この章で学ぶこと
第 10 章は 5 年生社会 のまとめ です。 この 1 年で学んだことを 5 つのテーマ に整理し、 日本の 強み と 課題 を多面的 にふりかえります。 そして、 6 年生で学ぶ 政治 と歴史 へと学びをつなげます。
- 5 年生で学んだ 5 つのテーマ をふりかえる
- 日本の 強み (技術・伝統・自然・教育) を整理する
- 日本の 課題 (少子高齢化・食料自給率・公害の教訓・災害) を整理する
- SDGs (持続可能 な開発目標) と 5 年生の学習 のつながりを知る
- 6 年生で学ぶ 政治 (国や地方 のしくみ) と 歴史 (古代から現代 まで) を知る
- 1 年の学びを 「5 つの見方」 で整理して、 大人に伝えられるようになる
ポイント: このまとめの章は、 「5 年生で学んだことが、 6 年生や中学・高校、 そして大人になってからも役に立つ」 ことを自分で感じられるようになるための章です。
1. 5 年生で学んだ 5 つのテーマ
5 年生の社会 は、 小学校学習指導要領 でつぎの 5 つの内容 が決められています。
5 つのテーマまとめ表
| 番号 | テーマ | 主な学んだこと |
|---|
| (1) | 国土の様子と国民生活 | 日本の位置・4 つの大きな島・地形・気候 の 6 区分 |
| (2) | 食料生産 (農業・水産業) | 米作り・野菜・果実・畜産・水産業 |
| (3) | 工業生産 | 自動車工業・太平洋ベルト・大工場と中小工場 |
| (4) | 産業 と情報 | マスメディア・POS・物流・S N S |
| (5) | 国土の自然環境 | 森林・4大公害病・自然災害・防災 |
テーマごとの大切なキーワード
(1) 国土と気候
- 位置 = アジアの東端、 北緯 20 〜 46 度
- 4 つの大きな島 = 北海道・本州・四国・九州
- 6 つの気候区 = 北海道・太平洋側・日本海側・内陸・瀬戸内・南西諸島
- 季節風 ・ 梅雨 ・ 台風
(2) 食料生産
- 米作り = 新潟・秋田・庄内平野
- 野菜 = 近郊農業・促成栽培・抑制栽培
- 畜産 = 北海道 の 酪農・九州南部の肉牛・ぶた・とり
- 水産 = 沿岸漁業・沖合漁業・遠洋漁業・つくり育てる漁業
- 食料自給率 = 約 38 % (大きな課題)
(3) 工業生産
- 中京工業地帯 = 自動車工業 の中心
- 太平洋ベルト = 工業地帯 が集中する地域
- 重工業 (鉄鋼・化学) と 軽工業 (繊維・食品)
- 中小工場 = 高い技術 を持つ 「日本のものづくりの土台」
(4) 産業 と情報
- マスメディア = テレビ・新聞・ラジオ・インターネット
- POS システム = コンビニでの在庫管理
- 物流 = 港 → トラック → 倉庫 → 店 → 家
- 情報化の課題 = フェイクニュース・個人情報
(5) 国土の自然環境
- 森林 = 国土の 3 分の 2、 緑のダム
- 4大公害病 = 水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病・四日市ぜんそく
- 環境基本法 (1993)
- 自然災害 = 地震・津波・台風・豪雨・火山噴火
- ハザードマップ・自助・共助・公助
ポイント: この 5 つのテーマは すべてつながっています。 例えば、 「国土 に山が多く川が短い → 食料生産 で米を作れる平野が限られる → 工業 が海岸部に集中 → 工場が出す排気 が 公害 と災害 のリスクを大きくする」 — 1 つのテーマだけを見るのではなく、 つながりで見ることが大切です。
2. 日本の強み と課題
5 年生で学んだことから、 日本の 強み と 課題 を整理してみましょう。
強み (4 つ)
| 強み | 内容 | 関連 する章 |
|---|
| 高い技術 | 自動車・電気機器・新幹線・ロボット | 第 6・7 章 |
| 長い伝統 と文化 | 和食・伝統工芸・神社・寺 | 第 4・7 章 |
| 豊かな自然 | 4 つの季節・森林・海・温泉 | 第 2・9 章 |
| 教育 と治安 の良さ | 全員が学校 へ通える・犯罪 が少ない | 第 1・8 章 |
課題 (5 つ)
| 課題 | 内容 | 関連 する章 |
|---|
| 少子高齢化 | 子どもが減り、 65 歳以上が増える | 全章 |
| 食料自給率 の低さ | 食べ物の 6 割を輸入 | 第 3・4・5 章 |
| 公害の教訓 | 4大公害病 を二度 と起こさない | 第 9 章 |
| 自然災害 の多さ | 地震・台風・豪雨 | 第 9 章 |
| 情報化の影響 | フェイクニュース・個人情報・S N S 依存 | 第 8 章 |
