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数学 3年

三さん平方へいほうの定理ていり

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

中学ちゅうがく 3 年ねんの図形ずけい単元たんげんの 最強さいきょう公式こうしき、 それが 三平方の定理さんへいほうのていり です。 別名べつめいピタゴラスの定理ぴたごらすのていり。

直角ちょっかく三角形さんかくけいで、 直角ちょっかくをはさむ 2 辺へんの長ながさを a,ba, b、 斜辺しゃへん (直角ちょっかくと向むかい合あう辺へん) を cc とすると、

a2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2

この 1 つの公式こうしきで、 長さ・距離きょり・対角線たいかくせん・最短経路さいたんけいろ・体積たいせき・面積めんせき ほぼ何なにでも計算けいさんできるようになる、 入試にゅうし数学すうがくの主役しゅやく中ちゅうの主役しゅやくです。

ゴール:

  • 三平方の定理さんへいほうのていりの意味いみと 2 つの証明しょうめい法 を理解かい
  • 直角ちょっかく三角形さんかくけいで 1 辺へんを求もとめられる
  • 三平方へいほうの定理ていりの 逆 を使つかい、 直角ちょっかく三角形さんかくけいか判定はんていできる
  • 1:1:21:1:\sqrt{2} (直角ちょっかく二に等辺とうへん) と 1:2:31:2:\sqrt{3} (30°, 60°, 90°) の比ひを即答そくとうできる
  • 三角形さんかくけいの高たかさ、 正三角形せいさんかくけいの高たかさ、 円えんの弦げんの長ながさ等とうを計算けいさんできる
  • 直方体ちょくほうたいの対角線たいかくせん、 角錐かくすいの高たかさ等とうの 空間くうかん図形ずけい へ拡張かくちょうできる

1. 三さん平方へいほうの定理ていりとは

直角ちょっかく三角形さんかくけいで:

辺へんの名前なまえ役割やくわり
斜辺しゃへん (しゃへん)直角ちょっかくと向むかい合あう 1 番ばん長ながい辺へん
直角ちょっかくをはさむ 2 辺へん残のこりの 2 辺へん

このとき、

(2 辺 の 平方 の 和)=(斜辺2)(\text{2 辺 の 平方 の 和}) = (\text{斜辺}^2)

例題れいだい 1: 直角ちょっかくをはさむ 2 辺へんが 3, 4 の直角ちょっかく三角形さんかくけい。 斜辺しゃへんは?

c2=32+42=25⟹c=5c^2 = 3^2 + 4^2 = 25 \Longrightarrow c = 5

例題れいだい 2: 斜辺しゃへん 13、 直角ちょっかくをはさむ 1 辺へんが 5。 もう 1 辺へんは?

52+b2=132⟹b2=144⟹b=125^2 + b^2 = 13^2 \Longrightarrow b^2 = 144 \Longrightarrow b = 12

覚おぼえ方かた: 「直角ちょっかくをはさむ 2 辺へんの平方へいほうの和わ = 斜辺しゃへんの平方へいほう」。 斜辺しゃへんを答えこたえにする場合ばあいは 足たして \sqrt{}、 はさむ辺へんを答えこたえにする場合ばあいは 引ひいて \sqrt{}。

2. ピタゴラス数

a2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 を満みたす 整数せいすう の組くみをピタゴラス数ぴたごらすすうといいます。 入試にゅうしでよく出でる 「即答そくとうすべき」 組くみ:

整数せいすう組ぐみ比ひ
(3,4,5)(3, 4, 5)標準ひょうじゅん
(5,12,13)(5, 12, 13)標準ひょうじゅん
(8,15,17)(8, 15, 17)やや上級じょうきゅう
(7,24,25)(7, 24, 25)入試にゅうしたまに
(6,8,10)=2×(3,4,5)(6, 8, 10) = 2 \times (3, 4, 5)倍数ばいすう
(9,12,15)=3×(3,4,5)(9, 12, 15) = 3 \times (3, 4, 5)倍数ばいすう

ポイント: (3,4,5)(3, 4, 5) を見みたら即そく 「直角ちょっかく三角形さんかくけいだ!」 と反応はんのうする。 入試にゅうし計算けいさん短縮たんしゅくの必殺ひっさつ技わざ。

3. 特別とくべつな直角ちょっかく三角形さんかくけい

整数せいすうではないが、 入試にゅうしで必かならず暗記あんきすべき 2 つの特別な直角三角形とくべつなちょっかくさんかっけい。

(1) 直角ちょっかく二等辺三角形にとうへんさんかくけい (45°, 45°, 90°)

3 辺へんの比ひは

1:1:21 : 1 : \sqrt{2}

例題れいだい 3: 直角二等辺三角形ちょっかくにとうへんさんかくけいで直角ちょっかくをはさむ辺へんが 5 のとき、 斜辺しゃへんは?

