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第 9 章で学んだように、 第二次世界大戦 のあと、 「二 度 と 戦争 を起こさない」 という 反省 から、 世界 の国々が 協力 するしくみが作られました。 その 中心 が 国際連合 (国連) です。
この章では、 国際連合 のしくみ、 主な 国際機関、 日本 の 国際協力 (ODA・PKO)、 そして 2015 年に 採択 された SDGs (持続 可能 な 開発目標) について学びます。
ポイント: この章で学ぶ国際機関や SDGs は 「特定 の国だけの課題」 ではなく、 「地球 に住むみんなの課題」 を扱います。 国と国が 協力 しなければ 解決 できない問題ばかりです。
国際連合 は、 1945 年 10 月 24 日に 設立 されました。 第二次世界大戦が終わった直後です。 本部 はアメリカの ニューヨーク にあります。 設立時は 51 か国でしたが、 現在 (2024 年時点) は 193 か国 が 加盟 しています。
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| 国際平和 と安全の 維持 | 戦争 を防ぐ |
| **国と国の **友好 関係 の発展 | 平和的な 解決 |
| 経済・社会・人権・人道問題の国際協力 | 貧困 や病気を減らす |
| 共通 の行動の 中心 としての 役割 | 国連が話し合いの 場 に |
| 組織 | 役割 |
|---|---|
| 総会 | すべての 加盟国が参加 (1 か国 1 票)。 1 年に 1 回開催 |
| 安全保障理事会 (安保理) | 平和と安全を守る。 常任 5 か国 (アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中 国) と 非 常任 10 か国 |
| 事務局 | 日常の仕事を行う。 事務 総 長 がトップ |
| 国際司法裁判所 | 国と国の 争いを法的に 解決 (オランダハーグ) |
日本 は 1956 年 に国連に 加盟 しました (日中戦争 のあと、 第 9 章で学んだ通り)。 加盟後は国連への 分担金を多く出してきた国の 1 つで、 国連に関わる仕事を進めてきました。
大事: 国際連合 は 「世界政府」 ではありません。 各国 の 主権 (自分の国を自分で決める 権利) は守られます。 国連は 「話し合いと 協力 の 場」 を 提供 する 役割 です。
国連の下には、 さまざまな 専門機関があり、 それぞれ役割を分担して 世界 の課題に取り組んでいます。
| 機関 | 略 | 役割 |
|---|---|---|
| 国連児童基金 | UNICEF | 世界 の子どもの命と 健康 を守る (栄養・教育・予防 接種) |
| 世界 保健機関 | WHO | 病気の予防と 健康 (新型 コロナでも大きな 役割) |
| 国連食 糧 計画 | WFP | 食 糧 援助 (ノーベル 平和 賞 受賞) |
| 機関 | 略 | 役割 |
|---|---|---|
| 国連教育科学文化機関 | UNESCO | 教育・科学・文化、 世界遺産 の 登録 |
| 国連難民 高等 弁務 官 事務所 | UNHCR | 戦争 や 災害 で国を 離れた人 (難民) の 保護 |
| 国連開発計画 | UNDP | 発展 途上国の開発を進める |
| 国際労働機関 | ILO | 働く人の 権利 を守る |
東京 や 横浜 に国連大学や UNICEF 東京 事務所 などの国連関連機関があり、 日本 からも多くの人が国際機関で働いています。
ポイント: UNICEF のマークは 「親子の 姿」、 WHO のマークは 「ヘビの巻きついた 杖」 (健康 の 象徴)、 UNESCO のマークは 「ギリシャ 神殿 のような形」 です。 街で見かけたら何の機関か思い出してみましょう。
日本 は 第二次世界大戦 のあと、 多くの国から助けを受けて 復興 しました。 その経験から、 今度は 発展 途上国を助ける 立場 として、 さまざまな国際協力を進めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ODA とは | "Official Development Assistance" の 略。 日本政府が 発展 途上国に行う 経済・技術 協力 |
| 始まり | 1954 年から (戦争 の 賠償 から始まった) |
| 2 つの形 | ① 二国間援助 (日本 と 相手国が直接結ぶ) ② 多国間援助 (国際連合 や 世界 銀行 を通す) |
| 支援 の種類 | お金 (無償 援助・低利子 の貸し付け)、 物 (車・機械)、 人 (技術 指導) |
JICA ("Japan International Cooperation Agency") は、 ODA を 実施 するための日本 の 機関 です。 専門 家 を 派遣 したり、 海外から 研修生を受け入れたり、 ボランティアを 派遣 します。
特に有名なのが 青年海外協力隊 です。 20 才から 45 才の日本人が 発展 途上国に 派遣 され、 教育・農業・医療・スポーツなどの分野で約 2 年間活動 します。 1965 年開始で、 これまで約 100 か国に 4 万人以上が 派遣 されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| PKO とは | "Peace Keeping Operations" の 略。 国連が 紛争 地 域 に 部隊 や 監視 員 を 派遣 し、 平和 を守る 活動 |
| 日本 の参加 | 1992 年に PKO協力法 ができ、 自衛 隊 が海外で 活動 できるようになった |
| 主な 派遣例 | カンボジア (1992)、 ゴラン 高原 (1996-2013)、 ハイチ (2010-2013)、 南スーダン (2011-2017) |
