この章で学ぶこと
中 1 で学んだ 1 元 1 次方程式 (2x+3=7 のように文字 が 1 つ) を、 文字 が 2 つ に拡張 します。 これを 連立方程式 と言います。
- 連立方程式 の 解 とは何かがわかる
- 加減法 で連立を解ける
- 代入法 で連立を解ける
- 分数 や 小数 をふくむ連立を整数化できる
- 文章題 (速さ・割合・年齢・濃度) を連立で解ける
ポイント: 連立方程式は、 「1 つの文字 を消す」 が基本戦略。 加減法も代入法も、 結局 は 「2 元 → 1 元」 への 消去 がねらいです。
1. 連立方程式と解
つぎのように 2 つ以上 の方程式を同時 に成り立たせる 形を 連立方程式 と言います。
{x+y=52x−y=1
この連立を 同時 に満たす x、 y の組を 解 と言います。
| 組 | x+y=5 | 2x−y=1 | どちらも成り立つ? |
|---|
| x=2,y=3 | 5 ✓ | 1 ✓ | ○ (これが解) |
| x=1,y=4 | 5 ✓ | −2 ✕ | ✕ |
| x=3,y=2 | 5 ✓ | 4 ✕ | ✕ |
大事: 1 つの式だけなら解は 無限 にあります (x+y=5 の解は x=0,y=5、 x=1,y=4、 x=2,y=3、…)。 もう 1 本の式が加わることで、 解が 1 組にしぼり込まれ ます。
2. 加減法 — 文字を消す
2 つの式を 足し算か引き算 でつなげて、 1 つの文字 を消します。
例題 1
{x+y=5⋯①2x−y=1⋯②
解き方: ① と ② を 足す と y が消えます (+y と −y でゼロ)。
①+②:3x=6⇒x=2
これを ① に代入。
2+y=5⇒y=3
答え: x=2,y=3
係数をそろえてから消す
文字 の前の係数 がちがうときは、 両辺 を何倍か してそろえます。
例題 2
{3x+2y=12⋯①x+y=5⋯②
解き方: ② を 2 倍 して y の係数 をそろえる。
②×2:2x+2y=10⋯②′
① − ②' で y を消す。
(3x+2y)−(2x+2y)=12−10
x=2
② に代入して、 2+y=5、 y=3。
ポイント: どちらの文字 を消すかは どちらがラクか で決めます。 係数 が小さい / 1 倍でそろう方を選ぶと計算 ミスが減ります。
3. 代入法 — 1 つの式を入れる
1 つの式を 「x= ○○」 や 「y= ○○」 の形にして、 もう 1 本に 代入 します。
例題 3
{y=2x+1⋯①3x+y=11⋯②
解き方: ① の y を ② にそのまま入れる。
3x+(2x+1)=11
5x+1=11⇒5x=10⇒x=2
これを ① に戻して、 y=2×2+1=5。
答え: x=2,y=5
加減法と代入法の使いわけ
| 状況 | おすすめ |
|---|
| 「y= ○○」 の形がある | 代入法 |
| 文字 の係数 がそろえやすい | 加減法 |
| どちらもいける | 自分 の好みで OK |
4. 分数・小数をふくむ連立
分数 → 両辺を分母でかける
2x+3y=5
両辺 を 6 (= 2 と 3 の 最小公倍数) でかけて 整数化。
3x+2y=30
小数 → 両辺を 10 や 100 でかける
0.3x+0.2y=1.2
両辺 を 10 でかけて、
3x+2y=12
大事: 分数 や小数 は そのまま計算 せず、 まず整数 に直します。 ミスがぐっと減ります。
5. 文章題の立て方
文章題を連立で解く流れ。
5 ステップ
- 何を求めるか を確認 (例: 「ペンとノートのねだん」)
- それぞれを 文字 でおく (x、 y)
- 2 本の関係 を式にする
- 連立を解く
- 答えに単位 をつけて、 問題 に合うか 確認
例題 4 (代金)
1 本 100 円のペンと 1 冊 150 円のノートを合わせて 7 個買ったら 850 円だった。 ペンとノートは何個ずつか。
立式: ペン x本、 ノート y冊とおく。
{x+y=7100x+150y=850
下の式を 50 でわると 2x+3y=17。
加減法で解いて x=4,y=3。
答え: ペン 4 本、 ノート 3 冊。
例題 5 (速さ — 速・道・時)
A 君は家から学校まで、 行きは時速 4 km、 帰りは時速 3 km で歩いた。 全体 で 1 時間 45 分かかった。 家から学校までの道のりは何 km か。
ポイント: 「速さ × 時間 = 道のり」 の関係 を使う。 この問題 は 道のりは同じ なので 1 文字 x で OK だが、 練習 として 2 文字 で立ててもよい。
行き 4x時間、 帰り 3x時間。 1 時間 45 分 = 47時間。
4x+3x=47
両辺 ×12 で 3x+4x=21、 x=3。
答え: 3 km。
例題 6 (濃度)
8 % の食塩水と 5 % の食塩水を混ぜて、 6 % の食塩水を 300 g つくりたい。 それぞれ何 g 必要 か。
立式: 8 % の方x g、 5 % の方y g。
{x+y=3000.08x+0.05y=0.06×300
下の式を 100 倍して 8x+5y=1800。
連立を解くと、 x=100,y=200。
答え: 8 % を 100 g、 5 % を 200 g。
ポイント: 濃度問題 は 「食塩 の量 = 食塩水 × 濃度」 の式をつくるのが基本。
6. ふりかえり
- [ ]連立方程式 の 解 は 「2 本を同時 に満たす」 1 組だとわかる
- [ ]加減法 で 1 つの文字 を 消去 できる
- [ ]代入法 で 1 つの文字 を 入れ替え て解ける
- [ ]加減と代入の 使いわけ ができる
- [ ]分数・小数 は 両辺 をかけて整数化 できる
- [ ]文章題で 「何を x、 何を y におくか」 を自分 で決められる
- [ ]速さ・代金・濃度 の典型文章題を連立で解ける