多面的 に考える (3 つの例)
例 1 : 食料自給率 が低いこと
- 悪い点 = 外国 との関係 が悪くなると、 食べ物が入らなくなる
- 良い点 = 安くて種類 の多い食べ物が手に入る、 国際交流 が進む
- 解決策: 地産地消・農業 の担い手を増やす・食育
例 2 : 少子高齢化
- 悪い点 = 働く人が減る、 年金 や医療 の負担 が増える
- 良い点 = お年寄りの知恵 や経験 を生かせる、 子ども 1 人 1 人を大切にできる
- 解決策: 子育て支援・働きやすい社会・外国 からの助け手
例 3 : 自然災害 の多さ
- 悪い点 = 命や財産 が失われる
- 良い点 = 防災の知識 と技術 が世界一高い、 国際協力で役立つ
- 解決策: ハザードマップ・避難訓練・緊急地震速報
ポイント: 1 つのことを 「良い・悪い」 だけで決めるのではなく、 両方 から見て、 解決策まで考える — これが 5 年生で育ててきた 「社会 を見る力」 です。
3. SDGs と 5 年生の学習
SDGs (S u s t a i n a b l e D e v e l o p m e n t G o a l s = 持続可能 な開発目標) は、 2015 年に国連 で決められた 17 個の世界 の目標 です。 2030 年までに達成することをめざしています。
5 年生の学習 と強くつながる S D G s
| 目標 | 関連章 | つながり |
|---|
| 2 飢餓 をゼロに | 第 3・4・5 章 | 食料生産 と自給率 |
| 8 働きがいと経済成長 | 第 6・7 章 | 工業 とものづくり |
| 9 産業 と技術革新 | 第 6・7・8 章 | 自動車工業・情報化 |
| 11 住み続けられるまちづくり | 第 9 章 | 防災・減災 |
| 12 つくる責任 つかう責任 | 第 4・8 章 | 地産地消・3R |
| 13 気候変動に対策 を | 第 9 章 | 地球温暖化 |
| 14 海の豊かさを守ろう | 第 5 章 | つくり育てる漁業 |
| 15 陸の豊かさも守ろう | 第 9 章 | 森林 と 林業 |
自分にできること
- 食品 ロスを減らす (給食 を残さず食べる)
- 節電・節水 (使わない電気を消す、 水を出しっぱなしにしない)
- 3R を心掛ける (リデュース・リユース・リサイクル)
- 地産地消 = 近くで取れた食材を選ぶ
- マイバッグ・マイボトル を使う
- 災害 にそなえる (家族と避難場所を確かめる)
- 正しい情報を選ぶ (S N S で見たことをすぐ信じない)
4. 6 年生で学ぶこと — 政治 と 歴史
6 年生の社会 は、 大きく 2 つの内容 に分かれます。
(1) 政治 (国と地方 のしくみ)
- 日本国憲法 = 日本の国のいちばんのルール (1947 年 5 月 3 日施行)
- 三権分立 = 国会 (法律 を作る) ・ 内閣 (法律 を実行する) ・ 裁判所 (法律 を守らせる)
- 選挙 = 18 歳以上が投票 する
- 地方自治 = 都道府県や市町村のしごと
- 税金 = みんながお金を出し合い、 公共 サービスを受ける
(2) 歴史 (古代から現代 まで)
5 年生で学んだ 「今の日本」 が、 どのように作られてきたかを、 古い順に学びます。
| 時代 | 主な出来事 |
|---|
| 縄文・弥生 | 米作りの始まり |
| 古墳・飛鳥時代 | 聖徳太子・大化の改新 |
| 奈良・平安時代 | 都が作られる・貴族 の文化 |
| 鎌倉・室町時代 | 武士の政治・元寇 |
| 戦国・安土桃山時代 | 信長・秀吉・家康 |
| 江戸時代 | 鎖国・町人の文化 |
| 明治時代 | 開国・近代化・明治維新 |
| 大正・昭和 (戦前) | 第一次・第二次世界大戦 |
| 昭和 (戦後)・平成・令和 | 復興・高度経済成長・現代 |
5 年生と 6 年生のつながり
- 5 年生の 「国土・産業」 → 6 年生の 「どうやってこの国ができたか (歴史)」
- 5 年生の 「情報・公害・災害」 → 6 年生の 「国のしくみ (政治) でどう解決 するか」
- 5 年生で学んだ 食料自給率・少子高齢化 などの課題 は、 6 年生で 政治 でどう取り組むかを考えます
ポイント: 5 年生で学んだ 「今の日本」 を、 6 年生で 「過去 から見た日本」 と 「国のしくみで動く日本」 として、 さらに深く学びます。
5. 1 年のふりかえり — 大切な 7 つの 「見方」
最後に、 5 年生で育ててきた 「社会 を見る力」 を、 7 つのキーワードでふりかえりましょう。
7 つの見方
