この章で学ぶこと
中学 1 年で比例・反比例、 中学 2 年で一次関数を学びました。 中学 3 年で学ぶ新しい関数が y=ax2 (a=0) です。 グラフ は 放物線 と呼ばれ、 きれいな U 字形をしています。
入試では 「グラフをかく」 「変域 を求める」 「変化の割合を求める」 の単独出題と、 「直線との 交点 で図形を作る」融合問題の両方が出ます。 後者は多くの公立入試で大問 1 つ分を占める主役級の単元。
ゴール:
- y=ax2 のグラフの形 (a>0 で上に開く、 a<0 で下に開く) を説明できる
- 表とグラフから a の値を求められる
- x の 変域 から y の変域を求められる (頂点 を通るかどうかで場合分け)
- 変化の割合 ΔxΔy が計算でき、 公式 a(p+q) で即答できる
- 直線y=mx+n との交点を連立で求め、 三角形の面積や等積変形ができる
1. y=ax2 とは
y が x の 2 乗に比例する関数。
例:
- y=x2 (a=1)
- y=2x2 (a=2)
- y=−21x2 (a=−21)
値の表を作る
y=x2 の表:
| x | −3 | −2 | −1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|
| y | 9 | 4 | 1 | 0 | 1 | 4 | 9 |
特徴:
- x=0 で y=0 (原点 を通る)
- x が正でも負でも y は正 (重解 0 を除く)
- 表が y 軸 をはさんで左右対称
2. 放物線 — グラフの形
y=ax2 のグラフは 放物線 と呼ばれる U 字 / 逆 U 字の曲線。
形のまとめ
| a の 符号 | 開き方 | 通る点 | 軸 | 頂点 |
|---|
| a>0 | 上に開く | 原点 | y軸 | 原点 (0, 0) |
| a<0 | 下に開く | 原点 | y軸 | 原点 (0, 0) |
a の大きさと開き方
∣a∣ が 大きいほど細く (とがる)、 小さいほど横に広がります。
| 関数 | 開き方 |
|---|
| y=3x2 | 細い |
| y=x2 | 標準 |
| y=21x2 | 広い |
ポイント: y=ax2 と y=−ax2 のグラフは x軸に対して線対称。 同じ形を上下反転した関係。
3. a の値を求める
「y=ax2 が点(p,q) を通るとき a=?」 タイプの出題が頻出。
例題 1: y=ax2 のグラフが点(2,12) を通るとき a を求めよ。
代入して、
12=a×22=4a⟹a=3
例題 2: y=ax2 が点(−3,−6) を通るとき a を求めよ。
−6=a×9⟹a=−96=−32
4. 変域 — x の範囲から y の範囲を求める
中 3 関数の 最大の落とし穴。 一次関数と違い、 「頂点 (原点) を通るかどうか」 で場合分けが必要。
例 1: 頂点を通らないケース
例題 3: y=x2 (1≤x≤3) のとき y の変域を求めよ。
x=1,3 で y=1,9。 範囲内に 0 は含まないので、 端点だけ考えれば OK。
1≤y≤9
例 2: 頂点を通るケース (要注意)
例題 4: y=x2 (−2≤x≤1) のとき y の変域を求めよ。
範囲内に x=0 が入る → 最小は y=0 (頂点)。 最大は端点で大きい方 → x=−2 で y=4。
0≤y≤4
鉄則: x の変域が 0 をまたぐなら最小 (or 最大) は 頂点で 0。 端点だけ見てはダメ。
例 3: a<0 のケース
例題 5: y=−2x2 (−1≤x≤3) のとき y の変域を求めよ。
x=0 をまたぐ → 頂点 0 が最大。 端点で小さい方は x=3 で y=−18。
−18≤y≤0
5. 変化の割合
中学 2 年で学んだ 変化の割合 = xの増加量yの増加量。
一次関数では一定 (= 傾き) でしたが、 y=ax2 では区間ごとに変わる のが大違い。
例題 6: y=x2 で x が 1 から 3 まで変わるときの変化の割合を求めよ。
x=1 で y=1、 x=3 で y=9。
3−19−1=28=4
例題 7: y=−2x2 で x が -3 から 1 まで変わるときの変化の割合を求めよ。
x=−3 で y=−18、 x=1 で y=−2。
1−(−3)−2−(−18)=416=4
変化の割合の公式
y=ax2 で x が p から q まで変わるとき、 変化の割合は a(p+q) で即答できます。
導出: q−paq2−ap2=q−pa(q+p)(q−p)=a(p+q)。
例題 8: y=3x2 で x が 2 から 5 まで変わるときの変化の割合は?
