この章で学ぶこと
数のかわりに 文字 を使うと、 たくさんの数を 1 つの式であらわせます。 これが中学数学で一番大きなステップです。
- 数のかわりに文字を使うよさを知る
- 文字式 の書き方のきまりを身につける
- 文字に数を 代入 して式の値を求められる
- 項 と 係数 を区別できる
- 同類項 をまとめて式を簡単にできる
- 文字式の加減と、 数をかける計算ができる
ポイント: 1 個 100 円 のりんごを x個買うと、 代金は 100imesx円 = 100x円。 1 つの式で 「何個買っても」 通用する表現ができるのが文字の力です。
1. 文字を使った式
数のかわりに文字を使う
「鉛筆 1 本 80 円。 x本買うと代金はいくらか」 というとき、 代金は
80imesx=80xext(円)
と書けます。 x が 3 なら 240 円、 x が 5 なら 400 円。 文字を使うと どんな個数でも 1 つの式 で表現できます。
文字式の表し方 (きまり)
| ルール | 例 | 注意 |
|---|
| かけ算の imes は省略 | aimesb=ab | 順番はアルファベット順がふつう |
| 数と文字の積は数を先 | ximes5=5x | x5 とは書かない |
| 1 や −1 の係数は省略 | 1imesa=a、 −1imesa=−a | 1a とは書かない |
| 累乗 は 指数 で | aimesa=a2、 aimesaimesa=a3 | |
| わり算は分数で | adiv3=dfraca3 | adivb=dfracab |
例題
| 式 (もと) | 文字式のきまりにしたがう |
|---|
| aimes3 | 3a |
| yimesyimesy | y3 |
| ximes(−2) | −2x |
| (a+b)imes4 | 4(a+b) |
| 5divx | dfrac5x |
やってみよう: bimesaimes(−1) を文字式のきまりで書け。 (答え: −ab)
2. 数量を文字式で表す
言葉を式になおす
| 場面 | 文字式 |
|---|
| 1 個x円のりんご 5 個の代金 | 5x円 |
| 1 本a円のえんぴつを b本買う代金 | ab円 |
| 時速v km で t 時間走ったきょり | vt km |
| a個あるりんごを 5人で等しく分けると 1 人 | dfraca5個 |
| x の 20 | dfrac20100x=dfrac15x=0.2x |
大事: 「はやさ」 ・ 「割合」 ・ 「単位換算」 は文字式で書くと 公式 として整理しやすい。
例題
例題
| 問題 | 解法 |
|---|
| 1 個a円のパンを 3 個と、 1 個b円のジュースを 2 個買った。 代金を文字式であらわせ。 | パン: 3a円、 ジュース: 2b円、 合計3a+2b円 |
| x km の道を時速4 km で歩いた。 かかった時間を文字式で表せ。 | 時間 = きょり div はやさ = dfracx4時間 |
やってみよう: 「a円の品物を 30引きで買ったときの代金」 を文字式で表せ。 (答え: a−0.3a=0.7a円)
3. 代入と式の値
文字に数をあてはめることを 代入 といい、 そのときに計算した数を 式の値 といいます。
例題
| 問題 | 解法 |
|---|
| x=3 のとき、 2x+5 の値を求めよ。 | 2imes3+5=6+5=11 |
| x=−2 のとき、 3x−4 の値を求めよ。 | 3imes(−2)−4=−6−4=−10 |
| a=−1 のとき、 a2+2a の値を求めよ。 | (−1)2+2imes(−1)=1−2=−1 |
大事: 負の数を代入するときは 必ずカッコ をつけて書く。 x2 に x=−3 を代入すると (−3)2=9 であって、 −32=−9 ではない。
やってみよう: a=4,b=−2 のとき、 a+3b の値を求めよ。 (答え: 4+3imes(−2)=−2)
4. 項と係数
項の見つけ方
加法 (たし算) で結ばれた 1 つひとつのまとまり を 項 といいます。
| 式 | 項 |
|---|
| 3x+5 | 3x、 5 |
| 4a−7b+2 | 4a、 −7b、 2 |
| −x+6y−9 | −x、 6y、 −9 |
係数とは
文字をふくむ項で、 文字の前にある数 をその文字の 係数 といいます。
| 項 | 文字 | 係数 |
|---|
| 5x | x | 5 |
| −7y | y | −7 |
| a | a | 1 (省略されている) |
| −b | b | −1 |
| dfracx3 | x | dfrac13 |
大事: 係数は 符号こみ で答える。 −7y の係数は −7 であって 7 ではない。
5. 同類項をまとめる
同類項とは
文字の部分が まったく同じ 項 (3x と −2x など) を 同類項 といいます。 同類項は 1 つにまとめられます。
3x+5x=(3+5)x=8x
7a−4a=(7−4)a=3a
3x+2yquad(ext同類項ではないのでまとめられない)
例題
| 問題 | 解法 |
|---|
| 4x+3+2x−8 | x どうし: 4x+2x=6x、 数どうし: 3−8=−5、 答え 6x−5 |
| 5a−7b+3a+4b | a: 5a+3a=8a、 b: −7b+4b=−3b、 答え 8a−3b |
| 2x+3−(x−5) | カッコをはずす: 2x+3−x+5=x+8 |
大事: カッコの前が マイナス のとき、 カッコをはずすと中の符号が すべてひっくり返る。 例: −(x−5)=−x+5。
やってみよう: 6x−4−3x+9 を簡単にせよ。 (答え: 3x+5)
6. 文字式と数の計算
数をかける計算
3imes(2x+5)=3imes2x+3imes5=6x+15
これを 分配法則 といいます。 すべての項にかけます。
例題
| 問題 | 解法 |
|---|
| 4(x−3) | 4imesx+4imes(−3)=4x−12 |
| −2(3a+5) | −2imes3a+(−2)imes5=−6a−10 |
| (8x−12)div4 | dfrac8x4−dfrac124=2x−3 |
加減が混じった計算
2(3x−1)+3(x+4)=6x−2+3x+12=9x+10
やってみよう: 5(x−2)−2(x+1) を計算せよ。 (答え: 3x−12)
まとめ
- 数のかわりに 文字 を使うと、 量の関係を 1 つの式で表せる
- かけ算の imes は省略、 数は文字の前、 累乗は指数で
- 文字に数をあてはめることを 代入、 結果を 式の値
- たし算で結ばれた各まとまりが 項、 文字の前の数が 係数 (符号こみ)
- 同類項 は文字部分が同じ項。 係数をたし合わせて 1 つにまとめる
- カッコの前が − なら、 はずしたときに中の符号がすべて反転する