525\sqrt{2}

(2) 30°, 60°, 90° の直角ちょっかく三角形さんかくけい

3 辺へんの比ひは

1:3:21 : \sqrt{3} : 2

(短みじかい方かた = 30° の対辺たいへん、 中間ちゅうかん = 60° の対辺たいへん、 一番いちばん長ながい = 斜辺しゃへん = 90° の対辺たいへん)

例題れいだい 4: 30° の角かくの対辺たいへんが 4 のとき、 60° の対辺たいへんと斜辺しゃへんは?

60°対 辺=43,斜 辺=860° \text{対 辺} = 4\sqrt{3}, \quad \text{斜 辺} = 8

暗記あんきルール: 「イチ・イチ・ルート 2」 と 「イチ・ルート 3・ニ」。 これを即答そくとうできないと入試にゅうしで詰つまる。

4. 三さん平方へいほうの定理ていりの逆ぎゃく

3 辺へんの長ながさ a,b,ca, b, c (cc が最大さいだい) で

a2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2

が成なり立たてば、 その三角形さんかくけいは 直角ちょっかく三角形さんかくけい (cc が斜辺しゃへん、 cc の対たい角かくが直角ちょっかく)。

例題れいだい 5: 3 辺へんが 7, 24, 25 の三角形さんかくけいは直角ちょっかく三角形さんかくけいか。

72+242=49+576=625=2527^2 + 24^2 = 49 + 576 = 625 = 25^2 → 成なり立たつ。 直角ちょっかく三角形さんかくけい。

例題れいだい 6: 3 辺へんが 5, 6, 8 は直角ちょっかく三角形さんかくけいか。

52+62=25+36=61≠64=825^2 + 6^2 = 25 + 36 = 61 \neq 64 = 8^2。 直角ちょっかく三角形さんかくけいではない。

5. 平面図形へいめんずけいでの応用おうよう

(1) 正三角形せいさんかくけいの高たかさ

1 辺へんaa の正三角形せいさんかくけいを半分はんぶんに切きると 30°, 60°, 90° の直角ちょっかく三角形さんかくけい。

h=32a,面積=34a2h = \dfrac{\sqrt{3}}{2} a, \quad \text{面積} = \dfrac{\sqrt{3}}{4} a^2

例題れいだい 7: 1 辺へん 6 の正三角形せいさんかくけいの高たかさと面積めんせきを求もとめよ。

h=33,面積=12×6×33=93h = 3\sqrt{3}, \quad \text{面積} = \dfrac{1}{2} \times 6 \times 3\sqrt{3} = 9\sqrt{3}

(2) 2 点てん間かんの距離きょり

座標平面ざひょうへいめんで 2 点(x1,y1),(x2,y2)(x_1, y_1), (x_2, y_2) の距離きょりは

(x2−x1)2+(y2−y1)2\sqrt{(x_2 - x_1)^2 + (y_2 - y_1)^2}

例題れいだい 8: A(1,2)(1, 2) と B(4,6)(4, 6) の距離きょりは?

32+42=5\sqrt{3^2 + 4^2} = 5

(3) 円えんの弦げんの長ながさ

中心ちゅうしん O から弦げん AB に下おろした垂線すいせんの足あしを H とすると、 H は AB の中点ちゅうてん。 三さん平方へいほうの定理ていりで弦げんの長ながさを求もとめられる。

例題れいだい 9: 半径はんけい 5 の円えんで、 中心ちゅうしんから弦げんまでの距離きょりが 3 のとき、 弦げんの長ながさは?

半はん弦げん = 52−32=4\sqrt{5^2 - 3^2} = 4 → 弦げんの長ながさ = 8。

6. 空間くうかん図形ずけいでの応用おうよう (入試にゅうし大物おおもの)

(1) 直方体ちょくほうたいの対角線たいかくせん

縦aa、 横bb、 高たかさ cc の直方体ちょくほうたいの対角線たいかくせんは、

a2+b2+c2\sqrt{a^2 + b^2 + c^2}

導出どうしゅつ: 底面ていめんの対角線たいかくせん = a2+b2\sqrt{a^2 + b^2}。 これを 1 辺へんとし、 高たかさ cc と直角ちょっかく三角形さんかくけいを作つくれば、 対角線たいかくせん = (a2+b2)+c2\sqrt{(a^2 + b^2) + c^2}。

例題れいだい 10: 縦たて 3、 横よこ 4、 高たかさ 12 の直方体ちょくほうたいの対角線たいかくせんを求もとめよ。

32+42+122=9+16+144=169=13\sqrt{3^2 + 4^2 + 12^2} = \sqrt{9 + 16 + 144} = \sqrt{169} = 13

(2) 立方体りっぽうたいの対角線たいかくせん

1 辺へんaa の立方体りっぽうたいの対角線たいかくせん = 3a\sqrt{3} a。

例題れいだい 11: 1 辺へん 6 の立方体りっぽうたいの対角線たいかくせん = 636\sqrt{3}。

(3) 角錐かくすいの高たかさと体積たいせき

正せい四よん角錐かくすい (底面ていめん = 正方形せいほうけい、 4 つの側面そくめん = 合同ごうどうな二等辺三角形にとうへんさんかくけい) で、 底面ていめんの 1 辺へんaa、 側がわ棱 (頂点ちょうてんと底面ていめんの頂点ちょうてんを結むすぶ辺へん) の長ながさ ℓ\ell のとき:

