この章で学ぶこと
第 10 章は、 第 9 章の 「昔のくらし」 を受けて、 自分の 市全体 が 100 年でどう変わったかを学びます。
- 人口 の変化 (子ども・大人・お年寄り のわり合い) を知る
- 交通 の変化 (馬車 → 蒸気機関車 → 電車・新幹線) を知る
- 町並み の変化 (田畑 → 住宅地 → ビル) を知る
- 産業 の変化 (農業中心 → 商店・工場・サービス業) を知る
- これからの 市を考える (子ども・高齢者・環境 にやさしい町)
ポイント: 「市の移り変わり」 を知ることは、 「これからの自分たちがどんな市を作るか」 を考えることにつながります。 過去を知ることで、 未来を見通す力が育ちます。 この章は 3 年生の社会科の 総まとめ です。
1. 人口の変化
「人口」 とは、 その市に住む 人の数 です。 100 年で大きく変わったことがあります。
全国の人口の変化
| 年 | 全国の 人口 |
|---|
| 1920 年 (大正 9 年) | 約 5600 万人 |
| 1950 年 (昭和 25 年) | 約 8400 万人 |
| 1970 年 (昭和 45 年) | 約 1 億 400 万人 |
| 2000 年 (平成 12 年) | 約 1 億 2700 万人 |
| 2020 年 (令和 2 年) | 約 1 億 2500 万人 (少し減り始め) |
人口が増えた理由と減り始めた理由
| 時期 | 増えた / 減った | 理由 |
|---|
| 100 年前 〜 50 年前 | 増えた | 医学が進んで子どもが元気に育つようになった |
| 50 年前 〜 20 年前 | 増え続けた | 仕事が増え、 都会に集まった |
| 20 年前 〜 いま | 増加は止まった | 子どもの数が減った (少子化) |
| いま 〜 これから | 減ると 予想 | 少子化 と 高齢化 が進んだ |
年れい別のわり合いの変化
100 年前と今では、 「子ども・大人・お年寄り」 のわり合い が大きく変わりました。
| 年れい | 100 年前 (大正) | いま | これから |
|---|
| 子ども (0 〜 14 歳) | 約 36 % | 約 12 % | 約 10 % |
| 大人 (15 〜 64 歳) | 約 59 % | 約 59 % | 約 53 % |
| お年寄り (65 歳以上) | 約 5 % | 約 29 % | 約 37 % |
少子化と高齢化
| 言葉 | 意味 |
|---|
| 少子化 | 子どもの数が減ること |
| 高齢化 | お年寄り のわり合いが増えること |
| 少子高齢化 | 両方が同時に起きること |
都会と 田 舎 のちがい
| 場しょ | 人口の変化 |
|---|
| 大都会 (東京・大阪・名古屋) | 増え続けている (人が集まる) |
| 地方都市 (中ぐらいの市) | だいたい同じ |
| 田 舎 (山や海の近くの村) | 減っている (過疎化) |
大事: 少子高齢化 が進むと、 「働く大人 に 比べて 守ってあげる人 (お年寄り・子ども) が増える」 という問題 が出てきます。 これをどう解決 するかが、 これからの市の大切な 課題 です。
2. 交通の変化
交通 も 100 年で大きく変わりました。 「早く・遠く・大量に」 がキーワードです。
交通の進化の順番
| 時代 | 主な交通 |
|---|
| 大正 〜 昭和初期 | 歩く・馬車・人力車・自転車・路面電車 |
| 昭和 30 年ごろ | 蒸気機関車・バス・自動車 (お金持ちだけ) |
| 昭和 40 年ごろ | 新幹線 開通 (1964 年・東京 - 大阪) |
| 昭和 50 年ごろ | 自動車が各家に 1 台 (マイカー時代) |
| 平成 〜 いま | 新幹線 が全国に・飛行機 が安く |
100 年前と今の比較
| 場面 | 100 年前 | いま |
|---|
| 東京 〜 大阪 (約 500 km) | 1 日かかる (蒸気機関車) | 2 時間半 (新幹線) |
| 東京 〜 北海道 (約 1000 km) | 数日 (船 + 列車) | 1 時間半 (飛行機) |
| 隣 の市へ | 歩いて半日 | 車で 30 分 |
| 学校まで | 歩いて 1 時間 | 歩いて 10 分・自転車 |
| 東京 〜 ロンドン | 船で 1 ヵ月 | 飛行機 で 12 時間 |
自動車の増加
| 年 | 全国の自動車の数 |
|---|
| 1950 年 | 約 30 万台 |
| 1970 年 | 約 1800 万台 |
| 2000 年 | 約 7000 万台 |
| 2020 年 | 約 8200 万台 |
新しい交通の動き
| 動き | くわしく |
|---|
