この章で学ぶこと
中学 1 年 で 1 元 1 次方程式、 中学 2 年 で 連立方程式 を 学び まし た。 中学 3 年 で 学ぶ 新しい 方程式 が 二次方程式 です。
二次方程式 は ax2+bx+c=0 (a=0) の 形 で 表 さ れる、 x の 2 次式 = 0 の 形 の 方程式 です。
入試 で は 計算問題 と し て 必ず 1 問出題 さ れ、 さらに 文章題 (面積、 速さ、 動点、 整数) の 解 き方 と し て も 大活躍。 解 き方 は 3 通り あり、 状況 に 応じ て 使い 分ける力 が 問 われ ます。
ゴール:
- 因数分解 で 解け る 方程式 は 因数分解 で 解 ける
- (x−p)2=q の 形 (平方根 を 使う) で 解 ける
- 平方完成 で どんな 方程式 も 上 の 形 に 変形 できる
- 解の公式x=2a−b±b2−4ac を 暗記 し 即使え る
- 文章題 から 自分 で 二次方程式 を 立て、 答え に 「適 する もの」 を 選 べる
1. 二次方程式 と は
「x の 2 次 の 等式」 を 二次方程式 と いい ます。 一般形 は
ax2+bx+c=0(a=0)
例: x2−5x+6=0、 2x2=8、 (x+1)(x−3)=0。
二次方程式 を 成り 立 たせ る x の 値 を 解 と いい、 解 を 求める こと を 「方程式 を 解く」 と いい ます。 二次方程式 の 解 は 一般 に 2 つ ある (重解 1 つ、 解 なし の 場合 も あり)。
2. 解 き方 1 — 因数分解 を 利用
「2 数 の 積 が 0 なら、 少なく とも 一方 が 0」 という 性質 を 使い ます。
AB=0⟹A=0 または B=0
例題 1: (x−2)(x+5)=0 を 解け。
「x−2=0 または x+5=0」 より、
x=2, −5
例題 2: x2−7x+10=0 を 解け。
左辺 を 因数分解。 足し て -7、 かけ て 10 → (-2, -5)。
(x−2)(x−5)=0⟹x=2, 5
例題 3: x2+6x=0 を 解け。
共通因数x を くくる。
x(x+6)=0⟹x=0, −6
例題 4: x2=16 を 解け。
移項 し て x2−16=0、 公式 で (x+4)(x−4)=0。
x=±4
ポイント:因数分解 で 解 ける 形 が 出 たら 即使う のが 最速。 入試 の 多く は 因数分解 で 終わる。
3. 解 き方 2 — 平方根 を 使う
x2=a や (x−p)2=q の 形 なら、 平方根 を 使い ます。
x2=a⟹x=±a,(x−p)2=q⟹x−p=±q
例題 5: x2=7 を 解け。
x=±7
例題 6: (x−3)2=5 を 解け。
x−3=±5⟹x=3±5
例題 7: 2(x+1)2=18 を 解け。
両辺 を 2 で 割っ て (x+1)2=9。 x+1=±3 より、
x=2, −4
4. 解 き方 3 — 平方完成
「(x - p)^2 = q」 の 形 に 無理 やり 変形 する 操作 が 平方完成 です。
例題 8: x2+6x−1=0 を 平方完成 で 解け。
定数 を 移項 し て、
x2+6x=1
「x の 係数 の 半分 (26=3) の 2 乗 (32=9)」 を 両辺 に たす。
x2+6x+9=1+9⟹(x+3)2=10
平方根 で、
x+3=±10⟹x=−3±10
コツ:平方完成 は 「x の 係数 の 半分 を 2 乗 し て 両辺 に たす」 の 1 行 を 唱える。 これ が 解 の 公式 の 導出 の もと に なり ます。
5. 解 き方 4 — 解 の 公式 (一般形)
平方完成 を 一般 の ax2+bx+c=0 に 適用 する と、
x=2a−b±b2−4ac
これ が 有名 な 解の公式。 中学 で の 必暗記公式 です。
公式 の 使い方
例題 9: 2x2+3x−1=0 を 解の 公式 で 解け。
a=2,b=3,c=−1 を 代入。
x=2⋅2−3±32−4⋅2⋅(−1)=4−3±9+8=4−3±17
例題 10: x2−4x+1=0 を 解け。
a=1,b=−4,c=1。
x=24±16−4=24±12=24±23=2±3
注意:b を 代入 する とき、 元 の 符号 を 含め て 代入 する (−(−4)=4)。 の 中 は b2−4ac (判別式 と いう)。
判別式 で 解 の 個数 が わかる
D=b2−4ac と 置く と、
| D の 符号 | 解 の 様子 |
