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新聞やニュースで、こんな書き方を見たことはありませんか。
「ちょうど 42948 人」とか「ちょうど 123,456,789 人」と細かく書いてもいいのですが、それよりも 大ざっぱな数で伝えた方が、大きさが一目でわかります。こういう、細かい数を省いて表した数を がい数(概数)と言います。
この章がおわるころには、つぎのことができるようになっています。
ポイント: がい数は「手抜き」ではありません。大きさを伝えやすくするための工夫です。スーパーで「全部で 1000 円ぐらい」と頭の中で計算できると、お金が足りるかどうかすぐ判断できますね。
全校児童の数を書くとき、いつも「ちょうど 423 人」と正確に書く必要があるでしょうか。転校生が来たり、卒業生がいたりすると、来週には 422 人になっているかもしれません。
そんなとき、「約 400 人」と書けば、多少の増減があっても使える便利な表し方になります。これが がい数 です。
| 場面 | ぴったりの数 | がい数の例 |
|---|---|---|
| 学校の児童数 | 423 人 | 約 400 人 |
| 町の人口 | 28,547 人 | 約 3 万人(または 2 万 9000 人) |
| 本のページ数 | 247 ページ | 約 250 ページ |
| 国の予算 | 1,247,832 億円 | 約 125 兆円 |
どれも「正確な数ではないけれど、400 に近い数」という意味です。書き方はちがっても、同じことを表しています。
ポイント: がい数は 大きさを伝えるときと 計算の答えを見積もるときの2つの場面で活躍します。
がい数を作る前に、大切な言葉を3つ覚えましょう。
「5以上」といえば、5 と同じか、5 より大きい数のことです。5 そのものをふくみます。
「5以下」といえば、5 と同じか、5 より小さい数のことです。こちらも 5 そのものをふくみます。
「5未満」といえば、5 より小さい数のことです。5 そのものはふくみません。ここが 以下 とのちがいです。
| 言い方 | 意味 | 5 はふくむ? |
|---|---|---|
| 5 [[以上 | いじょう]] | 5、6、7、8、… |
| 5 [[以下 | いか]] | 5、4、3、2、… |
| 5 [[未満 | みまん]] | 4、3、2、1、… |
| 5 より大きい | 6、7、8、… | × ふくまない |
| 5 より小さい | 4、3、2、… | × ふくまない |
注意: 「以下」と「より小さい」は似ているようでちがいます。「以下」はその数をふくむ、「より小さい」はふくまない。未満 は「より小さい」と同じ意味です。
やってみよう: 「7 以上 10 未満の数」を全部書きましょう。
答え:7、8、9(7 はふくむ、10 はふくまない)
がい数を作る方法には、おもに3つあります。
ある位より下の数を、ぜんぶ 0 にする方法です。たとえば 4327 を百の位までのがい数にする場合、十の位より下を消して 4300 にします。
4327 → 4300(百の位までの[[切り捨て|きりすて]])
↑
十の位より下を 0 に
ある位より下に1でも数があれば、上の位を1増やして、下を 0 にする方法です。たとえば 4327 を百の位までのがい数にする場合、4400 にします。
4327 → 4400(百の位までの[[切り上げ|きりあげ]])
↑
下に 27 があるので、43 を 44 にする
四捨五入 は、すぐ下の位の数を見て、4 以下なら切り捨て、5 以上なら切り上げる方法です。一番よく使われます。
すぐ下の位が 0、1、2、3、4 → [[切り捨て|きりすて]]
すぐ下の位が 5、6、7、8、9 → [[切り上げ|きりあげ]]
例 4327 を百の位までの 四捨五入 でがい数にしてみましょう。
例 4372 を百の位までの 四捨五入 でがい数にしてみましょう。
ポイント:四捨五入 は「4 までは捨てる、5 からは上げる」と覚えると簡単です。これだけで、たいていのがい数が作れます。
| 方法 | いつ使う? | 例 |
|---|---|---|
| [[切り上げ | きりあげ]] | お金が足りるか心配なとき |
| [[切り捨て | きりすて]] | お金が残るかを控えめに見るとき |
| [[四捨五入 | ししゃごにゅう]] | ふつうにがい数を作るとき |
「千の位までのがい数にしなさい」と言われたら、どうすればいいのでしょうか。
千の位まで残したいので、そのすぐ下の位=百の位を 四捨五入 します。
4 2 9 4 8
↑ ↑ ↑
万 千 百 ← この百の位を見る
↑
9 → [[切り上げ|きりあげ]]
→ 43000
ポイント: 「○○の位までのがい数」と言われたら、そのすぐ下の位を 四捨五入 します。千の位までなら百の位、百の位までなら十の位を見るのです。
同じ考え方で、もっと大きな数のがい数も作れます。
「上から○けたのがい数」という言い方もよく出ます。
一番上の位だけ残し、その下の位を 四捨五入 します。
例 6438 → 上から1けた
例 7892 → 上から1けた
上から2つの位を残し、その下の位(上から3けた目)を 四捨五入 します。
例 4372 → 上から2けた
例 53819 → 上から2けた
注意: 「上から1けた」「上から2けた」は、0 から数えないように気をつけてください。たとえば 0.043 のような小数では話がちがいますが、4年生でならう整数では、一番上の数字(0 ではない)から数えます。
買い物の場面で、合計のお金がだいたいいくらになるかを計算することを 見積もりといいます。
文ぼう具店で次の3つを買います。1000 円札で足りるでしょうか。
ぴったり計算すると、368 + 422 + 185 = 975 円。でも、店で頭の中ですばやく計算したいですね。
それぞれを百の位までのがい数にします。
合計:400 + 400 + 200 = 1000 円
「だいたい 1000 円ぐらい」とわかります。
「足りるかどうか心配」なら、大きく見積もるのが安全です。百の位までの 切り上げ にしてみましょう。
合計:400 + 500 + 200 = 1100 円
「切り上げ で見積もって 1100 円なので、1000 円札では 足りないかもしれない」と判断できます。
ポイント:切り上げ で見積もった金額に達するなら、ぴったり計算しても 未満になることが多いです。お金の心配がある場面では 切り上げ で大きく見積もるのがコツです。
例 38540 + 24716 を見積もる
千の位までのがい数で計算します。
合計(見積もり):39000 + 25000 = 64000
ぴったりは 63256 なので、ほぼ正しい見積もりが作れています。
見積もりはたし算だけではありません。ひき算・かけ算・わり算でも使えます。
例人口の差を見積もる:A 市は 56432 人、B 市は 28197 人。A 市は B 市より何人多いか見積もりましょう。
千の位までのがい数で。
差(見積もり):56000 − 28000 = 28000 人
「約 2 万 8000 人ちがう」とすぐ言えます。
例 1 箱 387 円のおかしを 18 箱買うと、合計いくら?
