この章で学ぶこと
第 5 章で学んだ 合同 と 証明 を使って、 特別な三角形 と 特別な四角形 の性質を確認します。 高校の 三角比 や ベクトル へつながる大事な章です。
- 二等辺三角形 の 2 つの性質が言える
- 直角三角形 の合同条件 (2 つ) を言える
- 平行四辺形 になる 5 つの条件が言える
- 平行四辺形の仲間 (長方形・ひし形・正方形) の関係がわかる
- 平行線と面積 (等積変形) の性質が使える
1. 二等辺三角形の性質
二等辺三角形 = 「2 辺が等しい」 三角形。 等しい辺とはさまれた角を 頂角、 残りの 2 つの角を 底角 と言う。
2 つの大事な性質
| 性質 ① | 2 つの底角は等しい |
|---|
| 性質 ② | 頂角の二等分線は底辺を垂直に二等分する |
例題 1
AB=AC の二等辺三角形 ABC で頂角 ∠A=50°。 ∠B を求めよ。
考え方: 底角 ∠B=∠C。 内角の和から ∠B+∠C=180°−50°=130°。 ⇒ ∠B=65°。
二等辺三角形になる条件
逆に、 「2 つの角が等しい」 三角形は二等辺三角形 である。 (性質と条件が互いに入れ替わる)
正三角形
すべての辺が等しい三角形を 正三角形 と言う。 すべての角も 60° (=180°÷3)。 二等辺三角形の 特別な場合。
2. 直角三角形の合同条件
普通の三角形の合同条件 (SSS、 SAS、 ASA) に加えて、 直角三角形だけ の合同条件が 2 つあります。
| 条件 ① | 斜辺と 1 つの鋭角がそれぞれ等しい |
|---|
| 条件 ② | 斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しい |
(斜辺 = 直角の反対側の辺、 直角三角形の一番長い辺)
大事: 直角三角形では、 「斜辺」 と 「もう 1 つ」 の情報だけで合同が言えます。 入試では 「直角 + 斜辺」 が出てきたらこの 2 条件を思い出す。
3. 平行四辺形の性質
平行四辺形 = 「2 組の対辺がそれぞれ平行 な四角形」。
4 つの大事な性質
| ① | 2 組の対辺はそれぞれ等しい |
|---|
| ② | 2 組の対角はそれぞれ等しい |
| ③ | 対角線は互いにそれぞれの中点で交わる |
| ④ | となり合う角の和は 180° |
4. 平行四辺形になる条件
逆に、 つぎの どれか 1 つ を満たせば平行四辺形である。
| 条件 ① | 2 組の対辺がそれぞれ 平行 (定義) |
|---|
| 条件 ② | 2 組の対辺がそれぞれ 等しい |
| 条件 ③ | 2 組の対角がそれぞれ 等しい |
| 条件 ④ | 対角線が互いにそれぞれの中点で交わる |
| 条件 ⑤ | 1 組の対辺が平行で等しい |
ポイント: ⑤ は 「平行 + 等しい」 が 1 組で十分 という強力な条件。 証明問題でよく使うので覚えておくこと。
5. 特別な平行四辺形
平行四辺形の中で、 とくに強い条件を満たすものには名前があります。
| 名前 | 条件 (平行四辺形 + α) |
|---|
| 長方形 | 4 つの角がすべて直角 |
| ひし形 | 4 辺がすべて等しい |
| 正方形 | 長方形であり、 ひし形でもある |
関係 (図で)
| 上へ行くほど条件が強くなる |
|---|
| 正方形 (長方形 ∩ ひし形) |
| ↑ ↑ |
| 長方形 ひし形 |
| ↑ ↑ |
| 平行四辺形 |
| ↑ |
| 四角形 |
対角線の性質
| 図形 | 対角線の特徴 |
|---|
| 平行四辺形 | 互いに中点で交わる |
| 長方形 | + 長さが等しい |
| ひし形 | + 垂直に交わる |
| 正方形 | + 長さが等しく、 垂直 |
6. 平行線と面積 (等積変形)
2 直線 ℓ∥m があり、 その間に三角形の頂点 A、 B があるとき:
同じ底辺 BC をもち、 もう一つの頂点が平行な直線上にある三角形は、 すべて面積が等しい
例題 2
三角形 ABC があり、 点 C を通り辺 AB に平行な直線上で頂点を D に動かして三角形 ABD をつくる。 三角形 ABC と三角形 ABD の面積を比べよ。
考え方: 底辺 AB が共通、 高さも等しい (平行だから距離が一定)。
⇒ 面積は等しい。
これを使って 「複雑な図形をシンプルな三角形に変えて面積を求める」 操作を 等積変形 と言い、 入試でよく出ます。
例題 3
四角形 ABCD の頂点を D を直線 AC に平行な線で移して、 三角形にして面積を求めよ (等積変形)。
手順:
- 対角線 AC を引く
- 点 D を通り AC に平行な直線を引く
- その直線と直線 BC の交点を E とする
- 三角形 ACE の面積 = 三角形 ACD の面積 (底辺 AC、 平行で高さ同じ)
- ⇒ 四角形 ABCD = 三角形 ABC + 三角形 ACD = 三角形 ABC + 三角形 ACE = 三角形 ABE
四角形が 三角形 1 つ に変わりました。
7. ふりかえり