| 電気自動車 | ガソリンを使わず電気で走る |
| ハイブリッドカー | ガソリンと電気の両方 |
| 自動運転車 | 人がハンドルを持たなくても走る |
| コミュニティバス | お年寄りのための小さなバス |
| ライドシェア | 同じ方向の人と車を共有 |
ポイント: 交通 の進化で 「遠い所が近くなった」 ことは良い面ですが、 同時に 「車の 排気 ガスで 空気 がよごれる」 などの問題 も出てきました。 そこで 電気自動車 が増えてきています。
3. 町並みの変化
町並み とは、 まちの 建物物や道の様子 です。 100 年で大きく変わりました。
町並みの変化の流れ
| 時代 | 様子 |
|---|
| 大正 | ほとんどが田畑、 木の家ばかり、 道は 砂利道 |
| 昭和初期 | 駅の 周りに商店街ができる、 木の家 |
| 昭和 40 年 〜 | 田畑が住宅地になる、 アスファルト の道 |
| 昭和 50 年 〜 | マンション・ビルが建つ、 大きな道路 |
| 平成 〜 いま | 駅前に高い タワーマンション、 ショッピングモール |
100 年前と今の比較
| 場しょ | 100 年前 | いま |
|---|
| 駅前 | 田畑・小さな商店 | ビル・ショッピングモール・タワーマンション |
| 学校の 周り | 田畑ばかり | 住宅地 |
| 道路 | 砂 利 道・1 車 線 | アスファルト・4 車 線 |
| 家 | 1 階建ての木の家 | 2 階建て・マンション |
| 店 | 木の商店 (1 階だけ) | コンクリートの大きな店 |
| 公園 | あまりない | 子ども公園・大きな公園 |
町並みが変わった理由
| 理由 | くわしく |
|---|
| ① 人口が増えた | 多くの人が住む家が必要 になった |
| ② 農業をする人が減った | 田畑が 住宅地 になった |
| ③ 会社が増えた | オフィスビルが必要 に |
| ④ 車が増えた | 大きな道路・駐車場 が必要 に |
| ⑤ 大きな店ができた | 個人商店が減り、 ショッピングモール に |
これからの町並みの課題
| 課題 | くわしく |
|---|
| 空き家問題 | お年寄り が亡くなって住む人がいない家が増える |
| シャッター街 | 商店街の店が閉まったまま |
| 地震 に強いまち | 古い木の家を強くする |
| 緑 の少なさ | 公園や 街路樹 を増やす |
| バリアフリー | 段差をなくす (お年寄り・車椅子 の人のため) |
大事: 町並みは 「新しい物が良い」 とは限りません。 歴史 ある古い 町並み を大切に残している市もあります。 古い物と新しい物の バランス が大切です。
4. 産業の変化
「産業」 とは、 その市で 何を作り、 何で働いているか を表します。
産業の 3 つの種類
| 名前 | 中身 | 例 |
|---|
| 第一次産業 | 自然 から物を取る | 農業・林業・漁業 |
| 第二次産業 | 取った物を 加工 する | 工場・建設 |
| 第三次産業 | サービスをする | 店・銀行・学校・病院・運送 |
100 年前と今の産業別の働く人
| 産業 | 100 年前 (大正) | いま |
|---|
| 第一次 (農業など) | 約 53 % | 約 3 % |
| 第二次 (工場など) | 約 21 % | 約 23 % |
| 第三次 (サービス業) | 約 26 % | 約 74 % |
産業の変化の流れ
| 時代 | 中心となった産業 |
|---|
| 大正 | 農業 (ほとんどの人が田畑で働く) |
| 昭和初期 〜 中期 | 工場 (繊維・鉄鋼・自動車) |
| 昭和後期 〜 平成 | サービス業 (店・銀行・運送) |
| いま 〜 | 情報 産業 (IT・インターネット) |
自分の市の産業を知る方法
| 方法 | くわしく |
|---|
| ① 市役所の ホームページ | 「○ ○ 市の産業」 で検索 |
| ② 商工会議所 | 市の会社の集まり |
| ③ 農協 (J A) | 農家の集まり |
| ④ 漁協 | 漁師の集まり |
| ⑤ 特産品 を調べる | その市の名産 |
特産品の例 (一般的な種類)
| 種類 | 例 |
|---|
| 農産物 | お米・野菜・果物 |
| 水産物 | 魚・貝・のり |
| 工業製品 | 自動車・電気製品・繊維 |
| 伝統工芸品 | 焼き物・染め物・木工 |
| 食文化 | 郷土料理・お菓子 |
ポイント: 産業 の変化は 生活の変化 とつながっています。 「農業中心」 から 「サービス業中心」 になったので、 多くの人が 会社・店・病院・学校で働くようになり ました。 「サービス」 とは、 物を売る・運ぶ・教える・治すという 「人が人にする仕事」 です。
