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「ものがどこにあるか」を言葉で伝えるのはむずかしいことがあります。「あそこ」「むこう」だけではわかってもらえません。 1 年生では「前・後ろ・左・右・上・下」といった 方向の言葉で位置を表すことを学びました。
4 年生では、もっと 正確に、もっと 誰にでも同じように伝わる方法を学びます。それが 「数をつかって位置を表す」方法です。
この章がおわるころには、つぎのことができるようになっています。
ポイント: この章のキーワードは 「基準点」と 「数の組」。「どこをスタートとするか」を決めて、「そこから何メートル、何ばん目」と言えば、世界のどこの場所でも数で表せるようになります。
クラスで体育の整列の場面を思い出してみましょう。みんなが 1 れつになってならんでいるとき、ひとりの場所を言うのはかんたんです。
先頭 → ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ← 後ろ
「前から 5 番目」と言えば、それでひとりに決まります。1 れつなら 1 つの数だけで位置が表せるのです。
下くつ箱が 1 だんだけなら、「右から 7 番目」で 1 こに決まります。本だなの 1 だんの中の本も、「左から 3 さつ目」で 1 さつに決まります。
ポイント: 「1 れつにならんでいる」場面では、1 つの数だけで位置が決まります。これを 「順序数(じゅんじょすう)」と言うこともあります。
ところが、ふだんの教室の座席はどうでしょうか。たてとよこに マス目のようにならんでいます。
よこ →
1 2 3 4 5
1 ○ ○ ○ ○ ○
た 2 ○ ○ ★ ○ ○
て 3 ○ ○ ○ ○ ○
↓ 4 ○ ○ ○ ○ ○
★ の子の場所を、「3 番目」とだけ言ったら、相手はどうこまるでしょうか? 「左から 3 番目の列ぜんぶ(4 人いる)」 か 「前から 3 番目のだんぜんぶ(5 人いる)」 かわかりません。
平面の上にものがあって、たてとよこに広がっている場面では、1 つの数だけでは位置が決まらないのです。
やってみよう:上の図の ★ の場所を、相手に 1 回で伝えるにはどう言ったらよい? 答えはつぎの節で。
★ の場所を正かくに伝えるには、「左から 3 番目、前から 2 番目」と言えばいい。2 つの数を言えば、マス目の中のたった 1 つに決まります。
これをかんたんに書くため、「(よこ 3、たて 2)」のように 2 つの数をペア(組)で書くやり方をつかいます。
よこ →
1 2 3 4 5
1 ○ ○ ○ ○ ○
た 2 ○ ○ ★ ○ ○ ← (よこ 3、たて 2)
て 3 ○ ○ ○ ○ ○
↓ 4 ○ ○ ○ ○ ○
ここで大切なことが 2 つあります。
この 2 つを決めておけば、相手と同じ場所を思いうかべられます。
ポイント:平面の上のものの位置は、基準点と 2 つの数で決まります。1 れつでは 1 つでよかったのが、たてとよこに広がると 2 つひつようになる、ということです。
座席やマス目では「何番目」という順序で表しましたが、もっと細かい場所を表すときは 「長さ」 をつかいます。
たとえば、体育館のゆかに旗を立てる場面。
[体育館を上から見た図]
よこ →
0m 5m
0m ┌────────────────┐
│ │
│ ● ←(旗の場所:よこ 3m、たて 4m)
│ │
5m └────────────────┘
↑
たて
体育館の 左おくのすみ を基準点にして、「そこからよこに 3 m、たてに 4 m」と言えば、旗の場所がぴたりと決まります。これも 2 つの数の組で位置を表すやり方です。
「右から何ばん目」が 順序の数だったのに対し、「左すみから 3 m」 は 長さの数。場面に合わせて数の種類は変わりますが、「基準点から 2 つの数」というしくみは同じです。
ポイント: マス目のように「番目」で数える場面でも、地図やゆかのように「長さ」で表す場面でも、基準点 + 2 つの数で位置が決まる、というしくみは同じです。
このしくみは、生活の中でたくさん使われています。
やってみよう:自分のクラスで「(よこ 3、たて 2)」と言ったら、誰の席か。教室の左まえのすみを「(1、1)」と決めて確かめてみよう。
平面の上では 2 つの数で位置が決まりました。では、立体(空間)の中ではどうでしょう?
たとえば、教室の中につるしたかざりの位置を伝える場面。
┌─────────┐ ← 天井
│ ★ │ ← かざり
│ │
│ │
└─────────┘ ← ゆか
ゆかだけで考えるなら「(よこ 3 m、たて 4 m)」でよかったけれど、かざりは空中にある。「ゆかから何 m の高さか」も言わないと場所が決まりません。
そこで:「よこ 3 m、たて 4 m、高さ 2 m」と 3 つの数で表します。立体の中では、たて・よこ・高さの 3 つの方向に広がるので、それぞれの数が 1 つずつひつようになるのです。
ポイント: 1 れつなら 1 つ、平面なら 2 つ、立体(空間)なら 3 つの数で位置が決まる、ということ。これは 1 つずつ 方向(次元)がふえるたびに、ひつような数が 1 つずつふえる、というしくみです。中学・高校で学ぶ 座標の考え方は、まさにこのしくみをそのまま使っています。
つぎはどこで使う?: 5 年生の 折れ線グラフや 6 年生の比例のグラフで、点の位置を「(よこ ◯、たて △)」と数の組で表します。中学では「(x、y)」「(x、y、z)」となり、地図アプリの 「緯度・経度」もこの考え方。立体の中の位置を 3 つの数で表すしくみは、ロボットやゲーム、3 D 設計など、これからの学びの大切な入り口です。