|---|
| D>0 | 異なる 2 つ の 実数解 |
| D=0 | 重解 (解 が 1 つ) |
| D<0 | 解 なし (中学範囲) |
例題 11: x2−6x+9=0 を 解け。
D=36−36=0 なので 重解。 因数分解 で (x−3)2=0 より x=3 (重解)。
6. 解 き方 の 使い 分け フロー
入試 で の 攻略順 (上 から 試す):
- 「因数分解 でき そう か?」 → ($x+a)(x+b) や 2 乗公式 が 見 える なら 即使う
- 「(x−p)2=q の 形 か?」 → 平方根 で 一発
- 「数値 が きれい じゃ ない / 因数分解不能」 → 解 の 公式
ポイント:因数分解 が 一番速い ので 必ず 最初 に 検討 する。 解 の 公式 は 「最後 の 手段」 と し て 持っ て おく。
7. 入試頻出 の 文章題
二次方程式 の 文章題 で の 鉄則 は:
(A) x を 何 と 置く か を 明示
(B) 等式 を 立てる (x の 二次式 = ある 値、 等)
(C) 解 を すべて 出す
(D) 問題 の 条件 に 合う 解 を 選ぶ (たとえ ば 「人数」 「長さ」 は 正)
(1) 数 の 問題
例題 12: 連続 する 2 つ の 整数 が ある。 それ ら の 積 が 156 と なる とき、 2 つ の 整数 を 求め よ。
小さい 方 を x、 大きい 方 を x+1 と 置く。
x(x+1)=156⟹x2+x−156=0
足し て 1、 かけ て -156 → (13, -12)。 (x+13)(x−12)=0 より x=−13 または x=12。
整数 の ペア は (12,13) と (−13,−12) の 2 組。
(2) 図形 (面積) の 問題
例題 13: 縦x cm、 横(x+3) cm の 長方形 の 面積 が 40 cm2 で ある とき、 x を 求め よ。
x(x+3)=40⟹x2+3x−40=0⟹(x+8)(x−5)=0
x>0 な ので x=5 (cm)。
ポイント:x=−8 は 「長さ が 負 に なる」 ため 不適 と 判断 し、 答え から 除外 する。
(3) 動点 の 問題
例題 14: 1 辺 12 cm の 正方形 ABCD の 辺 AB 上 を 点 P が、 辺 AD 上 を 点 Q が それぞれ 秒速 1 cm で 出発。 出発 から x秒後 に 三角形 APQ の 面積 が 18 cm2 に なる の は いつ か。
AP=AQ=x cm。 三角形 の 面積 は
21⋅x⋅x=2x2=18⟹x2=36⟹x=6 (>0)
6 秒後 と 答え る。
(4) 速さ・道のり の 問題
例題 15: ある 数 の 2 乗 から、 その 数 を 引く と 30 に なる。 元 の 数 を 求め よ。
x2−x=30⟹x2−x−30=0⟹(x−6)(x+5)=0
x=6, −5 の 2 つ と も 答え。 (「正 の 整数」 等 の 条件 が なけ れば 両方 が 解)
8. 章末演習 (入試形式)
(1) x2−9x+14=0 を 解け。
(2) (x+4)2=12 を 解け。
(3) 3x2+5x−2=0 を 解け。
(4) x2−4x−1=0 を 解の 公式 で 解け。
(5) 縦 が 横 より 4 cm 短い 長方形 の 面積 が 60 cm2 の とき、 縦 と 横 を 求め よ。
略解:
(1) (x−2)(x−7)=0⇒x=2,7
(2) x+4=±23⇒x=−4±23
(3) たすき掛け or 公式。 (3x−1)(x+2)=0⇒x=31,−2
(4) x=24±20=2±5
(5) 横 を x と 置 く。 x(x−4)=60⇒x2−4x−60=0⇒(x−10)(x+6)=0。 x>4 なので x=10、 縦 = 6 cm、 横 = 10 cm
章 の まとめ:二次方程式 の 解 き方 は 「因数分解 → 平方根 → 解 の 公式」 の 順 で 試す。 文章題 は 「答え に 適 する もの を 選ぶ」 の 一手 を 忘れ ない。
まとめ — 二次方程式 を 3 行で
- 二次方程式ax2+bx+c=0 の解法は「因数分解 → 平方完成 (平方根) → 解の公式」 の順で試すのが効率的である
- 解の公式x=2a−b±b2−4ac は判別式D=b2−4ac の符号で解の個数 (2 個・重解・なし) が決まる
- 文章題では未知数を x と置いて方程式を立て、 解いた後「正の値」「整数」 など問題の条件に適合する解を選ぶ一手を忘れない