- 位置 と広がり — どこにあるか、 どこまで広がるか
- 時の流れ — 昔・今・これから、 どう変わってきたか
- つながり — 1 つのことが別のこととどう関係 するか
- くらべる — 同じ・ちがい・特色
- 立場を変える — 作る人・売る人・買う人・国の人・外国 の人
- 数字で見る — 統計・グラフ・地図
- 解決 を考える — 課題 に対して何ができるか
この力を使ってみよう (例)
「スーパーで売られているバナナ」 を 7 つの見方で考える
- 位置 = どこで取れた? (フィリピン・エクアドル)
- 時の流れ = 昔は高級品、 今は安くて毎日食べられる
- つながり = 船で運ばれ、 港 → トラック → 店
- くらべる = 国産のくだもの (りんご・みかん) と値段・季節 をくらべる
- 立場 = 農家・運び手・売り手・買い手・産地 の人のくらし
- 数字 = 1 房 198 円・食料自給率 (果実) は約 40 %
- 解決 = 国産のくだものも同じぐらい食べる、 食品ロスを減らす
ポイント: 「あたりまえに見えるもの」 を、 立場を変えて考える — これが 5 年生で身につけたいちばん大切な力です。 中学・高校で学ぶ 「地理・歴史・公民」 の土台 になります。
まとめ
- 5 年生の社会 は 5 つのテーマ (国土・食料生産・工業・情報・自然環境) を学んだ
- 日本には 強み (技術・伝統・自然・教育) と 課題 (少子高齢化・自給率・公害・災害) の両方 がある
- 学んだことは SDGs と強くつながり、 自分でできることがたくさんある
- 6 年生では 政治 と 歴史 を学び、 5 年生で学んだ 「今の日本」 をより深く理解 する
- 7 つの見方 (位置・時・つながり・くらべる・立場・数字・解決) は大人になっても役立つ
学んだことを家族と話そう
5 年生で学んだことを、 ぜひ 家族 と話してみてください。 学んだことを 誰かに伝える ことで、 自分の中にも深く残ります。
話すときの 5 つのヒント
- 「いちばんおもしろかったことは ◯ ◯」 — 1 つ選んで話す
- 「実は知らなかった」 — 大人も知らないことを教える (例: 食料自給率 が 38 %)
- 「家でできることがある」 — 食品ロス・節電・3R
- 「災害 のそなえを一緒に確かめよう」 — ハザードマップ や避難場所
- 「今度 ◯ ◯ に行ってみたい」 — 産地 や工場、 防災センター
6 年生への心の準備
- 歴史 は物語のように楽しい — 戦国武将・幕末 の志士など
- 政治 はみんなのくらしに関係 する — 税金・選挙・憲法
- 5 年生で学んだ産業 や環境 の知識 が、 6 年生の政治 と歴史 の 理解 を深く する
最後に: 社会 の学習 は、 「自分が住む国を、 自分で考える力」 を育てるためのものです。 5 年生で学んだことを大切に、 6 年生でもさらに深く、 自分と社会 とのつながりを考えていきましょう。
安全 と マナー の約束 (1 年の学びを生かす)
5 年生で学んだことは、 6 年生だけでなく、 大人になってからも 役に立ちます。 最後に、 1 年をふりかえって大切にしたいことをまとめます。
- 学んだことを忘れない — ノートや教科書を取っておき、 時々見返す
- 家族 と共有 — 学んだことを家で話すと、 大人も学び直せる
- テレビや新聞のニュースを見る — 5 年生で学んだことが出てくる (米の値段・自動車・公害・災害・S D G s)
- 災害 へのそなえ — 非常持ち出し袋・ハザードマップ を 1 年に 1 回確かめる
- 食べ物を残さない — 食料生産 の大切さを忘れない
- 正しい情報を選ぶ — S N S で見た話をすぐ信じない、 いくつかの情報源を確かめる
- 自然 を大切に — ごみを捨てない、 3R を心掛ける
- 人の立場を考える — 公害で苦しんだ人、 災害 に遭った人、 産地 や工場で働く人に思いをよせる
6 年生のあなたへ: 5 年生で学んだことは、 すべて 6 年生で学ぶ政治 と歴史 の土台 になります。 自信 を持って、 つぎの学びに進んでください。 1 年間、 よくがんばりました。
まとめ — 5 年生の社会のまとめを 3 行で
- 5 年生では 国土・食料生産・工業・情報・自然環境 の 5 つのテーマを学んだ。日本の強みと課題を多面的に見られるようになった。
- 学んだことは SDGs(持続可能な開発目標)と強くつながり、自分でできる取り組み(食品ロスを減らす・地産地消など)がたくさんある。
- 6 年生では 政治と歴史 を学ぶ。位置・時の流れ・つながり・くらべる・立場・数字・解決という 7 つの見方がずっと役立つ。