この章で学ぶこと
中 1 では 度数分布表 や ヒストグラム でデータを 「おおまかに見る」 方法を学びました。 中 2 ではさらに進んで、 四分位数 と 箱ひげ図 で 「散らばり」 を数字と図で比較 できるようになります。
- 四分位数 (Q1、 Q2、 Q3) の求め方がわかる
- 四分位範囲 (IQR) の意味を言える
- 箱ひげ図 がかける・読める
- 外れ値 の見つけ方がわかる
- 複数のデータの分布を比較できる
ポイント: 中 1 の 平均値・中央値・最頻値 と中 2 の 四分位数 を合わせて 「データを 代表値 + 散らばり」 で見る力がつきます。
1. データを並べる
中 2 のデータ単元は、 まず データを小さい順に並べる ことから始まります。
例: 9 人のテストの点 (10 点満点)
4,7,5,8,6,3,9,6,7
小さい順に並べる:
3,4,5,6,6,7,7,8,9
2. 中央値 (第 2 四分位数)
中 1 で学んだ 中央値 は、 「並べたときの真ん中」 の値。 別名 第 2 四分位数 (Q2) とも言います。
| データの個数 | 中央値 |
|---|
| 奇数 個 (例: 9 個) | 真ん中の 1 個 (5 番目) |
| 偶数 個 (例: 8 個) | 真ん中の 2 個の平均 |
上の 9 個の例では、 5 番目の 6 が中央値。
3. 第 1 四分位数と第 3 四分位数
データを 真ん中で半分 にして、 さらに それぞれの半分の中央 を取ります。
| 名前 | 意味 |
|---|
| 第 1 四分位数 (Q1) | 下半分の中央値 |
| 第 2 四分位数 (Q2) | 全体の中央値 |
| 第 3 四分位数 (Q3) | 上半分の中央値 |
例 (9 個のデータ)
3,4,5,6,6,7,7,8,9
(中央値Q2=6、 5 番目)
中央値Q2 を 除いた 下半分と上半分:
| 下半分 | 3,4,5,6 |
|---|
| 上半分 | 7,7,8,9 |
| 値 | 求め方 | 結果 |
|---|
| Q1 | 下半分 3,4,5,6 の中央 (4 個 → 2 個の平均) | 24+5=4.5 |
| Q2 | 全体の中央 | 6 |
| Q3 | 上半分 7,7,8,9 の中央 | 27+8=7.5 |
大事: データの個数が 奇数 のときは、 中央値を 除いて 上下を分ける (この教科書の流儀)。 偶数のときは真ん中で半分。
4. 四分位範囲 (IQR)
四分位範囲 (IQR、 Inter Quartile Range) は、
IQR=Q3−Q1
「真ん中 50 % の散らばりの幅」 を表します。
上の例
IQR=7.5−4.5=3
なぜ IQR を使うか
範囲 = (最大値) − (最小値) は、 1 つの極端な値で大きく変わってしまいます。 IQR は 真ん中の 50 % だけを見るので、 外れ値の影響を受けにくい 安定した指標です。
| 指標 | 影響を受けるか |
|---|
| 平均値 | 受けやすい |
| 中央値 | 受けにくい |
| 範囲 | 受けやすい |
| IQR | 受けにくい |
5. 五数要約と箱ひげ図
データの散らばりを 5 つの数字 でまとめるのが 五数要約。
| 略称 | 意味 |
|---|
| 最小値 | いちばん小さい値 |
| Q1 | 第 1 四分位数 |
| Q2 | 中央値 |
| Q3 | 第 3 四分位数 |
| 最大値 | いちばん大きい値 |
上の例の五数要約
[3,4.5,6,7.5,9]
箱ひげ図のかき方
- 横軸に数直線をかく
- 箱 を Q1 から Q3 まで
- 箱の中に Q2 の線 を引く
- ひげ を最小から箱の左、 箱の右から最大まで
最小 Q1 Q2 Q3 最大
3 4.5 6 7.5 9
|---ひげ---|------箱-------|---ひげ---|
読み方のポイント
| 見るポイント | 何がわかるか |
|---|
| 箱の位置 | データが どこあたりに集中 しているか |
| 箱の幅 | 散らばり (IQR) |
| ひげの長さ | 外れやすさ |
| 中央線が箱のどこ | データの 左右 の偏り |
6. 外れ値
ほかのデータから 大きく離れた 値を 外れ値 と言います。 一般にはつぎの範囲を外れたものを外れ値とみなします。
Q1−1.5×IQR未満
Q3+1.5×IQR超 え
上の例で
- IQR =3、 1.5×3=4.5
- 下限: Q1−4.5=4.5−4.5=0
- 上限: Q3+4.5=7.5+4.5=12
⇒ 0 未満や 12 超があれば外れ値。 このデータでは なし。
大事: 「外れ値だから削る」 とは限りません。 入試では 「なぜ外れたか」 を考えさせる問題が多い (機械の故障、 入力ミス、 例外的な出来事等)。
7. データの比較
複数のグループを比べるとき、 箱ひげ図を並べてかく と違いが一目でわかります。
例
| クラス A | Q1=5,Q2=7,Q3=8 |
|---|
| クラス B | Q1=4,Q2=6,Q3=9 |
| 観点 | クラス A | クラス B |
|---|
| 中央値 | 7 | 6 |
| IQR | 3 | 5 |
| 散らばり | 小さい | 大きい |
| 全体として | 安定 して高い | ばらつき が大きい |
ポイント: 「平均だけではなく散らばりも見る」 が中 2 データのメインメッセージ。 代表値 + IQR のセットで見る習慣をつける。
8. ふりかえり