3×(2+5)=3×7=21
ポイント:公式を使えば暗算で即答できる。 入試では必須テクニック。
6. グラフのかき方
例題 9: y=21x2 のグラフをかけ。
通る点を表で:
| x | −4 | −2 | 0 | 2 | 4 |
|---|
| y | 8 | 2 | 0 | 2 | 8 |
これらを滑らかな曲線で結ぶ。 y軸で左右対称 になるよう注意。
7. 入試頻出 — 直線との融合問題
放物線と直線の 交点、 そこから三角形の面積を求めるパターンが多い。
交点を求める
例題 10: 放物線y=x2 と直線y=x+2 の交点を求めよ。
連立して、
x2=x+2⟹x2−x−2=0⟹(x−2)(x+1)=0
x=2,−1。 対応する y は 4,1。 交点は (−1,1),(2,4)。
三角形の面積
例題 11: 上の例題で、 原点 O と 2 つの交点 A(−1,1)、 B(2,4) を結ぶ三角形 OAB の面積を求めよ。
直線y=x+2 の y切片 は C(0,2)。 三角形 OAB を、 y軸上の OC を底辺として 2 つに分ける。
底辺 OC = 2、 三角形 OCA の高さは A の x 座標 の 絶対値 = 1、 三角形 OCB の高さは B の x座標 = 2。
△OAB=21⋅2⋅1+21⋅2⋅2=1+2=3
テクニック: 「y軸を横切る直線と放物線の交点でできる三角形」 → y切片を底辺 にして 2 つの三角形に分ける。
等積変形
例題 12: 放物線y=x2上の点 P を動かし、 三角形 OAB (A(−1,1),B(2,4)) と同じ面積になるように三角形 OAP を作りたい。 P の座標を求めよ。 (発展)
直線 OA, OB のどちらかに平行な直線を引き、 放物線と交差する点が P。 詳しい計算は省略しますが、 「平行な直線上の点は三角形の面積が同じ」 (等積変形) の性質を利用する入試頻出パターン。
8. 章末演習 (入試形式)
(1) y=ax2 が点(3,18) を通るとき a を求めよ。
(2) y=−x2 (−2≤x≤1) のときの y の変域を求めよ。
(3) y=2x2 で x が -1 から 3 まで変わるときの変化の割合を求めよ。
(4) 放物線y=x2 と直線y=−x+6 の交点を求めよ。
(5) (4) の 2 つの交点と原点を頂点とする三角形の面積を求めよ。
略解:
(1) a=2
(2) x=0 をまたぐので頂点が最大、 端点で最小は x=−2 で y=−4 → −4≤y≤0
(3) a(p+q)=2×(−1+3)=4
(4) 連立して x2+x−6=0、 (x+3)(x−2)=0、 x=−3,2 → 交点(−3,9),(2,4)
(5) 直線の y切片C(0,6) を底辺として 2 分割。 21⋅6⋅3+21⋅6⋅2=9+6=15
章のまとめ: y=ax2 の重要公式は 変化の割合 = a(p+q)。 変域は 「0 をまたぐか」 で場合分け。 直線との融合は連立 → 交点 → 面積の流れを体に染み込ませましょう。
まとめ — 二次関数y=ax2 を 3 行で
- y=ax2 のグラフは原点を頂点とする放物線で、 a>0 なら下凸、 a<0 なら上凸に開く
- 変域は x が 0 をまたぐかどうかで場合分けし、 またぐときは頂点y=0 が最大値または最小値となる
- 変化の割合は a(p+q) (x が p から q まで変化) の公式で即座に求まり、 直線との交点・面積問題は連立方程式で攻略する