たをやめぶりは、優美で女性的・繊細な歌風を指す語で、おもに『古今和歌集』の歌風を評するのに用いられます。力強いますらをぶり(『万葉集』)と対をなす概念です。
| 観点 | たをやめぶり | ますらをぶり |
|---|---|---|
| 歌風 | 優美・女性的・繊細 | 素朴・男性的・力強い |
| 代表歌集 | 『古今和歌集』 | 『万葉集』 |
「たをやめ(手弱女)」はたおやかでやさしい女性の意で、技巧をこらした繊細で優美な古今集の歌風を表します。
たとえば紀友則の「久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」は、のどかな日ざしと落ち着かない花の心を対比させた歌で、たをやめぶりと呼ばれる優美さと技巧をよく表しています。
ポイント 『古今和歌集』のたをやめぶりと、『万葉集』のますらをぶりの対比が頻出です。古今集以降の和歌は、掛詞・縁語などの技巧を凝らした優美な方向へ進む点も、たをやめぶりと関連づけて理解しましょう。