この章で学ぶこと
小学校で学んだ図形を、 中学では 記号と用語できちんと整理 し、 さらに コンパスと定規だけで図をかく (作図) 力をつけていきます。
- 直線・線分・半直線 のちがいを区別できる
- 平行 ・ 垂直 を記号で表す
- 円 に関する用語 (弧・弦・中心角) を知る
- 作図 の基本 (垂直二等分線、 角の二等分線、 垂線) ができる
- 平行移動・回転移動・対称移動 で図形を動かせる
- 線対称 と 点対称 を区別できる
ポイント: 中学の図形は 「コンパスと定規だけで必要な線を作れる」 ことがゴール。 これが後の証明や高校数学へつながる基礎です。
1. 直線・線分・半直線
| 名前 | 記号 (例) | 説明 |
|---|
| 直線 | 直線AB | 2 点A、 B を通る、 両側に限りなくのびる線 |
| 線分 | 線分AB | 2 点A、 B を結ぶまっすぐな線 (両端あり) |
| 半直線 | 半直線AB | A を端とし、 B の方向へ限りなくのびる線 |
線分 AB の長さを AB と書きます (記号が同じでも、 図形か長さかは文脈で区別)。
角
頂点O を端とする 2 つの半直線で作る図形を 角 といい、 ∠AOB で表します。
2. 平行と垂直
記号
- 平行: 2 直線ℓ、 m が平行 → ℓ∥m
- 垂直: 2 直線ℓ、 m が垂直 → ℓ⊥m
距離
| 距離 | 定義 |
|---|
| 点と直線のきょり | 点から直線におろした 垂線 の長さ |
| 平行な 2 直線のきょり | 一方の直線上の点から、 もう一方の直線におろした垂線の長さ |
大事: 「点から直線までの一番みじかい道のり」 = 垂線の長さ。
3. 円に関する用語
| 用語 | 記号 | 説明 |
|---|
| 弧 | 弧AB (AB⌢) | 円の周上の一部 |
| 弦 | 弦AB | 円の周上の 2 点を結ぶ線分 |
| 直径 | — | 中心を通る弦 (一番長い弦) |
| 中心角 | ∠AOB | 弧AB に対する、 中心O を頂点とする角 |
| 接線 | — | 円と 1 点だけで交わる直線 |
大事: 円の 接線 は、 接点を通る半径と 垂直 である。
4. 基本の作図
中学ではコンパスと定規だけを使って線を引きます (定規の目盛は使わない)。
① 垂直二等分線
線分 AB の 垂直二等分線 = AB のまんなかを通り、 AB に垂直な直線。
| 手順 | やること |
|---|
| ① | A を中心に、 AB の半分より大きい半径で円弧をかく |
| ② | B を中心に、 ① と同じ半径で円弧をかく |
| ③ | 2 つの円弧の交点 (上と下) をむすぶ |
性質: 垂直二等分線上の点は、 A と B からのきょりが等しい。
② 角の二等分線
∠XOY の 角の二等分線 = ∠XOY を半分に分ける半直線。
| 手順 | やること |
|---|
| ① | O を中心に円弧をかき、 OX、 OY との交点を P、 Q とする |
| ② | P、 Q を中心に同じ半径で円弧をかき、 交点を R とする |
| ③ | O と R をむすぶ |
性質: 角の二等分線上の点は、 角の 2 辺からのきょりが等しい。
③ 垂線 (点から直線へ)
直線ℓ上にない点P から ℓ への 垂線。
| 手順 | やること |
|---|
| ① | P を中心に円弧をかき、 ℓ との交点を A、 B とする |
| ② | A、 B を中心に同じ半径で円弧をかき、 交点 (もう 1 つ) を C とする |
| ③ | P と C をむすぶ |
やってみよう: 三角形ABC の 3 辺の垂直二等分線を引くと、 1 点で交わる。 その点を中心に円をかくと、 3 頂点を通る円 (外接円) になる。
5. 図形の移動
① 平行移動
図形のすべての点を 同じ方向に同じ長さ だけずらす動かし方。
性質: 対応する点をむすぶ線分は すべて平行で長さが等しい。
② 回転移動
ある点 (回転の中心) を中心に、 図形を 同じ角度 だけ回す動かし方。
性質: 対応する点と中心をむすぶ線分は 長さが等しく、 中心をはさむ角度は すべて等しい。
③ 対称移動
ある直線 (対称の軸) をおりめに、 図形を折り返す動かし方。
性質: 対応する 2 点をむすぶ線分は、 対称の軸で 垂直に二等分 される。
6. 線対称と点対称
線対称
1 本の直線で折り返すとぴったり重なる図形を 線対称 な図形といい、 その直線を 対称軸 といいます。
| 図形 | 対称軸の数 |
|---|
| 二等辺三角形 | 1 本 |
| 正三角形 | 3 本 |
| 長方形 | 2 本 |
| 正方形 | 4 本 |
| 円 | 無数 |
点対称
1 つの点を中心に 180∘回転するとぴったり重なる図形を 点対称 な図形といい、 その点を 対称の中心 といいます。
| 図形 | 点対称か |
|---|
| 平行四辺形 | はい |
| 長方形 | はい |
| 正方形 | はい |
| 正六角形 | はい |
| 二等辺三角形 (正三角形でない) | いいえ |
やってみよう: 「正三角形」 は線対称か点対称か。 (答え: 線対称のみ。 180∘回転してももとに重ならないので点対称ではない)
まとめ
- 直線・線分・半直線 は 「両端があるか」 「片方だけか」 で区別
- 平行 ∥、 垂直 ⊥ の記号を使う
- 円では 弧・弦・中心角・接線 を区別
- 作図 はコンパスと定規だけ。 垂直二等分線・角の二等分線・垂線 が基本
- 図形の移動は 平行移動・回転移動・対称移動 の 3 種
- 線対称 = 折って重なる、 点対称 = 180∘回して重なる