5. これからの市を考える
過去と現在を知ったら、 これからの市がどんなふうであってほしいかを考えてみましょう。
これからの市の課題
| 課題 | くわしく |
|---|
| 少子高齢化 | 子どもが減り、 お年寄り が増える |
| 空き家 が増える | 住む人のいない家 |
| 商店街 の 衰 退 | 個人商店が減る |
| 環境問題 | ごみ・排 気 ガス・地球温暖化 |
| 災害 | 地震・台風・大雨 |
| 交通 不 便 | バスが少ない 田 舎 |
これからの市で大切にしたいこと
| 視 | くふう |
|---|
| 子どもにやさしい | 安全な通学路・遊び場・保 育園 |
| お年寄り にやさしい | バリアフリー・コミュニティバス・病院 |
| 環境 にやさしい | 太陽光発電・ごみ分別・緑 を増やす |
| 災害 に強い | 古い家を強く・防災マップ・避難場しょ |
| 交通 が 便 利 | バス・電車・コミュニティバス |
| 産業 が元気 | 新しい仕事・特産品 を売り出す |
自分にできること
3 年生のわたしたちでも、 まちのためにできることがあります。
| こと | やり方 |
|---|
| ① ごみ を 拾う | 公園や通学路 |
| ② 挨拶 する | 近所の人と顔見知りに |
| ③ 節水 と 節電 | 水と電気を大切に |
| ④ リサイクル に協力 | 紙・びん・缶 を分別 |
| ⑤ お年寄りを助ける | 道を 譲る・席を 譲る |
| ⑥ 市のお祭りに参加 | 伝統行事 を守る |
| ⑦ 市役所や図書館を大切に | みんなが使う場しょ |
未来の市を 絵 に 描いてみよう
100 年後の自分たちの市がどんなふうであってほしいか、 絵 に 描いてみましょう。 つぎのような 視 がヒントになります。
| 視 | こんな市であってほしい |
|---|
| 建物物 | 高いビル・低い家どちらもある |
| 緑 | 公園や木がたくさん |
| 交通 | バス・電気自動車・自転車 |
| エネルギー | 太陽光発電・風力発電 |
| 人 | 子どもも お年寄り も元気 |
| 文化 | お祭りや 伝統行事 が続く |
大事: まちは わたしたちが作る ものです。 大人 だけが作るのではありません。 これから大人 になる子どもたちが 「どんな市がいいか」 を考える ことから始まります。 この章を学んだあなたは、 もう 「まちを作る人」 の 1 人です。
6. ふりかえりと安全配慮
この章のチェックリスト
古い写真や資料を見るときのマナー (大事)
郷土資料館 や図書館で古い写真や資料を見るときは、 つぎのことを守りましょう。
| マナー | なぜ |
|---|
| ① 触らない | 古い写真は紙が弱く 破れやすい |
| ② 写真撮影 は許可を取る | 著作権があるものも |
| ③ 静かに見る | みんながゆっくり見られるように |
| ④ 写真の向きを変えない | 元の状態を保つ |
| ⑤ 食べ物・飲み物を持ち込まない | 汚さない |
| ⑥ 筆 やペンを近づけない | インクがつくと消えない |
| ⑦ 写真の中に写っている人を 指 さして 笑わない | その人や家族が大切にしている写真 |
| ⑧ 写真を借りたら大切に扱う | 1 枚しかない 貴 重品 |
古い物を大切にする心
郷土資料館 や図書館にある古い写真・道具・地図は、 わたしたちのまちの歴史 を教えてくれる大切な宝物です。 「100 年前の人が残してくれた」 という気持ちで大切に見ましょう。
| 大切にする理由 | くわしく |
|---|
| ① 二度と戻らない | 1 枚しかないことが多い |
| ② 未来の子どもも見る | 100 年後の子どもも見られるように |
| ③ 歴 史 の証拠 | 文字だけではなく写真があるからわかる |
| ④ 作った人への感謝 | 当時の人が大切に残した |
大事: わたしたちの まち は、 100 年かけて多くの人が力を合わせて作り上げたものです。 消防士・警察官・店員・お年寄り・農家・工場で働く人・市役所 の人 — みんなが それぞれの場しょで 努 力 してきました。 この章で学んだことを大切に、 これからも 「まちを知り、 まちを大切にする心」 を育てていきましょう。
3 年生社会を終えて: 全 10 章を通して、 「地図の読み方」「生産と販売の仕事」「まちの安全」「まちの移り変わり」 を学んできました。 4 年生ではさらに広く 「わたしたちの県 (県全体)」 を学びます。 3 年生で学んだ 「地図を読む力」 と 「観察・聞き取りの仕方」 が役立ちます。 自分のまちを大切に思う気持ちを、 ずっと持ち続けてください。