上から1けたで 四捨五入 します。
積(見積もり):400 × 20 = 8000 円
「だいたい 8000 円ぐらい」とわかります(ぴったりは 6966 円)。
例 5832 円を 29 人で同じ金額ずつ出し合う。1 人いくらか見積もりましょう。
上から1けたで。
商(見積もり):6000 ÷ 30 = 200 円
「1 人約 200 円」とすぐにわかります。
ポイント:見積もりは 大きな計算間ちがいを防ぐのにも役立ちます。ぴったり計算したあとに「見積もりとあまりに違わないか」を確かめると安心です。
ここからは、計算をもっと楽にするための「計算のきまり」を学びます。まずは 交換法則。
たし算では、たす順番を入れかえても答えはおなじです。
4 + 7 = 11
7 + 4 = 11 → どちらも 11
これを式で書くと、
□ + △ = △ + □
たとえば、3 + 8 + 7 を計算するとき、3 + 7 を先に計算すると 10 になり、その後 8 をたすとちょうど 18 になります。順番を変えたほうが速く計算できる場面があるのです。
かけ算でも同じことが成り立ちます。
4 × 7 = 28
7 × 4 = 28 → どちらも 28
式で書くと、
□ × △ = △ × □
注意: ひき算とわり算では、順番を入れかえると答えがちがってしまうので、交換法則 は使えません。10 − 3 = 7 ですが、3 − 10 は 4 年生のはんいでは計算できません。
3つ以上の数のたし算(または、かけ算)では、どこから先に計算してもよいというきまりがあります。これを 結合法則 と言います。
(2 + 3) + 5 = 5 + 5 = 10
2 + (3 + 5) = 2 + 8 = 10 → どちらも 10
式で書くと、
(□ + △) + ○ = □ + (△ + ○)
(2 × 5) × 3 = 10 × 3 = 30
2 × (5 × 3) = 2 × 15 = 30 → どちらも 30
式で書くと、
(□ × △) × ○ = □ × (△ × ○)
3つ目のきまりは、かけ算と たし算(またはひき算)が組み合わさった式で使えます。
計算の順番どおりに、まず ( ) の中をすませると、
4 × (3 + 5) = 4 × 8 = 32
同じ答えを、こんな計算でも出せます。
4 × 3 + 4 × 5 = 12 + 20 = 32
つまり、
□ × (△ + ○) = □ × △ + □ × ○
ひき算でも同じです。
□ × (△ − ○) = □ × △ − □ × ○
例 102 × 7 を暗算したいとき。
そのままだと難しいですが、102 = 100 + 2 と考えれば、
102 × 7 = (100 + 2) × 7 = 100 × 7 + 2 × 7 = 700 + 14 = 714
筆算しなくても頭の中で計算できます。
ポイント:分配法則 は 大きな数を「ちょうどよい数」と「残り」に分けて計算するときにとても便利です。98 × 5 = (100 − 2) × 5 = 500 − 10 = 490 のような計算もできます。
3つのきまりを組み合わせると、計算をぐっと楽にできます。
そのまま左から順に計算すると 25 × 4 = 100、100 × 9 = 900。これは簡単ですね。
でも、式の順番が 9 × 25 × 4 だったらどうでしょう。
「25 と 4 をペアにすると 100 になる」と気づくと、計算がとても楽になります。
| ペア | 答え |
|---|---|
| 2 × 5 | 10 |
| 4 × 25 | 100 |
| 8 × 125 | 1000 |
| 5 × 20 | 100 |
このペアを見つけたら、先に計算すると楽です。
32 = 4 × 8 と考えれば、
32 × 25 = 4 × 8 × 25 = 8 × (4 × 25) = 8 × 100 = 800
筆算しなくても 800 と出せました。
やってみよう: 16 × 25 を暗算してみましょう。
答え: 16 = 4 × 4 と考えて、16 × 25 = 4 × 4 × 25 = 4 × 100 = 400。
「千の位までのがい数」と言われたら見るのは 百の位です。「千の位の数を見て四捨五入 する」ではありません。残したい位の1つ下の位を見るのが正しいやり方です。
「5以下」は 5 をふくむ、「5 より小さい」「5 未満」は 5 をふくまない。これは国語のテストでもよく出るので、しっかり区別しましょう。
「9 × 25 × 4」を見て、左から順に計算するクセがついていると、時間がかかります。「組み合わせを変えたら楽になる場面はないか」を一度立ち止まって考えてみましょう。
次の章:次は 小数を学びます。3 年生で 0.1 までを学びましたが、4 年生では 0.01、0.001 という もっと小さい単位や、小数のたし算・ひき算・かけ算・わり算を全部やります。