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この章では、大きな数の わり算を、紙とえんぴつで計算できるようになりましょう。これを 筆算といいます。
小3 では 「九九で答えが出るわり算」 を学びました。小4 では 九九だけではすぐに答えが出ない大きな数のわり算を、「立てる → かける → ひく → おろす」の 4つの手順でとけるようにします。
この章がおわるころには、つぎのことができるようになっています。
ポイント:筆算は 「上の位から順に計算して、下の位を 1つずつおろしていく」というしくみです。手順をおぼえてしまえば、どんなに大きな数でも同じやり方でとけます。
まず、わり算の言い方を思い出しましょう。
72 ÷ 3 = 24
↑ ↑ ↑
わられる数 わる数 商(こたえ)
筆算では、これらを下のような形で書きます。
商
─────
わる数 ) わられる数
注意: たし算・かけ算とちがって、わり算は 左右を入れかえると答えがちがう。「72 ÷ 3」と「3 ÷ 72」はべつの計算です。順番に気をつけよう。
筆算の前に、まず 暗算でとけるわり算をおさらいします。
「60」は 「10 が 6こ」。それを 3 でわると…
10 が 6こ ÷ 3 = 10 が 2こぶん = 20
つまり、6 ÷ 3 = 2 の後ろに 0 を 1つつけるだけ。
「800」は 「100 が 8こ」。
100 が 8こ ÷ 4 = 100 が 2こぶん = 200
| しき | 考え方 | 答え |
|---|---|---|
| 80 ÷ 4 | 8 ÷ 4 = 2 → 20 | 20 |
| 90 ÷ 3 | 9 ÷ 3 = 3 → 30 | 30 |
| 240 ÷ 6 | 24 ÷ 6 = 4 → 40 | 40 |
| 300 ÷ 5 | 30 ÷ 5 = 6 → 60 | 60 |
| 4000 ÷ 8 | 40 ÷ 8 = 5 → 500 | 500 |
ポイント:何十・何百のわり算は 「数の部分を九九でわって、後ろの 0 をのこす」。これは筆算を始める前の 商の見当をつけるときにも使う大事な技です。
ここからが 筆算の本ばん。72 ÷ 3を例に進めていきます。
─────
3 ) 7 2
「3 で 72 をわる」という形です。わる数が左、わられる数が中。
まず 十の位の 7を 3 でわります。
3 × □ = 7 になる □ をさがす… 3 × 2 = 6(OK、7 をこえない) 3 × 3 = 9(だめ、7 をこえる)
だから 商の十の位は 2。7 の真上に 「2」を立てます。
2
─────
3 ) 7 2
立てた 2 と わる数 3をかけます。
2 × 3 = 6
その 6を 7 の下に書きます。
2
─────
3 ) 7 2
6
7 − 6 = 1。その 1 を下に書きます。
2
─────
3 ) 7 2
6
─
1
つぎの位(一の位の 2)を 下におろして来ます。
2
─────
3 ) 7 2
6 ↓
─
1 2
これで「12 を 3 でわる」という新しい計算が出てきます。
3 × □ = 12 → □ = 4。一の位に 4を立てます。
4 × 3 = 12 → 12 − 12 = 0
2 4
─────
3 ) 7 2
6
─
1 2
1 2
─
0
答えは 72 ÷ 3 = 24。あまりは 0(わり切れる)。
ポイント:筆算の 4ステップは 「立てる → かける → ひく → おろす」。これを 1セットとして、わられる数の位の数だけくり返します。声に出して 「立てる、かける、ひく、おろす」と言いながら計算するとおぼえやすいです。
| しき | 商 |
|---|---|
| 84 ÷ 4 | 21 |
| 96 ÷ 3 | 32 |
| 75 ÷ 5 | 15 |
| 91 ÷ 7 | 13 |
3けたになっても、やることは同じ。「立てる → かける → ひく → おろす」を もう 1回多くくり返すだけです。
─────────
4 ) 5 3 6
1
─────────
4 ) 5 3 6
4 ↓
─
1 3
1 3
─────────
4 ) 5 3 6
4
─
1 3
1 2 ↓
─
1 6
1 3 4
─────────
4 ) 5 3 6
4
─
1 3
1 2
─
1 6
1 6
─
0
答えは 536 ÷ 4 = 134。
ポイント: わられる数が 3けたでも 4けたでも、位が 1つふえるごとに「立てる → かける → ひく → おろす」を 1セット追加するだけ。手順そのものはぜんぜん変わりません。