底面ていめんの対角線たいかくせん = 2a\sqrt{2} a、 半はん対角線たいかくせん = 22a\dfrac{\sqrt{2}}{2} a。 高たかさ hh は三さん平方へいほうで、

h=ℓ2−a22h = \sqrt{\ell^2 - \dfrac{a^2}{2}}

例題れいだい 12: 底そこ 1 辺へん 6、 側がわ棱 9 の正せい四よん角錐かくすいの高たかさと体積たいせきを求もとめよ。

半はん対角線たいかくせん = 323\sqrt{2}、 h=81−18=63=37h = \sqrt{81 - 18} = \sqrt{63} = 3\sqrt{7}。

体積たいせき = 13×62×37=367\dfrac{1}{3} \times 6^2 \times 3\sqrt{7} = 36\sqrt{7}。

(4) 最短さいたん経路けいろ (展開図てんかいずで解とく)

例題れいだい 13: 1 辺へん 4 の立方体りっぽうたいの 1 つの頂点ちょうてん A から、 反対はんたい側がわの頂点ちょうてん G まで 側面そくめんを通とおる最短さいたん経路けいろ。

立方体りっぽうたいの側面そくめんを展開てんかいすると、 A から G まで横よこ 8、 縦たて 4 の長方形ちょうほうけいの対角線たいかくせんになる。

82+42=80=45\sqrt{8^2 + 4^2} = \sqrt{80} = 4\sqrt{5}

テクニック:立体りったいの表面ひょうめん上じょうの最短さいたん経路けいろは 展開図てんかいずで直線ちょくせん になる。 公式こうしきではなく 展開てんかいする力 が問とわれる。

7. 章しょう末まつ演習えんしゅう (入試にゅうし形式けいしき)

(1) 直角ちょっかく三角形さんかくけいで直角ちょっかくをはさむ 2 辺へんが 6, 8 のとき、 斜辺しゃへん。 (2) 直角ちょっかく二等辺三角形にとうへんさんかくけいで斜辺しゃへんが 10 のとき、 はさむ辺へん。 (3) 30°, 60°, 90° の直角ちょっかく三角形さんかくけいで斜辺しゃへん = 12 のとき、 短みじかい辺へんと中間ちゅうかんの辺へん。 (4) 1 辺へん 8 の正三角形の面積さんかっけいのめんせき。 (5) 縦たて 5、 横よこ 12、 高たかさ 84 の直方体ちょくほうたいの対角線たいかくせん (本ほん問もんは大おおきな数かずの練習れんしゅう)。 (6) 1 辺へん 4 の立方体りっぽうたいで、 頂点ちょうてん A から対たいする頂点ちょうてん G までの直線ちょくせん距離きょり (体内たいない対角線たいかくせん)。

略解りゃっかい: (1) 36+64=10\sqrt{36 + 64} = 10 (2) 102=52\dfrac{10}{\sqrt{2}} = 5\sqrt{2} (3) 比1:3:21 : \sqrt{3} : 2、 斜辺しゃへん 12 → 短みじかい 6、 中間ちゅうかん636\sqrt{3} (4) 34×64=163\dfrac{\sqrt{3}}{4} \times 64 = 16\sqrt{3} (5) 25+144+7056=7225=85\sqrt{25 + 144 + 7056} = \sqrt{7225} = 85 (6) 434\sqrt{3}

章のまとめ:三さん平方へいほうの定理ていりは中学ちゅうがく数学すうがくの 最後さいごの大だいボス。 公式こうしきを覚おぼえるだけでは不十分ふじゅうぶんで、 「どこに直角ちょっかく三角形さんかくけいを探さがすか」 「どこで展開てんかいするか」 が入試にゅうしでの勝負しょうぶポイント。

まとめ — 三さん平方へいほうの定理ていりを 3 行くだりで

  • 三さん平方へいほうの定理ていりは直角ちょっかく三角形さんかくけいの三さん辺へんa,b,ca, b, c (斜辺しゃへん cc) について a2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 が成立せいりつする関係かんけいで、 ピタゴラスの定理ぴたごらすのていりとも呼よばれる
  • 特別とくべつな直角ちょっかく三角形さんかくけいの辺へん比ひ (1:1:21 : 1 : \sqrt{2} の直角二等辺ちょっかくにとうへん、 1:2:31 : 2 : \sqrt{3} の 30°30°-60°60°-90°90°) は暗記あんきし、 即座そくざに適用てきようできるようにする
  • 空間くうかん図形ずけいでは直方体ちょくほうたいの対角線たいかくせん a2+b2+c2\sqrt{a^2 + b^2 + c^2} や正四角錐せいしかくすいの高たかさなど、 平面へいめんに展開てんかいして直角ちょっかく三角形さんかくけいを見みつける視点してんが勝負しょうぶを分わける
この教材きょうざいは役やくに立たちましたか?