x) \, dx = \int f(u) \, du \quad (u = g(x)) \ }

連鎖律れんさりつの 逆ぎゃく向むき。 「内ない側がわの関かん数すうの微び分ぶんが外そとにいる」 形かたちを探さがす。

例れい 2 内側うちがわの微分びぶんが出でている

∫2x(x2+1)5 dx\displaystyle \int 2x (x^2 + 1)^5 \, dx (u=x2+1u = x^2 + 1、 du=2x dxdu = 2x \, dx)。

=∫u5 du=u66+C=(x2+1)66+C= \int u^5 \, du = \dfrac{u^6}{6} + C = \dfrac{(x^2 + 1)^6}{6} + C

例れい 3 ルートの中

∫xx2+1 dx\displaystyle \int x \sqrt{x^2 + 1} \, dx。 u=x2+1u = x^2 + 1、 du=2x dxdu = 2x \, dx、 x dx=du2x \, dx = \dfrac{du}{2}。

=∫u⋅du2=13u3/2+C=13(x2+1)3/2+C= \int \sqrt{u} \cdot \dfrac{du}{2} = \dfrac{1}{3} u^{3/2} + C = \dfrac{1}{3}(x^2 + 1)^{3/2} + C

例れい 4 三角さんかく関数かんすうの置換ちかん

∫0111+x2 dx\displaystyle \int_0^1 \dfrac{1}{1 + x^2} \, dx。 x=tan⁡θx = \tan\theta とおくと dx=1cos⁡2θdθdx = \dfrac{1}{\cos^2\theta} d\theta、 1+x2=1cos⁡2θ1 + x^2 = \dfrac{1}{\cos^2\theta}。

=∫0π/41 dθ=π4= \int_0^{\pi/4} 1 \, d\theta = \dfrac{\pi}{4}

発はっ展てん: ∫dx1+x2=arctan⁡x+C\int \dfrac{dx}{1+x^2} = \arctan x + C は大学だいがくで必ひっ須す。 高校こうこうでは 「x=tan⁡θx = \tan\theta で置換ちかん」 と覚おぼえる。

4. 部分ぶぶん積分せきぶん

公式こうしき

 ∫u(x)v′(x) dx=u(x)v(x)−∫u′(x)v(x) dx \boxed{\ \int u(x) v'(x) \, dx = u(x) v(x) - \int u'(x) v(x) \, dx \ }

積の微分せきのびぶん (uv)′=u′v+uv′(uv)' = u'v + uv' の 逆ぎゃく向むき。

LIATE の原則げんそく

「どちらを uu (微び分ぶんする側がわ) にするか」 の経けい験けん則そく:

優ゆう先せん順じゅん位い内ない容よう例れい
L対数たいすうlog⁡x\log x
I逆三角ぎゃくさんかくarcsin⁡x\arcsin x
A多項式たこうしき (algebraic)x2x^2
T三角さんかくsin⁡x\sin x
E指数しすうexe^x

上うえのものを uu、 下したのものを v′v' に取とるとうまくいきやすい。

例れい 5 ∫xcos⁡x dx\int x \cos x \, dx

u=xu = x、 v′=cos⁡xv' = \cos x (A と T なので A = xx を uu に)。 u′=1u' = 1、 v=sin⁡xv = \sin x。

∫xcos⁡x dx=xsin⁡x−∫sin⁡x dx=xsin⁡x+cos⁡x+C\int x \cos x \, dx = x \sin x - \int \sin x \, dx = x \sin x + \cos x + C

例れい 6 ∫log⁡x dx\int \log x \, dx

「掛かけ算ざんが 1 つしかない」 場ば合あいでも、 log⁡x⋅1\log x \cdot 1 とみなして u=log⁡xu = \log x、 v′=1v' = 1。

∫log⁡x dx=xlog⁡x−∫x⋅1xdx=xlog⁡x−x+C\int \log x \, dx = x \log x - \int x \cdot \dfrac{1}{x} dx = x \log x - x + C

例れい 7 部分ぶぶん積分せきぶんを 2 回

∫x2ex dx\displaystyle \int x^2 e^x \, dx。 1 回かい目め: u=x2u = x^2、 v′=exv' = e^x。

=x2ex−∫2xex dx= x^2 e^x - \int 2x e^x \, dx

2 回かい目め: u=2xu = 2x、 v′=exv' = e^x。

=x2ex−(2xex−∫2ex dx)=x2ex−2xex+2ex+C= x^2 e^x - \left( 2x e^x - \int 2 e^x \, dx \right) = x^2 e^x - 2x e^x + 2 e^x + C