536 ÷ 6をやってみましょう。
百の位の 5を 6 でわろうとすると…
6 × 1 = 6(5 をこえる)
百の位に商が立たない! こんなときは、百の位をとばして、十の位の 3 とあわせて「53」から始めます。
8 9
─────────
6 ) 5 3 6
4 8
─
5 6
5 4
─
2
答えは 536 ÷ 6 = 89 あまり 2。
注意:上の位で商が 立たないときは、その位に 0 を書かず、つぎの位と合わせて計算を始めます。商が 2けたになるのはこういうときです。
ぴったりわり切れない計算では、最後にのこった数があまりになります。
1 2 9
─────────
4 ) 5 1 7
4
─
1 1
8
─
3 7
3 6
─
1
答えは 517 ÷ 4 = 129 あまり 1。
ポイント:筆算の 最後にのこった数があまり。あまりは かならずわる数より小さい。もしあまりがわる数と同じや大きいになったら、商を 1 大きくする。
624 ÷ 6をやってみましょう。
1 0 4
─────────
6 ) 6 2 4
6
─
0 2
0 0
─
2 4
2 4
─
0
答えは 624 ÷ 6 = 104。
注意: とちゅうの位でわる数より 小さい数が出たら、その位の商は 0。0 を書きわすれないこと。書きわすれると答えが 14になってしまい、まったくちがう数になってしまいます。
筆算を始める前に、「答えがだいたいいくつぐらいか」を見当つけておくと、計算ミスに気づきやすくなります。
「5 × □ = 234」 になる □ を大ざっぱにさがします。
5 × 40 = 200(少し小さい) 5 × 50 = 250(少し大きい)
だから答えは 40 と 50 の間。実際に計算すると 234 ÷ 5 = 46 あまり 4。だいたい合っています。
| しき | 見当(だいたい) | 本当の答え |
|---|---|---|
| 357 ÷ 4 | 90 ぐらい(4 × 90 = 360) | 89 あまり 1 |
| 800 ÷ 9 | 90 ぐらい(9 × 90 = 810) | 88 あまり 8 |
| 612 ÷ 7 | 90 ぐらい(7 × 90 = 630) | 87 あまり 3 |
ポイント:商の見当は 「わる数を 2けたや何十にした九九」を思い出すとすぐつきます。これはつぎの 2けた ÷ 2けたの筆算でとくに役立ちます。
ここからは、わる数が 2けたになります。やり方は 1けたのときと同じですが、商を立てるところがちょっとむずかしい。
─────────
2 4 ) 9 6
「24 × □ = 96」 をさがします。24 をおおまかに 20 と見ると…
20 × 4 = 80(少し小さい) 20 × 5 = 100(少し大きい)
だから商はだいたい 4 か 5。
まず 4でやってみる。
24 × 4 = 96 → ぴったり!
4
─────────
2 4 ) 9 6
9 6
─
0
答えは 96 ÷ 24 = 4。
「45 × □ = 234」 を 45 を 50 と見てさがす。
50 × 4 = 200(OK) 50 × 5 = 250(少し大きい)
商はだいたい 4 か 5。
45 × 5 = 225(OK、234 をこえない)
234 − 225 = 9。あまり 9 はわる数 45 より小さいから OK。
5
─────────
4 5 ) 2 3 4
2 2 5
─
9
答えは 234 ÷ 45 = 5 あまり 9。
ポイント: 2けた ÷ 2けたの筆算では、わる数を 「およそ何十」 に見て、九九で商の見当をつけるのがコツ。これを 「仮の商」とか「おおよその商」と呼びます。
仮の商が 大きすぎたり 小さすぎたりすることがあります。そんなときは、商を 1 ずつ直す。
234 ÷ 45で、もし仮の商を 6にすると…
45 × 6 = 270
234 より大きい! 仮の商が大きすぎ。1 小さくして 5 にやり直します。
234 ÷ 45で、もし仮の商を 4にすると…
45 × 4 = 180 234 − 180 = 54
あまり 54 がわる数 45 と同じか大きい! これは もう 1人ぶん配れるということ。商を 1 大きくして 5 にやり直します。
注意: あまりがわる数と同じ/大きいときは、商がまだ小さいサイン。「もう 1個立つ」と思って 商を 1 ふやそう。
「48 × □ = 384」 を 48 を 50 と見て…
50 × 7 = 350(OK) 50 × 8 = 400(少し大きい)
商は 7 か 8。まず 8で試してみる。
48 × 8 = 384 → ぴったり!