政府だけではなく、 民間の NGO (Non-Governmental Organization、 非政府組織) も 世界 で 活動 しています。 日本 にも「国境なき医師団」 「ピースウィンズ」 「セーブ・ザ・チルドレン」 など多くの N G O があります。
大事: 国際協力は 「お金を配る」 だけではありません。 「その国の人が自分で立ち上がれるように」 助けることが最も大切です。 JICA は 「魚を 与えるのではなく、 魚の取り方を教える」 という言葉でこの考えを表しています。
2015 年 9 月、 国連で SDGs ("Sustainable Development Goals"、 持続 可能 な開発目標) が 採択 されました。 2030 年までに 世界 が 達成 すべき 17 の目標 です。
| 番号 | 目標 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 貧困 をなくそう | 1 日 2.15 ドル 未満 で暮らす人を 0 に |
| 2 | 飢餓 をゼロに | 食 糧不足をなくす |
| 3 | すべての人に 健康 と 福祉 | 健康 な暮らし |
| 4 | 質 の高い教育をみんなに | 全員が学校に行ける |
| 5 | ジェンダー平等を実現しよう | 男女 の 差別 をなくす |
| 6 | 安全な水とトイレを世界中に | きれいな水を全員に |
| 7 | エネルギーをみんなにそしてクリーンに | 太陽光 ・風力など |
| 8 | 働きがいも 経済 成長 も | 良い仕事と 経済成長 |
| 9 | 産業 と 技術 革新 の 基盤 を作ろう | 道路・通信・産業 |
| 10 | 人や国の不平等をなくそう | 国と国の 差 もなくす |
| 11 | 住み続けられる街づくりを | 安全な街 |
| 12 | 作る 責任 つかう 責任 | むだを出さない |
| 13 | 気候変動に 具体的な 対策 を | 地球温暖化を止める |
| 14 | 海の 豊かさを守ろう | 海洋 プラスチックを減らす |
| 15 | 陸 の 豊かさも守ろう | 森 や動物を守る |
| 16 | 平和 と公正をすべての人に | 戦争 と 暴力 をなくす |
| 17 | パートナーシップで目標を 達成 しよう | 国と国の協力 |
| 考え方 | 内容 |
|---|---|
| 誰一人取り残さない | 全員が参加できる社会を |
| 持続 可能 | 今の世代が未来の世代の暮らしを 損なわない |
| 17 目標はつながっている | 例: 教育が進むと 貧困 も減る |
| 発展 途上国だけの課題ではない | 日本 も達成すべき目標 |
ポイント: SDGs の目標を達成するために、 私たちが今できることもたくさんあります。 例: ごみを減らす (目標 12)、 食べ残しをしない (目標 2)、 友だちと 仲 良くする (目標 16)、 節 電・節水 (目標 6・7・13) など。
世界 には、 1 つの国だけでは 解決 できないさまざまな課題があります。
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 貧困 と 飢餓 | 世界 で約 7 億人が 1 日 2.15 ドル 未満 で暮らす (2024 年推定) |
| 気候変動 | 地球温暖化で海水面上昇・極 端 な気象 |
| 難民 と 紛争 | 戦争 や 迫害 で 故郷 を 離れた人は 世界 で約 1 億人を 超える (U N H C R 2023 年報告) |
| 人権 とジェンダー | 子どもの 労働、 女子の教育機会の不平等 |
| 感染 症 | 新型 コロナウイルスのように国をこえて広がる病気 |
| 海洋 プラスチック | プラスチックごみが海を 汚し、 海洋生物を苦しめる |
国際のニュースを見るときは、 1 つの立場だけではなく、 いくつもの 視点 から 考えることが大切です。
| 視点 | 問い |
|---|---|
| その国の立場 | なぜその国はその行動を取ったのか |
| 相手 の国の立場 | 相手 の国はどう感じているか |
| 国際機関の立場 | 国際連合 はどう見ているか |
| そこに住む人の立場 | 普通 の人や子どもはどう感じているか |
| 歴史的な 背景 | 過去 に何があったのか |
大事: 国際ニュースでは、 「どちらかが 完全 に悪い」 と決めつけることは 危ないことです。 戦争 や 紛争 には必ず 複数 の立場と 歴史があります。 「なぜこのことが起きたか」 を 多 角的に 知ろうとする 姿勢 が大切です。
この章で学んだことをふりかえりましょう。
国際の出来事を知るとき、 私たちの身近にも気をつけたいことがあります。
| 心がけ | 内容 |
|---|---|
| 1 つの情報だけで決めつけない | テレビ・新聞・インターネットで 複数 の情報源 を 確認 する |
| 特定 の国や民族を 差別 しない | 「○ ○ 人だから悪い」 と決めつけない。 一人ひとりの 人権 を尊重 |
| 戦争 の写真や映像で心が苦しくなったとき | 大人に 相談 する。 つらいときは見なくてもよい |
| S N S の情報は 確かめる | フェイクニュース (うその情報) も多い。 信頼できるニュース 元 かどうか 確認 |
| 言葉の 違いを楽しむ | 英語やほかの言葉を学ぶことは、 別の国を理解する第一歩 |
| 災害 や 紛争 への 寄付 | 必ず 大人と一緒 に、 信頼できる N G O や機関を 確認 してから |
大事: 国際社会の課題は 「遠い国の話」 ではありません。 例えば、 私たちが食べるチョコレートの原料であるカカオは、 アフリカの子どもが 厳しい労働で育てていることがあります。 私たちの 1 つの買い物が 世界 とつながっています。 この 「つながり」 を 意識 することが、 国際人として生きる第一歩です。
6 年生の社会を学び終えて: 1 年間で 「政治・歴史・国際」 の 3 つの柱を学んできました。 中学校ではこれらをさらに深く学びます。 「なぜこうなったのか」 「どうしたら良いか」 を多角的に考え続ける姿勢が、 これからのみなさんの大きな力になります。