この章で学ぶこと
平面から立体へ — 「奥行き」 をふくむ図形を考えます。 立体を紙に表す方法 (見取り図・展開図)、 そして 体積 と 表面積 の求め方を学びます。
- 多面体 と 回転体 を区別できる
- 角柱・円柱・角錐・円錐・球 の名前と性質を知る
- 見取り図 と 展開図 をかける
- 直線と平面、 平面と平面の位置関係を知る
- 立体の 体積 を公式で求められる
- 立体の 表面積 を展開図から求められる
ポイント: 立体の体積・表面積は すべて平面図形の公式の組み合わせ。 焦らず 「底面は何か」 「側面を開くとどんな形か」 を落ち着いて整理しましょう。
1. 立体の種類
角柱と円柱 (柱体)
底面が多角形 → 角柱 (三角柱、 四角柱、 五角柱…)
底面が円 → 円柱
特ちょう: 2 つの底面が平行で合同、 側面は 長方形 (円柱の側面は開くと長方形)。
角錐と円錐 (錐体)
底面が多角形で 1 点 (頂点) に集まる → 角錐
底面が円で 1 点に集まる → 円錐
特ちょう: 底面は 1 つ、 側面は 三角形 (円錐の側面は開くとおうぎ形)。
球
ある点 (中心) からのきょりが等しい点の集まりが 球。 切り口はどこで切っても 円。
多面体
平面だけでかこまれた立体を 多面体、 すべての面が合同な正多角形でどの頂点も同じ形のものを 正多面体 といい、 5 種類だけある。
| 名前 | 面の形 | 面の数 |
|---|
| 正四面体 | 正三角形 | 4 |
| 正六面体 (立方体) | 正方形 | 6 |
| 正八面体 | 正三角形 | 8 |
| 正十二面体 | 正五角形 | 12 |
| 正二十面体 | 正三角形 | 20 |
大事: 「正多面体 は 5 種類しかない」 — これは古代ギリシャ以来知られている美しい事実。
2. 見取り図と展開図
| 図 | 何を表すか |
|---|
| 見取り図 | 立体を立体らしく平面にかいた図 (ななめから見た図) |
| 展開図 | 立体の面を切り開いて、 平面にひろげた図 |
| 投影図 | 真上・正面・横から見た図を組み合わせたもの |
主な立体の展開図
| 立体 | 展開図の構成 |
|---|
| 三角柱 | 長方形 3 枚 + 三角形 2 枚 |
| 四角柱 (直方体) | 長方形 4 枚 + 上下の長方形 2 枚 |
| 円柱 | 長方形 1 枚 + 円 2 枚。 長方形の横 = 底面円周 = 2πr |
| 三角錐 | 三角形 4 枚 |
| 円錐 | おうぎ形 1 枚 + 円 1 枚 |
円錐の側面 (おうぎ形の弧)
円錐の側面を開くと おうぎ形。 その弧の長さは 底面の円周と同じ。
底面の半径r、 母線の長さ ℓ なら、 側面のおうぎ形の 中心角 θ は
θ=360∘×ℓr
3. 直線と平面の位置関係
2 直線の関係 (空間)
| 関係 | 説明 |
|---|
| 交わる | 1 点で出会う |
| 平行 | 同じ平面上で交わらない |
| ねじれの位置 | 同じ平面上になく、 交わらない |
大事: 「ねじれの位置」 は平面では起こらず、 空間だけの関係。 直方体の 「上の辺」 と 「右側のたての辺」 がねじれの位置の例。
直線と平面の関係
| 関係 | 説明 |
|---|
| 直線が平面上にある | 直線上のすべての点が平面上 |
| 1 点で交わる | 「直線が平面をつきさす」 |
| 平行 | 共有点がない |
4. 体積の公式
角柱 ・ 円柱
V=(底面積)×(高さ)
| 立体 | 公式 |
|---|
| 直方体 | V=abc (a、 b、 c は縦・横・高さ) |
| 三角柱 | V=21×底辺×高さ×柱の高さ |
| 円柱 | V=πr2h |
角錐 ・ 円錐
V=31×(底面積)×(高さ)
「柱体の 3 分の 1」 がポイント。
| 立体 | 公式 |
|---|
| 円錐 | V=31πr2h |
| 角錐 | V=31×底面積×高さ |
球
半径r の球の体積:
V=34πr3
例題
| 問題 | 解法 |
|---|
| 半径 3 cm、 高さ 5 cm の円柱の体積 | V=π×32×5=45π cm³ |
| 底面半径 4 cm、 高さ 9 cm の円錐の体積 | V=31π×42×9=48π cm³ |
| 半径 6 cm の球の体積 | V=34π×63=288π cm³ |
やってみよう: 1 辺 5 cm の立方体の体積を求めよ。 (答え: V=53=125 cm³)
5. 表面積
表面積の求め方
展開図をイメージし、 すべての面の面積をたす。
| 立体 | 表面積の構成 |
|---|
| 角柱 | 底面 2 枚 + 側面 (長方形) の合計 |
| 円柱 | 底面 (πr2) ×2 + 側面 (2πr×h) |
| 角錐 | 底面 1 枚 + 三角形の側面 |
| 円錐 | 底面 (πr2) + 側面 (おうぎ形) |
円錐の側面 (おうぎ形) の面積
底面半径r、 母線ℓ の円錐の側面おうぎ形の面積は
S側=πrℓ
球
半径r の球の表面積:
S=4πr2
例題
| 問題 | 解法 |
|---|
| 半径 3 cm、 高さ 5 cm の円柱の表面積 | 底面π×32=9π を 2 枚 + 側面2π×3×5=30π、 合計9π×2+30π=48π cm² |
| 底面半径 4 cm、 母線 6 cm の円錐の表面積 | 底面π×42=16π、 側面π×4×6=24π、 合計40π cm² |
| 半径 5 cm の球の表面積 | S=4π×52=100π cm² |
大事: 球の公式は 「体積は 34πr3、 表面積は 4πr2」 — 「34 と 4」 をセットで覚える。
やってみよう: 半径 2 cm、 高さ 7 cm の円柱の表面積を求めよ。 (答え: 4π×2+28π=8π+28π=36π cm²)
まとめ
- 柱体 (角柱・円柱) は 底面が 2 つで合同、 錐体 (角錐・円錐) は 底面 1 つで頂点へ
- 正多面体 は 5 種類だけ
- 展開図 は立体を切り開いた平面図、 表面積計算の出発点
- ねじれの位置 は 「同じ平面になく、 交わらない」 空間だけの関係
- 体積: 柱 = 底面積×高さ、 錐 = 31×底面積×高さ
- 球: V=34πr3、 S=4πr2
- 円錐側面おうぎ形の面積 = πrℓ (覚えると速い)