8
─────────
4 8 ) 3 8 4
3 8 4
─
0
答えは 384 ÷ 48 = 8。
ポイント: わる数を 「ちょっと小さい何十」に見ると 商を大きめに立てがち、「ちょっと大きい何十」に見ると 商を小さめに立てがち。1 ずつ直すのはあたりまえと思って、こわがらずに試そう。
筆算が合っているかは、かけ算でたしかめる。これを 検算といいます。小3 のおさらい。
わる数 × 商 + あまり = わられる数
あまりがない場合は あまり = 0として同じ式を使います。
| わり算 | 検算 | OK? |
|---|---|---|
| 72 ÷ 3 = 24 | 3 × 24 + 0 = 72 | OK |
| 517 ÷ 4 = 129 あまり 1 | 4 × 129 + 1 = 516 + 1 = 517 | OK |
| 234 ÷ 45 = 5 あまり 9 | 45 × 5 + 9 = 225 + 9 = 234 | OK |
| 624 ÷ 6 = 104 | 6 × 104 + 0 = 624 | OK |
ポイント:大きなわり算ほどミスが起こりやすい。テストでわり算をときたら、かならず検算。1分の検算で計算ミスをふせげます。
「わる数」「商」「わられる数」 のどれかが わからない数(□)になっている問題をときましょう。
□ ÷ 4 = 12
「□ を 4 でわると 12」。これは 「4 が 12こあつまった数」ということ。だから…
□ = 4 × 12 = 48
たしかめ: 48 ÷ 4 = 12 OK。
72 ÷ □ = 8
「72 を □ でわると 8」。これは 「□ が 8こあつまると 72」ということ。だから…
□ = 72 ÷ 8 = 9
たしかめ: 72 ÷ 9 = 8 OK。
□ ÷ 7 = 12 あまり 3
検算の式からぎゃくに計算します。
□ = 7 × 12 + 3 = 84 + 3 = 87
たしかめ: 87 ÷ 7 = 12 あまり 3 OK。
ポイント: □ を求めるときは 「わり算のしくみからぎゃくにたどる」。「□ ÷ A = B」 なら □ = A × B、「A ÷ □ = B」 なら □ = A ÷ B。
あめが 432 個あります。6 人で同じ数ずつ分けると、1 人分は何個?
しき: 432 ÷ 6 = 72 答え: 1 人分 72 個
リボンが 208 cm あります。13 cm ずつ切ると、何本取れる?
しき: 208 ÷ 13 = 16 答え: 16 本
175 人の子どもを、1 台に 30 人ずつバスに乗せます。バスは何台必要?
しき: 175 ÷ 30 = 5 あまり 25
「5 台」だとあまり 25 人がのれない。だから もう 1 台追加して 6 台。
リボンが 175 cm あります。30 cmずつ切ってプレゼントを作ります。プレゼントは何個作れる?
しき: 175 ÷ 30 = 5 あまり 25
あまりの 25 cm は 30 cm にたりないからプレゼントにならない。答えは 5 個。
注意: あまりを 切り上げるか 切り捨てるかは、場面で決まります。「ぜんいん乗せるバス」なら切り上げ、「ぴったり切り出す物」なら切り捨て。計算の答えをそのまま書かず、場面に合わせて考えよう。
| つまずき | 直し方 |
|---|---|
| 一番上の位で商が立たない | その位をとばして、つぎの位と合わせる(商が 2けたになる) |
| とちゅうの位で商が 0 | 必ず 0 を書く。書きわすれるとけたがずれる |
| あまりがわる数と同じ/大きい | 商が小さすぎ。商を 1 大きく |
| 商 × わる数がわられる数をこえる | 商が大きすぎ。商を 1 小さく |
| 2けた ÷ 2けたで商が立てられない | わる数を 「およそ何十」 に見て九九で見当 |
| かけ算やひき算をまちがえる | 検算(わる数 × 商 + あまり)でたしかめる |
次の章: つぎは がい数 と 四捨五入を学びます。「だいたいいくつ?」 を上手につかむことは、ここで学んだ 商の見当にも直接つながります。