コツ: ∫xnex dx\int x^n e^x \, dx や ∫xnsin⁡x dx\int x^n \sin x \, dx は、 多た項こう式しきの次じ数すうだけ部ぶ分ぶん積せき分ぶんを繰くり返かえす。

5. 部分ぶぶん分数ぶんすう分解ぶんかい

使つかいどころ

分母ぶんぼが因いん数すう分ぶん解かいできる分数関数ぶんすうかんすうを、 分ぶん解かいして ひとつずつ積分せきぶんする。

例れい 8

∫1x2−1 dx\displaystyle \int \dfrac{1}{x^2 - 1} \, dx。

1x2−1=12(1x−1−1x+1)\dfrac{1}{x^2 - 1} = \dfrac{1}{2}\left( \dfrac{1}{x-1} - \dfrac{1}{x+1} \right) (部分分数ぶぶんぶんすう分ぶん解かい)。

∫=12(log⁡∣x−1∣−log⁡∣x+1∣)+C=12log⁡∣x−1x+1∣+C\int = \dfrac{1}{2} (\log|x-1| - \log|x+1|) + C = \dfrac{1}{2} \log \left| \dfrac{x-1}{x+1} \right| + C

例れい 9 分子ぶんしの次数じすうを下さげる

∫x2x−1 dx\displaystyle \int \dfrac{x^2}{x - 1} \, dx。 分子ぶんしを分母ぶんぼで割われると x2x−1=x+1+1x−1\dfrac{x^2}{x-1} = x + 1 + \dfrac{1}{x-1}。

=x22+x+log⁡∣x−1∣+C= \dfrac{x^2}{2} + x + \log|x-1| + C

大事だいじ: 分子ぶんしの次じ数すう ≥\ge分母ぶんぼの次じ数すうなら、 まず割わり算ざん。

6. 三角さんかく関数かんすうの積分せきぶんでの工夫くふう

半角はんかく公式こうしき

公こう式しき用よう途と
sin⁡2x=1−cos⁡2x2\sin^2 x = \dfrac{1 - \cos 2x}{2}次じ数すうを下さげる
cos⁡2x=1+cos⁡2x2\cos^2 x = \dfrac{1 + \cos 2x}{2}同どう
sin⁡xcos⁡x=12sin⁡2x\sin x \cos x = \dfrac{1}{2} \sin 2x同どう

例れい 10

∫sin⁡2x dx=∫1−cos⁡2x2 dx=x2−sin⁡2x4+C\displaystyle \int \sin^2 x \, dx = \int \dfrac{1 - \cos 2x}{2} \, dx = \dfrac{x}{2} - \dfrac{\sin 2x}{4} + C

例れい 11 積せきを和わに

積和の公式せきわのこうしき sin⁡Acos⁡B=12{sin⁡(A+B)+sin⁡(A−B)}\sin A \cos B = \dfrac{1}{2}\{\sin(A+B) + \sin(A-B)\} で:

∫sin⁡3xcos⁡x dx=12∫(sin⁡4x+sin⁡2x) dx=−cos⁡4x8−cos⁡2x4+C\displaystyle \int \sin 3x \cos x \, dx = \dfrac{1}{2} \int (\sin 4x + \sin 2x) \, dx = -\dfrac{\cos 4x}{8} - \dfrac{\cos 2x}{4} + C

コツ: 次じ数すうが高たかい三角さんかく関かん数すう は 「半角はんかく・積つむ和わ」 で次じ数すうを下さげる。 そのまま ∫\int してはいけない。

7. 章しょう末まつまとめ

技ぎ法ほうキーワード
基き本ほん公こう式しき∫xndx\int x^n dx、 ∫sin⁡/cos⁡/ex/1/x\int \sin / \cos / e^x / 1/x
置換積分ちかんせきぶん「内側うちがわの微び分ぶんが外そとにいる」 形かたち
部分積分ぶぶんせきぶんLIATE で uu を決きめる
部分分数ぶぶんぶんすう分母ぶんぼを因いん数すう分ぶん解かい
三さん角かくの工夫くふう半角公式はんかくこうしき・積和の公式せきわのこうしき

次じの章しょうへ: 積分せきぶんの計けい算さんができるようになったら、 第だい 7 章しょうで 面積めんせきと体たい積せき へ応おう用ようします。 中学ちゅうがく・高校こうこうを通つうじて学まなんできた 「微分びぶんと積分せきぶんの関かん係けい」 が、 いよいよ 実用じつよう になります。

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